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■ ヒット連発の旅行プランナー人気バスツアー企画の舞台裏

コンサルタントのつぶやき

くじけず仕事を全うするのがサラリーマン。江沢さんが企画チームのリーダーに就いたのは6年前。部下と共に200を超える企画を立ち上げ、利用客は3割増加。江沢さんの仕事は首都圏のバスツアーの企画。この会社のバスツアーは年間300.江沢チームはその内3分の1をリニューアルし、60件近く新しいツアーを生み出す。

江沢さんは持ち込まれた企画をそのまま受け入れることはまずない。江沢さんには企画に対する貫きたい考えがある。

「ワクワクする企てこそ、企画」

客の期待を超えるワクワクを生んでこそ企画。
「ワクワクっていうのがまた大事ですね。旅行はね。企画って本来、企(くわだ)てなんで、お客様が期待以上の感動があると、みんなうれしくて、満足して笑顔で(バスを)降りますよね。「こう来たか!」っていうそういう期待の先に行くことが大事になる」

江沢伸一_プロフェッショナル

番組公式ホームページより

日本でバスツアーが始まって既に90年。新たに魅力的な観光スポットを開発するのは容易なことではない。「あるもので勝負しなければ。それを我々は上手く加工していって調理していこうというのです。我々の仕事は」

 

■ 非日常の旅にようこそ!

ヒット企画を連発する江沢さん、その流儀がある。

「逆手にとる」

現在企画検討中なのが、横浜にある「人形の家」。決して施設側には好まれない、館内での人形の怪奇現象に関する都市伝説の話を持ち込んでみる。好ましくない噂を逆手にとって話題作りに役立てようというのだ。「あえて(人形の)ロマンチック、ノスタルジックな所に、その逆のですね、切り口で商品を作りたい」

思いもよらない江沢さんの提案に先方は戸惑いを隠せなかった。「スーパーホラー劇場」。江沢さんは閉館後の薄暗い館内をライトを持って見て回るという企画を固めていた。この夏、新しい観光ツアーが誕生する予定だ。

 

■ プロフェッショナルのこだわり

ヒット企画を生むためにこだわっていることがある。

「現場こそすべて」

そう信じる江沢さんは年100日は会社を飛び出し、現場を見て回る。そんな江沢さんの真骨頂は現場に着いてから。ちょっとした雑談から現場周辺の情報をどんどん集める。

 

■ 夏休み前のギリギリの交渉 スゴ腕旅行プランナーの日常

いまや、東京観光の代名詞となったスカイツリー。江沢さんはこの夏、新たに3つの企画を立ち上げたいと担当先と打診した。スカイツリーを訪れるツアーはあまたあるが、どんないい企画も、ルートや場所を確保できなければ絵に描いた餅だ。夏休みは混雑するため、これ以上のツアー客の受け入れはできないとの担当者からの回答。

「ねばりというか、しつこさというか、ずうずうしさというか、一度決めたことはそんなにパッとやめない」

断わられたツアーのスケジュールを徹底的に洗い直した。「やっぱり最後に残るのは数字なんだよね。そりゃ努力が褒められるのは学生だけなのよ、学生までなのよ。我々サラリーマンとか企画やっている人たちは、どんな、こんな努力しましたって言ったって誰も納得しないんだから」。スカイツリー側と再度交渉する。3つのうち、2つ断られた江沢さん、最後の一つに食い下がり始めた。

「くじけないのがサラリーマン」ひとつの企画だけは何とか受け入れてもらった。トライし、壁にぶつかり、またトライする。サラリーマン江沢の日はこうして続く。

 

■ 突然の人事異動、失意の12年 気付いたサラリーマンの本分

新たな部署に異動する部下の送別会で、こう部下に声をかける。「これから内部的な管理部門だけどさ、自分を出した方がいい、サラリーマンはやっぱり自分を出さないとつまんなくなる。常に日々前に進んでね」

サラリーマンとしてどう生きるべきか、江沢さんはずっと考えて来た。「たとえ不本意であっても」。江沢さんの旅行業界との出会いはちょっと不純なものだった。タダで旅行に行けると大学1年の時、バス添乗員のバイトを始めた。楽しくてのめり込み、気がつけば今の会社に就職していた。間もなく東北のツアーの企画を任された江沢さん。チャンスをつかんだのは入社4年目のときだった。当時まだ知られていなかった秋田の乳頭温泉の企画を作った。これが秘湯ブームに乗り大ヒット。

