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■ 組織内で働かない集団にも本当は存在価値があった!?

コンサルタントのつぶやき

あなたは、世の中に「2:6:2の法則」というものが存在するのをご存知でしたでしょうか?今回は、この法則が当たっているかどうかではなくて、下位2割の集団が組織内にいることにも意義がある、そんなお話です。

2016/2/17付 |日本経済新聞|朝刊 怠けアリにも働きあり? 働き者休むと代わりに労働 北大チーム発表

「アリの集団は常に全ての個体が働くより、働かないアリがいた方が長く存続できることを、北海道大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授の研究チームが突き止め16日、英科学誌電子版に発表した。働き者のアリが疲れて休んだ時、怠け者とみられていたアリが代わりに働くためという。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

長谷川教授の研究結果は次の通り。
1.「一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある」

2.「アリやハチといった「社会性昆虫」の集団には、ほとんど働かない個体が常に2~3割存在する。短期的な生産効率を下げるため、自然界になぜ存在するのかが大きな謎だった。」

3.「アリには卵にかびが生えないよう世話するなど「常に誰かがしないと全体が致命的なダメージを受ける仕事」があることに注目。働かないアリがいる集団といない集団を、コンピューターのシミュレーションで比較した。」

4.「その結果、働かないアリがいる集団の方が、働き者が疲れた時でも卵の世話などの担い手を常に確保できるため、長く存続した。実際のアリの観察でも、働き者が疲れて休むと、怠け者が働きだすことを確認した。」

(下記は記事添付の働かないアリの働きを図示したものを転載)

20160217_アリ集団のイメージ_日本経済新聞朝刊

つまり、ある組織内に、一見して働かない集団が存在しているけれど、組織全体がピンチとなった、いざというときに、組織を助けるリリーフ的存在である、というのです。

 

■ 2:6:2の法則が正しいかどうかはもうどうでもいい。ハンドルにも組織にも「あそび」が必要だ!

ここに、広く通説となった「2:6:2の法則」を図示したものをご紹介します。

20160226_経営管理会計トピック_2-6-2の法則

残念ながら、どんな組織でも会社でも、その内部を観察すると、優秀なやつが2割、そうでもない普通のやつが6割、全然使えなくてやる気がないやつが2割いる、という法則です。これが不思議なことに、2割のダメなやつを組織から排除すると、新たな人員構成になった組織でもまた「2:6:2」の3層に組織構成員の働きが層別化されるというものです。

筆者も複数の組織に属した経験から、そしてコンサルタントとして様々なクライアントの組織を見聞してきましたが、この「2:6:2の法則」というのは成立していると肌感覚では思っていましたが、どうして常に下位2割の層が自然発生するのか不思議でなりませんでした。

しかし、その疑問は長谷川教授の研究発表で氷解しました。つまり、組織の危機を救ってくれるリリーフ要員なのだと。。。いざというときに、目覚ましい救済行動が可能なように、常日頃は英気を養っているだけだと。。。

最近は、リストラや、成果主義や効率経営など、組織内で遊んでいる人がいない状態を理想として、様々な施策が打たれていますが、むしろ積極的に、この「2:6:2の法則」を有効活用できる組織設計はできないものでしょうか?

自分が若い時は、一生懸命に働いている若年層をしり目に、朝から新聞とお茶、という何もしない名ばかり管理職を忌み嫌い、心の中では蔑んでいた頃もありました。しかし、いざ組織の危機、当時は経理部に属していたので、例えば決算数字が合わないとか、工場と原価処理や棚卸計算でもめたりとか、いったん事件が起きると、やおら立ち上がって、問題解決してくれた管理職の方が確かにいらっしゃいました。そういう人は、ルーティンワークからは解放されているので、第三者的な目で常に組織の危機に目を配り、大局観を持って組織運営状態を眺めることができていたのだと、今になって気付かされています。
えっ、私ですか? 当然6割の普通の集団の底辺にかろうじて入っていると思っているんですが、、、(^^;)

