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■ まずは出席率という定量基準で社外取締役のコーポレートガバナンスへの貢献度を測ってみる

経営管理会計トピック

3月期決算会社の株主総会シーズン真っ只中で、日本経済新聞に連日、社外取締役の出席率というコーポレートガバナンスの有効性に対する先行指標(KPI)にまつわる記事が掲載されていましたので、ここで諸氏の意見・見解をまとめてみたいと思います。

2016/6/16付 |日本経済新聞|朝刊 社外取締役 出席率97% 昨年度 主要100社の取締役会 半数は複数社兼務

「トヨタ自動車などが15日に株主総会を開き、3月期決算企業の総会シーズンが本格スタートした。焦点は企業統治の改善。カギとなる独立社外取締役の取締役会への出席率を調べたところ、2015年度は97%と高い水準だった。今後は取締役会での議論をどう充実させるかが課題になる。」

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

(同記事添付の社外取締役の出席率と兼務状況のグラフを転載)

20160616_社外取締役の出席率と兼務状況_日本経済新聞朝刊

日本経済新聞社が時価総額上位の主要上場会社100社の社外取締役の取締役会への出席率を調査しました。調査対象はのべ285人で、98%に相当する278人の出席率は8割以上で、その内205人については出席率が100%だったそうです。海外の議決権行使助言会社は、出席率が75%未満だと社外取締役の選任案への反対を推奨する基準値(閾値)にしているそうで、グローバルに見て出席率が8割程度なら容認されるレベルなのだそうです。

昨年は「企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)」が導入された「企業統治元年」だったため、多くの企業が社外取締役の出席率を高めるように、社外取締役のスケジュールを考慮して取締役会の日程を調整したそうです。しかし、それでも、この基準値を満たせなかった社外取締役がいらっしゃったそうで。。。

● クボタ:伊奈功一・ダイハツ工業会長(71%)
● ソフトバンクグループ:永守重信・日本電産会長兼社長(56%)

「ソフトバンクは総会の招集通知に「日本電産とより踏み込んだ日程調整を行うことで、出席率改善は可能」と記載している。」とあるので、実際にその紙面を下記に掲載します。

20160619_ソフトバンク株主総会招集通知_永守重信

かいつまんで説明すると、頑張って日程調整したが無理だった、でも出席してもらった取締役会では質の高い提言を引き出すことができ会社にとって大変有効だった、ということらしいです。ちなみに、もう一人の社外取締役の柳井正氏(ファーストリテイリング代表取締役社長兼会長)は、77.8%の出席率でした。

こうした事態が発生するのも、社外取締役のなり手不足からくる兼務が多いからという見方が有力です。

「複数社の掛け持ちが多いのも実情だ。主要100社の招集通知に記載されている人事案を集計すると、社外取締役の兼務比率は49%となる。兼務先が主要100社に含まれない企業でもカウントしている。
 兼務が目立つのは経営の経験が豊富な候補者が少ないためだ。こうした事情を映し、学者出身の社外取締役が16年度に約2割まで増える見通し。14年に東証が上場企業全体を調べた際は学者出身の比率は11%だった。」

最も兼務数が多いのは5社で、
● 伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授
● 三村明夫・新日鉄住金名誉会長
他1名の3人なのだそうです。

 

■ こんどはスチュワードシップ・コードから投資運用会社からの厳しい基準が

企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)とくれば、次はスチュワードシップ・コードということで、こういう記事がありました。

2016/6/17付 |日本経済新聞|朝刊 会社案賛成、基準厳しく 運用会社の議決権行使  株主重視促す 社外取締役や還元性向を注視

「国内の運用会社が投資先の株主総会に向け、会社提案に賛成する条件を厳しくしている。野村アセットマネジメントは取締役会への出席率が低い社外取締役の再任に原則反対する。大和住銀投信投資顧問は手元資金が過大な企業には総還元性向50%以上を配当議案賛成の条件とする。議決権を通じて経営者に改革を働きかけ、株主重視の経営をするよう促す。」

