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■ 笑顔と仲間が増える異色のテーマ旅

コンサルタントのつぶやき_アイキャッチ

年間利用者420万人。人気の旅行会社に。リピーターが多いのが特徴。その理由は旅行企画がユニークであること。スケッチの旅、東海道を歩く旅などなど。楽しいツアーを企画できるのは、クラブツーリズムのスタッフィングにあった。社員のデスクには、「写真チーム」「こころチーム」の名札が。クラブツーリズム最大の特徴は行き先別ではなく、「テーマ旅」。テーマを立てて旅を企画していること。例えば、「歴史・街道チーム」が立案するツアー企画は、有名なお城だけでなく、無名な聞いたことのない城巡り(三重県赤木城)もマニアックなツアーに仕立てているのが真骨頂だ。

岡本邦夫_カンブリア宮殿_20150813

番組公式ホームページより

そんなこだわりのスタッフがつくる旅のテーマは約30。「登山」「街道歩き」「写真撮影」「島」「ダンス」「スケッチ」「美食」「音楽」「寺社仏閣」「ひとり限定」などなど。様々な趣味や嗜好に対応することができる。

実はクラブツーリズムの旅の出発地はとても多い。埼玉県だけで36ヵ所、全国ではなんと600ヵ所もある。実際に、ツアー企画者が旅に同行する。「実際に歩いて話をしていると、お客が何に喜んでいるか分かってくる。それをツアーに活かせるようにする」

クラブツーリズムにはもっと旅を楽しくする仕掛けがある。旅での出会いは旅の醍醐味だが、その仲間作りを支援するもの、旅をもっと楽しくする仲間を作るための仕掛けが旅に出発する前にある。そらが「旅の文化カレッジ」。いわゆるカルチャーセンターだが、スケッチが好きな人はここでスケッチの基礎を学ぶなど、スケッチをテーマにした旅をより楽しみ、旅の満足度をより深める講座が充実している。さらに、一緒に学ぶから旅に出かける前に仲間もできる。こうした講座は年間150種類。

 

■ リピーター続出 人生を豊かにする旅の秘密

そうした常連客を旅に誘うのは「旅の友」。クラブツーリズムが発行する無料のカタログ雑誌だ。毎月300万世帯に配られている。クラブツーリズムは店舗を持たない。旅の通販の専門会社だ。年商1622億円と旅行会社としては中堅だが、旅行会社としては独自の地位を築いている。クラブツーリズムの理念を聞いてみた。

「旅を通じた仲間作りがコンセプト。昔は“地縁”、“血縁”、“職場縁”で人間関係ができていた。それが今は変わって人と人がつながる“仲間縁”となってきた。それを我々は一生懸命にやっていきたい」

なぜ行き先ではなくテーマで旅を企画するようになったのか?
「初期の頃は目的地と価格を安くすることで客を集めていた。客も時代も変わって、行き先ではなく「何をするか」が主目的になると、「テーマ」の比重が大きくなり、バラエティに富むコースが生まれた」

ツアーの添乗を重視する理由は?
「なぜ旅行会社に入ったのかを考えると、客に喜んでもらうため。添乗業務は欠かせない。(私も)営業をやっていたので最後は一緒に添乗に行き、締め括りをさせて頂く。自分でツアーの原価が分かっているので、一番高い料金で手配した昼食でも客のアンケートを見ると、安い方が良かったという場合もある。昼食の印象度も価格が高いからいいわけではない。食事手配の順番も含めて添乗はいろいろ勉強になる」

 

■ リピーター続出の裏側 客が“旅作り”に参加

とある常連客のお宅にお邪魔。「旅の友」が300部、宅配で届いていた。なんと、客でありながらカタログ配布を行っていた。大好きなクラブツーリズムのため、毎月3日かけてご近所にカタログを配り続けている。全国津々浦々のツーリズムファンが自ら手を挙げて配達している。お客配達員7000人。客も会社の運営に参加する。

クラブツーリズムの始まりは1980年代。近畿日本ツーリスト渋谷営業所だ。岡本さんはここで副所長をしていた。当時、修学旅行など団体旅行が主流で、一回当たりの売上が大きいことがその理由だ。一方、個人で旅行するには、自分で手配するか、旅行会社に出向き好みのツアーを探すしかなかった。1980年に、個人客向けに新聞広告でツアーを大々的に売り出した。今でいう旅の通販を他社に先駆けて始めたのだ。

