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そうか、君は課長になったのか。(22)異端児こそ大事にせよ - ダイバーシティ・マネジメントのすすめ

本レビュー
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■ 異端児は麒麟児? 尖った奴こそ大事にする

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

まずは、佐々木さんのお言葉から。

君の課には“異端児”がいるそうですね。
人付き合いが苦手で、ときどき辛らつな発言をする。歯に衣着せぬ物言いが災いして、前任課長にも遠ざけられていたようで、職場のなかでも少し浮いてしまっている。ただ、その発言をよく聞いていると、なかなか鋭いことも言っている。
そういう部下をどう扱えばいいのか――。

まるで若い頃の自分を見ているようです。(^^;)

私は、職歴の中で、新卒入社という一生に一度のチャンスを棒に振ったので、中途入社経験しかありません。採用の来歴から異端でかつ、性格もエッジが立っていた(いる!?)ので、入社早々に「生意気だ」「一緒に仕事したくない」ということで、入社後すぐに仕事を干された経験があります。(^^;)

コンサルタントになって、プロジェクト・マネージャーを務めるにようになっても、アサインされた若手コンサルタントとの諍いが絶えたことがなく、あまりの人望の無さに、人事評価で「×」を喰らって同タイトルに据え置かれ続けたこともあります。

というわけで、自身がエッジが立っていた人材だった、尖った若手と長い間仕事をしていた経験から、本節における佐々木さんの言葉はより一層心に染み入るのです。

■ 課長の役目は、チーム全体の能力を最大限に発揮させること

“異端児”という程でもありませんが、個性的な人材そこかしこにいます。課長たる者、そういった少し変わった人も、少し変わった人と一緒に仕事をする人も含めて、全員の能力を最大限発揮して、組織として生産性を上げて、結果を出すことです。

それゆえ、“異端児”を特別扱いすることも、その他大勢と同じような言動をするように矯正することも間違っています。管理職の自分が「これでいく」と決めて、チーム全員からなんの依存も出ずに、唯々諾々と課長の言いなりに仕事をする職場が、健全でかつ最大能力を発揮できる職場と言えるでしょうか?

トップダウン方式のチームビルディングは、トップの裁量以上の発展は望むべくもなく、また、変化や即時対応に脆弱なものです。メンバが自分自身の思いや判断で仕事をしなかったら、効率や生産性は最大化されません。

もちろん、一人一人がバラバラに仕事をしていても、成果は出ません。しかし、チームカラーを統一して、上意下達でしか動けない組織は永続性も失い、所属する個々人の成長の伸び代も大したものにならないでしょう。

そうしたモノカルチャーの集団では、「同質性」が「新規性」「効率性」や「生産性」など、その他の仕事上の価値観の最上位に来て、ただ単に波風立たぜずに、平穏無事に局面をやり過ごすことに注力する組織になってしまいます。いつしか、組織の当り前が「偏見」や「時代遅れ」になることでしょう。

■ ダイバーシティ・マネジメントの重要さについて

モノカルチャーに相対する考え方がダイバーシティです。ダイバーシティとは「多様性の受容」ということで、今、多くの先進企業が志向する経営戦略です。なぜそれが必要とされているのかおわかりですか? それは、異質な考え方の提案によって、組織の中のコンフリクト(対立)が起こり、既存の考え方の検証が行われ、それがイノベーションを起こすからです。

私は、仕事を干され、一切のルーチンワークから解放され、出勤してもやることがない日々が続きました。無為に時間を過ごすことが大嫌いでしたので、片っ端から、社内文書(社訓から各種規程やマニュアル、報告書や稟議書、果てはシステム設計書まで)に目を通し、会社のなかがどういう風に動いているかを、自分なりに手探りで学習していました。

捨てる神あれば拾う神あり。

そういう自分を拾って、その会社で初めての連結経営管理システム導入のプロジェクトメンバに入れてくれた課長(当時)は今でも恩人と思っています。会社の変革時には、異端児が必要です。

村おこしに活躍するのは、「若者」「よそ者」「バカ者」という言葉があります。

管理職として、課内の「若者(新鮮な目を持っている人)」「よそ者(異動して来たての人)」「バカ者(いわゆる異端児)」が引き起こすコンフリクトを創造的発展に生まれ変わらせるのが課長の使命です。

異端児を認めてあげて、課長が認めているという事実を課内に知らしめて、異端児のモチベーションをあげてください。あなたが現状維持に甘んじる管理職でない限り。

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