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■ 対立する2案の採算を比較評価するのは差額収支分析の得意中の得意技なのです!

経営管理会計トピック

最近耳目を集めている築地市場へ豊洲への移転問題。環境規制や政治的な思惑は別として、純粋に経済合理性だけで、どっちの方がお得なのでしょうか。新聞記事で言及のある材料だけで判断できないこと、さらにこの材料だったらこういう判断しかできません、というのを示し、この領域での意思決定会計の道具性をも検証してみたいと思います。

しかしながら、本記事を読んでの雑駁な感想ですが、差額収支計算というフレームワークで複数案の採算をはじいて最善策を選択する、という所作が一般的ではないことを改めて思い知りました。もっと管理会計の道具性を世の中にアピールしてもいいのでは???(^^;)

2017/3/25付 |日本経済新聞|朝刊 市場、経済合理性は 築地、再整備費が必要に 豊洲、実質赤字年27億円

2017/3/25付 |日本経済新聞|電子版 豊洲か築地か、経済合理性は 新設の「戦略本部」で議論

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「東京都の小池百合子知事は築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題で、食の安心・安全だけでなく、経済的側面から「事業継続性」を重視する姿勢を示している。24日の記者会見で設置を表明した「市場のあり方戦略本部」でも議論を深める。約5900億円という巨費を投じた豊洲と、老朽化した築地について、経済合理性を比較・検証する。」

(下記は同記事添付の「公開された豊洲市場の水産仲卸売場棟」の写真を引用)

20170325_公開された豊洲市場の水産仲卸売場棟_日本経済新聞朝刊

市場問題全般を検証する知事特命のプロジェクトチーム(PT)の1月の会合で、東京都が都内11市場ごとの収支を公表しました。

「年間で築地は6億円の黒字、豊洲は98億円の赤字」

ここから、単年度でみれば豊洲が大幅な赤字になることから「豊洲は採算性が悪い」と批判する声があがりました。果たして本当にその通りなのでしょうか?

(下記は同記事添付の「豊洲の実質的な赤字は年27億円」を引用)

20170325_豊洲の実質的な赤字は年27億円_日本経済新聞朝刊

まず、記事にあるコメントの適切性から検証します。

「ただ建物や設備などにかかった費用を毎年、会計上処理する減価償却費を除けば、豊洲の赤字は27億円にとどまる。築地は水槽などに使う海水の配管が故障するなど日常的に補修が必要で、修繕費は年3億円程度生じる。築地を建て替えるなど大幅な設備投資に踏み切れば、多額の減価償却費が生じるとみられる。」

◆ 減価償却費を除く点について
そもそも減価償却費は、建物・什器備品を購入した際に支払ったキャッシュを、その使用年数で割り算して、年ごとの負担額を会計的に仮算定するものです。これを採算評価から除くということは、

① 施設の維持費(オペレーティングコスト)だけで両施設の採算を評価することになる
② 修繕費の多寡は施設の経年変化により発生額が左右されるため、築地市場の維持費にだけ算入することは平等性に欠ける

①について
減価償却費を差額収支計算の埒外に出すことができるのは、キャッシュフローベースで差額収支計算を行った場合だけです。ただし、キャッシュフローで採算評価した際でも、設備の取得初年度にキャッシュアウトとして採算に対してマイナスとして考慮するので、毎年の減価償却費としてマイナスを加味すると二重計上になるから除外するというのが正当な理由です。上表を見る限り、98億円の赤字を27億円に圧縮したいがため、会計知を持たない一般の人の目をくらませるために、減価償却費を除く採算表を提示しているとしか思えません。

②について
築地の3億円の修繕費は、古い施設を使用しているペナルティであり、豊洲市場における新設備の取得にかかる減価償却費と対を成すものです。築地の採算に修繕費を算入するなら、それと比べる豊洲の採算に減価償却費を入れないと、apple to apple にはなり得ません。

 

■ 対立する2案が何を代表するものなのかを明確に意識する必要があります!

2つの対案を差額収支計算で経済性を比較衡量するためには、対立する2案を整然と区分けする必要があります。

「市場関係者は市場事業の採算性について「バスや地下鉄のように不特定多数から料金収入を得られず、同列に論じられない」と話す。単純な経済合理性だけではなく政策論として考える必要もありそうだ。」

いえいえ、市場運営は、
① 施設建設・取得コスト(イニシャルコスト)
② 施設運営コスト(オペレーションコスト)
③ 施設運営から得られる収入(仲卸業者から受ける施設使用料など)

という整理で収支をきちんとカウントすれば、経済主体として経済合理性を測ることができます。逆説的に、「政策論」というのは経済合理性無視で決めていいのなら、そんな意思決定しかできない公共部門に誰が進んで税金を納めたいものですか。(≧ヘ≦)

