そうか、君は課長になったのか。(29)部下の昇格には全力を注げ - 「社内政治」の腕の見せどころ

Pocket
reddit にシェア
LinkedIn にシェア

■ 部下の昇格申請の勝率を上げるために必要なこととは?

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

課長にとって、自分の部下を昇格させられるかどうかは、重要な課題です。
部下本人にとって、これ以上関心のあるテーマはそれほどありません。特に自分の業績や能力についてそこそこ自信をもっている人が、しかるべき昇格を果たせないときは、自分の上司に対する信頼感をなくし、以後お互い仕事をしていく上で大きな障害になる可能性があります。
したがって、昇格時期を迎えた部下には最大限の配慮をしなくてはいけません。

部下の昇格を成し遂げるためには、人事考課の直前になって、あたふたと人事部と交渉をし始めても手遅れになります。その時期を取り逃がすと、もう一年後(会社によっては半年後)、再挑戦ということになってしまいます。部下の昇格申請をしてからの根回しでは、完全に出遅れとなります。なぜなら、申請が出揃った段階では、すでにトップマネジメントや人事部はある程度の順位づけが固まっており、脇から情報を入れても聞き入れてもらえるかどうかは怪しいからです。

人事はある意味では「社内政治」そのものかもしれません。組織の中で泳ぎきるために必要なローカルルールなのです。

■ 部下の昇格申請のための根回しはどう進めるか?

かわいい部下の昇格申請の勝率を高めるために、課長にできることは一体何になるのでしょうか?

(1)自分の上司(部下から見ると2段上の上司)への事前アピールを怠らない
(2)人事部との日頃のコンタクトを怠らない

(1)について
折に触れ、自分の上司に自分の部下の仕事の出来栄えを耳に入れておくことです。
「実はこのアイデアはうちのA君が考え出したもので、彼にはこういうことを思いつく才能があるんです」
「今回のこのプロジェクトはほとんどA君が独力で成し遂げたのです」
というネタを自分の上司への定期報告に織り交ぜていくのです。こうすることによって、上司はA君の評価を上げるだけでなく、課としての業績向上を自分(課長)の手柄にせず部下を褒めるあなた(課長)自身の人物の大きさをも評価してくれることになります。
(一石二鳥!)(^^;)

「自分(課長)だけの力でこの仕事をやり遂げた」「自分がいないとこの課は回らないんだ」と自分の力量を強調する中間管理職は、その瞬間に2つの罪を犯していることになります。

① 課長のミッションは課(配属された部下)の業績貢献度を最大限に発揮させることなのに、自分自身のプレイヤーとしての業績を自慢することは、己のミッションを履き違えている恥を世間にさらしているから
② 課長の自己PRを耳にした部下は、100%モチベーションを低下させてしまうから。手柄を全部持っていく上司ほど、部下から見て嫌な存在になり果てます

(2)について
人事部に属し、人事考課・人事評価を仕事としている担当者は、社内の人事情報に飢えているのが常態です。人事評価担当者と折に触れ接触し、あなた(課長)と身近な人たち(特に自分の部下)の人事情報を、具体的なエピソードを交えて積極的に提供していくべきです。その上で、「係長に昇格できるのは私の課では○○君と□□君だけですよね」「まさか、○○君の昇進遅れは無いですよね」という念押しの会話までできれば上出来です。

トップマネジメントも、人事評価担当者も、直属の上司が具体的エピソードを交えて部下を褒める言葉を完全無視はできませんし、何度も褒め言葉を聞き続けていると、そんなものかと自然と思えるようになっているはずですから。

■ 部下の昇格申請にまつわる根回しから一石三鳥を得るためには?

部下の事前の昇格のための根回しをしておくことから、①部下の昇格申請受理の勝率UP、②課長(あなた)自身の大人物の評価を得る、の他に、③部下のモチベーションUPの効果も狙うことができます。

あなたが、自分自身の昇格話の事前の根回しをしていることを、その対象となる部下の耳にも入れておくことで、

① 部下のあなたへの信頼度が増す
② 昇格がダメだった時の納得感が増す
③ 部下に自分自身のスキルや経験の棚卸し作業をさせるチャンスを与える

という副次効果も得られるのです。

常に自分の昇格を気にしてくれている上司には、ついていきたくなるのが人情というものです。もし昇格がダメだったとしても、上司の頑張りが目に見えていることで、部下自身のダメだった時の諦め、納得感の収まり方が違います。その上で、一番の効果は、昇格交渉を通じて、部下自身が、昇格できても昇格できなくても、なぜ昇格できたのか、どうして昇格できなかったのか、スキルと経験と社内でのポジショニングを見直す格好の機会が到来したと思えば、部下本人に対する根回しも疎かにはできないものです。

例えば、あなたが、
「部長にあなたの昇格申請の話をしたが、○○の点がまだ至らないという評価が下って、ダメだったよ。まだ部長からは○○の点が係長になる及第点に至っていないということなのだから、今年はこの○○に関連するスキルを伸ばしていこう」
と言えば、日頃、あなたの忠告を無視気味になっている部下までも、あなたの忠告・アドバイスに耳を傾けざるを得なくなります。誰しも、自分の利害得失(本件においては昇格話)に絡むことならば、興味関心が強くなるものですから。

あなた(課長)が部下の昇格について、熱心に事前の根回しを実践することは、
① そもそも昇格申請の勝率が向上する(目的達成)
② あなたの上司からのあなた自身への評価が上がる(副次的効果)
③ 部下からのあなたへの忠誠心が増し、課の業績向上に貢献させることができる(管理職として本分の実践)

へとつながるのです。ゆめゆめ、疎かにはできない管理職としての務めなのであります。(^^;)

(Visited 52 times, 1 visits today)
Pocket
reddit にシェア
LinkedIn にシェア

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です