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■ 「投資ポートフォリオ」と「事業シナジー」の両立

経営管理会計トピック
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、米国自動車販売会社「バン・タイル・グループ」を買収するとの発表がありました。

2014/10/3付 |日本経済新聞|夕刊
著名投資家バフェット氏、車販売会社を買収 米でさらにM&A検討

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます
通常、投資信託など、金融商品でリスクのある(元金が保証されていないという意味)ものは、それぞれ特徴のある投資ポリシーにしたがってはいますが、原則として、「卵は1つの籠に盛るな」という格言にもしたがって、ある程度は(またはできる限り)「分散投資」を心がけるものになります。
「分散投資」とは、時間(投資タイミング)、投資先(個々の会社や投資商品)、投資商品の種類(国内株式、外国株式、債券、通貨など)にバリエーションを出すことで、リスク・リターンが共振(きょうしん)して、共倒れにならないように工夫することです。
バークシャーは、株式会社の形態をとり、天才バフェットの眼力を100%信じて、人々はバークシャーの株式を購入します。当然、バークシャーはその株主の期待の沿えるよう、アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、ジレット(P&G)、GE、ワシントンポスト等、様々な業種・業態の企業に出資しています。
しかしながら、バークシャー社そもそもの母体は、保険会社で保険業が本業である事業会社をいくつか完全所有しています。もっとも、これら傘下の複数の保険会社も集めた保険料を運用しなければならないので、結局のところ、バフェットの目利きで投資先を選別していることになります。
と同時に、事業会社としての保険業のオペレーションも実践する必要があり、ここが純粋な投資ファンドとは毛並が異なる点になります。そして、今回の「バン・タイル・グループ」買収は、当然、天才バフェットのお眼鏡にかなった企業への純粋投資としても採算の取れるものであることは間違いないのでしょうが、それ以上に、自動車保険販売の窓口としての間口も広げられるという副次的な効果も狙ってのことだと思われます。
これは、同時に事業会社として「垂直統合」としての買収を意味しており、既存事業の販売チャネルの強化戦略ともいえるもので、事業ポートフォリオマネージャーたる事業会社の経営者が狙うところの「事業シナジー」の果実を得んとするものでもあります。
一粒で二度おいしい買収です。恐るべし、世界一の投資の天才、さすがのウォーレン・バフェットなのであります。
イーベイがペイパルを手放す選択をした先日の件とは好対照なのであります。物言う株主「アイ○-○氏」と「バフェット氏」。いずれが企業価値創造の手練(てだ)れなのでしょうか???)
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小林 友昭会計で経営を読む■ 「投資ポートフォリオ」と「事業シナジー」の両立 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、米国自動車販売会社「バン・タイル・グループ」を買収するとの発表がありました。 2014/10/3付 |日本経済新聞|夕刊 著名投資家バフェット氏、車販売会社を買収 米でさらにM&A検討 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 通常、投資信託など、金融商品でリスクのある(元金が保証されていないという意味)ものは、それぞれ特徴のある投資ポリシーにしたがってはいますが、原則として、「卵は1つの籠に盛るな」という格言にもしたがって、ある程度は(またはできる限り)「分散投資」を心がけるものになります。 「分散投資」とは、時間(投資タイミング)、投資先(個々の会社や投資商品)、投資商品の種類(国内株式、外国株式、債券、通貨など)にバリエーションを出すことで、リスク・リターンが共振(きょうしん)して、共倒れにならないように工夫することです。 バークシャーは、株式会社の形態をとり、天才バフェットの眼力を100%信じて、人々はバークシャーの株式を購入します。当然、バークシャーはその株主の期待の沿えるよう、アメリカン・エキスプレス、コカ・コーラ、ジレット(P&G)、GE、ワシントンポスト等、様々な業種・業態の企業に出資しています。 しかしながら、バークシャー社そもそもの母体は、保険会社で保険業が本業である事業会社をいくつか完全所有しています。もっとも、これら傘下の複数の保険会社も集めた保険料を運用しなければならないので、結局のところ、バフェットの目利きで投資先を選別していることになります。 と同時に、事業会社としての保険業のオペレーションも実践する必要があり、ここが純粋な投資ファンドとは毛並が異なる点になります。そして、今回の「バン・タイル・グループ」買収は、当然、天才バフェットのお眼鏡にかなった企業への純粋投資としても採算の取れるものであることは間違いないのでしょうが、それ以上に、自動車保険販売の窓口としての間口も広げられるという副次的な効果も狙ってのことだと思われます。 これは、同時に事業会社として「垂直統合」としての買収を意味しており、既存事業の販売チャネルの強化戦略ともいえるもので、事業ポートフォリオマネージャーたる事業会社の経営者が狙うところの「事業シナジー」の果実を得んとするものでもあります。 一粒で二度おいしい買収です。恐るべし、世界一の投資の天才、さすがのウォーレン・バフェットなのであります。 (イーベイがペイパルを手放す選択をした先日の件とは好対照なのであります。物言う株主「アイ○-○氏」と「バフェット氏」。いずれが企業価値創造の手練(てだ)れなのでしょうか???)現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します