これが見事に当たった。これまで旅行会社に出向くのが億劫で旅を躊躇っていたシニアのお客から電話が殺到したのだ。「渋谷営業所で始めた新聞広告によってダイレクトにお客と旅を結びつける。そういうビジネスのあり方が大事」

次に、お客との結びつきを深めるために、1983年、「旅の友ニュース」を発行。これを会員に無料配布。1993年には客による配布がスタート。こうした独自の戦略で渋谷営業所は急成長。2004年、近畿日本ツーリストから分離独立を果たした。さらに驚きのシステム、お客が時には添乗員を務める。お客のうち、希望する人を訓練して添乗員として採用している。クラブツーリズムがお客を添乗員に採用するのは、あくまで客目線に立つためだ。客だから客の気持ちが分かる。お客添乗員は700人もいる。もちろん報酬があるが、大好きな旅を通じて人の役に立ち、つながりもできる。それが喜びだという。

 

■ “生き生き” それは 人に必要とされること!

岡本さんいわく、
「生き生きしているというのは、人から必要とされる、自分が他の人の喜びや幸福に関与している、という他人との関連の中で見せる表情だと思う」

「クラブツーリズムのミッションは「生き生きとしたシニア文化の創造」。どうやったら生き生きとしてもらえるか、いつまでも社会と関係を持てる客に喜ばれ、自分の行いが評価されて人に認められることが、生き生きとしている要素。そういう点でもこの仕組みは喜ばれていると思う」

「添乗の場合は、旅程管理が大事で、「旅程管理主任者」の資格を取る必要はあります。一生懸命事前に調査したり下見に行く人もいます。来週の「紅葉の京都ツアー」の添乗を依頼すると、先に行く人がいます。それくらい自信をもって案内して客に喜んでもらいたい、その熱意は社員より多い所があります」

最近の日本の旅の最も大きな変化は?
「一番大きいのは「団体旅行」から「個人旅行」に変わっていったこと。団体の場合は、客から喜ばれても、20周年の記念旅行の場合、21年目にはやってもらえない。継続してもらうのが難しい時に、個人に結びつく仕事は良かった。クラブツーリズムの中に、「海外旅行」「国内旅行」「バス旅行」がある。「バス旅行」は単価が安く、平均15,000円ぐらい。手間暇かかるが、多くのお客様を囲い込めている。それがあるから「旅の友」も配送できる仕組みになっている」

● クラブツーリズム宣言(企業理念)
「仲間と旅を楽しみ、旅で共感し合った仲間が次々と増え、さらに旅の楽しみが広がっていく。それを私たちはクラブツーリズムといいます」

旅が新たなコミュニティ創出につながっていくのでは?
「「仲間が広がる、旅が深まる」や「文化 自然 仲間」ともいう。根本的には楽しく仲間を増やし、旅を通じて自分の可能性を高めよう、というのが基本」

 

■ クラブツーリズム流 笑顔になる新ツアー

杖・車椅子の人が楽しめるツアーなど、移動中はバリアフリーが確保されているなど、高齢化社会ならでは企画もある。また、「トラベルサポーター制度」というものがあり、ヘルパー資格を持つ客が同行・介助する。こうした資格を持つ人(お客)が必ず同行する。しかも、報酬をもらうのではなく、ツアー料金まで支払う。一体なぜ? 

ある同行者の言葉。
「母が旅行好きで母とこういうツアーに行きたいと思っていた。春に母が他界した。母にできなかったことをどなたかにやってあげたいと思った」

クラブツーリズムの旅に新たなテーマが加わった。「人生の最期を考える“終活”ツアー」。終活コンサルタントと一緒に都内近郊の霊園を巡る。

「終活。人生の終わりについて考えたくないのが一般的。「死を考えるということは、今をどう生きるか」と表裏一体」 成熟した旅文化が根付いてきた感がある。

これからのクラブツーリズムは?
「いつまでの旅を楽しんで頂きたいということで「平均寿命」と「健康寿命」の差を少なくするように、バリアフリーの旅行をたくさん作ったり、ゆったりとした旅で、できるだけ他長く旅行に参加してもらい、人生を楽しく終える方向で何かができればいいと思っている」

