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そのおっさん、米国公認管理会計士(USCMA)のこれまでの学習を振り返る – BEC MA&FIN まで終了

管理会計_アイキャッチ 米国公認管理会計士
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管理会計も所詮 American standard だった

2020年1月19日に、米国公認管理会計士(USCMA)の学習をスタートし、今日で36日目になります。約1か月間、英語で管理会計を学習した感想を述べます。

「かんばん方式」(Just-in-time)以外、これまで学んできた管理会計や経営管理手法が如何に欧米発(特に米国)のものであるか、そのことが強く印象に残りました。

文章の意味を読解するための英語力の方はまだまだ不足していることを痛感しました。しかし、一度、英語による用語・用法を覚えてしまうと、ロジックや解の求め方は、従来の日本語の教科書で学んだ通りでした。そういう意味で、初見のアプローチはほぼ皆無でした。

同時に、体力増進のために毎日の日課としている散歩の間は、できるだけ、 VOA(Voice of America)提供のPodcast、「Learning English Broadcast」を聞くように習慣づけています。その番組の中で、「The Making of a Nation」 というコーナーがあります。

The Making of a Nation
The Making of a Nation explains the history of the United States, and each week tells how the country and its people hav...

まあ、全世界に米国の歴史を宣伝しているものなのですが、いかに、American standard が、global standard になっているか、その圧倒的な占有力というか、存在感に驚愕しています。それと同じことが、管理会計の世界でも同様に起きていることを実感しました。

管理会計は企業のマネジメントそのものを体現したものであると考えています。それゆえ、米国発のマネジメントが、そして、そのマネジメントの成果である企業業績が、世界を席捲していることの必然性を認めざるを得ません。

それと同時に、米国がここまで、中国の政治力と経済力との競争関係に対して固執する気持ちも十分に理解できます。彼らにとって、自分たちと異なる流儀で、政治および経済で自分と対等以上のパワーが地球上に存在すること自体が、認めることができない不自然なことであるという観念が強いのは頷けます。それが、道徳的または道義的に正しいかどうかは置いといて。。

Management Accounting & Financial Management まで終了

では、同士の方向けに、具体的な学習の進捗度をここで共有しておきます。ご参考ください。

TACにてUSCMA本科生 となり、「2019国際資格 19USCMA」を通信で受講しています。

米国公認管理会計士(USCMA)|USCMA本科生|資格の学校TAC[タック]
資格の学校TACが提供する米国公認管理会計士(USCMA)講座のUSCMA本科生コース・料金のご紹介ページ。簿記の初歩を学習済みの方向けのオールインワンコースです。

大きく、学習ステップは3段階に分かれており、

  1. 財務報告基礎
  2. BEC (Business Environment & Concepts) :USCPA(米国公認会計士)の4科目の内の1つ
  3. USCMA対策演習講義

36日間で、「1.財務報告基礎」の講義を4コマ(約2時間半)、「2.BEC」の内、Management Accounting & Financial Management の講義を8コマ(約2時間半)をこなしました。

ここまでの平均で、1コマ(2時間半)をこなすのに、「1.財務報告基礎」は4時間、「 2.BEC 」は6~8時間かかることが分かりました。講師の方の説明は、Webによる受講であることもあり、すべて2倍速で聞いていました。

最初は、再生速度が、X0.8, X1.0, X1.2, X1.4, X1.6, X1.8, X2.0と7段階も選べるようになっているのを確認したおり、そんなギミック誰が使うのか? と疑問に思っていたのですが、いざ、学習を進めていくと、「1.財務報告基礎」はX1.8、「2.BEC」はX2.0で普通に聞いていました。

もちろん、講師の方の説明は日本語なので、普段、会計を仕事で使っているベテランの方ならば、自然に頭に日本語の説明が入ってきます。ですので、私が最初試みたのと同じく、X1.0やX1.2で聞いていると、間延びして飽きてくるのではと思います。

2倍速や1.8倍速で聞いているにもかかわらず、どうして1コマこなすのに4~8時間かかってしまうのか不思議に思われるかもしれません。

それには2つ理由があります。1つは、講師の方はテキストの全ての箇所を説明するのは無いということ。当然、説明でとばすところは試験のための学習という目的に応じて、出題頻度が低い部分は、講義でも触れられることはありません。むしろ、説明をとばして頂くことによって、出題頻度や優先順位が分かって、それはそれでいい情報を得ることにつながります。

しかし、小生は、合格のためだけにUSCMAを学習しているのではなく、これまでの経験を整理するために学習しているため、どうしても、TACテキストの全量を理解することを優先するので最大で8時間かかってしまうのです。

