機会原価 - 取得原価とは違い、タラレバ原価で計算する - もっと作業効率がいいのは制約理論の応用だ

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■ 機会原価の定義

小難しい用語の辞書的な定義から始めます。

機会原価とは、

材料、労働力、機械などの生産投入要素を、原価額を測定したい本来のAの目的ではなく、それとは異なった別のBの目的で使用した場合に得られる利得(利益)の測定額をもって目的Aで使用する場合の原価として採算性を計算するために用いられる差額原価概念です。制度原価計算(毎期の財務諸表作成目的のための原価計算)ではなく、特殊原価調査(会社内のさまざまな意思決定のための原価計算)で用いられるコスト概念になります。

 

■ 機会原価の求め方

機会原価を求めたいケースを採用するために、諦めざるを得ないケースにて利得される利益額を以て、すなわち諦めた利益額を機会原価と定義づけるので、必ず諦めるケースの原価と利益を事前に求めておく必要があります。

例)目的A:東京で管理会計のセミナーを開催する、の事業採算を、目的B:横浜で経営管理のセミナーを開催する、の機会原価で測定する。この時、スピーチする講師は一人しかいないので、講師が東京か横浜のどちらかの会場を必ず選択する必要があるとする。

手順①:諦める目的Bの採算(もしかしたら得られたかもしれない利益)を算出

売上高:900
講師料:300(注:講師に実際に支払われる講演料)
会場料:400
利  益:200

手順②:本来の採算を求めたい目的Aの取得原価ベースの採算を計算

売上高:800
講師料:300
会場料:100
利  益:400

手順③:本来の採算を求めたい目的Aの取得原価を差額原価に置き換えて、機会原価ベースの採算を再計算

売上高:800
講師料:500(機会原価 = 実際に支払われる講師料:300 + 目的Bの獲得利益:200)
会場料:100
利  益:200

手順④:本来の採算を求めたい目的Aの採算を最終評価

機会原価ベースで目的Aの採算性を評価した結果、諦める予定の目的Bより稼得利益が小さくなることが判明。逆に、目的B(横浜でのセミナー開催)の方が、この事業体が実施した方が利益を大きくすることができるという結論を導くことができた。

えっ、本当ですか???

念のため、目的Aの機会原価でもって、目的Bの真の採算性を評価してみます。

売上高: 900
講演料: 700(機会原価 = 実際に支払われる講師料:300 + 目的Bの獲得利益:400)
会場料: 400
利 益:▲200

目的Aも目的Bも、取得原価ベースと、お互いに諦めざるを得ない反対側の選択の犠牲に伴う機会原価ベースと、両方で採算を計算してみましょう。取得原価ベースと機会原価ベースを互い違いに比較してはいけません。目的Aと目的Bは、それぞれ公平に、取得原価ベース、機会原価ベースそれぞれで比較する必要があります。

上記のケースでは、売上高と会場料はそれぞれの選択固有の数値。問題は、講師料だけです。

 

■ もっとスマートな制約理論

前章の事例は、目的AとBの選択における変数は、①売上高、②講師料、③会場料の3つでした。このうち、②講師料だけが、たった一人の講師をどっちに派遣するかという、問題にぶち当たりました。制約理論では、この講師が「制約」条件となり、当該制約条件となった対象の単位当たりの利益額が最大の物を選択すれば、前章で紹介した機会原価をいちいち求めなくても、一回の手順で目的AとBの採算性の結果を求めることができます。

目的Aの獲得予定利益:400
目的Bの獲得予定利益:200
制約条件となる講師料:300 の場合、

目的Aにおける制約条件単位当たりの利益=400 ÷ 300 = 1.33
目的Bにおける制約条件単位当たりの利益=200 ÷ 300 = 0.67

目的A:1.33 > 目的B:0.67

ここまで示せば、目的Aと目的B。どちらの採算性が高いかは自明でしょう。(^^)

① 取得原価
② 機会原価
③ 制約理論

3つの方法をご紹介しました。

2つの選択肢を採算性という一点から比較評価する場合、①②③のいずれかを用いることになります。上記の簡単な事例では、3つとも結果が手に取るようにわかるよう極めてシンプルなものにしたので、3つの使い分け方法までは明確にまだしていません。使い分けについては、また別の機会にご説明したいと思います、それまで乞うご期待!(^^;)

管理会計(基礎編)_機会原価 - 取得原価とは違い、タラレバ原価で計算する - もっと作業効率がいいのは制約理論の応用だ

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