Pocket

■ 「志」が部下を動かす!

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

そうか、君は課長になったのか。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイトより
http://sasakitsuneo.jp/

佐々木常夫

本書は、架空の新任課長、石田君に宛てた応援メッセージをしたためた手紙の体裁をとっています。これは、本書にも登場する「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」(キングスレイ・ウォード著、城山三郎訳、1987年刊行)と同じ優しい語り口で、佐々木氏の「志(こころざし)」と「課長職の神髄」を教えてもらえるものになっています。

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

引用部分には「」を使用していますこと、そして、本文の趣意を変えない範囲で送り仮名の変更や注記を加えていますので、読まれる際にはその点、ご留意ください。

著者の現在の最新刊はこちら:

人生の折り返し点を迎えるあなたに贈る25の言葉

 

50歳からの生き方

■ 課長ほどおもしろいポジションは無い

「私は会社の中でさまざまな役職に就いてきましたが、課長ほどやりがいがあって、面白い仕事はない、と考えています。
課長というのは、課を構成するメンバー1人ひとりと直接対峙します。課員全員を一人の人間として気にかけ、その成長をアシストします。部下一人ひとりの仕事に直接手を突っ込んで、モチベーションを高めながら、スキル向上を促していきます。そして、部下の成長を見守り、チームとして成果を上げられるようにマネジメントをしていくのです。」

私も、コンサルタントのはしくれとして、現場でクライアントに揉まれながら仕事をしています。現場のプロジェクトを仕切るPM(プロジェクト・マネージャー)として、自身のプロジェクトにアサインされた若手のコンサルタントを教育しながら、クライアントからの高度な要求にチームとして応えることができるように日々努力しています。

基本的に、私のスタイルとして、クライアントからの要望をすべて自分のスキルと経験で適えることができる案件しか引き受けないことにしています。それは、佐々木さんと同様に、一人ひとりの部下の仕事に手を突っ込んで、若手が作り上げる成果物の品質を高め、クライアントに満足してもらうため、単なるメンバが行う作業のスケジュール管理や、抽象的なアドバイスを与えるだけでは、顧客の期待値にミート(到達)できないと悟っているからです。

課長クラスの人材は、プレイヤーとして優れていたから管理職を任され、仕事(とそれに依拠する責任)の範囲を広げ、業績や成果もより大きいものを期待されるのです。それゆえ、例えば、「自分が3人いたら、この仕事を完璧に仕上げることができるに。。。」と絶対に感じるはずなんです。でも、自分と同じスキルの人材は、このチームにはいないんです。アサインされた、配属された新人や若手・中堅クラスの人材を使いこなし、自分自身でやる仕事と見比べて、遜色のない品質に仕上げることが要求されるのです。

「苦労と反省を語り合ったり、ねぎらい合ったりしながら、明日からの仕事への意欲をかき立てる高揚感。あれば、ビジネスマンが「チームで仕事をしてきてよかった」と感じる最大の喜びの瞬間です。「この人たちと一緒に仕事をしてきてよかった」という気持ちです。
もちろん、仕事の中では、課のなかで意見が対立したり、ときには私が叱責するようなこともありました。しかし、仕事をやり遂げたときには、かけがえの無いものが生まれます。
それは「絆」です。」

組織やチームには見えない「意識」が宿ります。そこに集合している人同士のコミュニケーションの中で築かれていく、「暗黙の了解」「暗黙の前提」。それを格好よく表現すると、「絆」ということになるのでしょう。その「絆」はいったん築かれると、少しずつ構成メンバが入れ替わっても、多少変容することはあれ、大部分は次の世代に継承されていきます。これを大げさに言えば、その会社や組織の「社風」「風土」「文化」というものになります。変わりにくいけど、ちょっと力のかけ具合を工夫すると、いい方向にも悪い方向にも動くもの。単なる仲間意識とは思えない、紐帯が組織には宿ります。それをビジネスゴールに向けていい感じに向かわせる腕が管理職、課長には求められると思います。

「そんな、人生にとって大事なものを築くことができるのは、課長時代だけと言っても過言ではありません。部長や担当役員は、ここまで一人ひとりの部下とダイレクトに接するわけではないからです。」

「結局のところ、人間は偉くなるかどうかじゃない。一緒に働いた仲間との「絆」をもつことができれば、それは幸せな仕事人生というべきです。そして、こうした「絆」を大事にする人こそ、出世する可能性は高いと思います。」

出世するだけが、職業人の目標ではないことは分かっているつもりです。しかし、仕事を組織でする上で、出世するということは、任される仕事が大きくなる、面倒を見る人(部下)が多くなる、求められる成果・業績が大きくなることを意味します。出世しないと、この3つを達成することは難しい。そして、一番大事なことは、自分ひとりの力だけでは、この3つの命題を達成することは不可能なのです。必ず、部下の力を頼まなければならない。そのために、「絆」という言葉に代表されるような「チーム」「組織」に宿っている、すなわち「同じ目標に向かって努力する」「それぞれのメンバが自分の潜在能力を100%出し切れる作業の組み立てが出来上がっている」ことが、暗黙のうちに了解されている必要があるのです。

「課長になるからといって、何も身構える必要はありません。君の能力と人間性を、素直にそして全力でぶつけてみなさい。そうした真摯な君を見たら、必ず、部下はついてきます。そして、立派な業績を上げることができるはずです。」

