■ 人はあれもこれも同時に行うことはできない
It’s only by saying no that you can concentrate on the things that are really important.
重要なことに集中する唯一の方法は「ノー」と言うことだ。
(米国の実業家、アップル創業者 / 1955~2011)
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プロジェクトベースで仕事を進める場合、3つの制約の中で、どれを優先して、どれを捨てるか、を決断する場面によく直面します。
① Q(Quality:品質)
② C(Cost:コスト)
③ D(Delivery:納期)
品質を高めるためには、より多額のコストをかける必要があるかもしれないし、納期も遅らせなければ、納得のいく仕事を完結させられない場合があります。また、コスト制約を守るためには、品質を落とさざるを得ない場合もあるし、納期優先ならば、これもまた品質を下げざるを得ない場合もあります。
また、上司やお客様から、あれこれと作業指示を同時に複数案件受けざるを得ず、どれから手を付けていいのか、迷いが生じることもあります。
あるいは、情報システムを構築する場合、堅牢な情報セキュリティをかけたり、重厚なワークフローを実装すると、一方で、作業やシステム運用にかかる人間の仕事量がずっと増えたりするかもしれません。人間系の作業負荷(作業時間)を減らすために、シンプルな機構でシステム設計した場合は、逆に情報セキュリティが若干緩むことを許容したり、選ばれた代表部門だけをワークフローに登録する、という決断を要することがあります。
こういう判断を迫るときに、今でも忘れられないお客様(役員)の方の言葉があります。
(ちょっとだけ意訳)
「選択肢Aと選択肢Bとで、選択肢Aを選んだ時に、捨てた選択肢Bで、あきらめたこと、できなくなったこと、そしてその影響を教えてください」
何かを選択する裏には、何かをあきらめるものがきっと存在している。何かを選択するということは、その裏にあるまた別の何かを選択しなかったということ。
何かに集中する、何かを一つだけ選択する、そういう決断の裏には、「ノー」といえる勇気、「何かをなくすこと」に耐えられる勇気を持てること。これが大事!
私は、経営コンサルタントとして、課題解決施策や情報システム設計など、クライアントに何かを提案する場合、必ずその選択でできなくなること、あきらめざるを得なくなること、それらをきちんとお話して、ご理解・ご納得頂くことを肝に銘じております、はい。(^^)
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