企画という仕事の醍醐味を味わった江沢さん、この仕事は天職だと思った。「成功体験っていうものがその時に初めて感じたのかな、もう休みなんて月に1日か2日でしたから。もう常に現場現場に行っていましたから」

ところが、3年後のことだった。唐突に社員全員が会議室に集められると、社長から言われた。「この会社を閉鎖します」。長引く景気の低迷で本社が事業の統廃合に踏み切ったのだという。「これからもっと頑張っていこうと、いろんなビジョンを描いていたところだったものですから死刑宣告みたいなもんですよね」

江沢さんは旅行パンフレットを制作する会社へ出向となった。これまでの企画の仕事とは畑違いの職場だった。これまでの頑張りは会社から何も評価されていなかったのか? その夜、同僚と飲みに行った。「そのとき、悔し涙を流したって(同僚が)言うんですよ、僕が。そのとき、僕は酒が進んでいてあんまり記憶が無いんだけれど」「あそこまで江沢が言っているというのは、本当に悔しいんだなということをみんな思ったそうです」

仕事へのやる気は全く失せて、定時出社の定時退社。ただ毎日を無難に過ごした。その2年後、本社から新しい社長がやっていた。篠原瑛さん。本社で出世街道を歩んでいた篠原さんは、いよいよ役員というところで出向を命じられた。篠原さんの弁。「非常にショックですし、不本意だし、周りの人間も「篠原、左遷されたな」と」。望まぬ人事異動でやって来た篠原さん、ところが仕事に対する姿勢は江沢さんと180度違っていた。部下たちに語り掛けた。「結果を残そう!」篠原さんは決してくさることなく、江沢さんたちを鼓舞し、自ら仕事を取ろうと営業に回った。

その姿に江沢さんは自分の甘さを思い知らされた。仕事を選り好みするようでは本物のサラリーマンじゃない。江沢さんはどんな仕事でもベストを尽くしていこうと心に決めた。バスのおもちゃを売り出す新たな事業。苦しんだ資金調達も打開策をひねり出し、軌道に乗せた。旅行パンフレットを制作する仕事をひとつでも多く受注しようと、企画で培ったプレゼン能力を生かし、営業をかけた。

「やり遂げてこそサラリーマン」

「サラリーマンってどこで、どういう仕事をしようが一生懸命やるってことかな、与えらえた職場の部門でやることをやっぱ全うして上積みをして成果を上げると」

あの出向から12年、41歳の時、江沢さんは企画の仕事に復帰した。「ヒット企画を打てるプランナーになれたのもあの異動のおかげだと今思う。僕が今こうしてこの部署に来てやってこられたのも、あの12年間があったからだと思いますよ。何とかできる方法を考えてやってみようと、やってみようと」

どんな時でも、どんな場所でも与えられた仕事をやり遂げる、それがサラリーマンの本分。そう江沢さんは信じている。

 

■ スゴ腕旅行プランナー 秋の新ツアーに挑む

5月下旬、またこの時期が巡って来たと旅行プランナー江沢は身構える。秋の新ツアーの検討だ。行楽の秋は観光会社にとってまさに書き入れ時。いかに他社を出し抜き魅力的なツアーを投入できるか。その成否が会社の業績を左右する。江沢さんの秋に向けた戦いが既に始まった。

「新名所をひねり出せ!」

都市農業公園というところから入場者を増やしたいと、バスツアーの企画が舞い込んだ。この公園では農業体験はもちろん、収穫物をその場で調理して食べることもできる。だが、それはバスツアーとしては左程、目新しいものではない。しかし、収穫できる野菜の種類の豊富さに、次第に江沢さんの目が輝き出した。

