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■ 山里に本気のシェフがいる!

コンサルタントのつぶやき

大阪出身の谷口さん。冨山に来たのは5年前。神通川のほとりにそのフレンチレストランはある。完全予約制の昼夜シェフのお任せコースがあるのみだ。谷口さんの経歴は華やか。フランスの三星レストランで修業を積んできた。地元の食材を使ってフレンチでも和食でもない不思議な料理を出す。

フレンチの最先端 × 富山の食文化 = どこにもない料理

谷口さんが創ろうとしているのは単に地元の食材を使った料理ではない。伝統の食文化に先進的な技術を掛け合わせた全く新たな一品。

谷口英司_プロフェッショナル

番組ホームページより

 

■ いま注目! 北陸の気鋭シェフこだわり“宝探し”

プロフェッショナルのこだわりとは?

谷口さんの休日。生産農家や銅器職人(食器用)を訪ねていろいろな話をする。「料理人一人なんか何もできないんですね。僕たちがお互い認め合って理解がかなり深めれば深めるほど本当にいいものはもっともっとできていくと思うんでね」

「日本の地方というのがもっと誇れないかなと思って。どこどこの地方っていうのは本当にこれから食のスタンダードに間違いなくなってくると思いますし、それが一番いい結果を生み出すと思います。絶対に、その地方の地元のものを誰よりも知っていないとダメですし、理解もしないとダメですし、絶対に今から料理人にはそれが求められてくると思いますし。これがスタンダードなレストランであるべきじゃないかなと」

その場所にこそ答えがある!

朝採れのタケノコの風味もそのまま生かしたい、創作料理の制作に四苦八苦していた。そこで掘ってから20分で茹でることにチャレンジした。そうすれば圧倒的にゆで時間は短縮でき、タケノコの風味もそのまま生かせる。甘味も逃げないはずだ。

「科学的に言うと、米ぬかを入れたりとかカルシウムを入れて炊いたりとか、いろんなテクニックがあるんですけど、僕らは本当にタケノコを取りに行って20分でこの厨房まで持って帰ってきて20分以内に茹でられるっていう、そういう強みを生かそうと思って。これが地方の本当にいいところで、こういうことが僕らの調理の武器なんでしょうね」

地方で料理人として生きる谷口さんは今日もその意味を考え続ける。

ある日、谷口さんは自らの店でパーティーを開いた。招いたのは、日頃から店を支えてくれている生産者や職人さんなど44人。今、大切な仲間たちと歩む谷口さん。だが、ここに至るまでは料理人としての深い葛藤の日々があった。

 

■ エリートシェフ迷う

谷口さんは、昭和41年大阪豊中生まれ。小学生の時、料理人の父親が独立し、とんかつ屋を開いた。料理を作るその立ち姿がかっこよく強く憧れた。旅館や飲食店での修行を経て、わずか22歳の時、フレンチの名店へ。すぐに頭角を表わすようになった。25歳の時、仏ブルゴーニュの世界的名店「ベルナール・ロワーズ」での修行を許された。そこで最新のフランス料理の技法を学んだ谷口さん。それさえあればどんなところでも通用する。修業が終わる頃にはそう確信するようになった。

転機が訪れたのは34歳の時。フランスの店から帰国し、神戸の店で働いていた時だった。当時勤めていたお店の系列店から冨山に出す店を率いて欲しいといわれた。都会を離れることに戸惑いながらも冨山で働き始めた谷口さん。海外で仕入れた豪華な食材を惜しみなく使い、磨き上げたテクニックを見せつけるかのような料理をお客に出していった。ところがある日、東京から来たお客から言われた。「こんな料理、どこでも食べられる。どうして冨山に来てこんなにフランス産のものばっかりで、それやったら東京とかでも食べられる」

さらに、谷口さんを悩ませるものがあった。それは東京や大阪などで働く料理人たちの存在。彼らのように最新の情報が入る所にいれば自分も技術をもっと磨けるのに。「都会からだいぶ遅れてきたんじゃないかって。情報が入ってこないんで、どうしても焦りもありましたし、羨ましかったんですよ。東京ってこんなんやっているんやって、もちろん気になっていました」