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旅作りに客も参加!シニアを夢中にさせる旅行会社の秘密 クラブツーリズム会長・岡本邦夫 2015年8月13日OA TX カンブリア宮殿http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e4.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e4-150x150.jpg小林 友昭TV番組レビューカンブリア宮殿,クラブツーリズム,岡本邦夫■ 笑顔と仲間が増える異色のテーマ旅 年間利用者420万人。人気の旅行会社に。リピーターが多いのが特徴。その理由は旅行企画がユニークであること。スケッチの旅、東海道を歩く旅などなど。楽しいツアーを企画できるのは、クラブツーリズムのスタッフィングにあった。社員のデスクには、「写真チーム」「こころチーム」の名札が。クラブツーリズム最大の特徴は行き先別ではなく、「テーマ旅」。テーマを立てて旅を企画していること。例えば、「歴史・街道チーム」が立案するツアー企画は、有名なお城だけでなく、無名な聞いたことのない城巡り(三重県赤木城)もマニアックなツアーに仕立てているのが真骨頂だ。 (番組公式ホームページより) そんなこだわりのスタッフがつくる旅のテーマは約30。「登山」「街道歩き」「写真撮影」「島」「ダンス」「スケッチ」「美食」「音楽」「寺社仏閣」「ひとり限定」などなど。様々な趣味や嗜好に対応することができる。 実はクラブツーリズムの旅の出発地はとても多い。埼玉県だけで36ヵ所、全国ではなんと600ヵ所もある。実際に、ツアー企画者が旅に同行する。「実際に歩いて話をしていると、お客が何に喜んでいるか分かってくる。それをツアーに活かせるようにする」 クラブツーリズムにはもっと旅を楽しくする仕掛けがある。旅での出会いは旅の醍醐味だが、その仲間作りを支援するもの、旅をもっと楽しくする仲間を作るための仕掛けが旅に出発する前にある。そらが「旅の文化カレッジ」。いわゆるカルチャーセンターだが、スケッチが好きな人はここでスケッチの基礎を学ぶなど、スケッチをテーマにした旅をより楽しみ、旅の満足度をより深める講座が充実している。さらに、一緒に学ぶから旅に出かける前に仲間もできる。こうした講座は年間150種類。   ■ リピーター続出 人生を豊かにする旅の秘密 そうした常連客を旅に誘うのは「旅の友」。クラブツーリズムが発行する無料のカタログ雑誌だ。毎月300万世帯に配られている。クラブツーリズムは店舗を持たない。旅の通販の専門会社だ。年商1622億円と旅行会社としては中堅だが、旅行会社としては独自の地位を築いている。クラブツーリズムの理念を聞いてみた。 「旅を通じた仲間作りがコンセプト。昔は“地縁”、“血縁”、“職場縁”で人間関係ができていた。それが今は変わって人と人がつながる“仲間縁”となってきた。それを我々は一生懸命にやっていきたい」 なぜ行き先ではなくテーマで旅を企画するようになったのか? 「初期の頃は目的地と価格を安くすることで客を集めていた。客も時代も変わって、行き先ではなく「何をするか」が主目的になると、「テーマ」の比重が大きくなり、バラエティに富むコースが生まれた」 ツアーの添乗を重視する理由は? 「なぜ旅行会社に入ったのかを考えると、客に喜んでもらうため。添乗業務は欠かせない。(私も)営業をやっていたので最後は一緒に添乗に行き、締め括りをさせて頂く。自分でツアーの原価が分かっているので、一番高い料金で手配した昼食でも客のアンケートを見ると、安い方が良かったという場合もある。昼食の印象度も価格が高いからいいわけではない。食事手配の順番も含めて添乗はいろいろ勉強になる」   ■ リピーター続出の裏側 客が“旅作り”に参加 とある常連客のお宅にお邪魔。「旅の友」が300部、宅配で届いていた。なんと、客でありながらカタログ配布を行っていた。大好きなクラブツーリズムのため、毎月3日かけてご近所にカタログを配り続けている。全国津々浦々のツーリズムファンが自ら手を挙げて配達している。お客配達員7000人。客も会社の運営に参加する。 クラブツーリズムの始まりは1980年代。近畿日本ツーリスト渋谷営業所だ。岡本さんはここで副所長をしていた。当時、修学旅行など団体旅行が主流で、一回当たりの売上が大きいことがその理由だ。