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■ 日本における「企業資本主義」の迷走!?

経営管理会計トピック
前々回」のドイツにおける「クラスター資本主義」、「前回」の中国における「国家資本主義」に続いて、今回は、日本における「企業資本主義」を取り上げます。
第2次世界大戦後から今日まで、様々な日本経済の様相の移り変わりがありました。
「傾斜生産方式」→「ドッジライン(自由競争の促進)」
「護送船団方式」「行政指導」→「規制緩和」
「株式持ち合いによる法人資本主義」→「IT産業などにみられる起業家による新陳代謝」
「銀行融資中心の間接金融(メインバング制度)」→「証券市場中心の直接金融」
「規格品の大量生産による加工貿易」→「グローバル・メガ・コンペティション」
一言で全てを言い表すことは難しいですが、「大企業」がケイレツ化されている中小企業や零細企業を含めて、企業グループの中において、ある種の非常に高い自治権を確立した経営状態にあるともいえます。
そこは、経営者およびミドルの絶え間ない努力の結果の賜物で、今日の日本経済があると思うのですが、最近、お上(かみ)から、個々の企業に対して、手足を縛るような規制(または暗黙の強制)や、意図的な関与が目立ってきたような気がするのは筆者だけでしょうか?

■ 企業統治(コーポレートガバナンス)強化を口実にした介入の正当性

筆者は特にリバタリアンではないのですが、昨今の企業統治強化の流れに、少々違和感を覚えています。

2014/12/12付 |日本経済新聞|朝刊
社外取締役会議創設を 企業統治指針 金融庁と東証、きょう最終案提示 経営関与へ連携促す

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「金融庁と東京証券取引所は上場企業に対し、社外取締役だけで構成する会議体を創設するよう促す。社外取締役の複数化と合わせて、12日にまとめる企業統治指針に盛り込む。役員の評価や報酬など経営陣とは話しにくい問題を自由に議論できるようにする。社外取締役が連携しやすい環境を整え、経営に積極関与できるようにする狙いだ。」
新聞記事内にて、特に目を引いたのが、次の3点。

① 社外取締役を2人以上確保
② 社外取締役のみで構成する会議体(エグゼクティブセッション)の設置
③ 社外取締役を3分の2以上に

件(くだん)の、「企業統治指針(案)」を、金融庁のホームページでも内容を確認してみました。
③は努力目標となりそうでしたが、少なくても①は強制対象となる感じです。
ガバナンス強化は、方向性としてはいいことだと思いますが、外部から強制される形での実現に異を唱えます。
なぜなら、下記、新聞記事と同様のことが発生する可能性があるからです。

2014/12/11付 |日本経済新聞|朝刊
(大機小機)数値目標が招く思考停止

「数値目標の設定は大事だ。抽象的な方向性を示すだけでは物事は進まないため、具体的な目標を掲げることが欠かせない。一方で、数値目標の達成自体が目的となり、本来の目的達成に逆効果となることもある。
女性の役員登用率の数値目標もその一つ。2012年の「クオータリー・ジャーナル・オブ・エコノミクス」によれば、ノルウェー政府が10年前から進めた女性活躍義務化政策の結果、上場企業の株価が一様に大きく下落したことが統計的に有意に実証されたという。大切なのは優秀な女性が正当に評価され働ける環境を作ることであり、女性経営者を増やすことがゴールではない。」
コーポレートガバナンスは、
「株主が経営者の非倫理的又は非効率的な行動を抑止するためには、株主と経営者との間の利害を一致させるか、両者の情報の非対称性を緩和する必要がある(WiKiより)」
というお題目には賛成しますが、その実現方法は、あくまで、株主が何らかの制度を利用して経営者をモニタリングできるシステムを、原則としてその企業の中で構築する自主性を尊重すべきです。
もし、株主にとって不十分なモニタリング・システムしか整備できていない会社があれば、自ずと、株主提案による自浄作用で改められるか、速やかに市場から退出させられるか、のいずれかです。

