■ 叱りつけるではなく、語りかけるのだ!
間違いをわからせるには、
親しみのある話し合いをすればよい。
大切なのは、それができる信頼関係を築くことだ。
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アドラーは、「叱らない」しつけ方法を尋ねる人はこのように語りかけます。
「『叱ってはいけない』ということはわかりました。しかし、相手の問題行動は直りません。そんな時はどのようにすればいいのでしょうか?叱らずにどのように相手にわからせればいいのでしょうか?」この問いに対してアドラーは明確に答えています。
「何も叱ったり罰を与えたり脅したりする必要はありません。相手に簡単な説明や親しみのある話し合いをするだけで十分です。信頼関係があれば、相手はそれを受け入れます」
コミュニケーションを取るこちら側の態度も大事ですが、タイミングも大切ですね。相手が問題行動を起こした直後の方が、「鉄は熱いうちに打て!」とばかり、即効性があると指導するコーチング本の類もあるのですが、アドラーは、問題行動直後は、こちら側も頭に血が昇って、相手が受け入れやすい言い方での説明ができない可能性が高いから、一拍休みを入れることを推奨しています。
お互いに穏やかな心理状態に戻ってからならば、相手も聞く耳を持ちますし、こちら側も落ち着いて相手に語りかける心理的準備が整うというものです。
さらに、相手の問題行動を直接的に、「是正」「矯正」しようという指摘は避けた方がよいそうです。それより、
「私は、あなたがこうしてくれたら嬉しいなあ」
「あなたがこのような行動を取ると、とても悲しくなるんだ」
主語をあえて、自分にするステートメントを相手に表明します。自分の素直な感情(共感をこめて)を相手に伝えるようにするのです。相手に変わってほしいとばかり、直接的な是正勧告より、相手に変わってもらうと自分が嬉しいという相手の心情に訴えかけるのです。
結局のところ、相手の問題行動は、自分が行動問題と感じている、あくまで主観的な問題なのです。それゆえ、主観的に、相手の問題行動是正行為が自分の感情にプラスになるんだけど、という自分の心持ちに置き換えた訴えにします。決して、相手をコントロールしようとしたり、支配しようとする言葉を選んだりしてはいけません。強制的な言動は、その場しのぎの対応をされるだけで、根本的に相手の行動を変えることは決してできないのです。
「自分にできることは、相手が変わることを待つことだけ!」
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