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■ 食卓の魚イワシが主役 感動の水族館の舞台裏

コンサルタントのつぶやき

新江ノ島水族館、通称「えのすい」。年間の入場者数は172万人。入場料は大人:2100円、小中学生:1000円。リピーターが多いのが特徴。入り口にあるのは、水面が子供の背丈ほどしかない江ノ島の南岸の岩場を再現した水槽に、高さ6mの「相模湾大水槽」。90種類、約2万匹の魚が泳ぐ姿は、これまた相模湾を再現したもの。泳いでいるのはマアジ、ウツボ、コショウダイ。そして約8000匹の見事な群泳を見せるマイワシ。「えのすい」が日本初のイワシの群泳展示を行った。

全国の水族館入場者ランキング(2014年度)
1位 沖縄美ら海水族館   323万人   1万0000トン
2位 海遊館           230万人  1万1000トン
3位 名古屋港水族館         196万人  2万7000トン
4位 新江ノ島水族館          172万人           3000トン

上記ランキング表の右横の数字は、水槽の総水量。圧倒的に「えのすい」は小さいのに4位と順位は大健闘。

ジンベエザメではなく、イワシで客を呼ぶ戦略を打ち立てたのが、江ノ島マリンコーポレーション社長、堀一久(50歳)。

20160505_堀一久_カンブリア宮殿

番組公式ホームページより

「規模も決して大きくない。シャチもジンベエザメもいない。なぜなら相模湾に生息していないから。あくまで相模湾に生息するものをしっかり伝える。」

堀がこだわる相模湾は、浅瀬から1000mの深海まで海底の地形が複雑。近くを暖流と寒流が流れ、1500種(日本産魚類の36%)が生息する。身近な相模湾の生態系を見せて客を呼ぶ。日本初のシラスの展示、逗子沖のサンゴ、海藻の展示。こうした身近な海のリアルな展示で客を魅了する。

マイワシの群れ岩礁水槽相模湾大水槽

水族館の飼育員は、年に何度か相模湾にもぐり、徹底的に相模湾の今を調べる。こうした努力がリアルな展示へとつながり、リピーター客の心を魅了する。珍しいものではなく、身近なものをより深く伝えることが感動につながっていた。

身近なものを魅力ある展示にしている例はほかにもある。癒しがテーマで、50種類近くのクラゲを展示。この数の展示は世界でもトップクラス。その半数は相模湾に生息するクラゲだ。「えのすい」は60年以上前に日本初のクラゲの常設展示をしたパイオニアだった。それを支えるのがクラゲの繁殖技術。毎月9日はクラゲの日。江ノ島でクラゲを採取する。平日でも20人ほどは集まるイベント。

「何事においても、こだわり抜く。これがやっぱり一番大事。お客様から「この水族館面白い」「こんなところにもこだわっている」「素敵だね、じゃあまた来よう」という繰り返しになっていく。“また来たくなる水族館”がキーワード。

身近な海に宝あり。小さな水族館の感動戦略。

 

■ スタジオでのインタビュー開始

何を求めて人は水族館に足を運ぶのでしょうか?

「1つには癒し。日本人は、海に囲まれた国で、非常に海に親しみを持っている。海をさらに知りたいという探究心をくすぐりながら、自然と時間がたってしまう。癒しにつながって、普段とは違う空間で体験することを皆さんが求めている。」

相模湾大水槽の中では魚同士が食べ合ったりはしないんですか?

「ありますよ。マイワシは外敵から身を守るためにかたまる。一生懸命、群れで泳ぐが、入っていた他の魚にパクッと食べられちゃう。その瞬間を営業時間中にたまたま見る人もいる。自然の世界をそのまま表現するという意味では、それも1つの見せ方になる。」

あんなにたくさんのイワシを一つの水槽で管理するのは大変なのでは?

「それぞれの水槽によって管理する特徴がある。水の温度や流れを試行錯誤しながら作っていく。魚が90種類もいると、適切な温度が微妙に違う。どの魚を優先するかで影響を受ける魚がいる。実は最初、マイワシと一緒にシノノメサカタザメという珍しい魚を入れた。このサメに合わせるには若干水温を上げなければならない。それはマイワシにとっては影響が悪い。最後はやっぱりマイワシがメーンの水槽にするなら、マイワシにとって最もいい環境の水槽にしようと。今はマイワシ最優先の温度管理にした。」

海藻だけで見せる水槽づくりは勇気ある挑戦では?

