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アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉(98)相手の課題を勝手に背負うから苦しいのです!

本レビュー
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■ 相手の課題を背負うことは親切でもなんでもなくて、傲慢かもしれませんよ!

コンサルタントのつぶやき

妻の機嫌が悪いときに、夫が責任を感じてはいけない。
不機嫌でいるか上機嫌でいるかは、妻の課題。
その課題を勝手に背負うから苦しいのだ。

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本書では、夫婦関係を題材に、課題の切り分けを説明しています。妻がふさぎ込んでいるのを見かねて、夫が機嫌を取ろうと苦心します。夫がどんな提案をしても、妻の機嫌が戻らないとき、夫が逆切れして、「こんなに気遣っているのに、どうしてお前はわからないんだ!」と怒り出すこともあるかもしれません。

この時の夫の心理状態と行動のどこが悪かったのでしょうか?

1)妻の機嫌が悪いと、夫である自分が妻を幸せにできない無能者のように思い込む
2)その思い込みから、自分の存在価値を否定されたり、拒絶感を勝手に抱いてしまう
3)そしてそのイライラ・不満感を妻にぶつけてしまったり、表に出したりしてしまう

これらは、すべて、夫が妻の機嫌や感情まで自分の思い通りにコントロールできているのが当たり前という思い込みによるものです。それは、言い方を変えれば、妻の課題に土足で踏み込んで、相手を傷つけているのと同義であることに気づいていません。それでは夫婦関係がうまくいくはずがないでしょう。一方が他方を支配するか支配されるかという人間関係の中に、本当の幸せは存在しないのですから。

それでは、妻が不機嫌でも、夫はイライラや不満をぐっとこらえるべきなのでしょうか。そして妻の機嫌が直るのをじっと見守ることが最善なのでしょうか? アドラーはまだこの時点で夫の側に問題があると断じています。つまり、相手の行動や言動に対して、イライラしたり、不満を感じたりしている時点で、夫は妻が不機嫌であることについての課題を自分のものとして捉えてしまい、勝手に妻の課題を背負いこんでいることになるのです。

妻が妻の課題に直面して不機嫌であることは、妻がどう感じているかという問題。それは徹頭徹尾、妻の課題であって、一分たりとも夫の課題ではないのです。妻の様子を見て、一喜一憂している時点で、まだ妻の課題を勝手に背負い込んでいる、つまり、「課題の分離」ができていない証拠なのです。相手の課題に責任を感じてはいけないのです。

本書は次の言葉で締められています。

相手の課題に責任を感じてはいけません。相手の課題を勝手に背負うから苦しくなる。相手との間に線を引き、明確に分離することが必要なのです。

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