 

■ エリートシェフ 地元農家との出会い

そんなある日のこと、店の近くに良い卵や野菜を作る農家があることを知った。鬱々とした気分を変えるために訪れることにした。生産農家から冨山産の野菜を手渡された。「本当にすごく子どものようにはしゃぎましたね。野菜をそのまま調理場に持って帰るということが、なんかすごく楽しくって。そこで本当に、あっ、こうやって作っているんやから、僕たちは美味しく料理しようと。本当にそれが最初のきっかけかもしれない」

その日以降、谷口さんは紹介してもらった農家や猟師たちと会っていった。山菜、ホタルイカ、かぶら寿司。。。豊かな食文化が谷口さんを待っていた。谷口さんの創る料理が変わっていった。谷口さんの地元の食材を生かした独創料理を口にした地元の生産農家たちが、さらに違った新たな食材を持ってくるようになった。

(生産農家のひとり、河上さん)
「もっとこっちもってなりますね。シェフの本気にどんどん火をつけられるっていう。自分だけじゃないと思うんですよ」

そうして創った料理は都会の流行に沿ってるか谷口さんにはわからない。でもこれこそが自分が創るべき料理、いつしか都会への思いは消えていた。冨山に来て3年後、系列店で働く任期が切れる時がやってきた。だが、谷口さんはその店を自分で引き取り独立。冨山に残る決断をした。

「冨山に自分は本当に変わらされました。変えて頂きましたね。ここで僕は本当に料理を作れているっていうことに関して、この地に、この地方にまず感謝しますし、それを僕はちゃんと料理でお客さんにお出しして返していきたいなと」。料理人人生を仲間たちがいる冨山で続けていく、強くそう思っている。

 

■ 今注目! 北陸の気鋭シェフ 美味は生まれるか? アイガモに挑戦!

アイガモ農法で無農薬による米作りに活躍しているアイガモを使って、ここだけのブランドになるアイガモ料理作りに挑戦を始めた。自然に近い環境で育ったアイガモの味は申し分ない。だが、谷口さんの表情は渋い。

「皮がすごく気になるんです。皮と皮の間の筋が、結構筋張っているかな」

新コースメニューの目玉にしたかった。地元の食材を生かす料理を出し続けてきた。ここで料理人を続けてきた意義がそこにある。ここが料理人の踏ん張りどころ。アイガモの皮に大きく切れ目を入れることで抜ける脂分を付け合わせの野菜にオイル漬けの玄米を使うことで補った。試食してくれた生産農家の人たちには高評価。しかし、谷口さんの口からは、

「やれることはやり切りました。だけど50%です。それでもやっぱり50%です」

谷口さんは新メニューにアイガモ料理を加えることを断念した。

“ここにあるもの”を諦めない

「ただ(いいものが)あるから使うんじゃなくて、ここにあるものをどんだけ武器にできるかにかかっているんですね。あるだけじゃダメなんです。あるものに対して、一つも二つもレベルアップさせていかないとだめですし、本当にそれの繰り返しじゃないかと思います」

アイガモ料理に来年も挑戦することにした。河上さん(生産農家)も飼育に工夫することにした。

生産者が力を尽くして育てたものは必ず料理に生かす!

「(生産者と)ああいうやりとりをして素材を作っていって僕たちはそれで料理をさせてもらえるレストラン。最高です。最高です」

革新は地方にこそ起きる! 谷口さんの挑戦はまだ始まったばかりだ!

 

プロフェッショナルとは?

