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■ ポジショニングの兵法 - とにかく組織が有利なように布陣する!

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

軍隊は、高地を好んで低地を嫌い、日当たりのよい南に面した場所を最上として、日陰になる北に面した場所を最悪とし、兵士の衛生に気を配りながら、水や草の豊かな地域を占めるようにします。これを必勝の駐屯法と称し、軍隊内に様々な疾病を生じさせないようにします。丘陵や堤防では、その日向の側に陣取り、丘陵や堤防が、右後方になるようにします。こうしたことが、軍事上の利益であって、地形の援護なのです。

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繰り返しになりますが、第9章の「行軍篇」と第10章の「地形篇」は実際の古代中国における軍隊の統率に関する具体的な事象を記述しているため、これを現代ビジネスに応用させる解説するのには無理があります。できるだけ現代ビジネスになぞらえて説明を付しますか。

前にも触れましたが、右後方に丘陵や堤防を配置するような布陣は、大半の弓兵が右利きなので、向かって左側になら、体をひねって敵に狙いを定めやすい、という当時の戦い方によるものです。刀だって、右手で持って、左に払う方が簡単でしょう。

では現代ビジネスにおいてこの節に学ぶべきところはどこにあるのか?

 

■ 従業員のことを考えたポジショニングとは? ポジショニングというより動機付け

「米国3Mの15%ルールやgoogleの20%ルール」というのを聞いたことは無いでしょうか。
自分の労働時間の15~20%は全く今の仕事に関係のないことに充てて良い、というあれです。これは、3Mやグーグルが、「プロダクト・イノベーション」で勝負する市場で競争しており、自社の従業員の意識のベクトルを「プロダクト・イノベーション」に向かわせるべく、自由裁量の時間、アイデアをつらつらと考える時間を持つ環境を準備しているのです。勝負に勝つために、大事な戦力である従業員(知財権の源)の配置と働き方に十二分の配慮を行うのです。
(参考:自由な時間がイノベーションを生み出す!?『3M 15%カルチャー』と『グーグル 20%ルール』

 

■ 従業員のことを考えると「衛生理論」と「動機付け理論」の両利き管理が必要!

また、その昔、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論も有名になりました。
(出典:ハーズバーグの動機づけ・衛生理論 |モチベーション向上の法則

人間には2種類の欲求がある。
① 苦痛を避けようとする動物的な欲求
② 心理的に成長しようとする人間的欲求

(人事管理の方策その1)
苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない

(人事管理の方策その2)
たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に充たすことができなくても、不満足感が増加するわけではない

つまり、仕事の満足感を引き起こす要因と不満を引き起こす要因は異なる。

不満要因(衛生要因)をいくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、不満足感を減少させる効果しかない。

一方で、仕事の満足感を引き出すには「動機づけ要因」にアプローチしなくてはいけない。

兵士を病気にさせない、兵士の戦闘力が最大限発揮できる陣取りをする、ということは、現代経営学においては、「動機付け・衛生理論」に通じるものがあるのではと。

ご参考ください。

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孫子 第9章 行軍篇 40 軍は高きを好みて下(ひく)きを悪(にく)みhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-e1428423948658.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-150x150.jpg小林 友昭孫子の兵法(入門編)孫子,兵法,戦略,ポジショニング,グーグル,競争戦略,3M,20%ルール,15%ルール,ハーズバーグ,動機づけ・衛生理論■ ポジショニングの兵法 - とにかく組織が有利なように布陣する! 軍隊は、高地を好んで低地を嫌い、日当たりのよい南に面した場所を最上として、日陰になる北に面した場所を最悪とし、兵士の衛生に気を配りながら、水や草の豊かな地域を占めるようにします。これを必勝の駐屯法と称し、軍隊内に様々な疾病を生じさせないようにします。丘陵や堤防では、その日向の側に陣取り、丘陵や堤防が、右後方になるようにします。こうしたことが、軍事上の利益であって、地形の援護なのです。 ----------------- 繰り返しになりますが、第9章の「行軍篇」と第10章の「地形篇」は実際の古代中国における軍隊の統率に関する具体的な事象を記述しているため、これを現代ビジネスに応用させる解説するのには無理があります。できるだけ現代ビジネスになぞらえて説明を付しますか。 前にも触れましたが、右後方に丘陵や堤防を配置するような布陣は、大半の弓兵が右利きなので、向かって左側になら、体をひねって敵に狙いを定めやすい、という当時の戦い方によるものです。刀だって、右手で持って、左に払う方が簡単でしょう。 では現代ビジネスにおいてこの節に学ぶべきところはどこにあるのか?   ■ 従業員のことを考えたポジショニングとは? ポジショニングというより動機付け 「米国3Mの15%ルールやgoogleの20%ルール」というのを聞いたことは無いでしょうか。 自分の労働時間の15~20%は全く今の仕事に関係のないことに充てて良い、というあれです。これは、3Mやグーグルが、「プロダクト・イノベーション」で勝負する市場で競争しており、自社の従業員の意識のベクトルを「プロダクト・イノベーション」に向かわせるべく、自由裁量の時間、アイデアをつらつらと考える時間を持つ環境を準備しているのです。勝負に勝つために、大事な戦力である従業員(知財権の源)の配置と働き方に十二分の配慮を行うのです。 (参考:自由な時間がイノベーションを生み出す!?『3M 15%カルチャー』と『グーグル 20%ルール』)   ■ 従業員のことを考えると「衛生理論」と「動機付け理論」の両利き管理が必要! また、その昔、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論も有名になりました。 (出典:ハーズバーグの動機づけ・衛生理論 |モチベーション向上の法則) 人間には2種類の欲求がある。 ① 苦痛を避けようとする動物的な欲求 ② 心理的に成長しようとする人間的欲求 (人事管理の方策その1) 苦痛を避けようとする動物的な欲求をいかに充足しても、人間は不満足感が減少するだけで積極的な満足感を増加させることはない (人事管理の方策その2) たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求を十分に充たすことができなくても、不満足感が増加するわけではない つまり、仕事の満足感を引き起こす要因と不満を引き起こす要因は異なる。 不満要因(衛生要因)をいくら取り除いても、満足感を引き出すことにはつながらず、不満足感を減少させる効果しかない。 一方で、仕事の満足感を引き出すには「動機づけ要因」にアプローチしなくてはいけない。 兵士を病気にさせない、兵士の戦闘力が最大限発揮できる陣取りをする、ということは、現代経営学においては、「動機付け・衛生理論」に通じるものがあるのではと。 ご参考ください。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します