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そうか、君は課長になったのか。(12)部下の仕事に手をつっこむ - 君は仕事の発注者だ

本レビュー
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■ 課長だけが、部下の仕事に直接口を出せる職位である

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

この節は、課長という職位とは何かを考えさせる大事なものです。部長や担当役員、社長にはできずに、課長でないとできないこととは一体なんだと思われますか?

それは部下(課員)の仕事に直接手を突っ込むことができる職位であるということです。
「今週中にお得意様のA社とB社をキチンと訪問してくるように。」
「この報告書のこの箇所はもっと簡潔かつ具体的に記述するように。」
「商品企画会議にかける案件を来週までに3つに絞っておくように」

それ以上の職位の方は、「経営方針」「基本的な考え方」を伝達できるにすぎません。課長だけが、部下の仕事に対して直接口を出すことが許されています。その時、大事なのが、
① その業務の完成度(要求される作業品質水準)を明確に伝えること
② その業務の納期を明確に設定すること

もし、上司であるあなたがこの2つを具体的に指示しないと、部下の方が自分で勝手に決めてしまいます。そのようなやり方で、課内の仕事が効率的にこなせるわけがないのです。そのことは肝に銘じておく必要があります。

 

■ 佐々木さん、とっておきの方法とは?

本書より、佐々木さんが実践したやり方を以下にまとめます。

1)昨年の「業務報告書」を元に部下全員の仕事の棚卸しを行う
2)業務ごとに重要度のランキング(5段階)をつける(いわゆる業務仕分け)
3)ランキングに応じて、仕事の優先順位を課内に公表する
4)課員ひとりひとりに業務着手前に必ず「作業計画書」を提出させる
5)「作業計画書」を目の前に、部下ひとりひとりと個別面談し、デッドラインと作業品質についてすり合わせを行う

こうして、佐々木さんの経験から、3割は業務を効率化できるそうです。佐々木さんによると、一般の会社で真に重要な仕事は20%程度だそうで、重要度ランキングで「5」が付く仕事はほとんど無いそうです。

つまり、
「課長は部下に仕事を発注し、部下は課長から仕事を受注する」
というスタイルというわけです。

さらに、佐々木さんが大事にしているポイントを2つ、本書より引用させて頂きます。

(1)本当に大切な仕事を見極めるために

上司と部下が、その業務の重要度、納期を議論することによって、部下はその業務が会社や課にとってどれほどのものなのかを認識できるようになります。

これは、課長だけが直接部下の仕事に手を突っ込むことが許されている特別な職位にあるからこそ見込める効果です。

(2)部下の真剣さを引き出すために

「礼儀」をもって、手をつっこまなければならないということです。だれだって、自分がやっている仕事について「これは、重要な仕事ではないから、もっと適当にやってくれてかまわない」などと言われたら、やる気を失います。だから、「君には、もっと大事な仕事に力を注いでほしいから、この仕事はもう少し簡単に済ませても構わない」などと言い方に工夫をする必要があります。

仕事をやる生身の人間はAIではないので、2つの「かんじょう」を持ち合わせています。
「感情」(こいつのために仕事をやりたくないなあ)
「勘定」(こいつのために仕事をやっても得なことはないなあ)

部下を持つ課長は、この2つの「かんじょう」に常に留意しておくべきです。
(小職がそれを実践できているかはまた別の問題ですが。。。)(^^;)

 

■ コンサルタントである小職のとっておきの方法とは?

小職はコンサルタントとして、プロジェクトベースで仕事をするのが常態なので、必ずWBS(ワーク・ブレイクダウン・ストラクチャー)を作成してからプロジェクトを始めます。ですから、自分と部下がやる仕事には全て、
・納期
・成果物
・責任者(担当者)
が必ず定義されています。

プロジェクトの性質から、前もってWBSを作成するのが難しい、またはWBSを作成しても、状況が不確実性の固まりで、修正に次ぐ修正でWBSを見直すのが億劫・無駄だ、と部下から言われることもあります。それでも、部下からの批判をよそに、必ず程度の差こそあれ、WBSやタスク管理表を100%作成することに決めています。

プロジェクトが迷走して、オリジナルのWBSがめちゃくちゃに修正されて、原型をとどめ無くなってもいいじゃありませんか。むしろ、そのことを歓迎すらします。なぜなら、リスケジュール、方針変更、仕事量の見直し、担当者の配役の見直しなどが、可視化されるからです。

人間ってね、具体的に目の前に提示された具象的なものがないと、本当の判断はできないのですよ。むしろ、目標と実績の差分管理がマネージャーの仕事の本分と思うのですが、皆さんはいかがでしょうか?

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