「僕たちはすごくなくていい。
 ただ、「ここはすばらしい」、
 そういうふうな料理が出せたら。」

——————–
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レヴォのホームページはこちら

→再放送:7月11日(土)午前0時55分~午前1時43分(金曜深夜)総合

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最先端は、地方でこそ生まれる フレンチシェフ・谷口英司 2015年7月6日OA NHK プロフェッショナル 仕事の流儀http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭TV番組レビュープロフェッショナル,レヴォ,谷口英司■ 山里に本気のシェフがいる! 大阪出身の谷口さん。冨山に来たのは5年前。神通川のほとりにそのフレンチレストランはある。完全予約制の昼夜シェフのお任せコースがあるのみだ。谷口さんの経歴は華やか。フランスの三星レストランで修業を積んできた。地元の食材を使ってフレンチでも和食でもない不思議な料理を出す。 フレンチの最先端 × 富山の食文化 = どこにもない料理 谷口さんが創ろうとしているのは単に地元の食材を使った料理ではない。伝統の食文化に先進的な技術を掛け合わせた全く新たな一品。 (番組ホームページより)   ■ いま注目! 北陸の気鋭シェフこだわり“宝探し” プロフェッショナルのこだわりとは? 谷口さんの休日。生産農家や銅器職人(食器用)を訪ねていろいろな話をする。「料理人一人なんか何もできないんですね。僕たちがお互い認め合って理解がかなり深めれば深めるほど本当にいいものはもっともっとできていくと思うんでね」 「日本の地方というのがもっと誇れないかなと思って。どこどこの地方っていうのは本当にこれから食のスタンダードに間違いなくなってくると思いますし、それが一番いい結果を生み出すと思います。絶対に、その地方の地元のものを誰よりも知っていないとダメですし、理解もしないとダメですし、絶対に今から料理人にはそれが求められてくると思いますし。これがスタンダードなレストランであるべきじゃないかなと」 その場所にこそ答えがある! 朝採れのタケノコの風味もそのまま生かしたい、創作料理の制作に四苦八苦していた。そこで掘ってから20分で茹でることにチャレンジした。そうすれば圧倒的にゆで時間は短縮でき、タケノコの風味もそのまま生かせる。甘味も逃げないはずだ。 「科学的に言うと、米ぬかを入れたりとかカルシウムを入れて炊いたりとか、いろんなテクニックがあるんですけど、僕らは本当にタケノコを取りに行って20分でこの厨房まで持って帰ってきて20分以内に茹でられるっていう、そういう強みを生かそうと思って。これが地方の本当にいいところで、こういうことが僕らの調理の武器なんでしょうね」 地方で料理人として生きる谷口さんは今日もその意味を考え続ける。 ある日、谷口さんは自らの店でパーティーを開いた。招いたのは、日頃から店を支えてくれている生産者や職人さんなど44人。今、大切な仲間たちと歩む谷口さん。だが、ここに至るまでは料理人としての深い葛藤の日々があった。   ■ エリートシェフ迷う 谷口さんは、昭和41年大阪豊中生まれ。小学生の時、料理人の父親が独立し、とんかつ屋を開いた。料理を作るその立ち姿がかっこよく強く憧れた。旅館や飲食店での修行を経て、わずか22歳の時、フレンチの名店へ。すぐに頭角を表わすようになった。25歳の時、仏ブルゴーニュの世界的名店「ベルナール・ロワーズ」での修行を許された。そこで最新のフランス料理の技法を学んだ谷口さん。それさえあればどんなところでも通用する。修業が終わる頃にはそう確信するようになった。 転機が訪れたのは34歳の時。フランスの店から帰国し、神戸の店で働いていた時だった。当時勤めていたお店の系列店から冨山に出す店を率いて欲しいといわれた。都会を離れることに戸惑いながらも冨山で働き始めた谷口さん。海外で仕入れた豪華な食材を惜しみなく使い、磨き上げたテクニックを見せつけるかのような料理をお客に出していった。ところがある日、東京から来たお客から言われた。「こんな料理、どこでも食べられる。