「勇気を持って挑戦することが成果につながるという考え方もあるが、裏付けとなる根拠がないと、いたずらにチャレンジもできない。相模湾のきれいな海水で育んだ海藻が実際に潜れば、それだけ繁茂している。皆さんの興味の範囲外かもしれないが、これだけ繁茂した海藻が相模湾にあるということを1つの柱として仕立てるべき。」

 

■ 湘南ドライブがきっかけ 日活社長が“えのすい”創設

昭和天皇が9回も訪れたという「えのすい」。日本初の近代的水族館として江の島水族館が開業したのは1954年(昭和29年)。創設者は、日活社長(当時)の堀久作。湘南をドライブ中、美しい海に心ひかれた堀はここに水族館をつくることを決断。当時珍しかった水族館は人気を博し、1962年には来場者が240万人になるほどだった。しかし、施設の老朽化と全国各地に水族館ができたことにより、1998年度には、来場者が30万人にまで落ち込む。そこで、2004年に全面リニューアルしたのが現在の新江ノ島水族館。身近な相模湾の海を再現する方針に展開し、見事、入場者数はV字回復を見せた。

通称「ジャブジャブ池」

 

■ 真夜中の船上で大奮闘 えのすい飼育員に密着

それにしても、どうやって相模湾の魚を集めるのか。午前1時に出港する地元の漁船に飼育員が乗せてもらう。定置網漁に同行し、網にかかった魚から、水族館にいない魚や数が足りない魚を分けてもらうのだ。漁師と仲良くなり、相模湾の魚の情報も一緒に仕入れる。

話は変わって、スタジオに戻り、再び水族館設立の経緯を。現社長の祖父が日活の当時の社長だった。

「(祖父が)昭和20年代に、たまたま湘南海岸をドライブしていて、映画に加えて、違った娯楽を自然環境を使ってできないか。この素晴らしい海にあるものを水族館にしたら面白いという発想がひらめき、2年後に、江の島水族館がオープンした。日活の資本を入れるより自分の発想だったので、面白いチャレンジができるかもと、プライベートカンパニーをつくって今に至る。」

“えのすい”には理念がありますよね。

「次に来た時「何があるだろう」と、“また来たくなる水族館”が我々のキーワード。来たくなるために、どんなサービスを提供するか、どういう商品を展開しようか、どういう空間をつくろうか、毎日365日間、考えている。さらに、これをどうお客様に伝えていくかも大きなポイントだと思う。」

フンボルトペンギン「コンペイ」

珍しいものを展示するという感じではないですものね。

「相模湾にいる1500種の魚のうち、大水槽で90種しかいない。それ以外の広がりをこれから十分見せられる。お客も期待を持って、次に来た時に何か大水槽に違いがあるのか。そういう変化を伝えられれば、リピートしてもらえる要素になる。」

「「画期的なもの」も、コンテンツとして重要。ただ、そこに依存してしまうと、ベースが無くなってしまう。それが最大のリスクになる。そこにリスクを投下するより、日々の地道な時間と労力が重要。積み重ねると確実にノウハウの蓄積になる。ある意味、リスクにはならない。安全資産になる。」

 

■ また行きたくなる水族館 秘密は“夜の猛特訓”

大水槽の中で「うおゴゴロ」ショーを行うために、飼育員が潜水服で水槽の中に潜る。手を差し伸べて魚を操り、巨大なエイにほおずり。実は魚たちも猫や犬と同じように懐くのだ。水槽にも来る前と後には、ちゃんと集まった客に向かってMCもきちんと務める。魚たちの魅力をお客に精一杯伝えるためだ。裏方のイメージが強い飼育員だが、こうしたショーで客の前に立つのも仕事で、そうした飼育員もこれまたこの水族館の魅力のひとつとなっている。