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怠けアリにも働きあり? 働き者休むと代わりに労働 北大チーム発表  -2:6:2の法則をご存知ですか?http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭所感社会性昆虫,2:6:2の法則,長谷川英祐,北海道大大学院農学研究院■ 組織内で働かない集団にも本当は存在価値があった!? あなたは、世の中に「2:6:2の法則」というものが存在するのをご存知でしたでしょうか?今回は、この法則が当たっているかどうかではなくて、下位2割の集団が組織内にいることにも意義がある、そんなお話です。 2016/2/17付 |日本経済新聞|朝刊 怠けアリにも働きあり? 働き者休むと代わりに労働 北大チーム発表 「アリの集団は常に全ての個体が働くより、働かないアリがいた方が長く存続できることを、北海道大大学院農学研究院の長谷川英祐准教授の研究チームが突き止め16日、英科学誌電子版に発表した。働き者のアリが疲れて休んだ時、怠け者とみられていたアリが代わりに働くためという。」 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 長谷川教授の研究結果は次の通り。 1.「一見無駄な働かないアリも、集団の長期的存続には欠かせない。人間も含め、短期的効率を求めすぎると、組織が大きなダメージを受けることがある」 2.「アリやハチといった「社会性昆虫」の集団には、ほとんど働かない個体が常に2~3割存在する。短期的な生産効率を下げるため、自然界になぜ存在するのかが大きな謎だった。」 3.「アリには卵にかびが生えないよう世話するなど「常に誰かがしないと全体が致命的なダメージを受ける仕事」があることに注目。働かないアリがいる集団といない集団を、コンピューターのシミュレーションで比較した。」 4.「その結果、働かないアリがいる集団の方が、働き者が疲れた時でも卵の世話などの担い手を常に確保できるため、長く存続した。実際のアリの観察でも、働き者が疲れて休むと、怠け者が働きだすことを確認した。」 (下記は記事添付の働かないアリの働きを図示したものを転載) つまり、ある組織内に、一見して働かない集団が存在しているけれど、組織全体がピンチとなった、いざというときに、組織を助けるリリーフ的存在である、というのです。   ■ 2:6:2の法則が正しいかどうかはもうどうでもいい。ハンドルにも組織にも「あそび」が必要だ! ここに、広く通説となった「2:6:2の法則」を図示したものをご紹介します。 残念ながら、どんな組織でも会社でも、その内部を観察すると、優秀なやつが2割、そうでもない普通のやつが6割、全然使えなくてやる気がないやつが2割いる、という法則です。これが不思議なことに、2割のダメなやつを組織から排除すると、新たな人員構成になった組織でもまた「2:6:2」の3層に組織構成員の働きが層別化されるというものです。 筆者も複数の組織に属した経験から、そしてコンサルタントとして様々なクライアントの組織を見聞してきましたが、この「2:6:2の法則」というのは成立していると肌感覚では思っていましたが、どうして常に下位2割の層が自然発生するのか不思議でなりませんでした。 しかし、その疑問は長谷川教授の研究発表で氷解しました。つまり、組織の危機を救ってくれるリリーフ要員なのだと。。。いざというときに、目覚ましい救済行動が可能なように、常日頃は英気を養っているだけだと。。。 最近は、リストラや、成果主義や効率経営など、組織内で遊んでいる人がいない状態を理想として、様々な施策が打たれていますが、むしろ積極的に、この「2:6:2の法則」を有効活用できる組織設計はできないものでしょうか? 自分が若い時は、一生懸命に働いている若年層をしり目に、朝から新聞とお茶、という何もしない名ばかり管理職を忌み嫌い、心の中では蔑んでいた頃もありました。しかし、いざ組織の危機、当時は経理部に属していたので、例えば決算数字が合わないとか、工場と原価処理や棚卸計算でもめたりとか、いったん事件が起きると、やおら立ち上がって、問題解決してくれた管理職の方が確かにいらっしゃいました。そういう人は、ルーティンワークからは解放されているので、第三者的な目で常に組織の危機に目を配り、大局観を持って組織運営状態を眺めることができていたのだと、今になって気付かされています。 えっ、私ですか? 当然6割の普通の集団の底辺にかろうじて入っていると思っているんですが、、、(^^;)現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します