コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(7)ワインバーグのふたごの法則 - たいていの場合、人がどれほど頑張っても意味のあることは起こらない

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■ ワインバーグのふたごの法則

このシリーズは、G.W.ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、筆者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、筆者のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページはこちら(英語)

この節は、ワインバーグ氏のユーモアセンスと皮肉屋の醍醐味が十分に味わえるものになっています。少々、表現が回りくどく読みづらくなっていますが、そこはご愛敬!

ワインバーグのふたごの法則

たいていのとき、世界のたいていの部分では、人がどれほどがんばろうとも意味のあることは何も起こらない。

どうしてこれが「ふたごの法則」と呼べるのか。それは本書(P13)のエピソードを知らないと分からないのです。それはワインバーグ氏が、ニューヨークのブロードウェイに向かうM104番の市バスに乗っている時に目撃したシーンから着想を得たお話です。
(ちょっと下ネタ入っています)(^^;)

ワインバーグ氏がバスに乗っている時、途中の停留所から、女の人が子ども八人を連れてバスに乗り込もうとしました。女の人が運転手に料金がいくらかを尋ねたところ、大人は35セントで、5歳以下の子供はタダでした。それを聞いた女の人は、一人分の大人料金だけを支払って乗車しました。それを運転手が見咎めて、女の人が引き連れている子供たち(8人)が全員6歳未満とは信じられないとして、きちんと正規料金を払うように言いました。

そうですよね、8人の子供を引き連れていれば、年子としても、上の2人は確実に5歳以上になっているでしょうから。しかし、女の人は憤然として、「全員6歳未満よ」と反論します。

「この二人が四歳、女の子二人は三歳、この二人のよちよち歩きは二歳、そしてこのちびたちが一歳、ね。」

驚いた運転手があっけにとられて謝った後、「お宅じゃいつも双子が生まれるのかい?」と尋ねます。それを聞いた女の人は笑って次のように答えました。

「まっさかあ。たいていのときは何にも生まれないわよ。」

私は、このやり取りの意味がすぐには理解することができませんでした。はっと気が付いた時には、これをブログで紹介していいものか悩みましたが、、、(^^;)

これを聞いたワインバーグ氏は、大抵の場合は双子はおろか、一人の赤ん坊も作ってはいないのだ、ということに思いが至った時に、冒頭のふたごの法則が頭の中に閃いたそうです。

 

■ 人の行動を高い確率で予想する最善の方法とは?

この本が副題に「人間学」という言葉を用いている通り、コンサルティング(ワインバーグ氏は元は大手IT企業の技術屋だったので、主にコンピュータシステムがらみの技術コンサルティングですが)が行われている現場で、依頼主、コンサルタント、その他の関連する人たちの心理状況をものの見事に予想し、手に取るようにその心理の内を解説してくれています。

その彼が、人の行動を予想するのは、とても簡単だというのです。よく当たる天気予報士になるより簡単だと。明日の天気は今日の天気と同じである確率は66%。「明日の天気は今日と同じでしょう」とだけ言っていれば、当てずっぽうで言うより、確実に3分の2の的中率で明日の天気を予想することができるからです。ワインバーグ氏によれば、人の行動はそれよりも高い確率で予想できるというのです。

それは、

「次の瞬間における挙動を予測するための最良の方法は、一瞬前と同じことをやっているだろうと予測すること」

私も少々株式投資を嗜みます。株価の動きを罫線(株価チャート)で追っていき、株価を予想するテクニカル分析を得意とするチャーチストの方々には受け入れやすい法則なのだろうと想像します。ちなみに、私の投資スタイルは超長期スパンのファンダメンタル重視派なので、テクニカル分析の知識はほとんど持ち合わせておりませんが。

 

■ ワインバーグの皮肉屋全開!

ワインバーグ氏によれば、

我々は何もしないことについて、もっともらしい理由をたくさん持ち合わせているのだそうです。しかし、理由は単なる言葉にすぎません。言葉(言い方や表現方法)を変えることはたやすいことです。そんな言葉を変えることは造作もないことです。しかし、言葉、言い方だけを変えてみても、事実(ファクト)は全く動かないのです。

1ミリたりとも、事実を動かせない言い方だけを変えたところで、我々は大したことを成し遂げたりはできないのです。

多分に、多くの人は「●●法則」という言葉に期待するところが大である傾向があります。「●●法則」という言葉にあまりに多くを期待するということは、

① 何か物事を変化させるための方法を教えてもらう
② なかんずく、他の人を変える方法を教えてもらう

ことを期待しているのです。

しかし、冷静にワインバーグ氏はこう分析するのです。

① 物事というのは急激に大きな変化を遂げることは稀である
② 言葉だけを変えても事実を曲げることはできない

本書にも「●●法則」というものが、たくさん掲載されており、それら「●●法則」を少なからず習得することで、我々はビジネスやコンサルティングに、他の誰かに影響を及ぼす力に活かそうと必死に読み込もう、理解しようとしています。私自身も例外ではありません。にもかかわらず、ワインバーグ氏は、自ら本書に記している数多くの「●●法則」という言葉に翻弄されてはいけないよ、と「ふたごの法則」という金言で教訓を教えてくれているのです。

このメタ状態に、私はこのくだりを読んでいて、少々痺れましたね。この先、読み進めるのが不安にもなった次第です。(^^;)

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