「普通、農業体験っていうと、大体1種類しか採れない。僕が何で種類の数を聞いたかというと、そこにポイントがあって、ここですね」

荒川沿いにある公園を実際に歩いてみると、発見の連続だった。さらに、温室にはバナナや熱帯植物が植わっていた。レストランでは獲れたての野菜を使った定食も楽しめる。江沢さんはこの農業公園がある荒川沿いで新しいツアーが組めると踏んだ。ツアーの全貌はこうだ。東京駅をバスで出発し、大正時代に作られた旧岩淵水門を見学、船で移動し、農業公園で収穫体験と食事を楽しむ。ここからバスで日本橋に移動し、小型船の乗り換え、水路を行く。最後に通過するのは「荒川ロックゲート」。船のエレベーターとも呼ばれる水路の高さが違う2つの川を渡る、その仕組みを体感する。仮のタイトルは「荒川 江戸タイムトリップ」。荒川の歴史と今を学ぶ、知的観光の旅だ。

国土交通省の担当者も地元にある施設が観光資源になると好意的。ただ、ここで問題発生。船乗り場には大型バスを乗り入れることができないことが分かった。通路の幅が足りない。どうする江沢さん!?

「やり遂げてこそ、サラリーマン」

バスを停められる新たなルートは考えられないか?
「適当に考えていたら多分、まず適当な結果しか出ない。そこにはやっぱり我々の思いを突き詰めていこうと。不安の裏には希望もあるし、希望の裏には不安もあるし。だけど、新しい商品を作るっていうのはそういうもんなんですね」

懸案だったバスの停車場所は意外な形で決着した。国土交通省から一般車両の通行を認めていない別ルートを使い、船着き乗り場まで大型バスを進入させて良いとのメールが届いた。江沢さんの企画は地域振興にもつながると国も動いた。

だが、江沢さんには超えるべきもう一つのハードルがあった。本当に荒川の景観はお客をワクワクさせられるものなのか? 実際に、国土交通省のパトロールにも使っている小型船に乗船してその目で確かめる。90分の川下りは、暮らしを守る治水を学び、知的好奇心をくすぐる非日常の船旅だった。

秋の目玉ツアー。江沢さんはこの荒川で勝負すると決めた。

 

プロフェッショナルとは?

「低い壁よりもね、
 あえて高い壁を乗り越えようとして、
 成果を上げられる人かな、と思います。」

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→再放送:7月25日(土)午前0時55分~午前1時43分(金曜深夜)総合

