そうか、君は課長になったのか。(34)自分の頭で考える人間になる - 批判精神なき読書は有害

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■ 多読な生き方と精読な生き方の違いとは?

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

読書によって幅広い知識を吸収することも、課長としての判断力を養うために重要なことです。
ただ、私の経験では、どういうわけか多読家に仕事ができる人が少ない。なぜか。私が思うに、あまりに多くの情報をインプットすることで、自分自身の考え方が形成されないおそれがあるからです。少し大げさに言うと、自分の頭で考える力が養われないのです。

多読な生き方と精読な生き方。そのどちらが課長や管理職として最適なのか? 一概に言えない問いですが、佐々木さんは、多読家から精読家に変わらざるを得なかったそうです。本書でも何度か触れられていますが、仕事量の増加とご家族の世話のために、読書の時間を確保できなくなった、という事情があるからです。私も、家庭のことは全て家内に任せきりにもかかわらず、仕事量が自身の能力のなさに反比例してどんどん増えて、捌ききれなくなって、佐々木さんとは別の理由で読書時間の確保ができないでいるのですが。(^^;)

小さいころから読書が大好きだった私の見解を披露する前に、佐々木さんのご意見を賜りましょう。

 

■ 佐々木さんの失敗談から

我々の年代の経営管理や経営企画のお仕事に従事されている方で、BCG発の「PPM理論」を知らない人はいないでしょう。

⇒「経営戦略概史(13)ヘンダーソンによるBCGの誕生と3つの飛躍- PPM、経験曲線、持続可能な成長率

佐々木さんももれなく、PPM理論のきれいさに感銘を受けて、そのまま自社の事業戦略に当てはめて、大きな後悔をされています。

現実の企業で実際に責任のある経営をした人なら、「“金のなる木”事業には投資をしない」とか、「“負け犬”事業はすぐ撤退すべき」などという結論はすぐには出さないのは自明の理です。「自社の営業力」「技術力の実態」「マーケットやコンペティターの分析」を十分掘り下げて分析し、事業全体について正確な事実を把握したうえで、しかるべき対応策を打つはずです。

しかし、そうした思考プロセスをすべてかっ飛ばして、本で読んだ知識だけで事業戦略を策定してしまい、結果については本書では何も書かれていませんが、こう表現されている以上、まずいことになったのは間違いありません。そして、自分の頭で考えつくすことの重要性を強調されています。

 

■ 多読の弊害と自分の頭で考える重要性

佐々木さんによると、本を読むうえで大切なこととは、書いてあることが「本当に真実か」を見極める判断力・思考力を養うこと。そうした批判精神を持たずに、やたら多読を推し進め、無駄な努力、もったいない時間の浪費、間違った浅い意思決定をもたらすのなら、読書はかえって有害と断じています。

そのうえで、読書で得た知識を有効に生かすための方策として唱えていらっしゃるのは、

読書で得た知識を、現場の仕事にあてはめてシミュレーションしてみる

ということ。

私は仕事柄、会社の数字を扱うことが多いのですが、若手コンサルタントには、理屈で考えたロジックや戦略を、実際にExcelやホワイトボードに仮の数字を置いて、試算をするように勧めています。実際に手を動かすことで、空理空論にしか過ぎない偽物の知恵をクライアントに提案してしまうことを回避する大切な所作ともいえます。

もうひとつ、佐々木さんおすすめの方法は、自分のお気に入りや感動した良書を何度も繰り返し読み返すこと。つまりは精読です。佐々木さんによれば、良書は何度読み返しても、新たな発見、新たな教訓を与えてくれるのだそうです。それは、思考の軸を与えてくれる良書を読む行為自体が、自分の思考を鍛え、新たな発想を付与してくれるか、思考力そのものを鍛えてくれている、ということに帰結する、そう考えています。

ちなみに、佐々木さんおすすめの良書は次の通り。

 

■ それでは私の読書生活の感想をひとつ

最後に、コンサルタントらしく、マトリクスを用いて、自分自身の読書生活を分析してみたいと思います。私も、多読・乱読の時代から精読の時代に移ってきた部類なのですが、、、

20171014_多読な生き方と精読な生き方

私にとって、読書生活とは単なる知識のインプットではありません。常に、それはアウトプットと裏腹の関係にあります。アウトプットの方を「地頭力」の軸と仮定し、「発想型」:自己発信力が強い、「訓練型」:多くの雑多なインプットを整理する力が強い、という風に分類します。そうして、インプットたる読書量と掛け合わせると、上記のような4類型になります。

ピンポイントとは、“寸鉄人を刺す”、を地で行く人のことを指します。ズバリ、要点を衝く力に優れた人です。

ひらめきとは、人を刺すというより、今まで気づかなかったことを教えてくれる感じです。

ファクトベースとは、より多くの情報を精緻に整理して、物事の道理をきちんと示す力です。

知恵の箱とは、次から次へと、アイデアが湧いてくる、知恵の宝庫、という感じです。

自分自身は一番最後でありたい、そう思うのですがね。そうなっていますかね???(^^;)

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