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■ 営業増益なのに素直に喜べない理由とは?

経営管理会計トピック

KDDIとNTTドコモの2016年第1四半期の決算発表が行われ、両社共に前年同期比で営業増益。益出しの経理操作の余地が少ない、損益計算書の段階利益である「営業利益」のレベルで増益にもかかわらず、関係者は手放しで喜べない様子。業界を取り巻く経営環境についての分析は、業界アナリストに任せ、本稿では、あくまで経営管理に役立つ経営管理会計の目線で、この喜べない感触を、企業会計のそもそも論に立ち返って解説を試みます。

2016/8/3付 |日本経済新聞|朝刊 (決算 深読み)KDDIとNTTドコモ、手放しで喜べぬ好決算 4~6月「格安」に流れ奨励金減る

「国内携帯3社の2016年4~6月期決算が出そろった。携帯端末の「実質ゼロ円販売」を是正する総務省のガイドライン発効後、初となる決算内容はNTTドコモとKDDIの営業利益が市場予想を上回る増益だった。ただその理由を考えると両社とも手放しでは喜べない状況にある。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

両社の決算概要は記事によりますと次の通り。

● KDDI
・営業利益が前年同期比19%増の2751億円
・純利益が16%増の1671億円となり、ともに市場予想を1割程度上回った
・営業利益の通期予想に対する進捗率は31%

● NTTドコモ
・営業利益が27%増の2992億円
・契約回線の純増数は3割減の65万件にとどまった。
(ドコモの契約回線数は、同社の回線を借りる仮想移動体通信事業者(MVNO)の回線数も含む)

(下記は同記事添付の携帯3社の連結業績を転載)

20160803_携帯3社の連結業績_日本経済新聞朝刊

ここでポイントなのが、営業増益の中身。

「契約者1人当たりのデータ通信利用料の伸びに加え、端末販売に応じて代理店に支払う販売奨励金の減少が利益を押し上げた。4~6月期だけで約140億円減ったが、これは意図的なコスト抑制というよりも、想定以上に減ってしまった、というのが現実のようだ。
 気がかりなのは個人契約の純増数が鈍化している点だ。通信モジュールなどを含むKDDIの回線契約全体の純増数は前年同期比14%増の68万件で、個人契約分は22万件どまり。前年同期比で約6割少ない。」

ここでは2つのことが指摘されています。
① 端末販売にかかる販売奨励金という名のリベートの支払い額が想定外で減少した
② 将来の収入増のタネになる回線契約数の純増数の伸びが鈍化

これが、管理会計的に、将来の減益や企業収益の鈍化の兆しを表しているので、単純に制度会計上の四半期決算上で増益という結果が出ても、手放しで喜べないというのです。次章ではこれをチャートと会計のそもそも論で解説していきます。

 

■ 会計期間で無理矢理に会社業績をぶった切ることによる弊害

皆さんの中には、学生の時に、通知表(成績表)を学期ごとに先生から渡され、その度に両親からお説教を頂戴した思い出がある方もいらっしゃると思います。筆者もそうでした。(^^;) この学期ごとの成績表というのは、企業の決算期ごとの成績表(決算発表される企業業績)とは、似て非なるモノであることの説明からしたいと思います。

携帯会社のビジネスモデルをごくシンプルに、「販売奨励金」で新規契約者を捕まえ、その後の契約支払金額でその「販売奨励金」を回収しながら、支払いと受け取りのお金の差額がその携帯会社の儲けになる、というモデルで考えてみます。

経営管理会計トピック_販売奨励金と将来の売上の関係

上記の例では、第1四半期に新規契約者を40人増やすために、一人当たり10円の「販売奨励金」を販売代理店に支払うと仮定します。その計画された支出は、400円。これが、実際には、20人しか新規契約者を増やすことができなかった場合、携帯会社が支払うべき「販売奨励金」は、20人×10円=200円となり、支出額が200円減ります。この減少分がコスト節約となり、第1四半期の決算としては、200円分だけ、増益決算となります。

