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孫子 第12章 用間篇 65 反間は厚くせざる可からざるなり – 諜報活動で最も有効な二重スパイを我が物にする方法とは?

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■ 二重スパイが諜報活動における最後の切り札です!

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必ず敵方の間諜がいないか自組織内を探索し、潜入してきて自国の様子を探っている者がいれば、手づるに逆用してその人物に利益を与え、誘い込んでその間諜を自国側につかせます。このようにして反間を獲得して諜報活動に活用するのです。

この反間を手づるにすることで敵情も判明させることで可能になることとは、

(1)郷間(因間と同じ)や内間となる人物を敵国内から見つけ出し、自国のために働かせることができる

(2)死間に虚偽の軍事計画をでっち上げさせ、敵方に通報させることができる

(3)この反間を頼みの綱として、生間を予定通りに活動させることができる

5種類の間諜による諜報活動は、必ず敵情を探り出すものですが、敵情が判明する大半の理由は、決まって反間の動静にあるのです。それゆえ反間は、是非とも厚遇しなければならないのです。

(出典:浅野裕一著『孫子』講談社学術文庫)

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現代ビジネスにおいて、コンペチターに置いておく二重スパイは現代法に振れるのでここで推奨することは絶対にできません(するつもりもありません)が、同じ会社内で、横の組織間で、そういうことをすることはまだ許容範囲かもしれません。反間(二重スパイ)というほどの大げさなものではなく、社内人脈により、いろんな部署にいる人から、いろんな情報を得る情報網を形成しておくという感じ。もし、そうした社内ネットワークがあれば、情報収集だけでなく、こちらから発信する情報操作も可能になります。

もし、あなたのそうした情報調整活動に携わった各部署にいる人が、その正体がばれて、元々いた職場で気まずくなったとき、自分の組織で引き取るか、新しい異動先を手当てしてあげましょう。できれば後者の方が、新しい所で、再びあなたの手足となって、情報コントロールの任に就いてくれるはずです。

ちなみに、諜報活動の5つについて復習しておきます。

⇒「孫子 第12章 用間篇 62 間を用うるに五有り -情報源は常に複数用意しておく

(1)生間(せいかん)
・繰り返し敵国に潜入しては生還して情報をもたらす

(2)因間(いんかん)
・敵国の民間人を情報源にして諜報活動を行う

(3)内間(ないかん)
・敵国の官吏を情報源にして諜報活動を行う

(4)反間(はんかん)
・敵国の諜報員(スパイ)を情報源にして諜報活動を行う

(5)死間(しかん)
・虚偽の軍事計画を部外で実演して見せ、配下の諜報員にその情報を告げさせておいて、欺かれて諜略に乗ってくる敵国の出方を待ち受ける

敵側の間諜を自国側に寝返らせた反間、二重スパイは、自国と敵国の間を自由に往来しても、頻繁に連絡を取り合っても、何ら怪しまれずに活動を続けることができます。しかも反間は、敵の中枢に疑われることなく深い所にまで出入りすることができ、敵国の内情や軍事計画全般に精通していて、最も価値の高い情報を精確にもたらしてくれます。

それゆえ、反間(二重スパイ)こそ、スパイ中のスパイ、諜報活動全体の切り札ということができます。

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