(下記は、同記事添付の運用各社の主な議決権行使基準の一覧表を転載)

20160617_運用各社の主な議決権行使基準_日本経済新聞朝刊

この中でもやはり、社外取締役の貢献度について着目しているという一文がありました。

「今年は社外取締役を起用するだけでなく、その質を問う傾向が強まっている。野村アセットやアムンディ・ジャパンは社外取締役に75%以上の取締役会への出席率を求め、未達成者の再任に反対する。三菱UFJ信託銀行は社長の取締役再任にあたり、取引先やグループ企業などの出身者ではない独立社外取締役の複数起用を求める。
 投資先の社外取締役と面談し、活動内容を検証しているのはみずほ信託銀行だ。取締役会で活発に発言しているかなどを聞き取り調査し、社外取締役の活用度を議案の賛否に生かす。」

こちらは単純に出席率ではなく、発言内容など、「質」もきちんと評価する姿勢が見受けられます。

本稿のテーマから少し脱線しますが、下記のようなサブテーマもあります。

「議決権行使の基準を厳しくするだけでなく、企業に配慮して現実的な基準を打ち出す運用会社もある。米ブラックロックは社外取締役の独立性基準を緩め、取引先の金融機関出身者を認めるように変更した。社外取締役のなり手が見当たらず、条件を満たせられない企業が多いためだ。」

これを受けて、事業会社側の動向も報道されています。

 

2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 社外監査役の独立性説明

「新日鉄住金は議決権行使助言会社や株主から総会議案に関連する意見を受けたことを明らかにするとともに、意見に対する補足説明を発表した。
 同社の社外監査役を務める三菱東京UFJ銀行の永易克典相談役が「独立性に欠ける」との指摘には「現在は銀行の業務執行者でない」などとし問題がないと主張した。」

監査役も含め、社外役員の適材となり得る人材層の薄さ、結構深刻さを増していることが手に取るようにわかります(急に複数人を選任しろ、というからね)。

 

■ 再び社外取締役の出席率と社外取締役にふさわしい層を考える

人手不足ならば、多種多様な領域から社外役員を迎えればいいのでは、とお考えになる向きもいらっしゃると思います。しかし、最初の16日の記事の最後の辺りに、

「日立製作所は外国人の社外取締役に対し、必要なら議題に関して事前にレクチャーし、事業拠点も案内する。同社は兼務を原則4社までとしている。三菱商事は社外取締役が財務諸表の見方など経営に関する知識を学ぶ費用を負担している。」

とあり、そんな促成栽培をせざる得ない上場ルールは、形式面に陥り、決して実質的に「株主のためにも企業のためにもなっていないように思えます。

⇒「企業統治、株主目線で磨く 指針導入1年 社外取締役6000人超す 全体の2割、監視強化 - 株式持ち合いや買収防衛策についても説明
⇒「社外取締役の有力供給源 大手法律事務所、就任にためらい 利益相反を懸念/本業に不利益も
⇒「社外役員の兼務制限 日立、4社まで 外部の知見、自社に集中
⇒「役員の賠償、会社も負担 政府、指針で容認 社外から迎えやすく

しかしながら、やはり他所の企業経営者というのは、質の高い提言をしてもらえるということで、他の分野の出身者より歓迎される傾向が強いようです。

 

2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 企業統治を聞く 「セブン」は改革の成果

「――今年の株主総会の注目点は何ですか。
取締役会の構成だ。経営から独立した立場で少数株主の利益を代表する社外取締役が少ない。人材も学者などに偏っている。会社経営の経験者をもっと入れてほしい。若い世代も必要だ。多様性が革新をもたらす」

20160618_YK・パーク氏(APGサステナビリティ・ガバナンス担当ディレクター)_日本経済新聞朝刊

YK・パーク氏(APGサステナビリティ・ガバナンス担当ディレクター)

