そうか、君は課長になったのか。(32)大局観を養いなさい - 常に上位者の視点で考える

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■ 若手が力任せで時間をかけて仕事を覚える時間を作ることが管理職の使命である!

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

 仕事は忙しいものです。次から次へと案件が降りかかってきます。若いころは、それを必死になってこなしていくなかで力を蓄えていくものです。
しかし、課長ともなると、そのような目先にとらわれた仕事ぶりでは成果を上げることはできません。もっと広い視野や高い視点で仕事をとらえなければならないのです。それは、すなわち「大局観」です。

私は、自分自身がリードするプロジェクトにおいて、若手メンバにはできるだけ、仕事を丸投げするようにしています。当然、事前にその仕事の意義や目的、ゴールについて質問があれば、できるだけ詳細な説明に心を砕きますし、事後にレビューを依頼されれば、親身になって、深夜まで、希望されれば夜明けまで付き合います。

仕事を細分化して、単独の(自己完結する)作業として手渡し、その進捗度をこちらでコントロールすれば、おそらく、もっと効率的に、速いスピードで仕事自体は済ますことができるでしょう。しかし、若手本人の成長を考慮すれば、若いうちから、自発的に試行錯誤し、同僚や先輩、場合によっては取引先や顧客とも調整し、失敗しながら経験を積むために、自分で考える思考力、自分で何とかやりきる解決力を身に付ける機会が得られるように工夫するのが管理職の一番大切な職務のひとつといえます。

おそらく、一人の仕事職人としても腕がいいマネージャーは、下に就いた若手にも、ギリギリの所まで、自由裁量権を与えつつ、作業品質や仕事の成果にも責任が持てるはずです。

若いうちは、数ある仕事の中でどれが優先すべき仕事なのか、何が幹で何が枝葉末節なのか、分かるはずがありません。生真面目な若手ほど、どんな仕事でも100%全力投球。手を抜くことを知らず、何でも、できることだけ優先してやってしまう、できる部位だけ完全な品質(求められている以上の過剰品質になっていることを本人は関知できない!)で作業をやってしまっている。若手がやる作業自体は、短期的にみれば、無駄だらけです。

しかし、どれだけ無駄な作業をさせることができるかが管理職の腕の見せ所。自分も若い時は、手当たり次第に仕事をし、手探りで品質とスピードの両立を図ろうともがいていたではありませんか。そうした場数を若いうちに、1つでも多く経験すれば、仕事の分量、品質、勇戦順の目利き力が格段にUPするはず。

 

■ 課長自身が管理職としての仕事をする際には、無駄だらけでいいのか?

残念ながら、それは若手だけに通用するお話。課長ともなれば、何が幹で何が枝葉か、何を優先すべきか、どれくらいの品質で仕上げなければならないか、目利き力を持って仕事をする必要があります。だって、自分の課題だけでなく、チームや課内の他のメンバに無駄な作業をさせておく、余裕を作るのがあなたの仕事のひとつなのだから。

部下から見て、いつでも、上司の判断・意思決定は不本意なもので、「本当に分かっていないなあ」と見られてしまうものです。だって、若手や部下が見える地平線と、課長・上司が見える地平線は、同じ会社・組織に居ても、違って見えているのだから。だから、若手からどんなに突き上げられても、ブレることなく、自信をもって判断するのです。ジャッジするのが管理職の仕事。その判断に基づいて、与えらえた範囲内でタスクを完結させるのが部下の仕事。

課長をはじめとする管理職は、部下に無駄な仕事をさせるだけの余裕を生ませるために、部下より長期的な視点で仕事のペース配分を考えながら、部下におろす仕事の量とタイミングを推し量らなければならないのです。

仮に、とある業務部門の仕事の不効率を発見したとしても、すぐさま指摘して、該当する担当者にきつく不備をあげつらっても、その本人が業務改善をする心構えが無かったら、単に「うるさい奴だな、人の仕事に口を出しやがって」と抵抗され、嫌われるだけです。何か課題を発見しても、適時に解決を図るために、最大の効果を発揮するために、あえて今は口にしない、あえて、他の担当者に遠回しに指摘事項を共有するなど、変化球を投げながら仕事を進めるのです。周囲から直球勝負で賞賛されるのも、若手リーダーまでですよ。

 

■ では課長はどうやって「大局観」を身に付ければいいのか?

この質問に対する回答は、至って古典的なものが用意されています。

常に、現在の自分の職位より上の立場にあるつもりで、物事を見るクセをつけること!

例えば、主任なら係長、係長なら課長、課長なら部長になったつもりで、与えられた課題の解決策を考えるのです。現在、自分が置かれた職場環境を俯瞰的に見るクセを付けるのです。

より上位者になれば、その地位から、人脈や情報開示の範囲の拡大から、見えるものの範囲が異なります。下位の者には、上位者がアクセスできる情報源すべてにアクセスできる権限があるとは限らないので、一部分はどうしても想像の域を超えないかもしれません。しかし、そういう場合でも、観察対象とする上司の言動をじっと見て、分析するのです。そうすることで、間接的に、その上位者の地位にあるかのように、物事を仮説で見ることができます。

そういう訓練を何十年も重ねてこそ、ある時昇格して、その地位・ポジションに就いたとしても、慌てず、落ち着いて、責務を全うできるようになるはずです。

中には、入社直後から社長になったつもりで仕事を観察してきた、という猛者もいるとのこと。個人的な意見で恐縮ですが、できれば、そういう野心家のそばで一緒に仕事はしたくありません。私は小心者なので、そういうギラギラした人と一緒に仕事をすると、心が疲れてしまうので。。。(^^;)

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