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■ CFOは教育機関の教育で育成できるか?

経営管理会計トピック
日経新聞(夕刊)の一面に、CFOを大学で育成するという記事が掲載されました。
「一橋大学は日本取引所グループと協力し、企業の最高財務責任者(CFO)を育成する。CFOは資金の調達や使途など財務戦略を統括する役職で、最近は投資家との対話や資本効率の向上など幅の広い役割が求められている。一橋大などは企業の稼ぐ力を高めるには優秀なCFOの育成が不可欠だと判断し、産業界の協力も得て産学連携で育成事業に取り組む。」

2014/12/1付 |日本経済新聞|夕刊
財務責任者 大学で育成 一橋大が日本取引所とCFO講座 講師に有力企業トップ、稼ぐ力を高める

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

CFOは果たして、座学で育成することができるのでしょうか。CFOとは、ファイナンスに限らず、ビジネス経験を積んだ後、自然と「なる」、または「なれる」素養が身につくものではないでしょうか。

■ (確認)CFOとは

日本経済新聞の記事には、合わせてCFOの定義が掲載されていましたので引用します。
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企業の資金管理や投資戦略の判断を行う役員で、Chief Financial Officerの略。「最高財務責任者」と訳す。米国企業の役員の一つで、日本でも米国型の経営を目指す企業の間でこの役職を置く動きが広がっている。M&A(合併・買収)などの資本戦略を担当するうえ、企業価値向上へ株主などとの対話も担う。
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「資本戦略」と「企業価値向上」がミッションのようです。
もう少し、詳しく見てみましょうか? 今度は、「CFO協会」のホームページにある資料から(一部筆者による字句整理あり)、「CFOとは」について説明を付します。
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企業価値の向上を図ると共に、世界の基準に合わせた透明性を確保する財務管理力を強化し、さらには財務戦略を経営戦略に取りこみ企業活動をマネジメントしていく。
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おそらく、先述の「資本戦略」と「財務戦略」はほぼ同義でしょう。
同協会のホームページにあるチャートを参考に、筆者なりの解釈を加えてCFOのポジションを図解してみました。
 経営管理会計トピック_CFOのポジショニング

■ 「資本戦略」・「財務戦略」とは

では、今度は、「財務戦略」とは何か、について疑問が生じます。引き続き、「財務戦略とは」について、同「CFO協会」のホームページにあるチャートを筆者なりに改題したものを下記にお示しします。
(参考:CFOとは何か
経営管理会計トピック_財務戦略とは 
 
筆者の考えるCFOのミッションは、この3つです。

① 資本コストの低減
② 最適事業ポートフォリオの構成
③ 企業価値最大化のための資金配分計画の立案

① 資本コストの低減
いい意味で手段を選ばす、必要があればIRで株主に自社の魅力を説明して資金協力を仰ぎ、最新の金融手法も丹念に検討して、負債と資本のバランスを最適化する。
② 最適事業ポートフォリオの構成
それぞれの事業責任者やCEOの事業への目利きを、ファイナンス視点でサポートする。キャッシュ速度(投下資本の回収スピード)と、将来のキャッシュ・イン・フローの最大化の見通しを関係者に説明する。
③ 企業価値最大化のための資金配分計画の立案
M&A、事業撤退、設備投資計画、配当政策、借入政策、国際税務戦略などの領域にて、会社の内外のキャッシュバランスを、時間軸(過去、現在そして将来)で最適化する。 

■ 最初に戻ってCFOは育成できるのか

今回の試みは、
「講師としてセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長、東京海上ホールディングスの隅修三会長など経済界の協力を仰ぎ、実務に即した講義をする。日本取引所の斉藤惇・最高経営責任者も講師を務めることで調整している。」
「三菱商事の小島順彦会長や住友電気工業の松本正義社長、東京証券取引所の清田瞭社長は講座の監修で協力する方向だ。」
ということで、実務に即したカリキュラムと、実務家によるレクチャーが盛り込まれるということで、実効性のある試みになることを心より期待しております。
最後に、筆者の個人的な意見でいえば、会計・経理のテクニックを身に着けたヒトよりは、実際に事業サイド出身(販売・サービスで顧客視点を持っている人、生産・商品企画など、提供価値の視点を持っている人、ロジスティクス・ITなど、プロセス改善の視点を持っている人)の人材がこうした教育を受けてCFOになるのがいいのでは、と考えています。
つまり、「会計テクニック」より「ビジネスセンス」がよりCFOには必要という意見です。
同意や反論お待ちしています。本ブロク右サイドの「問い合わせフォーム」にてご意見ください。
(氏名、メアドは秘匿性ありますのでご安心ください)