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企(くわだ)てて、期待の先へ バス旅行プランナー・江沢伸一 2015年7月20日OA NHK プロフェッショナル 仕事の流儀http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭TV番組レビュープロフェッショナル,はとバス,江沢伸一■ ヒット連発の旅行プランナー人気バスツアー企画の舞台裏 くじけず仕事を全うするのがサラリーマン。江沢さんが企画チームのリーダーに就いたのは6年前。部下と共に200を超える企画を立ち上げ、利用客は3割増加。江沢さんの仕事は首都圏のバスツアーの企画。この会社のバスツアーは年間300.江沢チームはその内3分の1をリニューアルし、60件近く新しいツアーを生み出す。 江沢さんは持ち込まれた企画をそのまま受け入れることはまずない。江沢さんには企画に対する貫きたい考えがある。 「ワクワクする企てこそ、企画」 客の期待を超えるワクワクを生んでこそ企画。 「ワクワクっていうのがまた大事ですね。旅行はね。企画って本来、企(くわだ)てなんで、お客様が期待以上の感動があると、みんなうれしくて、満足して笑顔で(バスを)降りますよね。「こう来たか!」っていうそういう期待の先に行くことが大事になる」 (番組公式ホームページより) 日本でバスツアーが始まって既に90年。新たに魅力的な観光スポットを開発するのは容易なことではない。「あるもので勝負しなければ。それを我々は上手く加工していって調理していこうというのです。我々の仕事は」   ■ 非日常の旅にようこそ! ヒット企画を連発する江沢さん、その流儀がある。 「逆手にとる」 現在企画検討中なのが、横浜にある「人形の家」。決して施設側には好まれない、館内での人形の怪奇現象に関する都市伝説の話を持ち込んでみる。好ましくない噂を逆手にとって話題作りに役立てようというのだ。「あえて(人形の)ロマンチック、ノスタルジックな所に、その逆のですね、切り口で商品を作りたい」 思いもよらない江沢さんの提案に先方は戸惑いを隠せなかった。「スーパーホラー劇場」。江沢さんは閉館後の薄暗い館内をライトを持って見て回るという企画を固めていた。この夏、新しい観光ツアーが誕生する予定だ。   ■ プロフェッショナルのこだわり ヒット企画を生むためにこだわっていることがある。 「現場こそすべて」 そう信じる江沢さんは年100日は会社を飛び出し、現場を見て回る。そんな江沢さんの真骨頂は現場に着いてから。ちょっとした雑談から現場周辺の情報をどんどん集める。   ■ 夏休み前のギリギリの交渉 スゴ腕旅行プランナーの日常 いまや、東京観光の代名詞となったスカイツリー。江沢さんはこの夏、新たに3つの企画を立ち上げたいと担当先と打診した。スカイツリーを訪れるツアーはあまたあるが、どんないい企画も、ルートや場所を確保できなければ絵に描いた餅だ。夏休みは混雑するため、これ以上のツアー客の受け入れはできないとの担当者からの回答。 「ねばりというか、しつこさというか、ずうずうしさというか、一度決めたことはそんなにパッとやめない」 断わられたツアーのスケジュールを徹底的に洗い直した。「やっぱり最後に残るのは数字なんだよね。そりゃ努力が褒められるのは学生だけなのよ、学生までなのよ。我々サラリーマンとか企画やっている人たちは、どんな、こんな努力しましたって言ったって誰も納得しないんだから」。スカイツリー側と再度交渉する。3つのうち、2つ断られた江沢さん、最後の一つに食い下がり始めた。 「くじけないのがサラリーマン」ひとつの企画だけは何とか受け入れてもらった。トライし、壁にぶつかり、またトライする。サラリーマン江沢の日はこうして続く。   ■ 突然の人事異動、失意の12年 気付いたサラリーマンの本分 新たな部署に異動する部下の送別会で、こう部下に声をかける。「これから内部的な管理部門だけどさ、自分を出した方がいい、サラリーマンはやっぱり自分を出さないとつまんなくなる。常に日々前に進んでね」 サラリーマンとしてどう生きるべきか、江沢さんはずっと考えて来た。「たとえ不本意であっても」。江沢さんの旅行業界との出会いはちょっと不純なものだった。タダで旅行に行けると大学1年の時、バス添乗員のバイトを始めた。楽しくてのめり込み、気がつけば今の会社に就職していた。間もなく東北のツアーの企画を任された江沢さん。チャンスをつかんだのは入社4年目のときだった。当時まだ知られていなかった秋田の乳頭温泉の企画を作った。これが秘湯ブームに乗り大ヒット。 企画という仕事の醍醐味を味わった江沢さん、この仕事は天職だと思った。「成功体験っていうものがその時に初めて感じたのかな、もう休みなんて月に1日か2日でしたから。もう常に現場現場に行っていましたから」 ところが、3年後のことだった。唐突に社員全員が会議室に集められると、社長から言われた。「この会社を閉鎖します」。長引く景気の低迷で本社が事業の統廃合に踏み切ったのだという。「これからもっと頑張っていこうと、いろんなビジョンを描いていたところだったものですから死刑宣告みたいなもんですよね」 江沢さんは旅行パンフレットを制作する会社へ出向となった。これまでの企画の仕事とは畑違いの職場だった。