■ 公取委の規制強化と国交省の行政指導

当局からの経営への口出しの事例は、まだまだあります。

2014/12/11付 |日本経済新聞|夕刊
企業への公的支援 ゆがみ是正 公取委、来年にも指針 一部資産譲渡など促す

「公正取引委員会は2015年にも、公的機関が企業の再生を支援する際の指針をつくる。公的な支援を受けた企業が強くなりすぎて市場をゆがめるのを防ぐため、一部資産の売却を促すなど監督官庁と連携した措置の必要性を明記する。指針に法的な強制力はないが、監督官庁の対応や公的機関の活動に一定の影響を与えそうだ。」
この動きの背景は、民主党政権下で、日本航空に実施した公的支援が、競合の全日空と政敵の自民党から強く批判されたことに起因するものです。

2014/12/11付 |日本経済新聞|朝刊
スカイマーク、苦渋の決断 全日空にも提携要請発表 「国交省に譲歩」 日航含め共同運航、曲折も

「日本航空と提携交渉中のスカイマークは10日、全日本空輸にも提携を通じた支援を要請すると正式に発表した。日航との共同運航で年80億円としていた増収効果は最大で2倍になるという。日航単独の支援に難色を示していた国土交通省に背中を押された苦渋の決断だが、3社の思惑は交錯する。国内航空「第三極」の先行きはまだ見通せない。
「常識的にはありえない」「民間企業の論理とかけ離れている」――。スカイマークの西久保慎一社長は10日、日航と全日空の大手2社に共同支援を求める判断について、自らの本意ではないことを繰り返し強調した。
日航に相乗りする形で全日空が提携交渉に加わることで、当初は来年2月としていた共同運航の開始時期は早くても3~4月にずれ込む見込み。
日航との提携成立を目指していたスカイマークに待ったをかけたのは、許認可権限を握る国交省だ。民主党政権下で公的資金の注入を受けて再生を果たした日航がスカイマークと組んで事業を拡大することには、自民党議員からの反発が予想される。このため国交省は全日空を交えた共同支援か、全日空の単独支援に切り替えるよう促していた。」
当局が、経営支援のスキームを、当事者の意思に反して、強制するのは、逆に今度はいかがなものでしょう?共同運航開始がずれ込むまでの資金繰りは、一体だれが負担するのでしょうか? 一度掛け違えたボタンは、後遺症として、ずっと後を引くものです。

2014/12/12付 |日本経済新聞|朝刊
共同運航「5年限り」 国交省、日航・全日空に要請へ スカイマークの独立維持

「国土交通省は、日本航空と全日本空輸が検討しているスカイマークとの共同運航を5年限りとするよう求める。大手2社の影響力が続けば、経営の独立性が損なわれかねないと懸念しているためだ。」
「大手2社との共同運航で「最大160億円前後」(西久保慎一社長)とはじく増収策に期待する一方、無制限に続ければ経営の独立性が確保できなくなるとみる。そのため国交省は実施期間を5年に区切るなど共同運航に一定の条件を課す方針だ。路線計画や運賃設定に関わる部署へ人材を送らないよう求める案もある。」
さらに、経営支援のスキームだけでなく、支援内容にまで、口を出す始末。思いっきり市場原理が歪むのですが、最後に経済的損失を被るのは顧客と一般株主ではないでしょうか?

■ 事業の目利きは当局にできるのか?

官民ファンドというものの、成功の鍵は、「事業の目利き」をその道のプロに任せることです。政府ができること(やっていいこと、ともいう)は、公共政策として、公共財(施設や公的セクターにおける宣伝活動など)への投資でしょう。公共財とはプライベートセクターでは誰も投資してくれないが、いったん誰かが投資してくれると、皆がその便益にあずかれるものです。
しかし、今、足下で起きていることは、次のようなものです。

2014/4/9付 | 日本経済新聞 | 夕刊
「クールジャパン」に1500億円 映画や漫画、文化発信を支援 機構5年計画、長期資金を提供

「日本独自の映像事業や和食レストランなど、日本文化の発信につながる産業を支援する官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は、今後5年で1500億円を投資する事業計画を固めた。ベンチャー企業への出資や、映像制作など事業単体への投資を検討する。アジアで販路をつくるファッション企業や、映画の海外言語への吹き替え版制作などが対象になる。」