そして再び日本電産の永守氏の出席率と社外取締役としての資格(資質・経験についてではなく、議論への参加貢献度について)の有無について、焦点を当てた記事がありました。

 

2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 議決権助言会社、ソフトバンク社外取締役の永守氏再任案に「賛成」 出席率低いが人物評価

「ソフトバンクグループが22日に開く株主総会を巡り、議決権行使助言大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、社外取締役である永守重信・日本電産会長兼社長の再任議案に賛成推奨したことが17日分かった。同氏は2015年度のソフトバンクグループの取締役会への出席率が56%と低かったが、人物本位で評価した。
 ISSは出席率が75%に満たない取締役の選任議案に原則反対する方針を掲げており、今回のような対応は異例。ソフトバンクグループは招集通知で「より踏み込んだ日程調整」を日本電産側とし、今後は出席率の改善を図れるとの見通しを説明していた。ISSは出席率が改善すれば永守氏の知見がソフトバンクグループの株主価値向上に貢献すると判断した。」

単純な形式基準にとらわれることなく人物本位での評価が行われた。そういえば聞こえがいいですが、これは著名な敏腕経営者である永守氏だからこそ勝ち得た当然の評価。それ以外の経営者(実力はあれど、マスコミでの知名度など、惜しい点がある人物)についても、すべからく人物本位で評価してもらいたいものです。

最後に一言。株主総会への議決権行使はネットでもできるようになったんですよね。じゃあ、取締役会もSkypeやpolycomでやればいいんじゃないですかね。あっ、今、小職の同僚がこの一節を読んで笑った顔が目に浮かびます。小職の上司が、Skypeの使い方が分からず、小職との遠隔地会議を電話会議にしたエピソードを知っていますからね。(^^;)

