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■ 一度きりのライフラインを使ってしまったキャッシュフロー計算書の恐ろしい顛末

会計(基礎編)

経営者は、株主などのステークホルダーからのプレッシャーや自身の業績変動給を高めるために、常に財務諸表を良く見せようとする誘惑に駆られてしまいがちです。そのよく見せたい、という動機から採り得る手段が、一時的な効果だけをもたらすもので、その瞬間の企業の命を救うには絶好の手段かもしれませんが、それは単に死亡宣告通知が出るのをしばらく先延ばしにするだけのことです。まるで、100以上の国でローカル版が放映された大人気クイズ番組「クイズ・ミリオネア」における「ライフライン」のように。。。

本記事を書くのに参考にしている図書の紹介から。

会計不正はこう見抜け

この図書の内容を受けて、筆者が整理した不適切会計の全体見取り図は下記のとおり。

経営管理会計トピック_不適切会計の類型

今回は、営業キャッシュ・アウトフローを一時的に増段させるテクニックを見ていきます。
ちなみに、「営業活動によるキャッシュフロー」は、前回に引き続き、「CFFO:Cash Flow From Operations」と表記します。

(1)仕入先への支払いを遅らせてCFFOを増大させる
(2)得意先からの回収を早めてCFFOを増大させる
(3)在庫の仕入れを減らしてCFFOを増大させる
(4)特別利益でCFFOを増大させる

決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編 (講談社現代新書)

(1)仕入先への支払いを遅らせてCFFOを増大させる

●支払債務を積み増す
一度使ったライフラインの効果を持続させることは、同じライフラインを何度も繰り返し使うこと。しかし、効果が絶大なライフラインであればあるほど、繰り返し使うたびにその効用は薄れていくことが多くあります。米GEのジャック・ウェルチの後継争いに敗れた謀経営者が得た次のポジションはホームデポのCEO。そこで謀経営者は、取締役会からの期待と、自身の業績比例報酬の最大化を狙い、着任して初めての決算において、CFFOを28億ドルから60億ドルに増大させて、自分も含めた一部のステークホルダーの皆を大変喜ばせるのに貢献しました。

彼がやったことは、仕入先への現金支払いを渋ったこと。この年、仕入債務の回転日数は22日から34日に引き延ばされました。そして翌年、この34日は、41日と伸びることになります。この施策を喜ばない一部のステークホルダーは誰か?もう自明ですね。それは仕入先でした。

(参考)
仕入債務回転日数(DSP:days’ sales of payable)= 仕入債務 ÷ (売上原価×365日)
→年間でみるなら365日、四半期でみるなら91.25日をつかう

こうした不正、おっと言い過ぎました、創意工夫は、キャッシュフロー計算書のCFFOの内訳を眺めるだけで簡単に見抜くことができます。CFFOの主要な源泉である減価償却費・法人税控除前の利益が増えていないのに、CFFOにプラス方向に作用する「買掛金および未払い費用の増加額」という名目の金額が突出して年々膨らんできているかどうかだけです。

仕入先がいつまでこの謀経営者のいいなりに支払いサイト延期に付き合ってくれるか。堪忍袋の緒が切れるのも時間の問題でしょう。

●仕入債務「融資」を行う
今度は仕入先への支払現金をきちんと約束した期日に準備するのですが、その準備方法に銀行借入を活用した場合、キャッシュフロー計算書にどう反映させるか、結構いい加減で会社の裁量権が大きく、キャッシュフロー計算書を外部から見る立場の者はこのトリックを見破ることは一見して難しいものがあります。

大別して、仕入先への買入債務返済の資金を銀行借入(有利子負債)によって賄った場合、次の3通りの計上方法があります。

① 銀行借入および返済によるキャッシュフローを財務活動として計上
② 銀行借入および返済によるキャッシュフローを営業活動として計上
③ 銀行借入によるキャッシュインフローは営業活動とし、返済によるキャッシュアウトは財務活動として計上

