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■ 金融ニッポン・トップシンポジウムで語られたフィンテック

経営管理会計トピック

日本経済新聞にて、10/6と10/16に分けて、「金融ニッポン・シンポジウム」の様子が報道されました。16日の記事は、「特集」扱いで、電子版には転載が無いので、紙面で確認するだけの方もいらっしゃったかと思います。本投稿で、両記事のサマリ(ただしフィンテック関連箇所だけですよ)をダイジェストで。

2015/10/6付 |日本経済新聞|朝刊 成長モデル 変革急ぐ 金融ニッポン・トップシンポジウム金融×IT 平野氏 他業態参入進む/国部氏 異業種と連携も

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「日本再生に向けた金融の役割を探る金融ニッポン・トップシンポジウム(主催・日本経済新聞社)が5日、「金融の未来図」をテーマに東京・大手町の日経ホールで開かれた。3メガバンクと2大証券のトップは金融とIT(情報技術)が融合した「フィンテック」の台頭、「貯蓄から投資」の流れを踏まえ「成長モデルの変革が急務」との見方で一致。海外市場にも注力する考えを示した。」

(2015/10/06 朝刊同記事添付のグラフを転載)

20151006_フィンテック企業への投資は1年で3倍に_日本経済新聞朝刊

各社トップが、そろって口にした環境変化がまず「フィンテック」の台頭でした。金融規制の枠外にあるIT企業が、既存の金融機関の業務分野に進出し、銀行規制の不平等への遺憾の念と、異業種参入の脅威が滲む講演内容であったようです。しかし、別投稿でも言及させて頂いたように、金融業界への規制緩和で、IT事業会社を傘下にできるように規制緩和されるので、もう規制のせいにして、IT武装競争への遅れの言い訳はできません。

⇒「フィンテック(FinTech)の最新動向 日本経済新聞より

3メガバンクはそれぞれ、フィンテック専門部署を相次いで設立しています。その中で、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は、

「ITで低コスト化が進む非対面ビジネスと、高度なコンサルティング機能が必要な対面ビジネスが、それぞれ分かれて進化すると分析した。対面ビジネスは相談のしやすさが重視され、店舗は従来の駅前の一等地より住宅地のほうが望ましいと述べ、「店舗戦略が根底から覆される」」

と、フィンテックで進む非対面式金融サービスと、高度なコミュニケーション能力を要する対面式金融サービスとが分化し、特に後者の店舗立地戦略を、ターゲット顧客(おそらく高齢の富裕層を想定していると思われる)が住まう住宅地に絞っていると思われる節があります。

それでは、以下の章では、各金融トップの講話の中から、「フィンテック」に関連するコメントをできるだけぎゅっと、濃縮してお伝えします。

(以下、2015/10/16:トップシンポジウム「金融の未来図」 金融ニッポン(28面、29面の)新聞記事を引用しつつギュッと再編集しています)

決済から金融を考える (KINZAIバリュー叢書)

■ 大和証券グループ本社社長 日比野隆司氏

個人向け証券ビジネスの重点テーマは3つある。
1)資産管理型ビジネスの拡大
2)アジア資産に対する投資ニーズの拡大
3)先端ITの活用

ITを金融分野に応用する「フィンテック」が注目を集めている。当社のフィンテック関連の取り組みは、

① ビッグデータ活用
顧客属性、取引・行動履歴を活用し、提案レベルの飛躍的向上を図る。

② 「ロボアドバイザー」によるサービス
投資家がインターネット上で質問に答えると、自動でリスク許容度に合った資産構成が完成する、ネット上の簡易ラップサービス。 

③ 人工知能による音声認識によるコールセンターの業務支援

仮想通貨

■ 野村ホールディンググループCEO 永井浩二氏

ビッグデータ、高度な情報処理技術の進化形である人工知能(AI)やロボットは、我々の生活を一変させる可能性がある。イノベーションと金融を融合させた概念である「フィンテック」が進化していけば、金融サービスそのものが変わり、金融機関のビジネスモデルも根底から変化を迫られる。

1)インターネット技術やそのセキュリティ水準は向上する中で、金融の基本的な機能である「決済」分野で、ペイパルやLINEが台頭

2)証券市場では機関投資家を中心にコンピュータのプログラムを用いたアルゴリズム取引が主力になりつつある。自動株式売買ロボットに判断を任せる「株ロボくん」が登場している

