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■ “こだわり”の逸品で客を魅了 「成城石井」人気の秘密

コンサルタントのつぶやき

スーパーマーケットの成城石井。関東を中心に132店舗を展開するこだわりの食品スーパー。最大の特徴は品揃え。取り扱っているワインは700種類、チーズは210種類。商社などを通さず、自社で直輸入するため、価格も抑えられる。1ヶ月に3本ぐらいしか売れない「すっぽんスープ」なるものまで陳列されている。その意図は、「ファンがいて定期的に買ってくれるので、お客の期待を裏切らない品揃えを心がけている」とのこと。惣菜はすべて自社セントラルキッチンで作っている。一流ホテルやレストラン出身の調理人が手作りで対応。

【Amazonバイヤー厳選】こだわりのリーファーで成城石井が直輸入! フランス・イタリア赤ワイン 飲み比べ 750ml×6本セット

独自に仕入れた「こだわり商品」と、自社でつくる「オリジナル商品」。この2本柱で最強の品揃えを提供している。この成城石井を率いるのは、自分自身も元バイヤーの、原昭彦社長。

20151126_原昭彦_カンブリア宮殿

番組公式ホームページより

「バイヤーに必要なのは、これからどういった商品が売れるかを、時代の先を読んで品揃えをしていくことが非常に重要な要素になると思います」

「昔のバイヤーは舌だけで(商品を)判断していたが、今は舌と情報をどう組み合わせていい商品を伝えていくか」

成城石井のバイヤーは総勢22人。彼らには毎日必ずやることがある。午後5時に一斉にパソコン画面を見だした。その日のコールセンターに届いたお客様の声をまとめたレポートが出るのだ。あるバイヤーの声、「これが最新のお客様の生きた声なので、確認してすぐ動くようにしている」 その言葉通り、バイヤーは翌日にはリクエストがあった商品の生産地に飛ぶ。パートナーとなる加工業者も見つけ、数週間後には、店頭に商品が並ぶ。こうしたフットワーク軽くお客様の声に応えることで、年商631億円、6年連続増収増益を達成。

「こだわったおいしいものを求めているお客はまだまだいっぱいいる。現状に満足することはない。もっと新しいものを探して、もっとお客に喜んでもらいたい」

番組スタジオに登場して、取り扱っているチーズを紹介。
「やぎやひつじのチーズはあまり売れないが、品揃えとしてはすごく重要な商品の1つ。ニッチな商品の品揃えも必要になるので、そういったものを探し出せるバイヤーがすごく優秀なバイヤー」

(小池さんが質問)
「ワインが700種類、チーズが210種類。そこまで、品揃えが必要か?」

「お客様のニーズが今、多様化している。そういったお客様が来店した時に、買い物する楽しみ、選ぶ楽しみを残しておきたい。」

成城石井 熟成 ブリー 約180g

(村上氏が確認)
「売れるものを置いていっぱい儲けることより、いろんなものを揃えることでまずお客にお店に来てもらうことを考えているのか?」

「「成城石井に行けば何かあるだろう」と。わざわざ遠方から、近所では買えないから来てくれる。そういうお客はリピートにつながって、ファンになる。それが成城石井の広がりにもつながっていく。売れる物だけを揃えると、店が面白くなくなってしまう。」

村上氏が尋ねる。
「バイヤーさんは、独特の直観力と、情報収集力、自分の判断力と、備えていなければならないから、大変じゃないですか?」

「過去のPOSデータ(販売実績)も重要だが、データには出てこない、これからどういう物が出てくるのかを探していかなくてはいけない。」

セントラルキッチンの紹介で、ポテトサラダ用のジャガイモの皮を手でひとつひとつむいている話題に再び触れて、

「1,2店舗の時から皮を手でむいていたが、130店舗になっても、作り方を変えていない。」

(村上氏が自ら生々しいがと告白してから質問)
「何年も生産者を口説いて品揃えを充実させたりして、こだわりをもっているのになぜ利益が出るのか?」

「これは難しいんですが、効率のいいものだけを求めずに、時には非効率なものまで手をかけ時間をかけていい物をお客に出していくことが非常に重要。短期的には利益は出ないかもしれないが、そういった商品を作っていくことでお客がファンになってリピートしてもらって、将来的には利益の出るモデルになっていくとかんがえているので、そういったことを粛々とやり続ける。外から見ると、成城石井はちょっと高いのではと思われるのが、ここまで、これだけ、こだわった商品をこの値段だったら実は安いと、そう思ってもらえるところまでいかないといけない。」

成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?