これらの違いは、投資家にとって、同業他社比較をより困難なものにし、より注意深くキャッシュフロー計算書を読み込むことを必要とします。これも経営者のディスクロージャー政策次第なのですが、こうした「仕入債務融資契約」について、注記できちんと説明をしている企業のキャッシュフロー計算書は読解が容易で他社比較も少ない手数でいくつかの数値を補正するだけで比較可能性を担保することができます。まあ、上記の②③の表示手段を採用している企業ほど、注記で説明している可能性は低いというのが経験則なのですが、、、

図解と設例で作成法を学ぶ これならわかるキャッシュ・フロー計算書

(2)得意先からの回収を早めてCFFOを増大させる

●売掛債権を減らす
企業が一時的にCFFOの増加を生み出すことができるもうひとつの方法が、顧客にもっと早く代金を支払ってくれるように働きかけることです。これは上記(1)の状況と裏表の関係になっています。しかし、この早期支払の説得も、効果は一時的で、翌会計年度までその効用は持続することはありません。

●前受収益・前受金を増やす
そこで、経営者はいろいろ画策するわけです。そのひとつが会計年度をまたぐ程の長期契約にかかる契約金(手付金でもいい)を「前受収益」「前受金」として受け取ることです。「実現主義」による期間損益計算ロジック上は、この種の現金収入はまだP/L上の売上高に参入することはできませんが、B/Sの現預金を増やす効果があり、当然それはキャッシュフロー計算書のCFFOの増加要因となります。前期からのCFFOの増加分の内、これこれは、「前受金」受領分ですよ、と丁寧に説明してくれる経営者やCFOならば信頼に足る人物だと考えて間違いありません。得てして、CFFOの増加だけをことさら強調するIR説明会の方が多いのですから。

●早期支払割引制度を使う
さらに、簡単に顧客が代金支払の前倒しに応じてくれない場合でも、まだ手があります。顧客と約束している入金日より早く現金を銀行口座に振り込んでくれるのなら、入金必要額を減額して、おまけしてあげますよ、というインセンティブを顧客に与えるのです。これを「早期支払割引制度」といいます。会計仕訳的には、「売上割戻し」。財務会計や商取引の実務では、売上高のマイナス要素には、「値引」と「割引」があります。一般にはこの2語は混同されて使用されることが多いのですが、お金の時間的価値(金利、利息を想起してください)に基づいて顧客からの受取代金をおまけすることは「割引」です。

(参考)
売上債権回転日数(DSR:days’ sales of receivable)= 売上債権 ÷ (売上高×365日)
→年間でみるなら365日、四半期でみるなら91.25日をつかう

このケースでも、キャッシュフロー計算書単独の、CFFOの構成要素である「売上債権の減少額」の増減に注目するのもいいですし、DSRのようなP/LとB/Sの数値を組み合わせた指標を比べてみることでも異常値を発見することができます。でも、一番いいのは、経営者がきちんと「早期支払割引制度」を注記で開示してくれていること。この開示姿勢から、経営者・CFOの悪意や経営管理の素質が自然とにじみ出てくるのでしょうね。

キャッシュフローと損益分岐点の見方・活かし方

(3)在庫の仕入れを減らしてCFFOを増大させる

これは、上記(1)と密接に絡んでいる事象です。仕入先への支払いを延ばし、一時的にCFFOを水増しするということは、仕入先からの新規の在庫納入の量やスピードが落ちる方向に商取引相手の心理が動くのは何ら不思議なことではありません。つまり、ホームデポの各店舗の在庫金額を減らすことで、在庫投資に眠るキャッシュも減額することができる、ということです。商品仕入代金の振込みがあるまで、次の在庫補充はしない。自然と、店頭在庫は減り、CFFOも増大します。しかし、こうした販売施策を無視した財務施策からの在庫削減は、店頭での欠品や新商品の優先的配分順位の劣化として、現場にボディーブローのように効き始めます。厳密に言えは、この施策は会計不正とはいえないものの、通常営業循環でのお金と商品の交換サイクルを意図的に、一時的なCFFO増大の犠牲にするものとして、当該企業の「ゴーイングコンサーン」の力をそぐ方向に向かう施策と言っても過言ではないかもしれません。