しかし、第1四半期の増益決算の結果、第2四半期と第3四半期における新規契約者から見込める収入が、それぞれ、400円ずつ減少されることが、第1四半期末にはほぼ見えています。これをトータルすると、800円。第1四半期で、支出額が200円節約できたことは、向こう2期間の四半期決算トータルで、800円の減収(減益)が見込まれることと表裏一体となっているのです。

そこで、第1四半期、第2四半期、第3四半期の業績(損益)を合算して、計画(予算)に対して、プラスかマイナスかの数字を取り出してみると、
・第1四半期:+200円
・第2四半期:▲400円
・第3四半期:▲400円
合計 = ▲600円

となり、第1四半期の新規契約者が計画通りに増やせなかったことは、3つの四半期決算トータルで計画に対して、600円の減益となり、第1四半期の200円の増益は、「糠喜び」に過ぎないことが分かります。

これに対して、学校からもらう成績表は、1学期にやるべき学習過程において、どういう理解達成度だったかを1学期の成績表に掲載される数字やアルファベットという記号で示され、2学期の成績表で示される記号は、2学期の学習範囲に限定した学習度合いを示すものであるという意味で、企業会計における会計期間ごとの成績表、すなわち決算書が示す数字とは、その性質が異なるモノなのです。

では、どうして、そもそも、企業会計における「決算書」は、このようなその会計期間単独では、本当の企業業績の実力が分からない仕組みになっているのでしょうか。

 

■ 継続企業(ゴーイング・コンサーン)の前提に基づく決算書の作成方針

前章で、何の断りもなく「本当の企業業績の実力」という表現をしたところ、この言葉の意味にまで遡らないと、決算書が示す企業業績の意味を本当に理解することはできません。そもそも(本当に今回の投稿は「そもそも」という言葉が何回も登場しますね(^^;))、企業会計における「決算期」「会計期間」というものは、人工的・人為的に設定されたもので、企業業績を測るための必須条件ではありません。

近代ビジネスにおけるいわゆる会社の原型、企業会計の源流は、大航海時代の「一回の新大陸やアジアまでの航海における交易の結果、どれくらい元手から富を増やしたか」の計算行為にあります。一回の航海にかかる期間が「決算期」、航海に出る船や乗組員、そして交易対象となる積荷のワンセットが「企業」と考えてください。

一度出航して、港に戻ってきて、交易結果を精算するのに何年もかかりました。その間、3ヶ月とか1年とか、人為的に期間を区切って、この航海が現時点でどれくらい儲かっているか、計算する必要はありません。物理的に、港を出てから港に帰ってくるまで、一航海がどれくらい儲かったかの計算(精算)は待つのが普通で、帰港後に積荷を本国の商人に売渡し、船乗りたちに労賃を支払い、その収支を計算して、当初の出資者(本国の王室)儲けをどれだけ還元できるか明らかにすることで、その航海が最終的にどれくらい儲かったか分かればそれで十分でした。

経営管理会計トピック_企業会計 誕生のそもそもは?

しかしながら、現代の企業は、企業活動を実践する際に、大航海時代に見習って、ある製品を開発して、生産し、販売して資金を回収するサイクルで、いちいち会社を立ち上げては、清算するということをしません。ずっと会社は存続することを前提に考え、企業実体がそのままで、経営活動の中身の方を次々と必要に応じて入れ換えることを、ビジネスのやり方としました。そうすると、会社設立にお金を出してくれた株主に、どのタイミングで、どれくらいの配当金を払えばいいのか、そして、会社経営を任された経営者が、どれくらい経営に貢献したのか、会社を清算しないと分からない、では都合が悪くなりました。それゆえ、仕方なく、会社業績を人為的に、3ヶ月とか1年とか強引に区切って、その期間の会社業績を仮計算で算出し、株主への配当額と、雇われ経営者への報酬額を仮払いするために、企業会計技法が発達してきたのです。