■ 「成城石井」を作り上げた知られざる大失敗、、、

東京・世田谷区にある小田急の成城学園前駅の真ん前に、成城石井の1号店である成城店がある。そのルーツは、1927年、創業者・石井隆吉が食料品店を開店。成城に石井さんがお店を出したから、成城石井。2代目が1976年にスーパーマーケットに業態変更した。ここから成城石井は高品質スーパーへと育っていく。原さんが入社したのは1990年、当時はまだ2店舗しかなかった時代だ。就職を決めたきっかけは?

「就職活動している時に見たのがこの店で、すごく衝撃的だった。その当時から直輸入していたり、ワインの品揃えが充実していた。そういう会社に入れば、もっと楽しいことができると思った。」

入社後はバイヤーとして活躍。世界を飛び回り、看板商品をいくつも手掛けた。そして入社6年目、ある“新店舗”の立ち上げを命じられる。しかし、

「全然売れなかった。1日1個とか。。。これ、どうするんだと。」

その大失敗とは?

成城石井 自家製 ナチュラル チーズ の クアトロ フォルマッジォ 1本

■ 立地・広さに合わせて、、、“変幻自在”の店づくり

それまで100坪以上の大型店舗をいくつも作っていた。その原の転機となった仕事とは? それはJR恵比寿駅の駅ビルの中への出店だった。成城石井としては初めてとなる「駅ナカ」店。広さはコンビニを同じぐらいの45坪。品揃えとして、原は、これまでの大型店と同じ、1リットルの牛乳や10個パックの卵など、これまで通りの売れ筋商品を揃えた。

「全然、お客のニーズに合っていなかった。考えてみると、山手線の混んでいる中に、10個入りの卵を持って帰る人はいない。1リットルの重たい牛乳を買う人はいない。今でこそ当たり前のことだけど、(当時は)分からなかった。」

原の品揃えは見事にハズレ。しかしその代わり、職場や家庭に手軽に持ち帰ることのできる“菓子”や“惣菜”が飛ぶように売れた。

「お客のニーズは駅ナカと路面店では全く違った。同じ成城石井の中でも変えていかないと対応できない。」

それから18年、店舗づくりはどのような進歩を遂げたのか? ここは錦糸町の駅ナカ店。店舗面積はコンビニより狭い40坪。夕方、店には会社帰りのサラリーマンやOLの姿が目立つ。棚には、家飲みでちょっと豪華な気分になれる酒のつまみが豊富にそろっている。

一方こちらはおしゃれなファッションビルが立ち並ぶ東京・南青山になる南青山店。さぞかしおしゃれな食べ物が並んでいることと思ったら、入り口でお出迎えは、果物や野菜といった生鮮食品。さらに店の奥は、肉の対面販売コーナーになっていた。実はこの町、大通りを一歩中に入れば、そこは団地が並んでいる。そして一軒家が並ぶ住宅街。しかし、土地柄なのか、スーパーが無かった。そこで成城石井は、そこの住人を狙って、生鮮品を充実させたのだ。

立地に合わせて品ぞろえを柔軟に変えていく。そうした戦略で、恵比寿に出店した1997年の10店舗から、2015年は132店舗と、13倍に増えた。

「恵比寿の経験というのがすごく生きていますので、恵比寿の経験がなかったら、このようなエリアや店舗の拡大はできなかったと思う。」

そして今年10月には驚きの店も。愛知・豊橋市のJR豊橋駅の中にオープンさせた「成城石井 SELECT」はこれまでで最小の店舗、わずか10坪。この店の特徴は新幹線乗り場のすぐ隣にあること。

「普通の店だと大きいサイズだが、駅ということで小さいサイズも用意した。「小食パック」は今回のために新しく開発した商品の1つ。」

小池さんが店のバリエーションを訪ねる。

「東京でいうと、約190坪の「東京ドームラクーア店」が一番大きい。店の大きさに合わせて、全然違うコンセプトで店づくりをしてきた。大きなお店は、肉・魚・野菜・惣菜などの作業場をつくるが、駅のニーズはだいぶ絞られてくるので、惣菜や弁当、サンドイッチ、パン、あとは菓子。そういったカテゴリーにぎゅっと絞り込むことで、お客のニーズは十分カバーできる。」

