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“感動分岐点”を超えろ! はままつフラワーパーク・塚本こなみ 2015年4月30日OA TX カンブリア宮殿

TV番組レビュー
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■ リピーター続出の驚き再生術!

コンサルタントのつぶやき

「感動分岐点」

経営にも「損益分岐点」があるように、心の中にも、「この程度でないと感動しない」という分岐点がある。

一年中、花が見ごろということはないので、塚本さんが園長として再生を請け負った「あしかがフラワーパーク」は、変動料金制。
・花の見ごろの3月~6月は、600~1000円。
・暑くて外出したくない夏の7~9月は、無料。
・寒くて億劫な秋冬の10~2月は、500円で、500円のお買物券付。

それでも、園内の販売店での楽しいお買い物が500円で済むはずないので、テーマパークとしてはしっかり収入を確保している。従来の年間を通して800円という固定料金(固定概念)を払しょくしたテーマパーク経営。全ては、お客様の満足のために。

塚本さんが理事長を引き受けた時に調べたところ、年間入場者の65~70%は春、7月は2%に過ぎず、きちんとこうした事前の調査結果を踏まえた料金設定なのであります。

そこそこ美しいではダメ! お客様にも訴求し、従業員の意識改革のためにも新たなキャッチコピーを考えられました。

「世界一美しい 桜とチューリップの庭園」

なんでも、再生を請け負った当初、従業員にフラワーパークのいい所(売り)を挙げてもらったそうです。そこで、従業員は、いろいろと「○○がきれい」「温室があります」と、セールスポイントを次々と列挙していきました。それを聞いて塚本さんは一言。

「なんでもある、は何にもないのと同じ」

そこで、「世界一」と宣言しよう! というリードをされました。従業員には「本当に『世界一』と言ってしまっていいのか」と逡巡(しゅんじゅん)があったそうです。そこで塚本さんは、「世界一を作ればよい。世界一にすればよい」と従業員を鼓舞されたそうです。

「迷わず目指すものをきちんと明確に旗を上げた」

「いろいろあるでなく、“圧倒的”をひとつつくればよい」

何と明確なマーケティング目標と従業員のモラル管理なのでしょう。

 

■ お客様を呼ぶ驚き宣伝術!

あしかがフラワーパークの「藤」を一人でも多くのお客様に見てもらうために、奇手を思いつく。足利フラワーパークの近在の「藤」の名所と言われる、埼玉・春日部市「牛島の藤」、群馬・藤岡市「ふじの咲く丘」、東京・江東区「亀戸天神社」の周りで「あしかがフラワーパークの世界一美しい藤のガーデン」のチラシを60万部も配布。

牛島の藤

牛島の藤:http://www.ushijimanofuji.co.jp/ennai.html

ご当地の「藤」を誇りに思っている近在の住民は、一度「あしかがフラワーパーク」の藤を見ないと、どっちが世界一か比較できないと、来園を促す。ライバル園の地元住民に、あしかがフラワーパークまで足を運ばせることに成功。こうして、20万人だった入場者数を110万人にまで伸ばすことができました。

塚本さんいわく、「最小限の広告費用で最大限の効果を生むためにはこの策しかなかった」

 

■ 従業員のやる気を引き出す管理術!

「木の魅力に憑りつかれた理由は?」との問いに対し、「従来の造園業者は受注することにやっきになっていた。樹木は植えて終わりではない。育てていくことが大事と気づいた。これなら私にもできる」。こうして、女性初の樹木医の資格を取られたそうです。

44歳で始めて「藤」の移植を手掛けた際、チームを構成していたのが、50~60代の庭師の面々。ここで、オーナーの目前でチームメンバに宣言した言葉が、

私の指示通りにやってください
まずやり方を説明しますから
もっといいやり方があったら教えてください
ただし、最終的に私が決めた事には従って頂きます
この移植は上手くいったら皆さんのおかげ
失敗したら私の責任です

コミットメント経営そのものですね。

2つのフラワーパークの再生を請け負われましたが、施設と同時に人の心も変えていく。
従業員(職員、職人)のやる気に大きな変化が。皆が、「お客様の喜んでもらいたい」一心で仕事をするようになったのです。それもこれもココロを動かす叱り方、を心得ているから。

愛知・江南市「曼荼羅寺」の藤の再生を請け負ったとき、二人の職人の意識改革に成功。
「金額が安いので、ここまでしかできない、それが自分の手一杯だった」と言わしめた職人のやる気をひきだす。「花を咲かせることができない人は何十年やっても下手くそ。花を咲かせてから文句を言え」と言って、職人2人にカンフル剤を打った。

塚本さんいわく、
「なにくそ、と思う所に火をつける。ストレートに分かりやすく言う。仕事というのは結果を出すこと。それと責任を持つこと」
そうすると、人は動くそうです。

「350日一生懸命丹精込めてたった10日の美しい花とお客の笑顔。それを実感させてくれるからありがたい。自分も人も感動してくれればそれが生きがいになる。毎年、私が一番お客様より感動している」

最後に、村上龍氏の編集後記から
「塚本さんは、困難を極めるという「藤の移植」を成功させ、しかもフラワーパークの経営状態を劇的に改善させた。なぜそんなことが可能だったのか。おそらく、もの言わぬ樹木との「対話」を通して、想像力と決断力が磨かれたのだと思う。想像力によって正統な危機感を抱き、戦略を立て、さまざまな決断を下す、それは優れた経営者に共通の特質である。」

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