実は、こうした裏方イメージの強い飼育員がショーに立てるのには、秘密があった。夜の大水槽の前のフロアに飼育員が集まり、プロのインストラクターによる飼育員向け表現トレーニングが実施される。体の動かし方や表情の出し方などの基礎を勉強する。このトレーニングで飼育員たちは、客に伝えることの大切さを学ぶのだ。

「いわゆる、劇場の舞台公演と同じ発想で、相当稽古しないと舞台に立てない。演出家のオッケーもいる。考え方はそれと全く同じ。その上でショーのオーディションをやる。オーディションに合格しないと、ショーに出られない。」

“えのすい”の飼育員の方はどちらかというとサイエンスの人たちと思うが、アートの部分もないと、“えのすい”では働けないのでは?

「サイエンスとアートという切り口でいうと、ある意味、飼育員はサイエンスの知識を徹底的に持ってもらう。それを水族館として、お客にどう伝えるかがアート寄りになってくる。アートには別の担当がいて、飼育員のサイエンスを引き出す。ただ引き出すだけではお客に伝わらない。お客に伝える要素に変換して、最終的に展示として成立させる。この辺りの連係プレーをやっていくうちに、飼育員もサイエンスだけではダメと分かる。どんどん自分たちも興味を持ってきて、アート方面のアイデアを出すようになる。こういうインタラクティブな作業がアウトプットとして上手くお客の前に出る。」

 

■ 子供たちを夢中にさせる えのすい名物 イルカショー

“えのすい”には、イルカたちで世界初がある。それはイルカの繁殖を5世代続けて成功させていること。繁殖を可能にするのは、イルカと飼育員との間の信頼関係に基づく健康管理があった。体重計に乗せたり、陸に上がって体を横向きにさせ、採尿して内蔵のチェックを可能にしたりと、イルカを自由自在に操ることが出来ないと不可能な健康チェックばかり。水族館で命をつなぐ繁殖も大事な使命だ。

開館中の練習

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カンブリア宮殿 番組ホームページ2016年5月5日放送分はこちら