今回は、築地市場と豊洲市場がそれぞれ単独で、採算が黒字になるか赤字になるかという絶対水準が分析対象ではなく、あくまで、同条件で比較した際に、どちらの赤字がより小さいかを明らかにすることが目的です。

「一般会計と切り離されている市場会計は、11市場全体で一つという考え方だ。個別の市場の収支を比較すること自体が市場会計にそぐわない面もある。」

さらに言うと、直接的な貨幣価値で測定できる収入が無くても、外部経済的にカウントできるメリットがあれば、それを「便益」として定量評価して、便益÷コスト=1単位当たりの支出で得られる便益量、すなわち「費用便益分析(cost-benefit analysis)」で政策効果を見える化すればいいじゃありませんか。

 

■ 難しい取得費と債務返済負担の評価。こういう場合は、オプションで考えるのです!

問題が入り組んで難しい場合は、シンプルなケースに仕立て上げればいいだけです。比較できないと、どっちがいいかなんて判断できないので。

「豊洲の総事業費約5900億円はすでに、ゼネコンなどに支払い済み。市場会計の保有資金や国からの交付金だけでは足りず「企業債」と呼ばれる借金で賄っている。企業債の残高は3月末時点で約3500億円に上る。都は築地用地を約4300億円で売却する見通しで、売却資金を含めて2026年度までに返済する計画だ。」
「仮に豊洲移転が頓挫し築地が売れなくなれば、企業債の返済が難しくなる。豊洲を売却するにしても「総事業費より安く買いたたかれる」(都幹部)との見方は根強い。築地を再整備するための事業費も新たに捻出する必要がある。」

何とも釈然としない記述です。ただ時系列でお金の出入りとその予定を述べているだけ。これでは、何案と何案の選択肢があって、どっちが経済合理性があるかなんて判断できません。

豊洲の総事業費については、

(案1)築地市場の跡地を売却して穴埋め
5900億円 - 4300億円 = 1600億円 を企業債返済という毎年の金利負担で賄う

(案2)築地市場の移転なしで、豊洲施設を売却
築地市場の建替え事業費 + 5900億円 - 豊洲売却金額 = ???億円
この???億円を企業債返済という毎年の金利負担で賄う

という2項対立となります。上記、「築地市場の建替え事業費」「豊洲売却金額」は、関係者ならすぐにはじくことができます。分からないのではなくて、分かろうとしないのです。ちなみに、この総事業費の比較は、イニシャルコストだけの比較になります。つまり、差額収支計算とは、同じテーマの分析を行っていても、その中で何と何が対立案となるかによって比較対象に入れたり外したりする項目が多々あるということです。

 

■ (おまけ)「平成27年度中央卸売市場会計予算総括表」を眺めてみる!

冒頭の記事にある通り、中央卸売市場会計に属する12市場の全体の収支を見てみましょう。

下記表は、「中央卸売市場会計|東京都中央卸売市場」より。

● 含まれる12事業

20170411_平成27年度中央卸売市場会計_市場一覧

●平成27年度中央卸売市場会計予算総括表

20170411_平成27年度中央卸売市場会計予算総括表

単年度の事業採算が20億円以上の赤字になっており、豊洲市場の建設負担を企業債で賄うといっても、企業債の利払いがきちんと行えるか、一般的な民間の企業経営の数字を見てきた筆者としては甚だ疑問です。そして、単式簿記(実質的な意味で)にもかかわらず、収益的支出の欄に「減価償却費等」が56億円も計上されています。その影響額に思わず市場関係者が、減価償却費を除く採算表を提出したくなる気持ちもわからないではありません。しかし、それでは差額収支計算による採算判断を誤らせることになることは既に説明しました。

最後の最後に、極めて簡単ですが、差額収支計算のコツについてまとめます。

(1)何が apple to apple かを明確に意識する
   例1)豊洲移転と築地残留(建物微改修)
   例2)豊洲移転と築地建替え
   例3)豊洲移転延期と築地使用延長
(2)収支計算のベースをブラさない
   ① 会計的損益    (← 減価償却費は、比較対象で条件が違うなら算入です)
   ② キャッシュフロー (← 減価償却費は、タックスシールド分だけ考慮します)
(3)収支計算のフレームワーク
   ① イニシャルコスト(取得費用)
   ② オペレーティングコスト(運用・維持費)
   ③ レベニュー(収入) (← 土地売却益、年間の施設使用料など)
(4)比較計算の期間
   例1)1~5年(豊洲移転コスト+維持費だけの比較)
   例2)25~50年(豊洲移転案と築地建替え案の比較)

筆者の豊洲移転に関する個人的な意見は?
「経済合理性を無視して、政策論で決めてください。でもどうせ決まっているんでしょ?」(笑)

