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(サッカー人として)三浦知良 2015年2月27日 日経新聞(朝刊)より

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■ 30年目のハツラツ感

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「経験がもたらすものは“上下動”が少なることじゃないかな。どんな状況でも必ずすること、ルーティン。ベテランになればなるほどその何気ない一連の作業を、本番でも練習でも何でもない日でも、常にやっている。すなわちそれが安定であり経験であり。
若い頃は軽重をつけがちになる。「きょうは練習だから、このくらいでいいや」「この日は大事だから、やろう」。でも、いざ「大事なとき」に「これをやろう」と思っても、常にやっていない人にはできにくい。熟練者になりずっと同じことをやっているとブレが減り、どんなときでも変わらず、できるようになる。
某選手は20歳の頃はひたすら足が速く、周りに使われるタイプだった。ベテランの域になってもまだまだ快足だったけれど、ただ走るだけでなく、自分が周りも生かすようになった。ドリブルさえ上達した気がした。考えることで、また伸びたんだね。」

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「練習は本番のように」「本番は練習のように」。
スポーツの世界では当たり前のことかもしれませんが、このことはビジネスの世界でも当てはまるものだと思います。
常に準備を怠らない。 私は、「常在戦場」という言葉を使うのですが、常に戦場に臨んでいる緊張感で仕事をし続けます。これは、テンションをずっーと高く保つ、ということではなく、常に、先手先手を考え抜き続ける、ということです。
この前、若手のコンサルタントから私の仕事ぶりというか、私との会話における気付きについて次のようなコメントをいただきました。
「●●さん(私のこと)は、常にクライアントの考えそうなこと、質問しそうなことに対して、いつも複数の回答・代替案を用意している」「●●さんに分からないことを質問しても、●●さんは常に2歩3歩前のことを既に考えているので、話が早くて楽」
それは、決して私が頭がキレる、いわゆる賢い人、地頭が良い人、であることを意味していません。
そういう印象を与えるのは、私が「課題」に関して常に考え抜いているから。
極論を言うと、お風呂に入っているときでも、歯を磨きながら鏡に向かっているときでも、いつでも抱えているクライアントの課題を考えているので、他の人より「答え」の引き出しをちょっと多く準備しているだけのことです。
「課題発見」→「複数の解決策の案出」→「代替案選択の判断基準の明確化」→「解決策の選択」
この一連のプロセスを常に、自分の頭の中でシミュレーションし続けるのことを習慣化しているだけのことです。
あまりにやりすぎて、懇意にしているクライアントから、
「●●さん、最初から答えが分かっているんなら、一番最初に教えておいてよ。議論している時間が無駄に思えるよ!」
と、冗談半分でお小言をいただくことも少なからずあります。
でもね、一度は関係者の間で頭をひねって、うんうん唸って考えてみないと、私が最後に出す答えに対する「腹落ち感」、いわゆる「納得感」が全く違ってくるんですよね。
それに、私の仮説が間違っていることが、ブレインストーミングの中で発見されることも皆無ではありませんから。
そういう時には、議論の中で「解決策」を瞬時に組み立てなおします。
若手コンサルタントはその軌道修正の速さにまた、驚嘆することもあるようですが、私にとっては別段、特筆すべきことではないですね。あらかじめ数多く準備しておいた「代替案」をちょっと組み替えるだけなので。
「常に考え抜く」
カズでもイチローでもない私は、世間的にはベテランといわれる年齢になった今、「考え抜く」ことの習慣化に成功した、だけのことです。ハイ。

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