ちょっと教訓くさいのですが、私の好きな山本五十六の言葉をここでも紹介します。

「やってみせ、いってきかせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」

⇒「山本五十六 名言 若者たちを育てるために

山本五十六のことば



(Visited 232 times, 1 visits today)
Pocket

そうか、君は課長になったのか。(1)部下との「絆」は一生の宝物http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭本レビューそうか、君は課長になったのか。,佐々木常夫,山本五十六■ 「志」が部下を動かす! このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。 そうか、君は課長になったのか。 佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイトより (http://sasakitsuneo.jp/) 本書は、架空の新任課長、石田君に宛てた応援メッセージをしたためた手紙の体裁をとっています。これは、本書にも登場する「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」(キングスレイ・ウォード著、城山三郎訳、1987年刊行)と同じ優しい語り口で、佐々木氏の「志(こころざし)」と「課長職の神髄」を教えてもらえるものになっています。 ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫 引用部分には「」を使用していますこと、そして、本文の趣意を変えない範囲で送り仮名の変更や注記を加えていますので、読まれる際にはその点、ご留意ください。 著者の現在の最新刊はこちら: 人生の折り返し点を迎えるあなたに贈る25の言葉   50歳からの生き方 ■ 課長ほどおもしろいポジションは無い 「私は会社の中でさまざまな役職に就いてきましたが、課長ほどやりがいがあって、面白い仕事はない、と考えています。 課長というのは、課を構成するメンバー1人ひとりと直接対峙します。課員全員を一人の人間として気にかけ、その成長をアシストします。部下一人ひとりの仕事に直接手を突っ込んで、モチベーションを高めながら、スキル向上を促していきます。そして、部下の成長を見守り、チームとして成果を上げられるようにマネジメントをしていくのです。」 私も、コンサルタントのはしくれとして、現場でクライアントに揉まれながら仕事をしています。現場のプロジェクトを仕切るPM(プロジェクト・マネージャー)として、自身のプロジェクトにアサインされた若手のコンサルタントを教育しながら、クライアントからの高度な要求にチームとして応えることができるように日々努力しています。 基本的に、私のスタイルとして、クライアントからの要望をすべて自分のスキルと経験で適えることができる案件しか引き受けないことにしています。それは、佐々木さんと同様に、一人ひとりの部下の仕事に手を突っ込んで、若手が作り上げる成果物の品質を高め、クライアントに満足してもらうため、単なるメンバが行う作業のスケジュール管理や、抽象的なアドバイスを与えるだけでは、顧客の期待値にミート(到達)できないと悟っているからです。 課長クラスの人材は、プレイヤーとして優れていたから管理職を任され、仕事(とそれに依拠する責任)の範囲を広げ、業績や成果もより大きいものを期待されるのです。それゆえ、例えば、「自分が3人いたら、この仕事を完璧に仕上げることができるに。。。」と絶対に感じるはずなんです。でも、自分と同じスキルの人材は、このチームにはいないんです。アサインされた、配属された新人や若手・中堅クラスの人材を使いこなし、自分自身でやる仕事と見比べて、遜色のない品質に仕上げることが要求されるのです。 「苦労と反省を語り合ったり、ねぎらい合ったりしながら、明日からの仕事への意欲をかき立てる高揚感。あれば、ビジネスマンが「チームで仕事をしてきてよかった」と感じる最大の喜びの瞬間です。「この人たちと一緒に仕事をしてきてよかった」という気持ちです。 もちろん、仕事の中では、課のなかで意見が対立したり、ときには私が叱責するようなこともありました。しかし、仕事をやり遂げたときには、かけがえの無いものが生まれます。 それは「絆」です。」 組織やチームには見えない「意識」が宿ります。そこに集合している人同士のコミュニケーションの中で築かれていく、「暗黙の了解」「暗黙の前提」。それを格好よく表現すると、「絆」ということになるのでしょう。その「絆」はいったん築かれると、少しずつ構成メンバが入れ替わっても、多少変容することはあれ、大部分は次の世代に継承されていきます。これを大げさに言えば、その会社や組織の「社風」「風土」「文化」というものになります。変わりにくいけど、ちょっと力のかけ具合を工夫すると、いい方向にも悪い方向にも動くもの。単なる仲間意識とは思えない、紐帯が組織には宿ります。それをビジネスゴールに向けていい感じに向かわせる腕が管理職、課長には求められると思います。 「そんな、人生にとって大事なものを築くことができるのは、課長時代だけと言っても過言ではありません。部長や担当役員は、ここまで一人ひとりの部下とダイレクトに接するわけではないからです。」 「結局のところ、人間は偉くなるかどうかじゃない。一緒に働いた仲間との「絆」をもつことができれば、それは幸せな仕事人生というべきです。そして、こうした「絆」を大事にする人こそ、出世する可能性は高いと思います。」 出世するだけが、職業人の目標ではないことは分かっているつもりです。しかし、仕事を組織でする上で、出世するということは、任される仕事が大きくなる、面倒を見る人(部下)が多くなる、求められる成果・業績が大きくなることを意味します。出世しないと、この3つを達成することは難しい。そして、一番大事なことは、自分ひとりの力だけでは、この3つの命題を達成することは不可能なのです。必ず、部下の力を頼まなければならない。そのために、「絆」という言葉に代表されるような「チーム」「組織」に宿っている、すなわち「同じ目標に向かって努力する」「それぞれのメンバが自分の潜在能力を100%出し切れる作業の組み立てが出来上がっている」ことが、暗黙のうちに了解されている必要があるのです。 「課長になるからといって、何も身構える必要はありません。君の能力と人間性を、素直にそして全力でぶつけてみなさい。そうした真摯な君を見たら、必ず、部下はついてきます。そして、立派な業績を上げることができるはずです。」 ちょっと教訓くさいのですが、私の好きな山本五十六の言葉をここでも紹介します。 「やってみせ、いってきかせて、させてみせ、褒めてやらねば、人は動かじ」 ⇒「山本五十六 名言 若者たちを育てるために」 山本五十六のことば現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します