2014/9/26付 | 日本経済新聞 | 朝刊
若者文化、輸出後押し クールジャパン投資第1弾発表

「官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は25日、第1弾となる投資案件を発表した。機構は4件で140億円強を投じ、民間資金と合わせると最大約600億円の規模となる。日本のアニメやファッションなど海外で人気がある若者文化を産業として後押しする。
海外にマンガやフィギュアなどを売り込むベンチャー企業に出資する。インターネットで通信販売を営むトーキョーオタクモード(米デラウェア州)に機構が今後3年間で最大15億円を投資。民間のベンチャーキャピタルからも追加出資を募り、米国や東南アジアでの物流拠点の整備や、マーケティングの強化費用にあてる。同社は東京・秋葉原で人気のグッズなども英語で紹介している。」

2014/12/8付 | 日本経済新聞 | 夕刊
クールジャパン機構、「一風堂」に10億円提供 博多ラーメン、欧州へ出店支援

「日本文化を海外に売り込む官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は、博多ラーメンの一風堂に資金を提供する。欧州での出店を支援し、日本酒や焼酎など和食の関連食材も幅広く販売する。リスクを伴う飲食の海外展開には民間金融機関の資金がつきづらく、同機構が支えることにした。」
アニメやラーメンは立派な日本文化で、筆者も大好きです。しかし、当局にその目利きができるとは思いません。
海外で受けている「ジャパニメーション(日本のアニメの総称)」の多くは、「サブカルチャー」で、「サブカルチャー」というものは、そもそも体制に迎合せず、時のエスタブリッシュメントに対抗して生まれたものです。本ブログでは、その濃い内容に言及するのは避けますが、世界のエンターテイメントには、表現に対する様々な規制があり、ディズニー映画も韓流ドラマも、最初から、世界の規制を見越した(商業的成功を期待した)作品作りがなされています。
簡単にクールジャパンとして、「ジャパニメーション」を世界に売り込もうとするなら、その辺の「「サブカル」体質を変容させないといけません。「サブカル」体質を捨て去った「ジャパニメーション」がそのまま世界に受け入れられるでしょうか? また、そのような体制に取り込まれたアニメを現場が作りたがるでしょうか?
そういう部分にまで、配慮しないと「文化」は「輸出品」になり得ません。
ドイツ、中国、日本と、最近の企業経営にまつわる話を、最近の新聞記事から拾ってみましたが、読者の方々の経済分析に少しでも役立ててもらえたらと思います。