そこで、重要な企業に対するものの見方として、

継続企業の前提:ゴーイング・コンサーン(going concern)」企業が将来にわたって無期限に事業を継続することを前提とする考え方

というのか生まれたのです。

それゆえ、上記のKDDIやNTTドコモの決算の話に立ち返ると、第1四半期の意図せざるコスト削減(販売奨励金の支払額の減少)は、携帯会社の本来の(将来の)収益力を減少される前触れであって、たまたま人為的に区切った第1四半期という会計期間という時間軸で見た場合の仮成績書では、「優」をもらったに過ぎない、ということになります。

ただし、経営者の任期や報酬決定期間が四半期だったり、上場企業の場合は、株主は機動的にいつでも株式を売買できるので、この人為的な会計期間で会社業績を測ることに、何の抵抗もないというか、その人為的な所作を逆手に取って自己の利益を最大化しようと目論むことも多々あります。それゆえ、今注目されている「短期主義(ショートターミズム)」は批判されて当然だと考えています。

(アクティビストが内部留保を吐き出させたり、経営者が勝手にストックオプションの計算基準を設定したり、、、)

残念ながら、この種の計算技法は、発生主義に基づく「会計的損益」でも、現金主義に基づく「キャッシュフロー」でも、理屈は同じなので、よくある「利益は意見、キャッシュは事実」という会計への批判も当たりません。

企業業績を正しく測定することを邪魔している諸悪の根源は、「ゴーイング・コンサーンの前提」なのです。これが、筆者が四半世紀以上、管理会計を勉強して至った結論のひとつになります。

じゃあ、どうすれば企業の本当の業績を判別することができるのか?
それは、筆者にコンサルティングを依頼していただければ、貴社の実情に合わせた分析・管理手法をアドバイス差し上げることができます。(^^;)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

