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孫子 第7章 軍争篇 32 兵は分合(ぶんごう)を以って変を為す者なり

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ 孫子の兵法(入門)
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■ この章がかの有名な「風林火山」です!

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軍事行動は敵を欺くことを基本とし、利益にのみ従って行動し、分散と集合の戦法を用いて臨機応変の処置を取ります。

だから、
のように迅速に進撃し、
のように静まりかえって待機し、
が燃え広がるように急激に侵攻し、
のように居座り、
暗闇のように実態を隠し、
雷鳴のように突然動き出し、
偽りの進路を敵に指示するには部隊を分けて進ませ、
占領地を拡大するときは要地を分守させ、
権謀をめぐらせつつ機動します。

迂回路を直進の近道に変える手を敵に先んじて察知するのは、これこそが軍争の方法なのです。

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あの甲斐武田氏の軍旗、「風林火山」の出典として有名な一節です。
「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山」の四句から採られています。

では内容説明に入ります。

迂を直に変えて軍争に勝つためには、巧妙を極めた軍の運動が必要となります。その基本型は、部隊をいくつかに分けて、別々のルートを進撃させる分進と、すべての兵力を一地点に集結させて戦闘に入る合撃とがあります。情勢の変化に応じ、この両者を組み合わせると、そこには多様な変化形が生じます。その変幻自在な運動によって、自軍の意図を偽って敵将の判断を誤らせ、変転流動する彼我の複雑な機動戦の中に、すばやく勝機を見出すのです。

現代ビジネスに例えるなら、

新商品開発が暗礁に乗り上げた際、そのまま課題解決にまい進するか、それともまわり道をして、顧客ニーズを読み直して、単機能製品として売り出す方向にチェンジするか? はたまた、競合他社やベンチャーの有している特許を買い取る、またはクロスライセンスで手に入れる、特許使用料を支払う、などして、自社にはないテクノロジーを取り入れるか? 成功への道はひとつではありません。でも、製品開発リーダーは当初の開発工程(ロードマップ)にこだわって、柔軟な発想に欠けがちなんですよね。

あまりに有名になり過ぎて、もはや都市伝説の域に達している例のポストイットのお話し。強力な接着剤の開発に失敗し、粘着力の弱いものしかできなかったのですが、逆にその弱粘着性を利用して、ポストイット(付箋紙)を世に生み出しました。しかも、最初はその付箋紙は、研究開発参加メンバのデスクの上で勝手に応用されていたものに、社内のマーケッターがたまたま目を止めて商品化にまでこぎつけたとか。

私は、趣味であるTVの深夜番組を見ている時、大変興味深い通信販売のシーンに出くわしました。画面では、2万円台のミシンを大々的に売り出しており、その宣伝文句、あおり文句がこれまた出来が良かった。

「しっかりと、日本でひとつひとつ品質検査を徹底しています!」
(→ つまりは外国製じゃないか! 日本で造っていないのに、さも日本品質であるかのように印象づけようとしている!)

「何十種類もある縫い方の選択ボタンに迷う必要はなく、8種類だけの縫い方を簡単にお選びいただくことができます!」
(→ コストを抑えるために、機能を絞っただけじゃないか!)

最後にこぼれ話。
武田信玄と山本寛助が「孫子」に代表される中国の兵法書の有効性について、地理や気候などの自然条件、軍隊構成や兵器などの歴史的条件の差異によって、そのままでは日本で通用するものにはなっていないと批評している言葉が残っており、旗印に掲げている割には、無批判に「孫子」を理想として戦をしていたわけではないという事実。こういうこと知ってしまうと、歴史物の小説を読んでも興がそがれてしまいますね。

どうもすみませんでした。m(_ _)m