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小林 友昭経済動向を会計で読む■ 日本における「企業資本主義」の迷走!? 「前々回」のドイツにおける「クラスター資本主義」、「前回」の中国における「国家資本主義」に続いて、今回は、日本における「企業資本主義」を取り上げます。 第2次世界大戦後から今日まで、様々な日本経済の様相の移り変わりがありました。 「傾斜生産方式」→「ドッジライン(自由競争の促進)」 「護送船団方式」「行政指導」→「規制緩和」 「株式持ち合いによる法人資本主義」→「IT産業などにみられる起業家による新陳代謝」 「銀行融資中心の間接金融(メインバング制度)」→「証券市場中心の直接金融」 「規格品の大量生産による加工貿易」→「グローバル・メガ・コンペティション」 一言で全てを言い表すことは難しいですが、「大企業」がケイレツ化されている中小企業や零細企業を含めて、企業グループの中において、ある種の非常に高い自治権を確立した経営状態にあるともいえます。 そこは、経営者およびミドルの絶え間ない努力の結果の賜物で、今日の日本経済があると思うのですが、最近、お上(かみ)から、個々の企業に対して、手足を縛るような規制(または暗黙の強制)や、意図的な関与が目立ってきたような気がするのは筆者だけでしょうか? ■ 企業統治(コーポレートガバナンス)強化を口実にした介入の正当性 筆者は特にリバタリアンではないのですが、昨今の企業統治強化の流れに、少々違和感を覚えています。 2014/12/12付 |日本経済新聞|朝刊 社外取締役会議創設を 企業統治指針 金融庁と東証、きょう最終案提示 経営関与へ連携促す (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 「金融庁と東京証券取引所は上場企業に対し、社外取締役だけで構成する会議体を創設するよう促す。社外取締役の複数化と合わせて、12日にまとめる企業統治指針に盛り込む。役員の評価や報酬など経営陣とは話しにくい問題を自由に議論できるようにする。社外取締役が連携しやすい環境を整え、経営に積極関与できるようにする狙いだ。」 新聞記事内にて、特に目を引いたのが、次の3点。 ① 社外取締役を2人以上確保 ② 社外取締役のみで構成する会議体(エグゼクティブセッション)の設置 ③ 社外取締役を3分の2以上に 件(くだん)の、「企業統治指針(案)」を、金融庁のホームページでも内容を確認してみました。 ③は努力目標となりそうでしたが、少なくても①は強制対象となる感じです。 ガバナンス強化は、方向性としてはいいことだと思いますが、外部から強制される形での実現に異を唱えます。 なぜなら、下記、新聞記事と同様のことが発生する可能性があるからです。 2014/12/11付 |日本経済新聞|朝刊 (大機小機)数値目標が招く思考停止 「数値目標の設定は大事だ。抽象的な方向性を示すだけでは物事は進まないため、具体的な目標を掲げることが欠かせない。一方で、数値目標の達成自体が目的となり、本来の目的達成に逆効果となることもある。 女性の役員登用率の数値目標もその一つ。2012年の「クオータリー・ジャーナル・オブ・エコノミクス」によれば、ノルウェー政府が10年前から進めた女性活躍義務化政策の結果、上場企業の株価が一様に大きく下落したことが統計的に有意に実証されたという。大切なのは優秀な女性が正当に評価され働ける環境を作ることであり、女性経営者を増やすことがゴールではない。」 コーポレートガバナンスは、 「株主が経営者の非倫理的又は非効率的な行動を抑止するためには、株主と経営者との間の利害を一致させるか、両者の情報の非対称性を緩和する必要がある(WiKiより)」 というお題目には賛成しますが、その実現方法は、あくまで、株主が何らかの制度を利用して経営者をモニタリングできるシステムを、原則としてその企業の中で構築する自主性を尊重すべきです。 もし、株主にとって不十分なモニタリング・システムしか整備できていない会社があれば、自ずと、株主提案による自浄作用で改められるか、速やかに市場から退出させられるか、のいずれかです。 ■ 公取委の規制強化と国交省の行政指導 当局からの経営への口出しの事例は、まだまだあります。 2014/12/11付 |日本経済新聞|夕刊 企業への公的支援 ゆがみ是正 公取委、来年にも指針 一部資産譲渡など促す 「公正取引委員会は2015年にも、公的機関が企業の再生を支援する際の指針をつくる。公的な支援を受けた企業が強くなりすぎて市場をゆがめるのを防ぐため、一部資産の売却を促すなど監督官庁と連携した措置の必要性を明記する。指針に法的な強制力はないが、監督官庁の対応や公的機関の活動に一定の影響を与えそうだ。」 この動きの背景は、民主党政権下で、日本航空に実施した公的支援が、競合の全日空と政敵の自民党から強く批判されたことに起因するものです。 2014/12/11付 |日本経済新聞|朝刊 スカイマーク、苦渋の決断 全日空にも提携要請発表 「国交省に譲歩」 日航含め共同運航、曲折も 「日本航空と提携交渉中のスカイマークは10日、全日本空輸にも提携を通じた支援を要請すると正式に発表した。日航との共同運航で年80億円としていた増収効果は最大で2倍になるという。日航単独の支援に難色を示していた国土交通省に背中を押された苦渋の決断だが、3社の思惑は交錯する。国内航空「第三極」の先行きはまだ見通せない。 「常識的にはありえない」「民間企業の論理とかけ離れている」――。スカイマークの西久保慎一社長は10日、日航と全日空の大手2社に共同支援を求める判断について、自らの本意ではないことを繰り返し強調した。 