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アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉(39)全ての悩みは対人関係の課題である

本レビュー
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■ 人は観客がいない所で生活することはできない。

コンサルタントのつぶやき

すべての悩みは対人関係の課題である。
仙人のような世捨て人さえも、
実は他人の目を気にしているのだ。

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アドラー心理学では、

① 仕事
② 交友
③ 愛

の3つの問題にいずれかに分類できない人生の問題はない、とされています。

本書には次のようなエピソードが紹介されています。

ある村に世俗的な欲望を捨てた仙人のような人がいました。彼は村に住むことを拒絶し、山中に掘立小屋を建てて、たった一人で自給自足の生活を始めました。村人たちとの交流に意味を感じていないが故の行動でした。ある日、その村が大火事に見舞われ、村はすっかり荒れ果ててしまいました。村人たちはその土地を捨てて、他の土地に移住することにしました。すると、驚いたことに、仙人のような世捨て人までもが移住して、新しく作られた村を見下ろす新たな山に引っ越したのです。

世捨て人は、決して人間関係を捨てたわけではなかったのです。

彼は、「世俗の欲望を捨てた仙人のように『清らかな』で『優れた』人間である」という評判を村人から受けることを欲していたのです。そのために世捨て人になったのでした。ですから、村人という「観客」がいない場所で生きることに耐えられなかったのです。

このエピソードから、一見して対人関係とは全く無縁に思える問題や悩みがあったとしても、その悩みや問題の真因には必ず対人関係の問題があり、対人関係の課題に帰結していくのです。

それはアドラーが人は「承認欲求」を欲してやまない存在であることを喝破しているからです。誰かに努力を認めてもらいたい、誰かに行動(プロセス)とその結果(業績・成果)を褒めてもらいたい、誰かに好かれる・愛すべき人格であることを賞賛してほしい、そういう欲を充たすために行動するのが人間だ、と言っているのです。

人間は「社会的動物」である、という言説も昔から存在します。そもそも、日本語の「人間」は、「ヒト」という個体を表すと共に、漢語で「じんかん」と発音する場合には、「世の中、社会」を意味します。この「個体」と「社会」を同時に表現する「人間」という言葉。ごく自然に使っていた日常用語も、気をつけてみると、意外にも、違った印象を受けてビックリすることがあります。

これは私の言葉。
『「ヒト」の悩みは、すべて「人間」であることに起因する悩みである。』

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