「坪当たりの売上はあまり変わらない。」

「これまでの出店ペースは、10~15店舗だったが、これからも変わらない。一旦はイメージしたものをつくって出店するが、出店後にも「こういうものを取り扱って欲しい」という声を聞きながら変えていくので、実は、成城石井というのは、130店舗みんな違うフォーマットを持っている。1つのフォーマットを次々に広げていくようなモデルではないので時間がかかる。急激な出店ができないモデルになっている。」

成城石井 自家製 チョコ と 胡桃 の スコーン 6ヶ

■ 全国にブランドを広めろ! 「成城石井」地方開拓戦略

成城石井は東京や名古屋・大阪など132店舗が大都市圏に集中している。北海道・中標津町。ここには出店していないが、道で声をかけた住人はほとんど成城石井を知っていた。地元の大型スーパーに入ってみると、成城石井の看板が立ててある特設コーナーがそこにあった。成城石井は、他のスーパーやレストランに商品を供給する「卸し」という顔も持っていたのだ。中標津のスーパー「東武」が成城石井の200商品を扱うようになったのは去年の4月から。地元のスーパーの店長の声として、「都会の成城石井の商品を扱うことで、他店にはない競争力となっている」。

成城石井 フレンチロースト 450g

■ 外食×スーパー 「成城石井」おいしい方程式

スーパー以外の顔も持つ成城石井。そんな特徴が表れている一店が麻布十番店の2階にある。ここは2年前にオープンしたワインバー「ル バーラ ヴァン サンカン ドゥ」。成城石井魅力を味わってもらおうと外食に参入したのだ。売りは成城石井のバイヤーがこだわりぬいた食材を使ったメニュー。ワインもどれも直輸入品。スーパーと一緒に仕入れるからどれもリーズナブルなお値段。コスパがいいと、店は連日大盛況。ワインバーは3店舗に拡大。さらにスーパーとの相乗効果も狙っている。現在、販売に力を入れているのが、「キヌア」という食材。タンパク質や食物繊維などを豊富に含む雑穀で、今注目のスーパーフードのひとつ。

スーパーのお客様からの「使い方が分からない」という声に反応して、2階のレストランでキヌアを使ったメニューを出し、“こういう形で使える”ということを提案する。

なぜ、外食に参入しようと思ったのか?
「ヨーロッパではワイン、ハム、チーズなど、こだわった食材でもリーズナブルに提供している。日本に来ると、種類もそれほどなくて、高い値段になってしまう。でも、自分たちが直輸入していることで、「こんなに値段が高くなるわけがない」という思いから、ワインバーを立ち上げた。生ハムって本当は、切りたてがおいしい、食べ頃のチーズを食べてもらいたい、ワインや飲み頃のワインがあります。その組み合わせを体験できる。そうしたら、1階のスーパーで食材を買って、ホームパーティーなどでもう一度楽しむことができる。もう一度、家で再現してもらえればいいと思っている。」

「カテゴリーごとにはライバルがいるかもしれないが、こうした食を“垂直統合”したビジネスモデル、川上から川下までを、全部、一気通貫してやる、こういったビジネスモデルは、あまり他では見られないのでは。」

(村上氏が聞く)
「高級スーパーと呼ばれたくない理由は?」

「自分たちは、本当においしいものを世界中、日本中から探し回って、お客様に提供するイメージしかないので、“高級”だとは全く思っていない。いかにコストパフォーマンスよく買い求めやすい価格で提供するかだけを考えている。そして、成城石井のブランドをもっと体験してもらって広げていきたい。」

(村上氏が尋ねる)
「“成城石井”のさらなる進化に必要なものは?」

「もっとお客の現場の声を聞いていきながら、新しい情報を取り入れて、新しいものに積極的にチャレンジする。イノベーションしていくという考え方を持たないとどうしても衰退する。現状で満足してしまうので、新しいことにチャレンジする、そういう社風はすごく重要。」

『現状維持は衰退の始まり』

——————–
番組ホームページはこちら
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20151126.html