一方、個人で旅行するには、自分で手配するか、旅行会社に出向き好みのツアーを探すしかなかった。1980年に、個人客向けに新聞広告でツアーを大々的に売り出した。今でいう旅の通販を他社に先駆けて始めたのだ。 これが見事に当たった。これまで旅行会社に出向くのが億劫で旅を躊躇っていたシニアのお客から電話が殺到したのだ。「渋谷営業所で始めた新聞広告によってダイレクトにお客と旅を結びつける。そういうビジネスのあり方が大事」 次に、お客との結びつきを深めるために、1983年、「旅の友ニュース」を発行。これを会員に無料配布。1993年には客による配布がスタート。こうした独自の戦略で渋谷営業所は急成長。2004年、近畿日本ツーリストから分離独立を果たした。さらに驚きのシステム、お客が時には添乗員を務める。お客のうち、希望する人を訓練して添乗員として採用している。クラブツーリズムがお客を添乗員に採用するのは、あくまで客目線に立つためだ。客だから客の気持ちが分かる。お客添乗員は700人もいる。もちろん報酬があるが、大好きな旅を通じて人の役に立ち、つながりもできる。それが喜びだという。   ■ “生き生き” それは 人に必要とされること! 岡本さんいわく、 「生き生きしているというのは、人から必要とされる、自分が他の人の喜びや幸福に関与している、という他人との関連の中で見せる表情だと思う」 「クラブツーリズムのミッションは「生き生きとしたシニア文化の創造」。どうやったら生き生きとしてもらえるか、いつまでも社会と関係を持てる客に喜ばれ、自分の行いが評価されて人に認められることが、生き生きとしている要素。そういう点でもこの仕組みは喜ばれていると思う」 「添乗の場合は、旅程管理が大事で、「旅程管理主任者」の資格を取る必要はあります。一生懸命事前に調査したり下見に行く人もいます。来週の「紅葉の京都ツアー」の添乗を依頼すると、先に行く人がいます。それくらい自信をもって案内して客に喜んでもらいたい、その熱意は社員より多い所があります」 最近の日本の旅の最も大きな変化は? 「一番大きいのは「団体旅行」から「個人旅行」に変わっていったこと。団体の場合は、客から喜ばれても、20周年の記念旅行の場合、21年目にはやってもらえない。継続してもらうのが難しい時に、個人に結びつく仕事は良かった。クラブツーリズムの中に、「海外旅行」「国内旅行」「バス旅行」がある。「バス旅行」は単価が安く、平均15,000円ぐらい。手間暇かかるが、多くのお客様を囲い込めている。それがあるから「旅の友」も配送できる仕組みになっている」 ● クラブツーリズム宣言(企業理念) 「仲間と旅を楽しみ、旅で共感し合った仲間が次々と増え、さらに旅の楽しみが広がっていく。それを私たちはクラブツーリズムといいます」 旅が新たなコミュニティ創出につながっていくのでは? 「「仲間が広がる、旅が深まる」や「文化 自然 仲間」ともいう。根本的には楽しく仲間を増やし、旅を通じて自分の可能性を高めよう、というのが基本」   ■ クラブツーリズム流 笑顔になる新ツアー 杖・車椅子の人が楽しめるツアーなど、移動中はバリアフリーが確保されているなど、高齢化社会ならでは企画もある。また、「トラベルサポーター制度」というものがあり、ヘルパー資格を持つ客が同行・介助する。こうした資格を持つ人(お客)が必ず同行する。しかも、報酬をもらうのではなく、ツアー料金まで支払う。一体なぜ?  ある同行者の言葉。 「母が旅行好きで母とこういうツアーに行きたいと思っていた。春に母が他界した。母にできなかったことをどなたかにやってあげたいと思った」 クラブツーリズムの旅に新たなテーマが加わった。「人生の最期を考える“終活”ツアー」。終活コンサルタントと一緒に都内近郊の霊園を巡る。 「終活。人生の終わりについて考えたくないのが一般的。「死を考えるということは、今をどう生きるか」と表裏一体」 成熟した旅文化が根付いてきた感がある。 これからのクラブツーリズムは? 「いつまでの旅を楽しんで頂きたいということで「平均寿命」と「健康寿命」の差を少なくするように、バリアフリーの旅行をたくさん作ったり、ゆったりとした旅で、できるだけ他長く旅行に参加してもらい、人生を楽しく終える方向で何かができればいいと思っている」 -------------------- 番組ホームページはこちら クラブツーリズムのホームページはこちら現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します