2つ目の理由として、BECテキストには演習問題が含まれており、そのすべての演習を自習したことも時間がかかった要因の1つでした。これも、自分の理解のために学習を始めた手前、演習問題は一つも打ち漏らさずまいと心してかかったことによります。

学習内容へのコメント

私も受験生の一人なので、立派な批評はできかねますが、ビジネスパーソンとしての実務経験からもの申してみると、「1.財務報告テキスト」(External Financial Reporting Decisions)について、自分も含めた初学者が注意したほうがいいかなと思う点は、Present value(現在価値)が絡むところ。

章別に書き出すと、

  • Present Value(現在価値)
  • Corporate Bonds(社債)
  • Investment(投資)
  • Leases(リース)
  • Non-Monetary Assets(非貨幣性資産):Impairment of Value(資産価値の減損)の部分
  • Pension(退職給付会計)

いつまでも、取得原価主義に拘泥していてはならず、ファイナンス視点で会計を見る癖をつけるのがポイントかと思います。このファイナンス視点は、その後、BECで意思決定会計や、ファイナンスそのものを学習するのですが、そこでもその知識は生きてきます。よって試験に対する重要性は著しく大きいものと考えてます。

「2.BEC」の方はどうかというと、これは章立てを先に示してから解説したいと思います。

  • BEC
    1. Product Costing(製品原価計算)
    2. Cost Allocation(原価配賦)
    3. Standard Costing(標準原価計算)
    4. Variable Costing(直接原価計算)
    5. Measurement of Cost Behavior(コストビヘイビアの測定)
    6. CVP Analysis(CVP分析)
    7. Budgeting System(予算管理システム)
    8. Performance Management(業績管理)
    9. Process Management(プロセス・マネジメント)
    10. Project Management(プロジェクト・マネジメント)←出題頻度としては無視
    11. Operating Decision Making(業務意思決定)
    12. Capital Budgeting(資本予算)
    13. Long-term Financing(長期の資金調達)
    14. Working Capital Management(運転資本管理)

1. Product Costing から、8. Performance Management は、ひたすら分析手法を学習していく感じです。理論問題も計算問題も、この範囲は個別撃破しかありえないという感想です。

9. Process Management10. Project Management は、実務ではとても大切なのですが、試験では後回しにできそうです。

1.から8.までの分析ツールの習得を前提に、本格的な意思決定手法を、11. Operating Decision Making12. Capital Budgeting で完成させるというイメージです。計算問題も理論問題も、11. と 12. の難易度(複雑さという意味)はその他に比べて一段上です。

13. Long-term Financing と、14. Working Capital Management は、再び、ファイナンスの分析ツールの習得をひたすら実践する感じに戻ります。これも実務の世界では当たり前のことしか出題されませんので、実務家の方は丁寧に学習を進めていけば大丈夫かと。

ついでに、Working Capital Management で触れられている財務分析はTACテキストに記載のある24個を丸暗記すべし、です。実務的には、それぞれの意味を理解したうえで、何が知りたくてこの比率を計算しているのかを吟味したほうが頭に入ります。

ジュニアな受験生にとって、そこまで時間的余裕はないでしょうから、そこは丸暗記して、先に身につけておけば後から理屈はついてきますよ。

私は我流で財務分析を長年やってきたので、教科書にある計算式の定義に頭を合わせるのに一苦労しております。^^)

逆に、学生の方やジュニアな方は、このファイナンス領域が鬼門になると思います。ファイナンスは具体的なイメージが湧かないと、問題の数をこなしても、理解が進まない恐れがあります。

同士の方々、ご参考ください。管理会計30年、管理会計プロジェクト20年の経験値から、初見でこのような所見となりました。^^)

最後に、「2.BEC」の Management Accounting & Financial Management を担当されていたA先生の講義はとても興味深く受講することができました。あの、自分で先に頷いてから話を進めていく独特の口調は、早口になるX2.0再生の中で、とても強く耳に残りました。^^)

それぞれの章の出題頻度をランキングして頂けるし、説明は理路整然としているし、英語も日本語もほとんど言い間違いも噛むこともなく、セミナーのプロとお見受けしました。人前でああいうプレゼンができる人はとても尊敬いたします。

但し一言だけ言わせてください。A先生、2. Cost Allocation が一番つまらなくて、そんなに大事な論点ではない、というコメントは承服しかねます。^^)

管理会計の実務の世界では、「管理会計は配賦に始まり配賦で終わる」と言っても過言ではないと思いますよ。セグメント別業績を報告するうえで、配賦以外に気の利いた手法はまだこの世に存在していませんからね。^^;)

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