Pocket

■ 課長は新しい世界の仕事

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

まずは佐々木さんの課長職の厳しさへの指摘からこの節は始まります。

君は、課長という仕事をどのように考えているでしょうか?
もし、今までの担当としての仕事の“延長線上”にあると考えているとすれば、それは大きな間違いです。

佐々木さんは、現場の最前線に位置する課長が、担当業務もこなして、かつ小集団のマネジメントもおこなわなくてはならない、プレーイング・マネジャーにならざるを得ない状況に理解を示しつつも、課長職は二兎を追ってできるものではないと戒めています。

それは、佐々木さんによる課長職のミッション定義に全ての気持ちが現れています。

課長とは、会社の組織体の中で最も小さな組織のリーダーのことです。課員全員をひとつの目標に向かって行動させ、結果を出すミッションをもっています。
要するに、人を動かすのが仕事なのです。
 組織の規模は違いますが、担当役員や部長も同じですね。しかし、課長の場合、部下の数と質において、その難度は役員や部長の比ではありません。というのは、部長の場合であれば、相手にする部下(課長)は通常4人とか5人とかいう少人数だからです。しかも、一般社員から勝ち上がってきた人たちですから、優秀な人材が多い。ところが、課長が相手にする部下は数も多く、能力、学歴、年齢、意欲などもバラバラです。だから、一筋縄ではいきません。

同じ仕事を2人の課員にお願いしようとするとき、仕事はできて飲み込みが早いがミスをしやすいAさんの場合、要点だけを伝えた後、入念にミス発生予測ポイントについて、あらかじめ留意するように先回りの注意をしておく必要があります。ひとつひとつの仕事は丁寧なのですが、一塊の仕事全体のイメージを把握することが苦手なBさんの場合、納期を明確に伝え、ワンステップ、ワンステップごとの達成目標と、ステップ単位の仕事間の連携の意味を教え諭してから、作業に着手させる必要があります。できれば、チェックポイントでの確認をしてあげるとさらに効果的でしょう。

このように、千差万別の数多くいる課員ひとりひとりに最適の管理方法で仕事をさせて、成果を得ようというのなら、課長は一人一人の性格や特性に合わせた(カスタマイズされた)柔軟な作業指示の型をいくつも身に着けておく必要があるのです。

それゆえ、佐々木さんは課長職の難しさをこう表現しています。

課長職は、会社のなかで最小単位のリーダーであるにもかかわらず、最も難しい職位といってもいいでしょう。本来の課長のミッションに専念しなければ、とてもやり切れるものではないのです。

佐々木さんは、課長がプレーイング・マネジャーになって、課員の仕事を肩代わりすることの罪を次のように整理されています。

1.部下を成長させる機会を奪っている(成長させる義務を放棄している)
2.時間不足に陥り、仕事の結果が中途半端だったり、やるべき仕事をおろそかにしてしまう
3.部下から、あんな忙しいなら、課長にはなりたくないと思われてしまう

ある程度、組織はピラミッド構造になっているので、上司の職位に多少は憧れをもってもらったり、ロールモデルとして、将来のスキルアップのお手本や参考になっていかないと、若い人たちの成長と、組織力の向上には貢献することができません。そうした、まさに職場の大勢のこれから成長していかなくてはいけない若手たちを職場で導いていくことが、課長の最大のミッションではないでしょうか。

最後に、佐々木さんなりの課長職に求められる仕事・スキルについての整理を紹介します。

1.方針策定
     課の経営方針の策定と遂行状況のチェック
2.部下の監督と成長
  部下の直面している現実を正しく把握し、その仕事のやり方を指導し、組織全体を
  最高の効率にもっていく
3.コミュニケーション業務
  自分の課で起こっていることを的確に報告するとともに、経営の意思・目標を課全員
  に的確に伝える
4.政治力
  社内外の関係者を自分の目標どおりに導いていく

これらを総合的に推し進める力がなければ、「課員全員をひとつの目標に向かって行動させ、結果を出す」という組織の最前線に位置する集団の組織力を最大限に発揮させるという課長に課せられたミッションを果たすことはできないのです。

それゆえ、プレーイング・マネジャーになって、忙しさにかまけて管理業務を怠ることは、課長職の職務放棄と同義なのです。だから課長職は難しい。突きつめれば、「人間力」そのものが問われる職位なのです。だからこそ課長職は楽しいものでもあるのです。

筆者の経験からも、「課長」職にあった頃が、一番仕事が充実していたような気がします。あなた(課長)は、今、部下から輝いて見えていますか?