どうして冨山に来てこんなにフランス産のものばっかりで、それやったら東京とかでも食べられる」 さらに、谷口さんを悩ませるものがあった。それは東京や大阪などで働く料理人たちの存在。彼らのように最新の情報が入る所にいれば自分も技術をもっと磨けるのに。「都会からだいぶ遅れてきたんじゃないかって。情報が入ってこないんで、どうしても焦りもありましたし、羨ましかったんですよ。東京ってこんなんやっているんやって、もちろん気になっていました」   ■ エリートシェフ 地元農家との出会い そんなある日のこと、店の近くに良い卵や野菜を作る農家があることを知った。鬱々とした気分を変えるために訪れることにした。生産農家から冨山産の野菜を手渡された。「本当にすごく子どものようにはしゃぎましたね。野菜をそのまま調理場に持って帰るということが、なんかすごく楽しくって。そこで本当に、あっ、こうやって作っているんやから、僕たちは美味しく料理しようと。本当にそれが最初のきっかけかもしれない」 その日以降、谷口さんは紹介してもらった農家や猟師たちと会っていった。山菜、ホタルイカ、かぶら寿司。。。豊かな食文化が谷口さんを待っていた。谷口さんの創る料理が変わっていった。谷口さんの地元の食材を生かした独創料理を口にした地元の生産農家たちが、さらに違った新たな食材を持ってくるようになった。 (生産農家のひとり、河上さん) 「もっとこっちもってなりますね。シェフの本気にどんどん火をつけられるっていう。自分だけじゃないと思うんですよ」 そうして創った料理は都会の流行に沿ってるか谷口さんにはわからない。でもこれこそが自分が創るべき料理、いつしか都会への思いは消えていた。冨山に来て3年後、系列店で働く任期が切れる時がやってきた。だが、谷口さんはその店を自分で引き取り独立。冨山に残る決断をした。 「冨山に自分は本当に変わらされました。変えて頂きましたね。ここで僕は本当に料理を作れているっていうことに関して、この地に、この地方にまず感謝しますし、それを僕はちゃんと料理でお客さんにお出しして返していきたいなと」。料理人人生を仲間たちがいる冨山で続けていく、強くそう思っている。   ■ 今注目! 北陸の気鋭シェフ 美味は生まれるか? アイガモに挑戦! アイガモ農法で無農薬による米作りに活躍しているアイガモを使って、ここだけのブランドになるアイガモ料理作りに挑戦を始めた。自然に近い環境で育ったアイガモの味は申し分ない。だが、谷口さんの表情は渋い。 「皮がすごく気になるんです。皮と皮の間の筋が、結構筋張っているかな」 新コースメニューの目玉にしたかった。地元の食材を生かす料理を出し続けてきた。ここで料理人を続けてきた意義がそこにある。ここが料理人の踏ん張りどころ。アイガモの皮に大きく切れ目を入れることで抜ける脂分を付け合わせの野菜にオイル漬けの玄米を使うことで補った。試食してくれた生産農家の人たちには高評価。しかし、谷口さんの口からは、 「やれることはやり切りました。だけど50%です。それでもやっぱり50%です」 谷口さんは新メニューにアイガモ料理を加えることを断念した。 “ここにあるもの”を諦めない 「ただ(いいものが)あるから使うんじゃなくて、ここにあるものをどんだけ武器にできるかにかかっているんですね。あるだけじゃダメなんです。あるものに対して、一つも二つもレベルアップさせていかないとだめですし、本当にそれの繰り返しじゃないかと思います」 アイガモ料理に来年も挑戦することにした。河上さん(生産農家)も飼育に工夫することにした。 生産者が力を尽くして育てたものは必ず料理に生かす! 「(生産者と)ああいうやりとりをして素材を作っていって僕たちはそれで料理をさせてもらえるレストラン。最高です。最高です」 革新は地方にこそ起きる! 谷口さんの挑戦はまだ始まったばかりだ!   プロフェッショナルとは? 「僕たちはすごくなくていい。  ただ、「ここはすばらしい」、  そういうふうな料理が出せたら。」 -------------------- 番組ホームページはこちら レヴォのホームページはこちら →再放送:7月11日(土)午前0時55分~午前1時43分(金曜深夜)総合現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します