スーパーマーケット成城石井のホームページはこちら
http://www.seijoishii.co.jp/




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“こだわり”で客を魅了するスーパー『成城石井』人気の秘密 成城石井代表取締役社長・原昭彦 2015年11月26日 TX カンブリア宮殿http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭TV番組レビューカンブリア宮殿,原昭彦,成城石井■ “こだわり”の逸品で客を魅了 「成城石井」人気の秘密 スーパーマーケットの成城石井。関東を中心に132店舗を展開するこだわりの食品スーパー。最大の特徴は品揃え。取り扱っているワインは700種類、チーズは210種類。商社などを通さず、自社で直輸入するため、価格も抑えられる。1ヶ月に3本ぐらいしか売れない「すっぽんスープ」なるものまで陳列されている。その意図は、「ファンがいて定期的に買ってくれるので、お客の期待を裏切らない品揃えを心がけている」とのこと。惣菜はすべて自社セントラルキッチンで作っている。一流ホテルやレストラン出身の調理人が手作りで対応。 【Amazonバイヤー厳選】こだわりのリーファーで成城石井が直輸入! フランス・イタリア赤ワイン 飲み比べ 750ml×6本セット 独自に仕入れた「こだわり商品」と、自社でつくる「オリジナル商品」。この2本柱で最強の品揃えを提供している。この成城石井を率いるのは、自分自身も元バイヤーの、原昭彦社長。 (番組公式ホームページより) 「バイヤーに必要なのは、これからどういった商品が売れるかを、時代の先を読んで品揃えをしていくことが非常に重要な要素になると思います」 「昔のバイヤーは舌だけで(商品を)判断していたが、今は舌と情報をどう組み合わせていい商品を伝えていくか」 成城石井のバイヤーは総勢22人。彼らには毎日必ずやることがある。午後5時に一斉にパソコン画面を見だした。その日のコールセンターに届いたお客様の声をまとめたレポートが出るのだ。あるバイヤーの声、「これが最新のお客様の生きた声なので、確認してすぐ動くようにしている」 その言葉通り、バイヤーは翌日にはリクエストがあった商品の生産地に飛ぶ。パートナーとなる加工業者も見つけ、数週間後には、店頭に商品が並ぶ。こうしたフットワーク軽くお客様の声に応えることで、年商631億円、6年連続増収増益を達成。 「こだわったおいしいものを求めているお客はまだまだいっぱいいる。現状に満足することはない。もっと新しいものを探して、もっとお客に喜んでもらいたい」 番組スタジオに登場して、取り扱っているチーズを紹介。 「やぎやひつじのチーズはあまり売れないが、品揃えとしてはすごく重要な商品の1つ。ニッチな商品の品揃えも必要になるので、そういったものを探し出せるバイヤーがすごく優秀なバイヤー」 (小池さんが質問) 「ワインが700種類、チーズが210種類。そこまで、品揃えが必要か?」 「お客様のニーズが今、多様化している。そういったお客様が来店した時に、買い物する楽しみ、選ぶ楽しみを残しておきたい。」 成城石井 熟成 ブリー 約180g (村上氏が確認) 「売れるものを置いていっぱい儲けることより、いろんなものを揃えることでまずお客にお店に来てもらうことを考えているのか?」 「「成城石井に行けば何かあるだろう」と。わざわざ遠方から、近所では買えないから来てくれる。そういうお客はリピートにつながって、ファンになる。それが成城石井の広がりにもつながっていく。売れる物だけを揃えると、店が面白くなくなってしまう。」 村上氏が尋ねる。 「バイヤーさんは、独特の直観力と、情報収集力、自分の判断力と、備えていなければならないから、大変じゃないですか?」 「過去のPOSデータ(販売実績)も重要だが、データには出てこない、これからどういう物が出てくるのかを探していかなくてはいけない。」 セントラルキッチンの紹介で、ポテトサラダ用のジャガイモの皮を手でひとつひとつむいている話題に再び触れて、 「1,2店舗の時から皮を手でむいていたが、130店舗になっても、作り方を変えていない。」 (村上氏が自ら生々しいがと告白してから質問) 「何年も生産者を口説いて品揃えを充実させたりして、こだわりをもっているのになぜ利益が出るのか?」 「これは難しいんですが、効率のいいものだけを求めずに、時には非効率なものまで手をかけ時間をかけていい物をお客に出していくことが非常に重要。