Pocket

■ 戦果が事前の計画段階で約束されているようにもっていくのが最上!

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ

戦略は、上手い下手で、次の4ランクに分けられます。

1.敵の策謀を未然に防ぐ
2.敵国と友好国の同盟関係を断ち切る
3.敵の野戦軍を打ち破る
4.敵の城を攻め破る

(言わずもがな、1.が最上)

戦略に巧みな者は、敵の軍隊を屈服させても、決して戦闘によったのではなく、敵の城を陥落させても、決して攻城戦によったのでなく、敵国を撃破しても、決して長期戦によったのではありません。必ず敵の国土や戦力を保全したまま勝利するやり方で、天下に国益を争うのであって、そうするからこそ、軍も疲弊せずに、軍事力の運用によって得られる利益を完全なものとできるのです。これこそが、策謀で敵を攻略する原則なのです。

孫子 (講談社学術文庫)

—————–
敵軍(コンペチター)との戦い(競争)の本質をわきまえるならば、最善の方策は、相手の意図を素早く察知し、相手が実際行動を起こす以前に、その計画を潰えさせることです。競合他社が自社の市場に参入しようと企てた場合、例えば次のような手を打ちます。

① 先行者利益・時間差異戦略
製品開発をトップスピードで継続し、他社の追随を許さない
膨大な初期投資がかかる市場に仕立て、参入障壁を高くし、そもそも市場への参加を諦めさせる

② 製品ピラミッド戦略
高級品からエントリー品まで、製品ポートフォリオを幾重にも組んで、入り込む隙を与えない

③ 顧客ロックイン戦略
既に自社を利用している顧客が他のベンダーに切り替えるコストを高くつかせる

それでも、自社の市場に参入して来ようとするコンペチターが存在した場合、コンペチターとアライアンスを組もうとする相手(原材料の供給先であったり、販売・物流網の共同利用者であったり)を逆に自社陣営に取り込む、悪くても敵陣営に組みさせないようにします。

OSや通信規格を共通にしたり、特許を相互乗り入れ(クロスライセンス)させたり。

それでも、コンペチターが単独でも新規参入しようと挑んできた場合は、相手の戦力を大幅にダウンさせたことで、自社の勝率が上がると考えておきましょう。

以上のような事前の防御策を講じても、新規参入を始めた競合とは、自社既存市場でガチ勝負となります。孫子がいうところの「野戦」となり、仮に勝利したとしても、自社にも、相当の損害が出る(強力な値引きにより粗利率が低下する、運転資金の調達コストが高くつく、顧客維持費用の支出が増える、プレミア感を喪失し価格決定権を失うなど)ことを覚悟する必要が生じてきます。

下策の下は、「攻城戦」で相手の市場に切り込むケースです。こちらが攻める立場となった場合、堅牢な城塞(既存市場における顧客・パートナーとの信頼やブランド)を崩すために、長期戦を覚悟しておく必要があります。相手の土俵で戦っては、敵の不備をついたり、敵の不意を攻めたりして、損害(コスト)を最小限に抑えての勝利というのは最初から難しいものと考えておくのがベターです。

このように、孫子の言う戦争における目的と手段との最も効率的な適合性を追究するならば、戦闘によらず相手を屈服させ、攻囲によらず敵の城(市場)を陥し、長期戦によらずに相手を打ち破る方法、すなわち「計謀」による勝利の可能性を探求する途を選択しなければなりません。

「戦う前から勝利が約束されている!!!」これぞ最強。

(Visited 206 times, 1 visits today)
Pocket

孫子 第3章 謀攻篇 10 上兵は謀を伐(う)つhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-e1428423948658.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/ab47f6b60b2243be5165d08fde098dfb-150x150.jpg小林 友昭孫子の兵法(入門編)兵法,孫子,戦略■ 戦果が事前の計画段階で約束されているようにもっていくのが最上! 戦略は、上手い下手で、次の4ランクに分けられます。 1.敵の策謀を未然に防ぐ 2.敵国と友好国の同盟関係を断ち切る 3.敵の野戦軍を打ち破る 4.敵の城を攻め破る (言わずもがな、1.が最上) 戦略に巧みな者は、敵の軍隊を屈服させても、決して戦闘によったのではなく、敵の城を陥落させても、決して攻城戦によったのでなく、敵国を撃破しても、決して長期戦によったのではありません。必ず敵の国土や戦力を保全したまま勝利するやり方で、天下に国益を争うのであって、そうするからこそ、軍も疲弊せずに、軍事力の運用によって得られる利益を完全なものとできるのです。これこそが、策謀で敵を攻略する原則なのです。 孫子 (講談社学術文庫) ----------------- 敵軍(コンペチター)との戦い(競争)の本質をわきまえるならば、最善の方策は、相手の意図を素早く察知し、相手が実際行動を起こす以前に、その計画を潰えさせることです。競合他社が自社の市場に参入しようと企てた場合、例えば次のような手を打ちます。 ① 先行者利益・時間差異戦略 製品開発をトップスピードで継続し、他社の追随を許さない 膨大な初期投資がかかる市場に仕立て、参入障壁を高くし、そもそも市場への参加を諦めさせる ② 製品ピラミッド戦略 高級品からエントリー品まで、製品ポートフォリオを幾重にも組んで、入り込む隙を与えない ③ 顧客ロックイン戦略 既に自社を利用している顧客が他のベンダーに切り替えるコストを高くつかせる それでも、自社の市場に参入して来ようとするコンペチターが存在した場合、コンペチターとアライアンスを組もうとする相手(原材料の供給先であったり、販売・物流網の共同利用者であったり)を逆に自社陣営に取り込む、悪くても敵陣営に組みさせないようにします。 OSや通信規格を共通にしたり、特許を相互乗り入れ(クロスライセンス)させたり。 それでも、コンペチターが単独でも新規参入しようと挑んできた場合は、相手の戦力を大幅にダウンさせたことで、自社の勝率が上がると考えておきましょう。 以上のような事前の防御策を講じても、新規参入を始めた競合とは、自社既存市場でガチ勝負となります。孫子がいうところの「野戦」となり、仮に勝利したとしても、自社にも、相当の損害が出る(強力な値引きにより粗利率が低下する、運転資金の調達コストが高くつく、顧客維持費用の支出が増える、プレミア感を喪失し価格決定権を失うなど)ことを覚悟する必要が生じてきます。 下策の下は、「攻城戦」で相手の市場に切り込むケースです。こちらが攻める立場となった場合、堅牢な城塞(既存市場における顧客・パートナーとの信頼やブランド)を崩すために、長期戦を覚悟しておく必要があります。相手の土俵で戦っては、敵の不備をついたり、敵の不意を攻めたりして、損害(コスト)を最小限に抑えての勝利というのは最初から難しいものと考えておくのがベターです。 このように、孫子の言う戦争における目的と手段との最も効率的な適合性を追究するならば、戦闘によらず相手を屈服させ、攻囲によらず敵の城(市場)を陥し、長期戦によらずに相手を打ち破る方法、すなわち「計謀」による勝利の可能性を探求する途を選択しなければなりません。 「戦う前から勝利が約束されている!!!」これぞ最強。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します