(参考)
⇒「意思決定のための管理会計
⇒「長期的意思決定 CVP分析より(1)
⇒「長期的意思決定 CVP分析より(2)
⇒「短期的意思決定

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

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両市場、経済合理性は 築地、再整備費が必要に 豊洲、実質赤字年27億円 - 差額収支分析は意思決定会計の独壇場!http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭会計で経営を読むキャッシュフロー,減価償却費,差額収支分析,豊洲市場,築地市場,東京都,経済合理性,オペレーティングコスト,apple to apple,イニシャルコスト,費用便益分析,企業債,中央卸売市場会計,意思決定■ 対立する2案の採算を比較評価するのは差額収支分析の得意中の得意技なのです! 最近耳目を集めている築地市場へ豊洲への移転問題。環境規制や政治的な思惑は別として、純粋に経済合理性だけで、どっちの方がお得なのでしょうか。新聞記事で言及のある材料だけで判断できないこと、さらにこの材料だったらこういう判断しかできません、というのを示し、この領域での意思決定会計の道具性をも検証してみたいと思います。 しかしながら、本記事を読んでの雑駁な感想ですが、差額収支計算というフレームワークで複数案の採算をはじいて最善策を選択する、という所作が一般的ではないことを改めて思い知りました。もっと管理会計の道具性を世の中にアピールしてもいいのでは???(^^;) 2017/3/25付 |日本経済新聞|朝刊 市場、経済合理性は 築地、再整備費が必要に 豊洲、実質赤字年27億円 2017/3/25付 |日本経済新聞|電子版 豊洲か築地か、経済合理性は 新設の「戦略本部」で議論 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 「東京都の小池百合子知事は築地市場(中央区)から豊洲市場(江東区)への移転問題で、食の安心・安全だけでなく、経済的側面から「事業継続性」を重視する姿勢を示している。24日の記者会見で設置を表明した「市場のあり方戦略本部」でも議論を深める。約5900億円という巨費を投じた豊洲と、老朽化した築地について、経済合理性を比較・検証する。」 (下記は同記事添付の「公開された豊洲市場の水産仲卸売場棟」の写真を引用) 市場問題全般を検証する知事特命のプロジェクトチーム(PT)の1月の会合で、東京都が都内11市場ごとの収支を公表しました。 「年間で築地は6億円の黒字、豊洲は98億円の赤字」 ここから、単年度でみれば豊洲が大幅な赤字になることから「豊洲は採算性が悪い」と批判する声があがりました。果たして本当にその通りなのでしょうか? (下記は同記事添付の「豊洲の実質的な赤字は年27億円」を引用) まず、記事にあるコメントの適切性から検証します。 「ただ建物や設備などにかかった費用を毎年、会計上処理する減価償却費を除けば、豊洲の赤字は27億円にとどまる。築地は水槽などに使う海水の配管が故障するなど日常的に補修が必要で、修繕費は年3億円程度生じる。築地を建て替えるなど大幅な設備投資に踏み切れば、多額の減価償却費が生じるとみられる。」 ◆ 減価償却費を除く点について そもそも減価償却費は、建物・什器備品を購入した際に支払ったキャッシュを、その使用年数で割り算して、年ごとの負担額を会計的に仮算定するものです。これを採算評価から除くということは、 ① 施設の維持費(オペレーティングコスト)だけで両施設の採算を評価することになる ② 修繕費の多寡は施設の経年変化により発生額が左右されるため、築地市場の維持費にだけ算入することは平等性に欠ける ①について 減価償却費を差額収支計算の埒外に出すことができるのは、キャッシュフローベースで差額収支計算を行った場合だけです。ただし、キャッシュフローで採算評価した際でも、設備の取得初年度にキャッシュアウトとして採算に対してマイナスとして考慮するので、毎年の減価償却費としてマイナスを加味すると二重計上になるから除外するというのが正当な理由です。上表を見る限り、98億円の赤字を27億円に圧縮したいがため、会計知を持たない一般の人の目をくらませるために、減価償却費を除く採算表を提示しているとしか思えません。 ②について 築地の3億円の修繕費は、古い施設を使用しているペナルティであり、豊洲市場における新設備の取得にかかる減価償却費と対を成すものです。築地の採算に修繕費を算入するなら、それと比べる豊洲の採算に減価償却費を入れないと、apple to apple にはなり得ません。   ■ 対立する2案が何を代表するものなのかを明確に意識する必要があります! 2つの対案を差額収支計算で経済性を比較衡量するためには、対立する2案を整然と区分けする必要があります。 「市場関係者は市場事業の採算性について「バスや地下鉄のように不特定多数から料金収入を得られず、同列に論じられない」と話す。