孫子 第13章 火攻篇 68 五火の変有るを知り、数を以て之れを守る – 状況判断で有効な攻め方を切り替える

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■ 火攻めを成功させるためには、状況に応じて有効な使い分けをする必要がある !

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

(1)内応者や工作員の放った火が敵の兵営内で燃え出したときは、待機中の味方部隊が外から素早く出火に呼応して攻撃する。

(2)出火したにもかかわらず、敵軍の兵士が平静な場合には、ただちに攻めかかったりせず、その火災の広がり具合を見極めながら、敵の混乱に乗ずることができそうだったら、火災に呼応して攻撃をしかけ、乗ずることができそうになかったら、火災に呼応した攻撃を中止する。

(3)敵陣の方向に強風が吹き続けて外部から放火することが可能だったら、敵陣内での放火を待たずに、好機に見計らって火をかける。

(4)放った火の手が風上から燃え出した場合には、それに呼応して風下から攻撃をかけてはならない。

(5)昼間に終日風が吹き続けた場合は、夜に入って風が弱まったり止んだりするから、夜間の風に期待する火攻めは中止する。

軍事には、必ずこれら五種の火攻めの対処法があることを熟知し、技術を駆使してそれら攻撃法を遂行するのです。

(出典:浅野裕一著『孫子』講談社学術文庫)

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この節では、敵の兵営を焼討ちする具体的な状況を例に、火攻めの方法論を説いています。そのまま、その行動ひとつひとつが現代ビジネスに実際に使えるわけではないのですが、競争相手に何か仕掛けた後の対処、何かを仕掛けるタイミングを見計らうなどの、状況判断の大切さを強調する文章と読んでいけばいいでしょう。

(1)について
こちらが火攻めの仕掛けをして、従前の狙い通りの効果が発現したと判断したら、果敢に攻めかかる。機を見るに敏。これが最上。

(2)について
こちらが火攻めの仕掛けをしても、相手側に動揺が見られないとき、うかつに攻勢に出ると、思わぬ反撃、待ち伏せの計略があるかもしれません。しばらく、敵の出方を見るように、という慎重さが大事。

(3)について
従前計画していた火攻めのために待機中に、計画よりもっと手前で火攻めに格好のタイミングが現われたら、その好機は逃さない。すぐに待機兵力から率先して火攻めを敢行する。

(4)について
火攻めの効果が見られる風下に自らの身をさらして、自分自身も危険な状況に陥らない。自分で仕掛けた罠に自分ではまらないように注意する必要あり。トップシェア企業が、積極的な値引を敢行し、マージン率を自ら落とすような愚行に出ないように。

(5)について
具体的に昼夜の風の具合に関する記述は、当時の陰陽の考え方や気象についての経験的観測に基づくもので、現在の気象学では適切ではないことは承知しています。ここでは、何か(火攻め)を仕掛けた場合、その連鎖反応や、状況推移のシークエンスを予想しておいて、行動を決めることの重要性の指摘と解します。

筆者は、将棋やチェスは不得意です。なぜなら、自陣の手を何手も先読みはできるのですが、相手の手を読むことが不得手だから。交友関係でも、ビジネス上の競争でも、相手の立場に立って、相手の気持ちや考えを読む、想像力を豊かに持つと、臨機応変的な対応や、最善の手を打てるのでしょうが。いやあ、難しいものです。(^^;)

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