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■ 怪しいところには近づかない。近づくときは確かめてから。

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

軍隊の進路に、険しい場所やため池や窪地、葦原や小さな林や草木の密生した暗がりなど、身を隠して潜むことのできる地形があるときは、慎重に捜索を反復しましょう。そういう場所は、悪巧みを抱く敵兵が潜伏する場所だからです。

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こうした地形には、伏兵や密偵、落石や樹木の伐苅(ばっかい)によって進軍を妨害する破壊工作員、待機中の奇襲部隊に合図を送る通信兵など、さまざまな姦計をこらす敵兵が潜伏する可能性が高いものです。したがって、険しい隘路を行軍する場合などは、本陣が通過する以前に斥候隊を分遣して、こうした地点を徹底的に捜索しておく必要があります。

現代ビジネスに置き換えるなら、
① アンテナショップの開設や、期間限定商品の提供で、マーケットの動向を探る
② 市場動向を入念に把握してから、大型の投資を実行して一気呵成にシェアを取る

という戦い方をする、というものになりますでしょうか?

当たれば大きいと思われる市場はそう簡単に転がってはいません。誰でも思いつくアイデアや攻略しやすい顧客がいると思われる市場は、そもそも競争が激しい、レッドオーシャンである確率が高く、皆が避けたがる市場には、難攻不落の難問が潜んでいたりするものです。拙速や軽挙妄動の類になるかもしれません。

そういう意味では、いつでも撤退する準備を怠ることなく、恐る恐る慎重に、しかし、積極的に思いついたオポチュニティに探りを入れていきたいものです。そのためには、管理会計(意思決定会計)的には、次の2つの損得勘定を心に持っておくことが重要です。

① 過大な先行投資の回収プランを入念に検討する
② いつでも撤退できるように、撤退コストを最小必要限度にまで下げる努力をする

のいずれかの方法を用いることです。
これらは、「固定費」と「変動費」の組み合わせで支出・費用の類を、ビジネスプランの中で仕分けることから始まります。さてさて、あなたにとっての固定・変動の区別の基準にはどんなものがありますかね。「とんち」になってしまうかもしれませんが、労務費はある人にとっては、固定費でも別の人にとっては変動費になるかもしれませんね。

ある特定のビジネスに強固に結び付けられて、配置転換や再教育が難しい人材は、いるだけで固定費となりますし、雇用契約の流動性が担保されていたり、容易に配置転換できる人材に係るコストは、限りなく変動費に近くなりますよ。

『虎穴に入らずんば、虎児を得ず』

ピンチはチャンスならぬ、リスクがあるところに利あり。

かといって、過大でかつ回収不能な固定費を抱えてしまっては、次のビジネスチャンスも指をくわえて諦めざるを得なくなります。

新規ビジネスにかかるビジネスプラン策定時には、1にも2にも、「撤退コスト」の最小化。つまるところ、「固定費」と「変動費」のバランスをとることを最優先事項にして頂きたいと、我が身の過去の失敗から得た教訓でもあるのですよ。(^^;)

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孫子 第9章 行軍篇 43 軍の行く手に伏匿(ふくとく)すべき者有らばhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-e1428423948658.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-150x150.jpg小林 友昭孫子の兵法(入門編)孫子,兵法,戦略,アンテナショップ,変動費,固定費,ビジネスプラン,撤退コスト■ 怪しいところには近づかない。近づくときは確かめてから。 軍隊の進路に、険しい場所やため池や窪地、葦原や小さな林や草木の密生した暗がりなど、身を隠して潜むことのできる地形があるときは、慎重に捜索を反復しましょう。そういう場所は、悪巧みを抱く敵兵が潜伏する場所だからです。 ----------------- こうした地形には、伏兵や密偵、落石や樹木の伐苅(ばっかい)によって進軍を妨害する破壊工作員、待機中の奇襲部隊に合図を送る通信兵など、さまざまな姦計をこらす敵兵が潜伏する可能性が高いものです。したがって、険しい隘路を行軍する場合などは、本陣が通過する以前に斥候隊を分遣して、こうした地点を徹底的に捜索しておく必要があります。 現代ビジネスに置き換えるなら、 ① アンテナショップの開設や、期間限定商品の提供で、マーケットの動向を探る ② 市場動向を入念に把握してから、大型の投資を実行して一気呵成にシェアを取る という戦い方をする、というものになりますでしょうか? 当たれば大きいと思われる市場はそう簡単に転がってはいません。誰でも思いつくアイデアや攻略しやすい顧客がいると思われる市場は、そもそも競争が激しい、レッドオーシャンである確率が高く、皆が避けたがる市場には、難攻不落の難問が潜んでいたりするものです。拙速や軽挙妄動の類になるかもしれません。 そういう意味では、いつでも撤退する準備を怠ることなく、恐る恐る慎重に、しかし、積極的に思いついたオポチュニティに探りを入れていきたいものです。そのためには、管理会計(意思決定会計)的には、次の2つの損得勘定を心に持っておくことが重要です。 ① 過大な先行投資の回収プランを入念に検討する ② いつでも撤退できるように、撤退コストを最小必要限度にまで下げる努力をする のいずれかの方法を用いることです。 これらは、「固定費」と「変動費」の組み合わせで支出・費用の類を、ビジネスプランの中で仕分けることから始まります。さてさて、あなたにとっての固定・変動の区別の基準にはどんなものがありますかね。「とんち」になってしまうかもしれませんが、労務費はある人にとっては、固定費でも別の人にとっては変動費になるかもしれませんね。 ある特定のビジネスに強固に結び付けられて、配置転換や再教育が難しい人材は、いるだけで固定費となりますし、雇用契約の流動性が担保されていたり、容易に配置転換できる人材に係るコストは、限りなく変動費に近くなりますよ。 『虎穴に入らずんば、虎児を得ず』 ピンチはチャンスならぬ、リスクがあるところに利あり。 かといって、過大でかつ回収不能な固定費を抱えてしまっては、次のビジネスチャンスも指をくわえて諦めざるを得なくなります。 新規ビジネスにかかるビジネスプラン策定時には、1にも2にも、「撤退コスト」の最小化。つまるところ、「固定費」と「変動費」のバランスをとることを最優先事項にして頂きたいと、我が身の過去の失敗から得た教訓でもあるのですよ。(^^;)現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します