(注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。

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社外取締役 出席率97% 昨年度 主要100社の取締役会 半数は複数社兼務http://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭会計で経営を読む伊藤邦雄,ソフトバンク,ISS,コーポレートガバナンス・コード,社外取締役,企業統治指針,ファーストリテイリング,柳井正,日本電産,永守重信,スチュワードシップ・コード,議決権行使助言会社,新日鉄住金,伊奈功一,ダイハツ工業,クボタ,三村明夫,YK・パーク■ まずは出席率という定量基準で社外取締役のコーポレートガバナンスへの貢献度を測ってみる 3月期決算会社の株主総会シーズン真っ只中で、日本経済新聞に連日、社外取締役の出席率というコーポレートガバナンスの有効性に対する先行指標(KPI)にまつわる記事が掲載されていましたので、ここで諸氏の意見・見解をまとめてみたいと思います。 2016/6/16付 |日本経済新聞|朝刊 社外取締役 出席率97% 昨年度 主要100社の取締役会 半数は複数社兼務 「トヨタ自動車などが15日に株主総会を開き、3月期決算企業の総会シーズンが本格スタートした。焦点は企業統治の改善。カギとなる独立社外取締役の取締役会への出席率を調べたところ、2015年度は97%と高い水準だった。今後は取締役会での議論をどう充実させるかが課題になる。」 (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます (同記事添付の社外取締役の出席率と兼務状況のグラフを転載) 日本経済新聞社が時価総額上位の主要上場会社100社の社外取締役の取締役会への出席率を調査しました。調査対象はのべ285人で、98%に相当する278人の出席率は8割以上で、その内205人については出席率が100%だったそうです。海外の議決権行使助言会社は、出席率が75%未満だと社外取締役の選任案への反対を推奨する基準値(閾値)にしているそうで、グローバルに見て出席率が8割程度なら容認されるレベルなのだそうです。 昨年は「企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)」が導入された「企業統治元年」だったため、多くの企業が社外取締役の出席率を高めるように、社外取締役のスケジュールを考慮して取締役会の日程を調整したそうです。しかし、それでも、この基準値を満たせなかった社外取締役がいらっしゃったそうで。。。 ● クボタ:伊奈功一・ダイハツ工業会長(71%) ● ソフトバンクグループ:永守重信・日本電産会長兼社長(56%) 「ソフトバンクは総会の招集通知に「日本電産とより踏み込んだ日程調整を行うことで、出席率改善は可能」と記載している。」とあるので、実際にその紙面を下記に掲載します。 かいつまんで説明すると、頑張って日程調整したが無理だった、でも出席してもらった取締役会では質の高い提言を引き出すことができ会社にとって大変有効だった、ということらしいです。ちなみに、もう一人の社外取締役の柳井正氏(ファーストリテイリング代表取締役社長兼会長)は、77.8%の出席率でした。 こうした事態が発生するのも、社外取締役のなり手不足からくる兼務が多いからという見方が有力です。 「複数社の掛け持ちが多いのも実情だ。主要100社の招集通知に記載されている人事案を集計すると、社外取締役の兼務比率は49%となる。兼務先が主要100社に含まれない企業でもカウントしている。  兼務が目立つのは経営の経験が豊富な候補者が少ないためだ。こうした事情を映し、学者出身の社外取締役が16年度に約2割まで増える見通し。14年に東証が上場企業全体を調べた際は学者出身の比率は11%だった。」 最も兼務数が多いのは5社で、 ● 伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授 ● 三村明夫・新日鉄住金名誉会長 他1名の3人なのだそうです。   ■ こんどはスチュワードシップ・コードから投資運用会社からの厳しい基準が 企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)とくれば、次はスチュワードシップ・コードということで、こういう記事がありました。 2016/6/17付 |日本経済新聞|朝刊 会社案賛成、基準厳しく 運用会社の議決権行使  株主重視促す 社外取締役や還元性向を注視 「国内の運用会社が投資先の株主総会に向け、会社提案に賛成する条件を厳しくしている。野村アセットマネジメントは取締役会への出席率が低い社外取締役の再任に原則反対する。大和住銀投信投資顧問は手元資金が過大な企業には総還元性向50%以上を配当議案賛成の条件とする。議決権を通じて経営者に改革を働きかけ、株主重視の経営をするよう促す。」 (下記は、同記事添付の運用各社の主な議決権行使基準の一覧表を転載) この中でもやはり、社外取締役の貢献度について着目しているという一文がありました。 「今年は社外取締役を起用するだけでなく、その質を問う傾向が強まっている。野村アセットやアムンディ・ジャパンは社外取締役に75%以上の取締役会への出席率を求め、未達成者の再任に反対する。