短期的には利益は出ないかもしれないが、そういった商品を作っていくことでお客がファンになってリピートしてもらって、将来的には利益の出るモデルになっていくとかんがえているので、そういったことを粛々とやり続ける。外から見ると、成城石井はちょっと高いのではと思われるのが、ここまで、これだけ、こだわった商品をこの値段だったら実は安いと、そう思ってもらえるところまでいかないといけない。」 成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか? ■ 「成城石井」を作り上げた知られざる大失敗、、、 東京・世田谷区にある小田急の成城学園前駅の真ん前に、成城石井の1号店である成城店がある。そのルーツは、1927年、創業者・石井隆吉が食料品店を開店。成城に石井さんがお店を出したから、成城石井。2代目が1976年にスーパーマーケットに業態変更した。ここから成城石井は高品質スーパーへと育っていく。原さんが入社したのは1990年、当時はまだ2店舗しかなかった時代だ。就職を決めたきっかけは? 「就職活動している時に見たのがこの店で、すごく衝撃的だった。その当時から直輸入していたり、ワインの品揃えが充実していた。そういう会社に入れば、もっと楽しいことができると思った。」 入社後はバイヤーとして活躍。世界を飛び回り、看板商品をいくつも手掛けた。そして入社6年目、ある“新店舗”の立ち上げを命じられる。しかし、 「全然売れなかった。1日1個とか。。。これ、どうするんだと。」 その大失敗とは? 成城石井 自家製 ナチュラル チーズ の クアトロ フォルマッジォ 1本 ■ 立地・広さに合わせて、、、“変幻自在”の店づくり それまで100坪以上の大型店舗をいくつも作っていた。その原の転機となった仕事とは? それはJR恵比寿駅の駅ビルの中への出店だった。成城石井としては初めてとなる「駅ナカ」店。広さはコンビニを同じぐらいの45坪。品揃えとして、原は、これまでの大型店と同じ、1リットルの牛乳や10個パックの卵など、これまで通りの売れ筋商品を揃えた。 「全然、お客のニーズに合っていなかった。考えてみると、山手線の混んでいる中に、10個入りの卵を持って帰る人はいない。1リットルの重たい牛乳を買う人はいない。今でこそ当たり前のことだけど、(当時は)分からなかった。」 原の品揃えは見事にハズレ。しかしその代わり、職場や家庭に手軽に持ち帰ることのできる“菓子”や“惣菜”が飛ぶように売れた。 「お客のニーズは駅ナカと路面店では全く違った。同じ成城石井の中でも変えていかないと対応できない。」 それから18年、店舗づくりはどのような進歩を遂げたのか? ここは錦糸町の駅ナカ店。店舗面積はコンビニより狭い40坪。夕方、店には会社帰りのサラリーマンやOLの姿が目立つ。棚には、家飲みでちょっと豪華な気分になれる酒のつまみが豊富にそろっている。 一方こちらはおしゃれなファッションビルが立ち並ぶ東京・南青山になる南青山店。さぞかしおしゃれな食べ物が並んでいることと思ったら、入り口でお出迎えは、果物や野菜といった生鮮食品。さらに店の奥は、肉の対面販売コーナーになっていた。実はこの町、大通りを一歩中に入れば、そこは団地が並んでいる。そして一軒家が並ぶ住宅街。しかし、土地柄なのか、スーパーが無かった。そこで成城石井は、そこの住人を狙って、生鮮品を充実させたのだ。 立地に合わせて品ぞろえを柔軟に変えていく。そうした戦略で、恵比寿に出店した1997年の10店舗から、2015年は132店舗と、13倍に増えた。 「恵比寿の経験というのがすごく生きていますので、恵比寿の経験がなかったら、このようなエリアや店舗の拡大はできなかったと思う。」 そして今年10月には驚きの店も。愛知・豊橋市のJR豊橋駅の中にオープンさせた「成城石井 SELECT」はこれまでで最小の店舗、わずか10坪。この店の特徴は新幹線乗り場のすぐ隣にあること。 「普通の店だと大きいサイズだが、駅ということで小さいサイズも用意した。「小食パック」は今回のために新しく開発した商品の1つ。」 小池さんが店のバリエーションを訪ねる。 「東京でいうと、約190坪の「東京ドームラクーア店」が一番大きい。店の大きさに合わせて、全然違うコンセプトで店づくりをしてきた。大きなお店は、肉・魚・野菜・惣菜などの作業場をつくるが、駅のニーズはだいぶ絞られてくるので、惣菜や弁当、サンドイッチ、パン、あとは菓子。