(Visited 180 times, 1 visits today)
Pocket

そうか、君は課長になったのか。(5)プレーイング・マネジャーにはなるな!http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e4.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e4-150x150.jpg小林 友昭本レビューそうか、君は課長になったのか。,プレーイング・マネジャー,ロールモデル,佐々木常夫■ 課長は新しい世界の仕事 このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。 佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト まずは佐々木さんの課長職の厳しさへの指摘からこの節は始まります。 君は、課長という仕事をどのように考えているでしょうか? もし、今までの担当としての仕事の“延長線上”にあると考えているとすれば、それは大きな間違いです。 佐々木さんは、現場の最前線に位置する課長が、担当業務もこなして、かつ小集団のマネジメントもおこなわなくてはならない、プレーイング・マネジャーにならざるを得ない状況に理解を示しつつも、課長職は二兎を追ってできるものではないと戒めています。 それは、佐々木さんによる課長職のミッション定義に全ての気持ちが現れています。 課長とは、会社の組織体の中で最も小さな組織のリーダーのことです。課員全員をひとつの目標に向かって行動させ、結果を出すミッションをもっています。 要するに、人を動かすのが仕事なのです。  組織の規模は違いますが、担当役員や部長も同じですね。しかし、課長の場合、部下の数と質において、その難度は役員や部長の比ではありません。というのは、部長の場合であれば、相手にする部下(課長)は通常4人とか5人とかいう少人数だからです。しかも、一般社員から勝ち上がってきた人たちですから、優秀な人材が多い。ところが、課長が相手にする部下は数も多く、能力、学歴、年齢、意欲などもバラバラです。だから、一筋縄ではいきません。 同じ仕事を2人の課員にお願いしようとするとき、仕事はできて飲み込みが早いがミスをしやすいAさんの場合、要点だけを伝えた後、入念にミス発生予測ポイントについて、あらかじめ留意するように先回りの注意をしておく必要があります。ひとつひとつの仕事は丁寧なのですが、一塊の仕事全体のイメージを把握することが苦手なBさんの場合、納期を明確に伝え、ワンステップ、ワンステップごとの達成目標と、ステップ単位の仕事間の連携の意味を教え諭してから、作業に着手させる必要があります。できれば、チェックポイントでの確認をしてあげるとさらに効果的でしょう。 このように、千差万別の数多くいる課員ひとりひとりに最適の管理方法で仕事をさせて、成果を得ようというのなら、課長は一人一人の性格や特性に合わせた(カスタマイズされた)柔軟な作業指示の型をいくつも身に着けておく必要があるのです。 それゆえ、佐々木さんは課長職の難しさをこう表現しています。 課長職は、会社のなかで最小単位のリーダーであるにもかかわらず、最も難しい職位といってもいいでしょう。本来の課長のミッションに専念しなければ、とてもやり切れるものではないのです。 佐々木さんは、課長がプレーイング・マネジャーになって、課員の仕事を肩代わりすることの罪を次のように整理されています。 1.部下を成長させる機会を奪っている(成長させる義務を放棄している) 2.時間不足に陥り、仕事の結果が中途半端だったり、やるべき仕事をおろそかにしてしまう 3.部下から、あんな忙しいなら、課長にはなりたくないと思われてしまう ある程度、組織はピラミッド構造になっているので、上司の職位に多少は憧れをもってもらったり、ロールモデルとして、将来のスキルアップのお手本や参考になっていかないと、若い人たちの成長と、組織力の向上には貢献することができません。そうした、まさに職場の大勢のこれから成長していかなくてはいけない若手たちを職場で導いていくことが、課長の最大のミッションではないでしょうか。 最後に、佐々木さんなりの課長職に求められる仕事・スキルについての整理を紹介します。 1.方針策定      課の経営方針の策定と遂行状況のチェック 2.部下の監督と成長   部下の直面している現実を正しく把握し、その仕事のやり方を指導し、組織全体を   最高の効率にもっていく 3.コミュニケーション業務   自分の課で起こっていることを的確に報告するとともに、経営の意思・目標を課全員   に的確に伝える 4.政治力   社内外の関係者を自分の目標どおりに導いていく これらを総合的に推し進める力がなければ、「課員全員をひとつの目標に向かって行動させ、結果を出す」という組織の最前線に位置する集団の組織力を最大限に発揮させるという課長に課せられたミッションを果たすことはできないのです。 それゆえ、プレーイング・マネジャーになって、忙しさにかまけて管理業務を怠ることは、課長職の職務放棄と同義なのです。だから課長職は難しい。突きつめれば、「人間力」そのものが問われる職位なのです。だからこそ課長職は楽しいものでもあるのです。 筆者の経験からも、「課長」職にあった頃が、一番仕事が充実していたような気がします。あなた(課長)は、今、部下から輝いて見えていますか?現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します