単純な経済合理性だけではなく政策論として考える必要もありそうだ。」 いえいえ、市場運営は、 ① 施設建設・取得コスト(イニシャルコスト) ② 施設運営コスト(オペレーションコスト) ③ 施設運営から得られる収入(仲卸業者から受ける施設使用料など) という整理で収支をきちんとカウントすれば、経済主体として経済合理性を測ることができます。逆説的に、「政策論」というのは経済合理性無視で決めていいのなら、そんな意思決定しかできない公共部門に誰が進んで税金を納めたいものですか。(≧ヘ≦) 今回は、築地市場と豊洲市場がそれぞれ単独で、採算が黒字になるか赤字になるかという絶対水準が分析対象ではなく、あくまで、同条件で比較した際に、どちらの赤字がより小さいかを明らかにすることが目的です。 「一般会計と切り離されている市場会計は、11市場全体で一つという考え方だ。個別の市場の収支を比較すること自体が市場会計にそぐわない面もある。」 さらに言うと、直接的な貨幣価値で測定できる収入が無くても、外部経済的にカウントできるメリットがあれば、それを「便益」として定量評価して、便益÷コスト=1単位当たりの支出で得られる便益量、すなわち「費用便益分析(cost-benefit analysis)」で政策効果を見える化すればいいじゃありませんか。   ■ 難しい取得費と債務返済負担の評価。こういう場合は、オプションで考えるのです! 問題が入り組んで難しい場合は、シンプルなケースに仕立て上げればいいだけです。比較できないと、どっちがいいかなんて判断できないので。 「豊洲の総事業費約5900億円はすでに、ゼネコンなどに支払い済み。市場会計の保有資金や国からの交付金だけでは足りず「企業債」と呼ばれる借金で賄っている。企業債の残高は3月末時点で約3500億円に上る。都は築地用地を約4300億円で売却する見通しで、売却資金を含めて2026年度までに返済する計画だ。」 「仮に豊洲移転が頓挫し築地が売れなくなれば、企業債の返済が難しくなる。豊洲を売却するにしても「総事業費より安く買いたたかれる」(都幹部)との見方は根強い。築地を再整備するための事業費も新たに捻出する必要がある。」 何とも釈然としない記述です。ただ時系列でお金の出入りとその予定を述べているだけ。これでは、何案と何案の選択肢があって、どっちが経済合理性があるかなんて判断できません。 豊洲の総事業費については、 (案1)築地市場の跡地を売却して穴埋め 5900億円 - 4300億円 = 1600億円 を企業債返済という毎年の金利負担で賄う (案2)築地市場の移転なしで、豊洲施設を売却 築地市場の建替え事業費 + 5900億円 - 豊洲売却金額 = ???億円 この???億円を企業債返済という毎年の金利負担で賄う という2項対立となります。上記、「築地市場の建替え事業費」「豊洲売却金額」は、関係者ならすぐにはじくことができます。分からないのではなくて、分かろうとしないのです。ちなみに、この総事業費の比較は、イニシャルコストだけの比較になります。つまり、差額収支計算とは、同じテーマの分析を行っていても、その中で何と何が対立案となるかによって比較対象に入れたり外したりする項目が多々あるということです。   ■ (おまけ)「平成27年度中央卸売市場会計予算総括表」を眺めてみる! 冒頭の記事にある通り、中央卸売市場会計に属する12市場の全体の収支を見てみましょう。 下記表は、「中央卸売市場会計|東京都中央卸売市場」より。 ● 含まれる12事業 ●平成27年度中央卸売市場会計予算総括表 単年度の事業採算が20億円以上の赤字になっており、豊洲市場の建設負担を企業債で賄うといっても、企業債の利払いがきちんと行えるか、一般的な民間の企業経営の数字を見てきた筆者としては甚だ疑問です。そして、単式簿記(実質的な意味で)にもかかわらず、収益的支出の欄に「減価償却費等」が56億円も計上されています。その影響額に思わず市場関係者が、減価償却費を除く採算表を提出したくなる気持ちもわからないではありません。しかし、それでは差額収支計算による採算判断を誤らせることになることは既に説明しました。 最後の最後に、極めて簡単ですが、差額収支計算のコツについてまとめます。 (1)何が apple to apple かを明確に意識する    例1)豊洲移転と築地残留(建物微改修)    例2)豊洲移転と築地建替え    例3)豊洲移転延期と築地使用延長 (2)収支計算のベースをブラさない    ① 会計的損益    (← 減価償却費は、比較対象で条件が違うなら算入です)    ② キャッシュフロー (← 減価償却費は、タックスシールド分だけ考慮します) (3)収支計算のフレームワーク    ① イニシャルコスト(取得費用)    ② オペレーティングコスト(運用・維持費)    ③ レベニュー(収入) (← 土地売却益、年間の施設使用料など) (4)比較計算の期間 ...現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します