キャッシュフロー経営って?―ドクターをお金の悩みから解放する

(4)特別利益でCFFOを増大させる

これは、参考図書に掲載のあった米国の具体例でもって説明したいと思います。マイクロソフトが、反トラスト法訴訟和解のために、サン・マイクロシステムズに2004年、20億ドル近くを支払いました。その内、16億ドルは即時に利益として認識されました。サンは、この多額の臨時的項目をP/Lでは、「和解金収入」として独立記載しました。これは、「ビロー・ザ・ライン(営業利益より下)」ということで、投資家には、臨時的な収入で通常の営業とは無関係な取引からの利益であることが明快に説明されていました。

しかし、キャッシュフロー計算書では、「間接法」を採用していたこともあり、「純利益」に含まれ、独立した科目としては表示されていませんでした。

(参考)キャッシュフロー計算書の作り方「間接法」「直接法」の違いはこちら
⇒「キャッシュフロー計算書を斬る

サンの2003年のCFFO総額は10億ドルで、2004年はこの16億ドルの「和解金収入」を含めて総額:22億ドル。サンは、CFFOは増加と決算発表しましたが、この「和解金収入」がなければ、CFFOは減少。この一時的な現金収入がはげ落ちれば、通常の営業活動からのキャッシュ生成能力は前年から落ちている、と見るのが正解でしょう。