三菱UFJ信託銀行は社長の取締役再任にあたり、取引先やグループ企業などの出身者ではない独立社外取締役の複数起用を求める。  投資先の社外取締役と面談し、活動内容を検証しているのはみずほ信託銀行だ。取締役会で活発に発言しているかなどを聞き取り調査し、社外取締役の活用度を議案の賛否に生かす。」 こちらは単純に出席率ではなく、発言内容など、「質」もきちんと評価する姿勢が見受けられます。 本稿のテーマから少し脱線しますが、下記のようなサブテーマもあります。 「議決権行使の基準を厳しくするだけでなく、企業に配慮して現実的な基準を打ち出す運用会社もある。米ブラックロックは社外取締役の独立性基準を緩め、取引先の金融機関出身者を認めるように変更した。社外取締役のなり手が見当たらず、条件を満たせられない企業が多いためだ。」 これを受けて、事業会社側の動向も報道されています。   2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 社外監査役の独立性説明 「新日鉄住金は議決権行使助言会社や株主から総会議案に関連する意見を受けたことを明らかにするとともに、意見に対する補足説明を発表した。  同社の社外監査役を務める三菱東京UFJ銀行の永易克典相談役が「独立性に欠ける」との指摘には「現在は銀行の業務執行者でない」などとし問題がないと主張した。」 監査役も含め、社外役員の適材となり得る人材層の薄さ、結構深刻さを増していることが手に取るようにわかります(急に複数人を選任しろ、というからね)。   ■ 再び社外取締役の出席率と社外取締役にふさわしい層を考える 人手不足ならば、多種多様な領域から社外役員を迎えればいいのでは、とお考えになる向きもいらっしゃると思います。しかし、最初の16日の記事の最後の辺りに、 「日立製作所は外国人の社外取締役に対し、必要なら議題に関して事前にレクチャーし、事業拠点も案内する。同社は兼務を原則4社までとしている。三菱商事は社外取締役が財務諸表の見方など経営に関する知識を学ぶ費用を負担している。」 とあり、そんな促成栽培をせざる得ない上場ルールは、形式面に陥り、決して実質的に「株主のためにも企業のためにもなっていないように思えます。 ⇒「企業統治、株主目線で磨く 指針導入1年 社外取締役6000人超す 全体の2割、監視強化 - 株式持ち合いや買収防衛策についても説明」 ⇒「社外取締役の有力供給源 大手法律事務所、就任にためらい 利益相反を懸念/本業に不利益も」 ⇒「社外役員の兼務制限 日立、4社まで 外部の知見、自社に集中」 ⇒「役員の賠償、会社も負担 政府、指針で容認 社外から迎えやすく」 しかしながら、やはり他所の企業経営者というのは、質の高い提言をしてもらえるということで、他の分野の出身者より歓迎される傾向が強いようです。   2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 企業統治を聞く 「セブン」は改革の成果 「――今年の株主総会の注目点は何ですか。 取締役会の構成だ。経営から独立した立場で少数株主の利益を代表する社外取締役が少ない。人材も学者などに偏っている。会社経営の経験者をもっと入れてほしい。若い世代も必要だ。多様性が革新をもたらす」 YK・パーク氏(APGサステナビリティ・ガバナンス担当ディレクター) そして再び日本電産の永守氏の出席率と社外取締役としての資格(資質・経験についてではなく、議論への参加貢献度について)の有無について、焦点を当てた記事がありました。   2016/6/18付 |日本経済新聞|朝刊 議決権助言会社、ソフトバンク社外取締役の永守氏再任案に「賛成」 出席率低いが人物評価 「ソフトバンクグループが22日に開く株主総会を巡り、議決権行使助言大手の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が、社外取締役である永守重信・日本電産会長兼社長の再任議案に賛成推奨したことが17日分かった。同氏は2015年度のソフトバンクグループの取締役会への出席率が56%と低かったが、人物本位で評価した。  ISSは出席率が75%に満たない取締役の選任議案に原則反対する方針を掲げており、今回のような対応は異例。ソフトバンクグループは招集通知で「より踏み込んだ日程調整」を日本電産側とし、今後は出席率の改善を図れるとの見通しを説明していた。ISSは出席率が改善すれば永守氏の知見がソフトバンクグループの株主価値向上に貢献すると判断した。」 単純な形式基準にとらわれることなく人物本位での評価が行われた。そういえば聞こえがいいですが、これは著名な敏腕経営者である永守氏だからこそ勝ち得た当然の評価。それ以外の経営者(実力はあれど、マスコミでの知名度など、惜しい点がある人物)についても、すべからく人物本位で評価してもらいたいものです。 最後に一言。株主総会への議決権行使はネットでもできるようになったんですよね。じゃあ、取締役会もSkypeやpolycomでやればいいんじゃないですかね。あっ、今、小職の同僚がこの一節を読んで笑った顔が目に浮かびます。小職の上司が、Skypeの使い方が分からず、小職との遠隔地会議を電話会議にしたエピソードを知っていますからね。(^^;) (注)職業倫理の問題から、公開情報に基づいた記述に徹します。また、それに対する意見表明はあくまで個人的なものであり、筆者が属するいかなる組織・団体の見解とも無関係です。現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します