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アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉(80)共同体感覚のためには、上司に迎合しなくてはいけないのか?

本レビュー
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■ 目的論で考えた時、目先の人に認めてもらいたくなる衝動を抑えられるか?

コンサルタントのつぶやき

理不尽な上司や学校の先生に、
むりやり認めてもらう必要はない。
市場価値の高い人になればいい。
より大きな共同体で考えればいいのだ。

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アドラーは、「共同体感覚を高めることが幸福になる唯一の道である」、そう説きました。その言説だけを愚直に実行に移すとなると、自分の考えや主義主張を捨て去り、認めてほしい上司や会社、友人や家族に迎合することが必要ではないかと考えがちになってしまいます。アドラーは決して、理不尽な上司や先生、親に異を唱えることを妨げず、むしろ、自分の意見を主体的に持ち、それに従って行動することを推奨しています。

共同体というのは、小さな家族や交友の場、職場という単位から、地域コミュニティ、大きなサークル集団、会社、更には国家やグローバル組織と、大小様々です。人は、人間関係からの悩みから解放されることは決してない。人間関係の悩みから不幸を感じるということは、社会に居場所がないから。居場所を見つけるには「共同体感覚」を養うこと。それを養うには、「他者貢献」を進んで実践すること。こういう順序でこれまで説明をしてきました。

そして、「他者貢献」から先、てっとり早く貢献度を認めてもらうためには、理不尽な他人の要求を呑んでしまえば本当にそれでいいのか、という冒頭の文章につながります。

前回、あなたの行動原理として、どういう選択肢を採った方がよいか判断に迷う時は、より大きな集団の利益になるように考えればよいと説明しました。ここでもその論法は生きています。目の前の理不尽な上司や顧客の言い分を飲み込むよりは、毅然と自分の正しいと思う道を選択すべきです。

もし、あなたの判断が正しく、目先の小集団の利益だけでなく、広く社会一般に受け入れられるものであったとしたら、より大きな組織から必要な人材となって、目先の小さな集団からの無茶ブリにもはや答える必要はなくなります。

ビジネスパーソンの身近な例で説明すると、どう考えても理に適っていない業務命令を出してくる上司には、理路整然とその非を説きます。あなたの正しいと思う見解を誠実な言動で伝えてみてください。それでも、その意見を取り入れることができない上司はそれまでの器です。そういうより大きな集団の利益(公益)を考えるあなたの人材価値は高いものになっており、その理不尽上司が居座る会社組織に収まらない器量に自然となっているはずです。さすれば、他所の会社から引く手あまたの人材価値を有しているということで、転職市場で、ちょっと転職活動をしてみれば、すぐさま、あなたが望む転職先が見つかることでしょう。

ただ、ひとつだけ注意して頂きたいのは、あなたが「会社を辞めたい」という目的が先に立って、上記のような上司との対立構造を形成していないか、それは冷静に分析する必要があります。アドラー流に言わせれば、人間は、「目的」のためには、自分の中の正義感や善悪の判断基準も曇らせてしまう生き物ですから。

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