会社のお金はどこへ消えた?―“キャッシュバランス・フロー”でお金を呼び込む59の鉄則

ここまで、一時的な政策により、CFFOを水増し表示させる手法を4つご紹介しました。

財務会計(入門編)_不適切会計の手段 -キャッシュフロー操作(5)持続不可能な活動による営業キャッシュフローの増大

東芝 不正会計 底なしの闇




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不適切会計の手段 -キャッシュフロー操作(5)持続不可能な活動による営業キャッシュフローの増大http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/07/3c971502de75240f1831fd45c1169d291.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/07/3c971502de75240f1831fd45c1169d291-150x150.jpg小林 友昭財務会計(入門編)不適切会計,ゴーイングコンサーン,キャッシュフロー計算書,CFFO,前受収益,仕入債務回転日数,仕入債務融資契約,早期支払割引制度,売上債権回転日数,ビロー・ザ・ライン■ 一度きりのライフラインを使ってしまったキャッシュフロー計算書の恐ろしい顛末 経営者は、株主などのステークホルダーからのプレッシャーや自身の業績変動給を高めるために、常に財務諸表を良く見せようとする誘惑に駆られてしまいがちです。そのよく見せたい、という動機から採り得る手段が、一時的な効果だけをもたらすもので、その瞬間の企業の命を救うには絶好の手段かもしれませんが、それは単に死亡宣告通知が出るのをしばらく先延ばしにするだけのことです。まるで、100以上の国でローカル版が放映された大人気クイズ番組「クイズ・ミリオネア」における「ライフライン」のように。。。 本記事を書くのに参考にしている図書の紹介から。 会計不正はこう見抜け この図書の内容を受けて、筆者が整理した不適切会計の全体見取り図は下記のとおり。 今回は、営業キャッシュ・アウトフローを一時的に増段させるテクニックを見ていきます。 ちなみに、「営業活動によるキャッシュフロー」は、前回に引き続き、「CFFO:Cash Flow From Operations」と表記します。 (1)仕入先への支払いを遅らせてCFFOを増大させる (2)得意先からの回収を早めてCFFOを増大させる (3)在庫の仕入れを減らしてCFFOを増大させる (4)特別利益でCFFOを増大させる 決算書はここだけ読め! キャッシュ・フロー計算書編 (講談社現代新書) (1)仕入先への支払いを遅らせてCFFOを増大させる ●支払債務を積み増す 一度使ったライフラインの効果を持続させることは、同じライフラインを何度も繰り返し使うこと。しかし、効果が絶大なライフラインであればあるほど、繰り返し使うたびにその効用は薄れていくことが多くあります。米GEのジャック・ウェルチの後継争いに敗れた謀経営者が得た次のポジションはホームデポのCEO。そこで謀経営者は、取締役会からの期待と、自身の業績比例報酬の最大化を狙い、着任して初めての決算において、CFFOを28億ドルから60億ドルに増大させて、自分も含めた一部のステークホルダーの皆を大変喜ばせるのに貢献しました。 彼がやったことは、仕入先への現金支払いを渋ったこと。この年、仕入債務の回転日数は22日から34日に引き延ばされました。そして翌年、この34日は、41日と伸びることになります。この施策を喜ばない一部のステークホルダーは誰か?もう自明ですね。それは仕入先でした。 (参考) 仕入債務回転日数(DSP:days’ sales of payable)= 仕入債務 ÷ (売上原価×365日) →年間でみるなら365日、四半期でみるなら91.25日をつかう こうした不正、おっと言い過ぎました、創意工夫は、キャッシュフロー計算書のCFFOの内訳を眺めるだけで簡単に見抜くことができます。CFFOの主要な源泉である減価償却費・法人税控除前の利益が増えていないのに、CFFOにプラス方向に作用する「買掛金および未払い費用の増加額」という名目の金額が突出して年々膨らんできているかどうかだけです。 仕入先がいつまでこの謀経営者のいいなりに支払いサイト延期に付き合ってくれるか。堪忍袋の緒が切れるのも時間の問題でしょう。 ●仕入債務「融資」を行う 今度は仕入先への支払現金をきちんと約束した期日に準備するのですが、その準備方法に銀行借入を活用した場合、キャッシュフロー計算書にどう反映させるか、結構いい加減で会社の裁量権が大きく、キャッシュフロー計算書を外部から見る立場の者はこのトリックを見破ることは一見して難しいものがあります。 大別して、仕入先への買入債務返済の資金を銀行借入(有利子負債)によって賄った場合、次の3通りの計上方法があります。 ① 銀行借入および返済によるキャッシュフローを財務活動として計上 ② 銀行借入および返済によるキャッシュフローを営業活動として計上 ③ 銀行借入によるキャッシュインフローは営業活動とし、返済によるキャッシュアウトは財務活動として計上 これらの違いは、投資家にとって、同業他社比較をより困難なものにし、より注意深くキャッシュフロー計算書を読み込むことを必要とします。これも経営者のディスクロージャー政策次第なのですが、こうした「仕入債務融資契約」について、注記できちんと説明をしている企業のキャッシュフロー計算書は読解が容易で他社比較も少ない手数でいくつかの数値を補正するだけで比較可能性を担保することができます。