これまでの頑張りは会社から何も評価されていなかったのか? その夜、同僚と飲みに行った。「そのとき、悔し涙を流したって(同僚が)言うんですよ、僕が。そのとき、僕は酒が進んでいてあんまり記憶が無いんだけれど」「あそこまで江沢が言っているというのは、本当に悔しいんだなということをみんな思ったそうです」 仕事へのやる気は全く失せて、定時出社の定時退社。ただ毎日を無難に過ごした。その2年後、本社から新しい社長がやっていた。篠原瑛さん。本社で出世街道を歩んでいた篠原さんは、いよいよ役員というところで出向を命じられた。篠原さんの弁。「非常にショックですし、不本意だし、周りの人間も「篠原、左遷されたな」と」。望まぬ人事異動でやって来た篠原さん、ところが仕事に対する姿勢は江沢さんと180度違っていた。部下たちに語り掛けた。「結果を残そう!」篠原さんは決してくさることなく、江沢さんたちを鼓舞し、自ら仕事を取ろうと営業に回った。 その姿に江沢さんは自分の甘さを思い知らされた。仕事を選り好みするようでは本物のサラリーマンじゃない。江沢さんはどんな仕事でもベストを尽くしていこうと心に決めた。バスのおもちゃを売り出す新たな事業。苦しんだ資金調達も打開策をひねり出し、軌道に乗せた。旅行パンフレットを制作する仕事をひとつでも多く受注しようと、企画で培ったプレゼン能力を生かし、営業をかけた。 「やり遂げてこそサラリーマン」 「サラリーマンってどこで、どういう仕事をしようが一生懸命やるってことかな、与えらえた職場の部門でやることをやっぱ全うして上積みをして成果を上げると」 あの出向から12年、41歳の時、江沢さんは企画の仕事に復帰した。「ヒット企画を打てるプランナーになれたのもあの異動のおかげだと今思う。僕が今こうしてこの部署に来てやってこられたのも、あの12年間があったからだと思いますよ。何とかできる方法を考えてやってみようと、やってみようと」 どんな時でも、どんな場所でも与えられた仕事をやり遂げる、それがサラリーマンの本分。そう江沢さんは信じている。   ■ スゴ腕旅行プランナー 秋の新ツアーに挑む 5月下旬、またこの時期が巡って来たと旅行プランナー江沢は身構える。秋の新ツアーの検討だ。行楽の秋は観光会社にとってまさに書き入れ時。いかに他社を出し抜き魅力的なツアーを投入できるか。その成否が会社の業績を左右する。江沢さんの秋に向けた戦いが既に始まった。 「新名所をひねり出せ!」 都市農業公園というところから入場者を増やしたいと、バスツアーの企画が舞い込んだ。この公園では農業体験はもちろん、収穫物をその場で調理して食べることもできる。だが、それはバスツアーとしては左程、目新しいものではない。しかし、収穫できる野菜の種類の豊富さに、次第に江沢さんの目が輝き出した。 「普通、農業体験っていうと、大体1種類しか採れない。僕が何で種類の数を聞いたかというと、そこにポイントがあって、ここですね」 荒川沿いにある公園を実際に歩いてみると、発見の連続だった。さらに、温室にはバナナや熱帯植物が植わっていた。レストランでは獲れたての野菜を使った定食も楽しめる。江沢さんはこの農業公園がある荒川沿いで新しいツアーが組めると踏んだ。ツアーの全貌はこうだ。東京駅をバスで出発し、大正時代に作られた旧岩淵水門を見学、船で移動し、農業公園で収穫体験と食事を楽しむ。ここからバスで日本橋に移動し、小型船の乗り換え、水路を行く。最後に通過するのは「荒川ロックゲート」。船のエレベーターとも呼ばれる水路の高さが違う2つの川を渡る、その仕組みを体感する。仮のタイトルは「荒川 江戸タイムトリップ」。荒川の歴史と今を学ぶ、知的観光の旅だ。 国土交通省の担当者も地元にある施設が観光資源になると好意的。ただ、ここで問題発生。船乗り場には大型バスを乗り入れることができないことが分かった。通路の幅が足りない。どうする江沢さん!? 「やり遂げてこそ、サラリーマン」 バスを停められる新たなルートは考えられないか? 「適当に考えていたら多分、まず適当な結果しか出ない。そこにはやっぱり我々の思いを突き詰めていこうと。不安の裏には希望もあるし、希望の裏には不安もあるし。だけど、新しい商品を作るっていうのはそういうもんなんですね」 懸案だったバスの停車場所は意外な形で決着した。国土交通省から一般車両の通行を認めていない別ルートを使い、船着き乗り場まで大型バスを進入させて良いとのメールが届いた。江沢さんの企画は地域振興にもつながると国も動いた。 だが、江沢さんには超えるべきもう一つのハードルがあった。本当に荒川の景観はお客をワクワクさせられるものなのか? 実際に、国土交通省のパトロールにも使っている小型船に乗船してその目で確かめる。90分の川下りは、暮らしを守る治水を学び、知的好奇心をくすぐる非日常の船旅だった。 秋の目玉ツアー。江沢さんはこの荒川で勝負すると決めた。   プロフェッショナルとは? 「低い壁よりもね、  あえて高い壁を乗り越えようとして、  成果を上げられる人かな、と思います。」 -------------------- 番組ホームページはこちら はとバスのホームページはこちら →再放送:7月25日(土)午前0時55分~午前1時43分(金曜深夜)総合現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します