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小林 友昭経済動向を会計で読む■ CFOは教育機関の教育で育成できるか? 日経新聞(夕刊)の一面に、CFOを大学で育成するという記事が掲載されました。 「一橋大学は日本取引所グループと協力し、企業の最高財務責任者(CFO)を育成する。CFOは資金の調達や使途など財務戦略を統括する役職で、最近は投資家との対話や資本効率の向上など幅の広い役割が求められている。一橋大などは企業の稼ぐ力を高めるには優秀なCFOの育成が不可欠だと判断し、産業界の協力も得て産学連携で育成事業に取り組む。」 2014/12/1付 |日本経済新聞|夕刊 財務責任者 大学で育成 一橋大が日本取引所とCFO講座 講師に有力企業トップ、稼ぐ力を高める(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます CFOは果たして、座学で育成することができるのでしょうか。CFOとは、ファイナンスに限らず、ビジネス経験を積んだ後、自然と「なる」、または「なれる」素養が身につくものではないでしょうか。 ■ (確認)CFOとは日本経済新聞の記事には、合わせてCFOの定義が掲載されていましたので引用します。 ---------------------------------------------- 企業の資金管理や投資戦略の判断を行う役員で、Chief Financial Officerの略。「最高財務責任者」と訳す。米国企業の役員の一つで、日本でも米国型の経営を目指す企業の間でこの役職を置く動きが広がっている。M&A(合併・買収)などの資本戦略を担当するうえ、企業価値向上へ株主などとの対話も担う。 ---------------------------------------------- 「資本戦略」と「企業価値向上」がミッションのようです。 もう少し、詳しく見てみましょうか? 今度は、「CFO協会」のホームページにある資料から(一部筆者による字句整理あり)、「CFOとは」について説明を付します。 ---------------------------------------------- 企業価値の向上を図ると共に、世界の基準に合わせた透明性を確保する財務管理力を強化し、さらには財務戦略を経営戦略に取りこみ企業活動をマネジメントしていく。 ---------------------------------------------- おそらく、先述の「資本戦略」と「財務戦略」はほぼ同義でしょう。 同協会のホームページにあるチャートを参考に、筆者なりの解釈を加えてCFOのポジションを図解してみました。   ■ 「資本戦略」・「財務戦略」とはでは、今度は、「財務戦略」とは何か、について疑問が生じます。引き続き、「財務戦略とは」について、同「CFO協会」のホームページにあるチャートを筆者なりに改題したものを下記にお示しします。 (参考:CFOとは何か)     筆者の考えるCFOのミッションは、この3つです。 ① 資本コストの低減 ② 最適事業ポートフォリオの構成 ③ 企業価値最大化のための資金配分計画の立案 ① 資本コストの低減 いい意味で手段を選ばす、必要があればIRで株主に自社の魅力を説明して資金協力を仰ぎ、最新の金融手法も丹念に検討して、負債と資本のバランスを最適化する。 ② 最適事業ポートフォリオの構成 それぞれの事業責任者やCEOの事業への目利きを、ファイナンス視点でサポートする。キャッシュ速度(投下資本の回収スピード)と、将来のキャッシュ・イン・フローの最大化の見通しを関係者に説明する。 ③ 企業価値最大化のための資金配分計画の立案 M&A、事業撤退、設備投資計画、配当政策、借入政策、国際税務戦略などの領域にて、会社の内外のキャッシュバランスを、時間軸(過去、現在そして将来)で最適化する。  ■ 最初に戻ってCFOは育成できるのか今回の試みは、 「講師としてセブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長、東京海上ホールディングスの隅修三会長など経済界の協力を仰ぎ、実務に即した講義をする。日本取引所の斉藤惇・最高経営責任者も講師を務めることで調整している。」 「三菱商事の小島順彦会長や住友電気工業の松本正義社長、東京証券取引所の清田瞭社長は講座の監修で協力する方向だ。」 ということで、実務に即したカリキュラムと、実務家によるレクチャーが盛り込まれるということで、実効性のある試みになることを心より期待しております。 最後に、筆者の個人的な意見でいえば、会計・経理のテクニックを身に着けたヒトよりは、実際に事業サイド出身(販売・サービスで顧客視点を持っている人、生産・商品企画など、提供価値の視点を持っている人、ロジスティクス・ITなど、プロセス改善の視点を持っている人)の人材がこうした教育を受けてCFOになるのがいいのでは、と考えています。 つまり、「会計テクニック」より「ビジネスセンス」がよりCFOには必要という意見です。 同意や反論お待ちしています。本ブロク右サイドの「問い合わせフォーム」にてご意見ください。 (氏名、メアドは秘匿性ありますのでご安心ください)現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します