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(決算 深読み)KDDIとNTTドコモ、手放しで喜べぬ好決算 4~6月「格安」に流れ奨励金減る - 決算の本質とゴーイングコンサーンの前提を考えるhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭実務で会計ルールをおさらいKDDI,NTTドコモ,アクティビスト,ゴーイング・コンサーン,ショートターミズム,会計期間,決算期,短期主義,継続企業,販売奨励金■ 営業増益なのに素直に喜べない理由とは? KDDIとNTTドコモの2016年第1四半期の決算発表が行われ、両社共に前年同期比で営業増益。益出しの経理操作の余地が少ない、損益計算書の段階利益である「営業利益」のレベルで増益にもかかわらず、関係者は手放しで喜べない様子。業界を取り巻く経営環境についての分析は、業界アナリストに任せ、本稿では、あくまで経営管理に役立つ経営管理会計の目線で、この喜べない感触を、企業会計のそもそも論に立ち返って解説を試みます。 2016/8/3付 |日本経済新聞|朝刊 (決算 深読み)KDDIとNTTドコモ、手放しで喜べぬ好決算 4~6月「格安」に流れ奨励金減る 「国内携帯3社の2016年4~6月期決算が出そろった。携帯端末の「実質ゼロ円販売」を是正する総務省のガイドライン発効後、初となる決算内容はNTTドコモとKDDIの営業利益が市場予想を上回る増益だった。ただその理由を考えると両社とも手放しでは喜べない状況にある。」 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 両社の決算概要は記事によりますと次の通り。 ● KDDI ・営業利益が前年同期比19%増の2751億円 ・純利益が16%増の1671億円となり、ともに市場予想を1割程度上回った ・営業利益の通期予想に対する進捗率は31% ● NTTドコモ ・営業利益が27%増の2992億円 ・契約回線の純増数は3割減の65万件にとどまった。 (ドコモの契約回線数は、同社の回線を借りる仮想移動体通信事業者(MVNO)の回線数も含む) (下記は同記事添付の携帯3社の連結業績を転載) ここでポイントなのが、営業増益の中身。 「契約者1人当たりのデータ通信利用料の伸びに加え、端末販売に応じて代理店に支払う販売奨励金の減少が利益を押し上げた。4~6月期だけで約140億円減ったが、これは意図的なコスト抑制というよりも、想定以上に減ってしまった、というのが現実のようだ。  気がかりなのは個人契約の純増数が鈍化している点だ。通信モジュールなどを含むKDDIの回線契約全体の純増数は前年同期比14%増の68万件で、個人契約分は22万件どまり。前年同期比で約6割少ない。」 ここでは2つのことが指摘されています。 ① 端末販売にかかる販売奨励金という名のリベートの支払い額が想定外で減少した ② 将来の収入増のタネになる回線契約数の純増数の伸びが鈍化 これが、管理会計的に、将来の減益や企業収益の鈍化の兆しを表しているので、単純に制度会計上の四半期決算上で増益という結果が出ても、手放しで喜べないというのです。次章ではこれをチャートと会計のそもそも論で解説していきます。   ■ 会計期間で無理矢理に会社業績をぶった切ることによる弊害 皆さんの中には、学生の時に、通知表(成績表)を学期ごとに先生から渡され、その度に両親からお説教を頂戴した思い出がある方もいらっしゃると思います。筆者もそうでした。(^^;) この学期ごとの成績表というのは、企業の決算期ごとの成績表(決算発表される企業業績)とは、似て非なるモノであることの説明からしたいと思います。 携帯会社のビジネスモデルをごくシンプルに、「販売奨励金」で新規契約者を捕まえ、その後の契約支払金額でその「販売奨励金」を回収しながら、支払いと受け取りのお金の差額がその携帯会社の儲けになる、というモデルで考えてみます。 上記の例では、第1四半期に新規契約者を40人増やすために、一人当たり10円の「販売奨励金」を販売代理店に支払うと仮定します。その計画された支出は、400円。これが、実際には、20人しか新規契約者を増やすことができなかった場合、携帯会社が支払うべき「販売奨励金」は、20人×10円=200円となり、支出額が200円減ります。この減少分がコスト節約となり、第1四半期の決算としては、200円分だけ、増益決算となります。 しかし、第1四半期の増益決算の結果、第2四半期と第3四半期における新規契約者から見込める収入が、それぞれ、400円ずつ減少されることが、第1四半期末にはほぼ見えています。これをトータルすると、800円。第1四半期で、支出額が200円節約できたことは、向こう2期間の四半期決算トータルで、800円の減収(減益)が見込まれることと表裏一体となっているのです。 そこで、第1四半期、第2四半期、第3四半期の業績(損益)を合算して、計画(予算)に対して、プラスかマイナスかの数字を取り出してみると、 ・第1四半期:+200円 ・第2四半期:▲400円 ・第3四半期:▲400円 合計 = ▲600円 となり、第1四半期の新規契約者が計画通りに増やせなかったことは、3つの四半期決算トータルで計画に対して、600円の減益となり、第1四半期の200円の増益は、「糠喜び」に過ぎないことが分かります。 