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(私の履歴書)似鳥昭雄(28)社内不正 2015年4月28日 日経新聞(朝刊)より

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■ 船仲介業者と社員癒着 3人で海外を回る極秘調査

コンサルタントのつぶやき

本部移転後、ちょっとしたスキャンダルがあった。それは船をチャーターする仲介業者とニトリ社員との癒着だ。社内に通報があったが、証拠はない。ただ船の利用料金がなかなか下がらないことはおかしいと思っていた。

疑惑を解明するため、仲介会社との窓口を務める社員に関係を問いただした。するとやはり社内ルールに反する接待を受けていた。どうも女性もお世話になり、半ば脅迫されていたようだ。船のコストは当時、年間30億~40億円に達する大きな利権だ。この仲介会社は通関業務まで請け負い、税関のOBも入れているし、ニトリの物流子会社にも社員を出向させている。ニトリの役員ともつながっている。だから情報も筒抜けだ。

以降、すべてコンペ方式に切り替え、年間5億~6億円の経費削減にもつながった。外部に任せすぎると癒着が生まれ、改革の妨げになる。今では通関士13人、1級建築士13人、公認会計士5人を社員として抱えている。手間のかかることは社内でやり、簡単なことは外に出す。仕事のプロを多くそろえる「多数精鋭主義」こそ、成長の源泉だ。

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取引業者との間の厳しい社内ルール、社長自ら不正摘発プロジェクトを実践なども「フムフム」なのですが、

あえて、手間のかかることを社内でやるために、プロフェッションをあえて社内に抱える「多数精鋭主義」こそ成長の源泉と言い切っている箇所に注目!

企業を成長させるときには、社内に専門家を抱えた方が都合がよいと似鳥社長はおっしゃっています。

「コースの定理」にもあるのですが、「取引コスト」と「専門家利益の享受」は天秤にかけられ、その専門家の知恵を社内に抱え込むかどうかが決まります。

つまり、どうせ企業成長して、専門家の仕事は減ることはないのだから、固定費(正社員の固定給をイメージ)と抱えた方が、ひとつひとつの作業を「契約」として社外の専門家と取引しているより、トータルコストも節約でき、付随的に、欲しい時に情報が手に入る時間費用、情報漏えい対策コストも節約できる、ということになります。

この辺は、米国のビジネススクールの学生から「電話帳」と恐れられた1995年に出版された次の教科書に詳しく載っています。700ページもの大書なので、いつか本ブログで解説記事を書いて読者の皆さんにお届けしたいものです。

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