そういったカテゴリーにぎゅっと絞り込むことで、お客のニーズは十分カバーできる。」 「坪当たりの売上はあまり変わらない。」 「これまでの出店ペースは、10~15店舗だったが、これからも変わらない。一旦はイメージしたものをつくって出店するが、出店後にも「こういうものを取り扱って欲しい」という声を聞きながら変えていくので、実は、成城石井というのは、130店舗みんな違うフォーマットを持っている。1つのフォーマットを次々に広げていくようなモデルではないので時間がかかる。急激な出店ができないモデルになっている。」 成城石井 自家製 チョコ と 胡桃 の スコーン 6ヶ ■ 全国にブランドを広めろ! 「成城石井」地方開拓戦略 成城石井は東京や名古屋・大阪など132店舗が大都市圏に集中している。北海道・中標津町。ここには出店していないが、道で声をかけた住人はほとんど成城石井を知っていた。地元の大型スーパーに入ってみると、成城石井の看板が立ててある特設コーナーがそこにあった。成城石井は、他のスーパーやレストランに商品を供給する「卸し」という顔も持っていたのだ。中標津のスーパー「東武」が成城石井の200商品を扱うようになったのは去年の4月から。地元のスーパーの店長の声として、「都会の成城石井の商品を扱うことで、他店にはない競争力となっている」。 成城石井 フレンチロースト 450g ■ 外食×スーパー 「成城石井」おいしい方程式 スーパー以外の顔も持つ成城石井。そんな特徴が表れている一店が麻布十番店の2階にある。ここは2年前にオープンしたワインバー「ル バーラ ヴァン サンカン ドゥ」。成城石井魅力を味わってもらおうと外食に参入したのだ。売りは成城石井のバイヤーがこだわりぬいた食材を使ったメニュー。ワインもどれも直輸入品。スーパーと一緒に仕入れるからどれもリーズナブルなお値段。コスパがいいと、店は連日大盛況。ワインバーは3店舗に拡大。さらにスーパーとの相乗効果も狙っている。現在、販売に力を入れているのが、「キヌア」という食材。タンパク質や食物繊維などを豊富に含む雑穀で、今注目のスーパーフードのひとつ。 スーパーのお客様からの「使い方が分からない」という声に反応して、2階のレストランでキヌアを使ったメニューを出し、“こういう形で使える”ということを提案する。 なぜ、外食に参入しようと思ったのか? 「ヨーロッパではワイン、ハム、チーズなど、こだわった食材でもリーズナブルに提供している。日本に来ると、種類もそれほどなくて、高い値段になってしまう。でも、自分たちが直輸入していることで、「こんなに値段が高くなるわけがない」という思いから、ワインバーを立ち上げた。生ハムって本当は、切りたてがおいしい、食べ頃のチーズを食べてもらいたい、ワインや飲み頃のワインがあります。その組み合わせを体験できる。そうしたら、1階のスーパーで食材を買って、ホームパーティーなどでもう一度楽しむことができる。もう一度、家で再現してもらえればいいと思っている。」 「カテゴリーごとにはライバルがいるかもしれないが、こうした食を“垂直統合”したビジネスモデル、川上から川下までを、全部、一気通貫してやる、こういったビジネスモデルは、あまり他では見られないのでは。」 (村上氏が聞く) 「高級スーパーと呼ばれたくない理由は?」 「自分たちは、本当においしいものを世界中、日本中から探し回って、お客様に提供するイメージしかないので、“高級”だとは全く思っていない。いかにコストパフォーマンスよく買い求めやすい価格で提供するかだけを考えている。そして、成城石井のブランドをもっと体験してもらって広げていきたい。」 (村上氏が尋ねる) 「“成城石井”のさらなる進化に必要なものは?」 「もっとお客の現場の声を聞いていきながら、新しい情報を取り入れて、新しいものに積極的にチャレンジする。イノベーションしていくという考え方を持たないとどうしても衰退する。現状で満足してしまうので、新しいことにチャレンジする、そういう社風はすごく重要。」 『現状維持は衰退の始まり』 -------------------- 番組ホームページはこちら (http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20151126.html) スーパーマーケット成城石井のホームページはこちら (http://www.seijoishii.co.jp/)現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します