CFO投資家に語る⑥ オリックス 1株利益200円、早期達成へ

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■ 記者の一歩上を行くEPS

経営管理会計トピック
オリックスの浦田副社長はさすがというべきか、記者の機嫌を損ねないように自社の財務戦略を主張しています。

2014/9/19付 |日本経済新聞|朝刊
CFO投資家に語る⑥ オリックス 1株利益200円、早期達成へ

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます
記事の中で、記者の「約1兆円と潤沢な手元資金を活用して、自社株買いをする選択肢は?」との問いに対して、「手元資金は将来の収益拡大に向け使いたい。投資家が求めているのはしっかりとした利益成長のはず」といみじくも回答されています。

そのうえで、ROEではなく、冒頭のEPSを200円へというターゲットがもつメッセージが効いてきます。
というのも、
EPS(1株利益) =(当期利益) ÷ (発行済み株式総数)
            =(当期純利益) ÷ (自己資本) × (自己資本) ÷ (発行済み株式総数)
            = ROE × BPS
            =(自己資本利益率) × (1株自己資本)
なので、
ROEを安易に引き上げるための自己資本の減額=自社株買いは、自社が管理指標としているEPSには関係ありません、とやんわり主張しているわけです。したたかなり、オリックス。

■ 記者も使い分けるDEレシオ

上の記事は、15面に掲載されていましたが、お隣に、この記事も発見しました。 

2014/9/19付 |日本経済新聞|朝刊
川崎汽 負債資本倍率1倍未満に 20年3月期目標 将来投資に備え財務強化

この記事の趣旨は、「有利子負債を削減して、将来の投資拡大に備え財務を強化する」
「日本郵船は19年3月期にDEレシオを1.7倍から1倍へ、商船三井もネットDEレシオを20年3月期までに1.4倍から1倍へ」というものです。
翻って、オリックスの記者コメントには、「DEレシオは2倍と安定的だが、むしろ投資家が求めているのは積極的に財務レバレッジ(テコ)を効かせた大胆な「攻め」ではないか」とあります。
一方は財務強化のため、DEレシオを1倍へと報道、もう一方は積極投資のために、DEレシオを2倍以上へと提言。
財務指標はその値自体が有意なものではありません。経済記者のごとく、個別企業の資金需要ステージと成長戦略を評価し、足元のキャッシュポジションを踏まえて云々するべし、という王道をあえて確認させて頂きました。

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