日航に相乗りする形で全日空が提携交渉に加わることで、当初は来年2月としていた共同運航の開始時期は早くても3~4月にずれ込む見込み。 日航との提携成立を目指していたスカイマークに待ったをかけたのは、許認可権限を握る国交省だ。民主党政権下で公的資金の注入を受けて再生を果たした日航がスカイマークと組んで事業を拡大することには、自民党議員からの反発が予想される。このため国交省は全日空を交えた共同支援か、全日空の単独支援に切り替えるよう促していた。」 当局が、経営支援のスキームを、当事者の意思に反して、強制するのは、逆に今度はいかがなものでしょう?共同運航開始がずれ込むまでの資金繰りは、一体だれが負担するのでしょうか? 一度掛け違えたボタンは、後遺症として、ずっと後を引くものです。 2014/12/12付 |日本経済新聞|朝刊 共同運航「5年限り」 国交省、日航・全日空に要請へ スカイマークの独立維持 「国土交通省は、日本航空と全日本空輸が検討しているスカイマークとの共同運航を5年限りとするよう求める。大手2社の影響力が続けば、経営の独立性が損なわれかねないと懸念しているためだ。」 「大手2社との共同運航で「最大160億円前後」(西久保慎一社長)とはじく増収策に期待する一方、無制限に続ければ経営の独立性が確保できなくなるとみる。そのため国交省は実施期間を5年に区切るなど共同運航に一定の条件を課す方針だ。路線計画や運賃設定に関わる部署へ人材を送らないよう求める案もある。」 さらに、経営支援のスキームだけでなく、支援内容にまで、口を出す始末。思いっきり市場原理が歪むのですが、最後に経済的損失を被るのは顧客と一般株主ではないでしょうか? ■ 事業の目利きは当局にできるのか? 官民ファンドというものの、成功の鍵は、「事業の目利き」をその道のプロに任せることです。政府ができること(やっていいこと、ともいう)は、公共政策として、公共財(施設や公的セクターにおける宣伝活動など)への投資でしょう。公共財とはプライベートセクターでは誰も投資してくれないが、いったん誰かが投資してくれると、皆がその便益にあずかれるものです。 しかし、今、足下で起きていることは、次のようなものです。 2014/4/9付 | 日本経済新聞 | 夕刊 「クールジャパン」に1500億円 映画や漫画、文化発信を支援 機構5年計画、長期資金を提供 「日本独自の映像事業や和食レストランなど、日本文化の発信につながる産業を支援する官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)は、今後5年で1500億円を投資する事業計画を固めた。ベンチャー企業への出資や、映像制作など事業単体への投資を検討する。アジアで販路をつくるファッション企業や、映画の海外言語への吹き替え版制作などが対象になる。」 2014/9/26付 | 日本経済新聞 | 朝刊 若者文化、輸出後押し クールジャパン投資第1弾発表 「官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は25日、第1弾となる投資案件を発表した。機構は4件で140億円強を投じ、民間資金と合わせると最大約600億円の規模となる。日本のアニメやファッションなど海外で人気がある若者文化を産業として後押しする。 海外にマンガやフィギュアなどを売り込むベンチャー企業に出資する。インターネットで通信販売を営むトーキョーオタクモード(米デラウェア州)に機構が今後3年間で最大15億円を投資。民間のベンチャーキャピタルからも追加出資を募り、米国や東南アジアでの物流拠点の整備や、マーケティングの強化費用にあてる。同社は東京・秋葉原で人気のグッズなども英語で紹介している。」 2014/12/8付 | 日本経済新聞 | 夕刊 クールジャパン機構、「一風堂」に10億円提供 博多ラーメン、欧州へ出店支援 「日本文化を海外に売り込む官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は、博多ラーメンの一風堂に資金を提供する。欧州での出店を支援し、日本酒や焼酎など和食の関連食材も幅広く販売する。リスクを伴う飲食の海外展開には民間金融機関の資金がつきづらく、同機構が支えることにした。」 アニメやラーメンは立派な日本文化で、筆者も大好きです。しかし、当局にその目利きができるとは思いません。 海外で受けている「ジャパニメーション(日本のアニメの総称)」の多くは、「サブカルチャー」で、「サブカルチャー」というものは、そもそも体制に迎合せず、時のエスタブリッシュメントに対抗して生まれたものです。本ブログでは、その濃い内容に言及するのは避けますが、世界のエンターテイメントには、表現に対する様々な規制があり、ディズニー映画も韓流ドラマも、最初から、世界の規制を見越した(商業的成功を期待した)作品作りがなされています。 簡単にクールジャパンとして、「ジャパニメーション」を世界に売り込もうとするなら、その辺の「「サブカル」体質を変容させないといけません。「サブカル」体質を捨て去った「ジャパニメーション」がそのまま世界に受け入れられるでしょうか? また、そのような体制に取り込まれたアニメを現場が作りたがるでしょうか? そういう部分にまで、配慮しないと「文化」は「輸出品」になり得ません。 ドイツ、中国、日本と、最近の企業経営にまつわる話を、最近の新聞記事から拾ってみましたが、読者の方々の経済分析に少しでも役立ててもらえたらと思います。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します