新江ノ島水族館のホームページはこちら

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湘南の海をそのまま見せる! また行きたくなる感動の水族館 江ノ島マリンコーポレーション代表取締役社長・堀一久 2016年5月5日 TX カンブリア宮殿http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭TV番組レビューカンブリア宮殿,新江ノ島水族館,えのすい,堀一久,相模湾,リピーター■ 食卓の魚イワシが主役 感動の水族館の舞台裏 新江ノ島水族館、通称「えのすい」。年間の入場者数は172万人。入場料は大人:2100円、小中学生:1000円。リピーターが多いのが特徴。入り口にあるのは、水面が子供の背丈ほどしかない江ノ島の南岸の岩場を再現した水槽に、高さ6mの「相模湾大水槽」。90種類、約2万匹の魚が泳ぐ姿は、これまた相模湾を再現したもの。泳いでいるのはマアジ、ウツボ、コショウダイ。そして約8000匹の見事な群泳を見せるマイワシ。「えのすい」が日本初のイワシの群泳展示を行った。 全国の水族館入場者ランキング(2014年度) 1位 沖縄美ら海水族館   323万人   1万0000トン 2位 海遊館           230万人  1万1000トン 3位 名古屋港水族館         196万人  2万7000トン 4位 新江ノ島水族館          172万人           3000トン 上記ランキング表の右横の数字は、水槽の総水量。圧倒的に「えのすい」は小さいのに4位と順位は大健闘。 ジンベエザメではなく、イワシで客を呼ぶ戦略を打ち立てたのが、江ノ島マリンコーポレーション社長、堀一久(50歳)。 (番組公式ホームページより) 「規模も決して大きくない。シャチもジンベエザメもいない。なぜなら相模湾に生息していないから。あくまで相模湾に生息するものをしっかり伝える。」 堀がこだわる相模湾は、浅瀬から1000mの深海まで海底の地形が複雑。近くを暖流と寒流が流れ、1500種(日本産魚類の36%)が生息する。身近な相模湾の生態系を見せて客を呼ぶ。日本初のシラスの展示、逗子沖のサンゴ、海藻の展示。こうした身近な海のリアルな展示で客を魅了する。 水族館の飼育員は、年に何度か相模湾にもぐり、徹底的に相模湾の今を調べる。こうした努力がリアルな展示へとつながり、リピーター客の心を魅了する。珍しいものではなく、身近なものをより深く伝えることが感動につながっていた。 身近なものを魅力ある展示にしている例はほかにもある。癒しがテーマで、50種類近くのクラゲを展示。この数の展示は世界でもトップクラス。その半数は相模湾に生息するクラゲだ。「えのすい」は60年以上前に日本初のクラゲの常設展示をしたパイオニアだった。それを支えるのがクラゲの繁殖技術。毎月9日はクラゲの日。江ノ島でクラゲを採取する。平日でも20人ほどは集まるイベント。 「何事においても、こだわり抜く。これがやっぱり一番大事。お客様から「この水族館面白い」「こんなところにもこだわっている」「素敵だね、じゃあまた来よう」という繰り返しになっていく。“また来たくなる水族館”がキーワード。 身近な海に宝あり。小さな水族館の感動戦略。   ■ スタジオでのインタビュー開始 何を求めて人は水族館に足を運ぶのでしょうか? 「1つには癒し。日本人は、海に囲まれた国で、非常に海に親しみを持っている。海をさらに知りたいという探究心をくすぐりながら、自然と時間がたってしまう。癒しにつながって、普段とは違う空間で体験することを皆さんが求めている。」 相模湾大水槽の中では魚同士が食べ合ったりはしないんですか? 「ありますよ。マイワシは外敵から身を守るためにかたまる。一生懸命、群れで泳ぐが、入っていた他の魚にパクッと食べられちゃう。その瞬間を営業時間中にたまたま見る人もいる。自然の世界をそのまま表現するという意味では、それも1つの見せ方になる。」 あんなにたくさんのイワシを一つの水槽で管理するのは大変なのでは? 「それぞれの水槽によって管理する特徴がある。水の温度や流れを試行錯誤しながら作っていく。魚が90種類もいると、適切な温度が微妙に違う。どの魚を優先するかで影響を受ける魚がいる。実は最初、マイワシと一緒にシノノメサカタザメという珍しい魚を入れた。このサメに合わせるには若干水温を上げなければならない。それはマイワシにとっては影響が悪い。最後はやっぱりマイワシがメーンの水槽にするなら、マイワシにとって最もいい環境の水槽にしようと。今はマイワシ最優先の温度管理にした。」 海藻だけで見せる水槽づくりは勇気ある挑戦では? 「勇気を持って挑戦することが成果につながるという考え方もあるが、裏付けとなる根拠がないと、いたずらにチャレンジもできない。相模湾のきれいな海水で育んだ海藻が実際に潜れば、それだけ繁茂している。皆さんの興味の範囲外かもしれないが、これだけ繁茂した海藻が相模湾にあるということを1つの柱として仕立てるべき。」   ■ 湘南ドライブがきっかけ 日活社長が“えのすい”創設 昭和天皇が9回も訪れたという「えのすい」。日本初の近代的水族館として江の島水族館が開業したのは1954年(昭和29年)。