これに対して、学校からもらう成績表は、1学期にやるべき学習過程において、どういう理解達成度だったかを1学期の成績表に掲載される数字やアルファベットという記号で示され、2学期の成績表で示される記号は、2学期の学習範囲に限定した学習度合いを示すものであるという意味で、企業会計における会計期間ごとの成績表、すなわち決算書が示す数字とは、その性質が異なるモノなのです。 では、どうして、そもそも、企業会計における「決算書」は、このようなその会計期間単独では、本当の企業業績の実力が分からない仕組みになっているのでしょうか。   ■ 継続企業(ゴーイング・コンサーン)の前提に基づく決算書の作成方針 前章で、何の断りもなく「本当の企業業績の実力」という表現をしたところ、この言葉の意味にまで遡らないと、決算書が示す企業業績の意味を本当に理解することはできません。そもそも(本当に今回の投稿は「そもそも」という言葉が何回も登場しますね(^^;))、企業会計における「決算期」「会計期間」というものは、人工的・人為的に設定されたもので、企業業績を測るための必須条件ではありません。 近代ビジネスにおけるいわゆる会社の原型、企業会計の源流は、大航海時代の「一回の新大陸やアジアまでの航海における交易の結果、どれくらい元手から富を増やしたか」の計算行為にあります。一回の航海にかかる期間が「決算期」、航海に出る船や乗組員、そして交易対象となる積荷のワンセットが「企業」と考えてください。 一度出航して、港に戻ってきて、交易結果を精算するのに何年もかかりました。その間、3ヶ月とか1年とか、人為的に期間を区切って、この航海が現時点でどれくらい儲かっているか、計算する必要はありません。物理的に、港を出てから港に帰ってくるまで、一航海がどれくらい儲かったかの計算(精算)は待つのが普通で、帰港後に積荷を本国の商人に売渡し、船乗りたちに労賃を支払い、その収支を計算して、当初の出資者(本国の王室)儲けをどれだけ還元できるか明らかにすることで、その航海が最終的にどれくらい儲かったか分かればそれで十分でした。 しかしながら、現代の企業は、企業活動を実践する際に、大航海時代に見習って、ある製品を開発して、生産し、販売して資金を回収するサイクルで、いちいち会社を立ち上げては、清算するということをしません。ずっと会社は存続することを前提に考え、企業実体がそのままで、経営活動の中身の方を次々と必要に応じて入れ換えることを、ビジネスのやり方としました。そうすると、会社設立にお金を出してくれた株主に、どのタイミングで、どれくらいの配当金を払えばいいのか、そして、会社経営を任された経営者が、どれくらい経営に貢献したのか、会社を清算しないと分からない、では都合が悪くなりました。それゆえ、仕方なく、会社業績を人為的に、3ヶ月とか1年とか強引に区切って、その期間の会社業績を仮計算で算出し、株主への配当額と、雇われ経営者への報酬額を仮払いするために、企業会計技法が発達してきたのです。 そこで、重要な企業に対するものの見方として、 「継続企業の前提:ゴーイング・コンサーン(going concern)」企業が将来にわたって無期限に事業を継続することを前提とする考え方 というのか生まれたのです。 それゆえ、上記のKDDIやNTTドコモの決算の話に立ち返ると、第1四半期の意図せざるコスト削減(販売奨励金の支払額の減少)は、携帯会社の本来の(将来の)収益力を減少される前触れであって、たまたま人為的に区切った第1四半期という会計期間という時間軸で見た場合の仮成績書では、「優」をもらったに過ぎない、ということになります。 ただし、経営者の任期や報酬決定期間が四半期だったり、上場企業の場合は、株主は機動的にいつでも株式を売買できるので、この人為的な会計期間で会社業績を測ることに、何の抵抗もないというか、その人為的な所作を逆手に取って自己の利益を最大化しようと目論むことも多々あります。それゆえ、今注目されている「短期主義(ショートターミズム)」は批判されて当然だと考えています。 (アクティビストが内部留保を吐き出させたり、経営者が勝手にストックオプションの計算基準を設定したり、、、) 残念ながら、この種の計算技法は、発生主義に基づく「会計的損益」でも、現金主義に基づく「キャッシュフロー」でも、理屈は同じなので、よくある「利益は意見、キャッシュは事実」という会計への批判も当たりません。 企業業績を正しく測定することを邪魔している諸悪の根源は、「ゴーイング・コンサーンの前提」なのです。これが、筆者が四半世紀以上、管理会計を勉強して至った結論のひとつになります。 じゃあ、どうすれば企業の本当の業績を判別することができるのか? それは、筆者にコンサルティングを依頼していただければ、貴社の実情に合わせた分析・管理手法をアドバイス差し上げることができます。(^^;) (注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します