まあ、上記の②③の表示手段を採用している企業ほど、注記で説明している可能性は低いというのが経験則なのですが、、、 図解と設例で作成法を学ぶ これならわかるキャッシュ・フロー計算書 (2)得意先からの回収を早めてCFFOを増大させる ●売掛債権を減らす 企業が一時的にCFFOの増加を生み出すことができるもうひとつの方法が、顧客にもっと早く代金を支払ってくれるように働きかけることです。これは上記(1)の状況と裏表の関係になっています。しかし、この早期支払の説得も、効果は一時的で、翌会計年度までその効用は持続することはありません。 ●前受収益・前受金を増やす そこで、経営者はいろいろ画策するわけです。そのひとつが会計年度をまたぐ程の長期契約にかかる契約金(手付金でもいい)を「前受収益」「前受金」として受け取ることです。「実現主義」による期間損益計算ロジック上は、この種の現金収入はまだP/L上の売上高に参入することはできませんが、B/Sの現預金を増やす効果があり、当然それはキャッシュフロー計算書のCFFOの増加要因となります。前期からのCFFOの増加分の内、これこれは、「前受金」受領分ですよ、と丁寧に説明してくれる経営者やCFOならば信頼に足る人物だと考えて間違いありません。得てして、CFFOの増加だけをことさら強調するIR説明会の方が多いのですから。 ●早期支払割引制度を使う さらに、簡単に顧客が代金支払の前倒しに応じてくれない場合でも、まだ手があります。顧客と約束している入金日より早く現金を銀行口座に振り込んでくれるのなら、入金必要額を減額して、おまけしてあげますよ、というインセンティブを顧客に与えるのです。これを「早期支払割引制度」といいます。会計仕訳的には、「売上割戻し」。財務会計や商取引の実務では、売上高のマイナス要素には、「値引」と「割引」があります。一般にはこの2語は混同されて使用されることが多いのですが、お金の時間的価値(金利、利息を想起してください)に基づいて顧客からの受取代金をおまけすることは「割引」です。 (参考) 売上債権回転日数(DSR:days’ sales of receivable)= 売上債権 ÷ (売上高×365日) →年間でみるなら365日、四半期でみるなら91.25日をつかう このケースでも、キャッシュフロー計算書単独の、CFFOの構成要素である「売上債権の減少額」の増減に注目するのもいいですし、DSRのようなP/LとB/Sの数値を組み合わせた指標を比べてみることでも異常値を発見することができます。でも、一番いいのは、経営者がきちんと「早期支払割引制度」を注記で開示してくれていること。この開示姿勢から、経営者・CFOの悪意や経営管理の素質が自然とにじみ出てくるのでしょうね。 キャッシュフローと損益分岐点の見方・活かし方 (3)在庫の仕入れを減らしてCFFOを増大させる これは、上記(1)と密接に絡んでいる事象です。仕入先への支払いを延ばし、一時的にCFFOを水増しするということは、仕入先からの新規の在庫納入の量やスピードが落ちる方向に商取引相手の心理が動くのは何ら不思議なことではありません。つまり、ホームデポの各店舗の在庫金額を減らすことで、在庫投資に眠るキャッシュも減額することができる、ということです。商品仕入代金の振込みがあるまで、次の在庫補充はしない。自然と、店頭在庫は減り、CFFOも増大します。しかし、こうした販売施策を無視した財務施策からの在庫削減は、店頭での欠品や新商品の優先的配分順位の劣化として、現場にボディーブローのように効き始めます。厳密に言えは、この施策は会計不正とはいえないものの、通常営業循環でのお金と商品の交換サイクルを意図的に、一時的なCFFO増大の犠牲にするものとして、当該企業の「ゴーイングコンサーン」の力をそぐ方向に向かう施策と言っても過言ではないかもしれません。 キャッシュフロー経営って?―ドクターをお金の悩みから解放する (4)特別利益でCFFOを増大させる これは、参考図書に掲載のあった米国の具体例でもって説明したいと思います。マイクロソフトが、反トラスト法訴訟和解のために、サン・マイクロシステムズに2004年、20億ドル近くを支払いました。その内、16億ドルは即時に利益として認識されました。サンは、この多額の臨時的項目をP/Lでは、「和解金収入」として独立記載しました。これは、「ビロー・ザ・ライン(営業利益より下)」ということで、投資家には、臨時的な収入で通常の営業とは無関係な取引からの利益であることが明快に説明されていました。 しかし、キャッシュフロー計算書では、「間接法」を採用していたこともあり、「純利益」に含まれ、独立した科目としては表示されていませんでした。 (参考)キャッシュフロー計算書の作り方「間接法」「直接法」の違いはこちら ⇒「キャッシュフロー計算書を斬る」 サンの2003年のCFFO総額は10億ドルで、2004年はこの16億ドルの「和解金収入」を含めて総額:22億ドル。サンは、CFFOは増加と決算発表しましたが、この「和解金収入」がなければ、CFFOは減少。この一時的な現金収入がはげ落ちれば、通常の営業活動からのキャッシュ生成能力は前年から落ちている、と見るのが正解でしょう。 会社のお金はどこへ消えた?―“キャッシュバランス・フロー”でお金を呼び込む59の鉄則 ここまで、一時的な政策により、CFFOを水増し表示させる手法を4つご紹介しました。 東芝 不正会計 底なしの闇現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します