創設者は、日活社長(当時)の堀久作。湘南をドライブ中、美しい海に心ひかれた堀はここに水族館をつくることを決断。当時珍しかった水族館は人気を博し、1962年には来場者が240万人になるほどだった。しかし、施設の老朽化と全国各地に水族館ができたことにより、1998年度には、来場者が30万人にまで落ち込む。そこで、2004年に全面リニューアルしたのが現在の新江ノ島水族館。身近な相模湾の海を再現する方針に展開し、見事、入場者数はV字回復を見せた。   ■ 真夜中の船上で大奮闘 えのすい飼育員に密着 それにしても、どうやって相模湾の魚を集めるのか。午前1時に出港する地元の漁船に飼育員が乗せてもらう。定置網漁に同行し、網にかかった魚から、水族館にいない魚や数が足りない魚を分けてもらうのだ。漁師と仲良くなり、相模湾の魚の情報も一緒に仕入れる。 話は変わって、スタジオに戻り、再び水族館設立の経緯を。現社長の祖父が日活の当時の社長だった。 「(祖父が)昭和20年代に、たまたま湘南海岸をドライブしていて、映画に加えて、違った娯楽を自然環境を使ってできないか。この素晴らしい海にあるものを水族館にしたら面白いという発想がひらめき、2年後に、江の島水族館がオープンした。日活の資本を入れるより自分の発想だったので、面白いチャレンジができるかもと、プライベートカンパニーをつくって今に至る。」 “えのすい”には理念がありますよね。 「次に来た時「何があるだろう」と、“また来たくなる水族館”が我々のキーワード。来たくなるために、どんなサービスを提供するか、どういう商品を展開しようか、どういう空間をつくろうか、毎日365日間、考えている。さらに、これをどうお客様に伝えていくかも大きなポイントだと思う。」 珍しいものを展示するという感じではないですものね。 「相模湾にいる1500種の魚のうち、大水槽で90種しかいない。それ以外の広がりをこれから十分見せられる。お客も期待を持って、次に来た時に何か大水槽に違いがあるのか。そういう変化を伝えられれば、リピートしてもらえる要素になる。」 「「画期的なもの」も、コンテンツとして重要。ただ、そこに依存してしまうと、ベースが無くなってしまう。それが最大のリスクになる。そこにリスクを投下するより、日々の地道な時間と労力が重要。積み重ねると確実にノウハウの蓄積になる。ある意味、リスクにはならない。安全資産になる。」   ■ また行きたくなる水族館 秘密は“夜の猛特訓” 大水槽の中で「うおゴゴロ」ショーを行うために、飼育員が潜水服で水槽の中に潜る。手を差し伸べて魚を操り、巨大なエイにほおずり。実は魚たちも猫や犬と同じように懐くのだ。水槽にも来る前と後には、ちゃんと集まった客に向かってMCもきちんと務める。魚たちの魅力をお客に精一杯伝えるためだ。裏方のイメージが強い飼育員だが、こうしたショーで客の前に立つのも仕事で、そうした飼育員もこれまたこの水族館の魅力のひとつとなっている。 実は、こうした裏方イメージの強い飼育員がショーに立てるのには、秘密があった。夜の大水槽の前のフロアに飼育員が集まり、プロのインストラクターによる飼育員向け表現トレーニングが実施される。体の動かし方や表情の出し方などの基礎を勉強する。このトレーニングで飼育員たちは、客に伝えることの大切さを学ぶのだ。 「いわゆる、劇場の舞台公演と同じ発想で、相当稽古しないと舞台に立てない。演出家のオッケーもいる。考え方はそれと全く同じ。その上でショーのオーディションをやる。オーディションに合格しないと、ショーに出られない。」 “えのすい”の飼育員の方はどちらかというとサイエンスの人たちと思うが、アートの部分もないと、“えのすい”では働けないのでは? 「サイエンスとアートという切り口でいうと、ある意味、飼育員はサイエンスの知識を徹底的に持ってもらう。それを水族館として、お客にどう伝えるかがアート寄りになってくる。アートには別の担当がいて、飼育員のサイエンスを引き出す。ただ引き出すだけではお客に伝わらない。お客に伝える要素に変換して、最終的に展示として成立させる。この辺りの連係プレーをやっていくうちに、飼育員もサイエンスだけではダメと分かる。どんどん自分たちも興味を持ってきて、アート方面のアイデアを出すようになる。こういうインタラクティブな作業がアウトプットとして上手くお客の前に出る。」   ■ 子供たちを夢中にさせる えのすい名物 イルカショー “えのすい”には、イルカたちで世界初がある。それはイルカの繁殖を5世代続けて成功させていること。繁殖を可能にするのは、イルカと飼育員との間の信頼関係に基づく健康管理があった。体重計に乗せたり、陸に上がって体を横向きにさせ、採尿して内蔵のチェックを可能にしたりと、イルカを自由自在に操ることが出来ないと不可能な健康チェックばかり。水族館で命をつなぐ繁殖も大事な使命だ。 --------------------------------------- カンブリア宮殿 番組ホームページ2016年5月5日放送分はこちら 新江ノ島水族館のホームページはこちら現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します