孫子 第4章 形篇 14 先ず勝つ可(べ)からざるを為して

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■ 勝つかどうかの前にまず負けない態勢を作る!

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

いくさ上手な者は、まず敵軍が自軍を攻撃しても勝つことのできない態勢を作りあげておいて、敵軍が態勢を崩して、自軍が攻撃すれば勝てる態勢になるまでじっと待っているものです。

敵軍が決して自軍に勝てないようにする態勢を作り上げるのは、自軍の指揮官の手の内にある問題ですが、自軍が敵軍に勝てる態勢になれるかどうかは、敵側の状況にも左右されることなので、自軍の努力だけでは何ともならないことなのです。

それゆえ、敵軍が決して自軍に勝てない態勢を作ることはできても、敵が態勢を崩して自軍が攻撃さえすれば勝利できる状況に敵を追い込むことはできないのです。

敵軍が自軍に勝てない態勢とは、「守備形態」のこと。
自軍が敵軍に勝てる態勢とは、「攻撃形態」のこと。

守備形態をとると、戦力に余裕が出ますが、攻撃形態をとると、戦力は不足しがちになります。古代のいくさ上手は、深く潜伏して好機が到来するのを待ち、一旦好機が到来すれば一気呵成に攻撃に移ったものです。だから、自軍を敵軍の攻撃から守りながら、敵軍の態勢の乱れを素早くついて勝利を逃さなかったのです。

孫子 (講談社学術文庫)

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孫子は、戦いには「守備」と「攻撃」、二通りの形式があることを説明し、守備をまず優先すべきと説いています。その理由は、

1.
守備は自己の努力の範囲内で確実に達成可能であるのに反して、攻撃の成否は敵の動きに左右される不確実性を多分に含むから

2.
攻撃を仕掛けて勝利するよりも、敵の攻撃によって敗北しないことの方を優先するから

3.
守備の方が、戦力に余裕が出て有利に事を運ぶ形態だから

つまり、戦いにおける勝敗とは、態勢(形)の優劣で決まるということ。勝つ側に勝因があるから勝つのではなく、負ける側に敗因があるから負けるのだと。厳しい指摘ですね。必勝パターンは、相手のあることなので100%は難しい。だけど、絶対負けないパターンは自分の問題なので100%にすることはやろうとすればできる。

そして、勝つための戦いより、負けない戦い方を推奨する。

野球でたとえるなら、投手力を中心に守りを強化し、失点しないチームを作る。そうすると、相手は焦ってミスを犯すかもしれない。そのミス(敵失)に乗じて、フィルダースチョイス、エラー、四死球を引き出し、点を勝ち取りに行く。

観戦している方は、派手にやらないので面白みに欠ける戦い方ですが、勝率は高まりますね。まるで80年代の西●ライ●ンズの黄金期のような戦い方です。

サッカーでたとえるなら、引き気味に守っておいて、ロングボールをゴール前に放り込んで敵の混乱を誘う。あわよくばオウンゴールを生んだりして。

「勝ち」の理由を探すのは大変ですが、「負け」の理由はすぐわかるものです。

負けない戦いを挑んでくる相手。将棋でも穴熊戦法を取られるとやりづらいものです。

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