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■ 下流コンサルタントは、どうすれば上流コンサルタントになるまで川の流れを遡行できるか?

コンサルタントのつぶやき

私は、世間一般的には「上流コンサルタント」と呼ばれるカテゴリーに属していると自認(あえて自任ともいいましょうか)しています。

よく業界をご存知ない方のために、慌てて説明させていただくと、ここでいう「上流」とは、「高級」とか「一流」という意味は全くありません。(IT)システムの開発手法に、「ウォーターフォール方式」と言いまして、水が滝から流れ落ちるように、「上流」で決めた「業務要件」が水の流れのようにプロジェクト内を流れて、「下流」に位置するITのインプリ(インプリメンテーション、実装)する人の手元にまで流れていく様から、プロジェクト初期に「要件定義」なるものを担当するのが「上流コンサルタント」、そして「システム実装」を担当する人を「下流コンサルタント」と呼ぶことになっているのです。もっとも、「上流」とはいっても、「下流」という呼び名が使われることは滅多になく、「ITコンサルタント」と呼ぶことの方が自然ですが。

そして業界には、私が懸念する2つの誤解がはびこっています。

1.「下流コンサルタント」から「上流コンサルタント」へ、遡行することが「善」「成長の証」「給与アップの唯一の道」だ!

2.まず「下流コンサルタント」で修業を積めば、「上流コンサルタント」にいつかなれる!

 

現在、「上流」とカテゴライズされている私から、この2つは全否定させていただきます。

まず、「上流」とか「下流」とか呼んで、「下流」の方が身分が低い、給与が低い、「下流」から「上流」へのキャリアパスがある、という思い込みが間違っています。これは、「SE:System Engineer」→「ITコンサルタント」→「業務(上流)コンサルタント」という出世すごろくが『在る』という誤認に基づいた考え方です。それぞれのプロジェクトにおける役割は全く別、求められる資質も別なので、下から修行を積めば上に上がれる保証は皆無です。

上流(業務)コンサルタントの資質・マインドは、
・ お客様のビジネス状況から、解決すべき「課題」を発見する
・発見された「課題」の特性から、解決すべき優先順位を決める

いわゆる、いったん「発散思考」で、ありとあらゆる箇所に問題が無いか、何が原因がを探る思考プロセスで仕事をします。

一方、下流(IT)コンサルタントの資質・マインドは、
・与えられた「課題」に対して、最大の解決能力を持つ「ソリューション」を提供する
・最善・最良・最安の解決策(ソリューション)を生み出すために、自身のスキル・経験・知恵を構造化する

いわゆる、「収斂思考」で、ありとあらゆる解決策から、最善の道を探る思考プロセスで仕事をします。

それゆえ、「下流」仕事の経験・訓練をしないと、「上流」に行くことはできない、というのは大いなる誤解。そもそも、求められる知識やマインドが違うんですから。

その辺の違いは、下記の渡辺氏の著書に目を通してみてください。簡明でとても読みやすいものになっています。

上流から下流に行くには、分岐点があり、それを渡辺氏は、「一般化モデル」から「具体的モデル」への「飛躍的変換」と名付けています。この「論理の飛躍」ができることこそ、実は「上流」と「下流」を分ける要因、かつ「上流」コンサルタントが務まる必要十分条件ということになります。だって、「上流」コンサルタントが「論理の飛躍」のスキルを持たずに、システム実装のことを全く考慮せずに理想論だけで構成された「●●改革企画書」を作成したとしても、それは「絵に描いた餅」になるだけですから。

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上流コンサルタントになりたいんですが? そうですか、今まで下流にいたんですね。http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-e1428166267398.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/f2dde0c815f506d35f39301dbbb486e41-150x150.jpg小林 友昭所感SE,インプリメンテーション,ウォーターフォール,上流コンサルタント,下流コンサルタント,収斂思考,実装,発散思考,要件定義■ 下流コンサルタントは、どうすれば上流コンサルタントになるまで川の流れを遡行できるか? 私は、世間一般的には「上流コンサルタント」と呼ばれるカテゴリーに属していると自認(あえて自任ともいいましょうか)しています。 よく業界をご存知ない方のために、慌てて説明させていただくと、ここでいう「上流」とは、「高級」とか「一流」という意味は全くありません。(IT)システムの開発手法に、「ウォーターフォール方式」と言いまして、水が滝から流れ落ちるように、「上流」で決めた「業務要件」が水の流れのようにプロジェクト内を流れて、「下流」に位置するITのインプリ(インプリメンテーション、実装)する人の手元にまで流れていく様から、プロジェクト初期に「要件定義」なるものを担当するのが「上流コンサルタント」、そして「システム実装」を担当する人を「下流コンサルタント」と呼ぶことになっているのです。もっとも、「上流」とはいっても、「下流」という呼び名が使われることは滅多になく、「ITコンサルタント」と呼ぶことの方が自然ですが。 そして業界には、私が懸念する2つの誤解がはびこっています。 1.「下流コンサルタント」から「上流コンサルタント」へ、遡行することが「善」「成長の証」「給与アップの唯一の道」だ! 2.まず「下流コンサルタント」で修業を積めば、「上流コンサルタント」にいつかなれる!   現在、「上流」とカテゴライズされている私から、この2つは全否定させていただきます。 まず、「上流」とか「下流」とか呼んで、「下流」の方が身分が低い、給与が低い、「下流」から「上流」へのキャリアパスがある、という思い込みが間違っています。これは、「SE:System Engineer」→「ITコンサルタント」→「業務(上流)コンサルタント」という出世すごろくが『在る』という誤認に基づいた考え方です。それぞれのプロジェクトにおける役割は全く別、求められる資質も別なので、下から修行を積めば上に上がれる保証は皆無です。 上流(業務)コンサルタントの資質・マインドは、 ・ お客様のビジネス状況から、解決すべき「課題」を発見する ・発見された「課題」の特性から、解決すべき優先順位を決める いわゆる、いったん「発散思考」で、ありとあらゆる箇所に問題が無いか、何が原因がを探る思考プロセスで仕事をします。 一方、下流(IT)コンサルタントの資質・マインドは、 ・与えられた「課題」に対して、最大の解決能力を持つ「ソリューション」を提供する ・最善・最良・最安の解決策(ソリューション)を生み出すために、自身のスキル・経験・知恵を構造化する いわゆる、「収斂思考」で、ありとあらゆる解決策から、最善の道を探る思考プロセスで仕事をします。 それゆえ、「下流」仕事の経験・訓練をしないと、「上流」に行くことはできない、というのは大いなる誤解。そもそも、求められる知識やマインドが違うんですから。 その辺の違いは、下記の渡辺氏の著書に目を通してみてください。簡明でとても読みやすいものになっています。 上流から下流に行くには、分岐点があり、それを渡辺氏は、「一般化モデル」から「具体的モデル」への「飛躍的変換」と名付けています。この「論理の飛躍」ができることこそ、実は「上流」と「下流」を分ける要因、かつ「上流」コンサルタントが務まる必要十分条件ということになります。だって、「上流」コンサルタントが「論理の飛躍」のスキルを持たずに、システム実装のことを全く考慮せずに理想論だけで構成された「●●改革企画書」を作成したとしても、それは「絵に描いた餅」になるだけですから。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します