本格的リニューアル構想中のため、一部表示に不具合があります m(_ _)m

(キャリアアップ)中小企業診断士トップに 取得したいビジネス関連資格 本社など調査 やはり英語、簿記上位

所感
この記事は約5分で読めます。

■ ビジネスパーソンが取りたい資格と取って満足できる資格とは!?

コンサルタントのつぶやき

若手コンサルタントに対するキャリアプランの面倒を見る仕事もあるので、キャリアと資格の関係には常々思う所があります。そんな中、新聞記事で次のような資格取得への考察が取り上げられていました。

2016/1/12付 |日本経済新聞|朝刊 (キャリアアップ)中小企業診断士トップに 取得したいビジネス関連資格 本社など調査 やはり英語、簿記上位

「日本経済新聞社と就職・転職情報サービスの日経HRは共同で、ビジネスパーソンを対象に新たに取得したい資格(語学検定含む)を調査した。首位は中小企業診断士で前年の6位から大きく順位を上げた。上位には英語能力テスト「TOEIC」や企業の財務部門での業務に生かせる日商簿記検定など、実用性の高い資格が多く入った。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

では、その取りたい資格ランキング(同記事添付のものを転載)を下記にご紹介します。

20160112_「新たに取得したい」資格ランキング_日本経済新聞朝刊

取りたい資格についての分析についてはかいつまんで説明すると次の通りです。

1.取得動機は「客観的な証明に」
「今後資格取得に向け「勉強したい、勉強を始めている分野がある」と回答したのは40.6%だった。資格取得を目指す目的(複数回答)の首位は38.8%の「自分の知識・スキルの客観的な証明になるから」で「将来のキャリアアップのため」(28.0%)が続いた。」

2.取得にかけたい期間は「1~2年以内に」
「いつまでに資格を取得したいかでは、1~2年以内が42.2%で最多だった。主に難関資格の取得に向け、2年以上の長期計画を立てている人も21.5%に上った。」

てっとり早く1,2年で取れる資格で、自分の実力(本当はその知識で実業務をやっていないので、真実はあくまでポテンシャルにすぎないが)を客観的に証明できるものでしょうか?

■ 取った資格に満足しているか?

続けて、保有資格についての満足度調査も実施されています。

(下表は、記事添付の満足度ランキングを転載)

20160112_満足度ランキング_日本経済新聞朝刊

「保有している資格への満足度について聞いたところ、ランキング上位はIT(情報技術)関連の難関資格など専門性が高い資格が目立った。「満足」の内容としては、コストパフォーマンスの高さが高評価につながる傾向が見られた。」

調査方法が、
① 満足度は資格取得にかかった「費用」と②「時間」
③ 現在の業務への活用度
④ 将来的に活用できる見込み(将来性)
の4項目の合計で算出したとのこと。

上記2つのランキング表から分かることは、「取りたい資格」と「取った後満足度が高い資格」にズレがあること。後者は、実務への活用度、高い専門性が身に着く、そして当然コスパ(短時間、低費用)が満足度の理由になりそうです。

要は、会社の多角化事業戦略と同様に、自分のキャリア・ポートフォリオの中で、次にどの分野に投資したら、全体的に収益性が最大になるのか、という視点で資格取得も考えた方が良い、ということ。事業投資にも言えますが、ポイントは、

① 既存の経営リソースが十分に生かせるシナジーがあるか
  (なぜ、自分がやらなくてはいかないかの理由があるか)
② 高い収益性(リターン)が見込めるか

の2つだと思います。この2つの事前によく考えないと、取りたい資格と、取った後満足できる資格にズレが生じるわけ。

■ 聞き捨てならぬAIの影響とは?

今回のアンケートでは、AIの影響についても聞き取りをしています。

「急速に実用化が進む人工知能(AI)技術の影響についても聞いた(複数回答)。AIの登場で将来、ニーズの低下が見込まれる資格として、日商簿記検定(1~3級、7.6%)や英語能力テスト(6.5%)といった会計系や語学系資格が多く挙がった。いずれもコンピューターとの親和性が高くAIでの代替が可能と見られたようだ。」

これについては、経営コンサルタント(仕事の内容は、ITを含んだ経営管理・管理会計系領域のBPR)としての筆者の私見が参考になれば、、、いや、声を大にして言いたい!

『「経営管理」を語るために、3つの言語が必要である』というのが筆者の持論です。その3つとは、

① 自然言語(日本語、英語ともに)
② 会計言語(複式簿記)
③ 情報処理言語

まず①から。議事録、プレゼン資料、ビジネスって、人と人のコミュニケーションと意思決定そのものだと思っています。それらのベースになっているのが自然言語。「てにおは」だけのことを言っているのではなく、資料を作る時の目的によって、用語や資料の建付けをリビルドする。そういうベースがないと、他の専門知識を如何に身に着けても、他人と共有・深化できないと宝の持ち腐れ。

次に②の簿記。AI、一歩下がって会計システムが吐き出した膨大な会計データや、サマられた財務諸表の中身を読み解くには、簿記の知識が無いと、内容を理解することはできません。売上●●円、利益●●円、前期より増収増益だからOK、程度の読み方では、本当に財務諸表を読んだことになりません。これは、AIが、財務分析をしても同じ。複式簿記の構造を知らないと、AIが出した答えの意味を絶対に理解できません。

最後に③。どうしても、人力以外でデータ処理しないと、今や業務は実行できません。パソコンが動く原理でも、MS-Excelでよく使う関数でも、人間が入力したものがどんなアルゴリズムで計算されて、結果としてどういう形式で出力されるか、IN→Process→OUT、について理解できないと、業務マニュアルも、IT活用の企画書も作成することはできません。

AIが登場しても、この3つの言語の習得は必須です。AIがあなたに代わって自然言語や会計言語によるコミュニケーションを代替してくれるものではないから。ただ公的資格を取る必要があるかどうかは、皆さんの仕事上の状態によるものだと思いますが。筆者ですか? 経営コンサルタントを名乗る以上、①英語、②簿記、③情報処理言語、3つとも、公的資格またはある程度のレベルの点数は持っています。でも持っていることと使えていることはまた別の話ですけどね。。。(^^;)

コメント