孫子 第6章 虚実篇 28 兵を形(あらわ)すの極みは、无形(むけい)に至る

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■ 勝利の方程式を隠す

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

組織の態勢を現す極致は、自組織を無形に到達することです。無形であれば、味方の陣営奥深く潜入した間諜も、自組織の態勢を読み取ることができません。知恵者も自組織の態勢を推し測ることができません。敵組織の態勢に応じて、優勢な敵に勝利する形態をあらかじめ措定(そてい)するのですが、優勢な敵はそれに気づくことができません。敵組織はみな自組織が最終的に勝利を制した時点での態勢を知りはしますが、勝利を事前に決定した原因までは知ることができません。こうしたわけだから、その勝利する「型」には二度と反復が無く、どこまでも敵組織の態勢に無限に対応していけるのです。

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「態勢(形)」とは、意図の表出です。それゆえ、自組織の態勢と意図とが直結せず、自組織の意図が敵に不明であれば、それは自組織が無形であるのと同じことになります。こうした意味合いで、自組織は「無形」、敵組織は「有形」の状態を保てば、自組織の側だけが一方的に敵の意図を知り続けることになります。そこで、敵の形、すなわち敵の意図に応じて、事前に勝利の「型」を措定(そてい)― ある命題を、自明なものあるいは任意の仮定として、推理によらないで直接的に肯定し主張すること ― が可能となります。

ところが敵の側は、戦闘に敗北した時点でしか、彼我の態勢を知ることができません。つまり、敵は、敗れた時の形、最終的結果・表面的現象を知るのみで、そこに至る無形の過程(プロセス)、敗れた真の原因は、全く自覚できないままとなります。これは、次の戦いを挑むにあたって、決定的に味方に有利になりますね。

店頭での販売競争に負けた。その事実しか知ることはできず、その裏にあるSNSを使った販促キャンペーン、やその前のターゲットユーザへの市場調査による商品の作りこみと商品が使われるシーンを徹底的に分析していることは察知することができない。。。これでは、永遠に売り場で売り負け続けますね。

しかも、勝敗が決した時点での双方の態勢は、その時々の敵組織の態勢に応じて千差万別です。そのため、敵は、例えば、前回は包囲されて敗れ、今回は中央を突破されて負けたといった具合に、結果・現象の多様さのみ目を奪われて、たとえそれが同一の原理に基づく戦法であっても、決してそれを同じ手口だと見破ることができません。

もし、一度の勝利に味を占めて、その戦いで勝利を制した形を何度も使うならば、それは当然敵の看破するところとなり、敵も工夫を凝らして対応してくるでしょうから、じきにその有効性も失われてしまいます。そうした既成の型に頼る皮相的な発想では、何とかの一つ覚えに似て、必ず行き詰ることになるでしょう。

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● 勝った者はその攻略方法を研究されてしまう
      → 結果だけを見せてプロセスを見せない
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              ② 真のターゲットをカムフラージュする
              ③ 敵の動きに無理に逆らわない
              ④ 力を一点に集めて威力を高める

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