本格的リニューアル構想中のため、一部表示に不具合があります m(_ _)m

孫子 第1章 計篇 4 算(さん)多きは勝ち、算少なきは敗る

経営戦略(基礎編)_アイキャッチ 孫子の兵法(入門)
この記事は約2分で読めます。

■ 冷静な思考が勝利を呼び込む

経営戦略(基礎編)
まだ、実際に戦争を開始する前に、第1節で説明した「5つの基本事項」に照らして自軍と敵軍の勝率を比較・計量し、それに基づいて作戦計画を立案・策定して勝敗をシミュレーションしても「勝利」の予想が出てくるのは、敵よりも「勝算」が多いからです。「勝算」が多い方が実戦でも勝利するのが当たり前なのです。
※ 5つの基本事項とは
① 道(ビジョンとミッションの共有)
② 天(マクロ経営環境)
③ 地(事業ドメイン)
④ 将(経営者・管理職のスキルと適性)
⑤ 法(指揮命令系統と業績評価体系)


—————–
孫子は、「勝負は時の運」「やってみなければ勝敗は分からない」という姿勢を厳しく非難しています。第1節で「兵は国の大事なり」と言っていますよね。多大な経費と労力を費やす戦争(現代のビジネスでは新事業の開始などが相当)は、一か八かでやるものではなく、「勝算」が立って初めて始めるもの。
伸るか反るかの大博打で経営してはいけない、という戒めです。
ただし、これを現代のビジネスに当てはめる際には現代のビジネス環境をよく考えなければいけません。シリコンバレー風に「多産多死」を許容する投資環境がある場合、ケインズが言うところの「アニマルスピリッツ」や、サントリー創業者の鳥井信治郎氏が残した名言である「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」という起業家精神の尊重などなど。。。
チャレンジ精神がイノベーションを生み、イノベーションが新しい顧客と市場を創造し、新しい顧客と市場が企業に利益をもたらす。これも真理です。
しかし、冒険を試みるにも、元手が必要。その手当てがつく範囲でなら、なんでもやんちゃなことができるものです。もしかすると成功するかも!?、と思わせる「事業計画書」が無いと、シリコンバレーでもエンジェル投資家が付かないし。このしっかりとした「事業計画書」を描き切る、というのが孫子の言う「算多きは勝つ」ということなのでしょう。
経営の基本は、「大事な従業員を路頭に迷わせない」「倒産・リストラは最大限回避する」という所だと思うわけです。シリコンバレー風は、雇用の流動性も高いので、そこはその地域(クラスター)全体が雇用のセーフティ・ネットになっているのだと考えておいた方が無難でしょう。
やってみて、ダメなら即時撤退する。その時に従業員の生活は最低限守る。この撤退戦も含めた算段も孫子が言う「勝算」に入るのだと思います。
孫子の兵法(入門編)_第1章 計篇 4 算(さん)多きは勝ち、算少なきは敗る

コメント