2015/10/16付 |日本経済新聞|朝刊 (スクランブル)負けぬロボ「投資家」 レンジ相場、冷静に売買

「15日の日経平均株価は反発し、週初からの連続大幅安がひとまず一服した。8月中旬以降、1万8000円を中心としたレンジ相場で投資テーマが見いだしにくい状況だ。運用者は四苦八苦だが、そんな悩みと無縁の、しぶとく負けない「投資家」がいた。」

(同記事より株ロボファンドの成績表を転載)

20151016_8月以降の荒れ相場でカブロボファンドは底堅い運用_日本経済新聞朝刊

「攻めあぐねるプロを横目に、淡々と押し目買いし、利食い売りを続ける「投資家」がいる。T&Dアセットマネジメントの「日本株ロボット運用投信(愛称カブロボ)」だ。」

(同記事より株ロボファンド組み入れ上位銘柄表を転載)

20151016_カブロボファンドの組み入れ上位銘柄_日本経済新聞朝刊

「カブロボ」には感情はなくて勘定だけがある。だから、ヒューリステックな判断ミスは侵さず、ひたすら冷静に、売買のサインを出します。

「金融工学を駆使した4体のロボットが、過去5~10年程度の個別銘柄の値動きの特性や財務内容などをみて、売買サインを出す。とはいえ安く買って高く売るなど手法は極めてシンプルだ。人の判断が介する運用と大きく違うのは、恐れず、冷静に売買を実行できること」

(以下、筆者のコメント)
これでは、インデックスファンドより手数料の高いアクティブファンドを買う余地はなく、おそらく、インデックスファンドに近い手数料による「ロボファンド」が市場を席巻する日も近い??? ここにも、人工知能(AI)に仕事を奪われるホワイト・カラーを発見です!

しかし、ここから永井氏は持論を展開。一気にITに偏らない金融サービスのあり方を提言されています。

(ここから永井氏の講演内容に戻る)
ユーザー目線から考えると、顧客ニーズの一人一人の価値観や人生観に基づいており、定量化は難しい。よって、金融に対する顧客の本質的ニーズはテクノロジーだけでは完結しない。単に運用パフォーマンスが上がればそれでよし、ではなく、顧客との会話の端々から価値観や人生観に基づいた潜在的ニーズをくみ取る必要がある。

一方で、データ集計・分析、それに基づく推論の組み立てはITの得意分野で、人間より高付加価値サービスが提供できる。したがって、金融イノベーションの本質は、テクノロジーの進化そのものではなく、人がそれをうまく活用することで新しい価値を生み出すところにある。

(筆者コメント:いいこといいますね~。優秀なスタッフの原稿ですね。でも、音声認識から話者の感情を読み取ったり、相談者のプロファイルから最適な金融商品を提案するAIサービスはもう実用化されていますよね。如何にテクノロジーを使いこなすか、という視点が大事という考えはフルアグリーですが、思っている以上に、今のAIは大したことできますよ!!!!)

2020年金融サービス―ITと融合するリテール金融の未来像

■ 三菱UFJフィナンシャル・グループ社長 平野信行氏

金融ではICT(情報通信技術)の飛躍的な発展が国内外を問わず影響を及ぼし、他業態の参入を加速させる。海外を中心に「フィンテック」と呼ばれるベンチャー企業が活発化している。彼らは我々が掘り起こせていなかった金融ニーズを開拓し、決済・貸出などの伝統的な銀行ビジネスに進出している。

MUFGは、「デジタルイノベーション推進部」という専門部署を設置。米シリコンバレーに行員を派遣し、新技術の調査、ベンチャー企業との連携を模索している。人工知能(AI)の技術はウェブサイトやコールセンター、店舗での照会対応や資産運用、与信判断業務の支援で活用したい。

(筆者コメント:だから、その分野でのIT活用はもう欧米では実用化されているんですよ。これから調査します、はもう周回遅れなんです。「フィンテック」はベンチャーがやっていて、新しいことです、と思っている段階で遅れています。)

現代の金融入門 [新版] (ちくま新書)

■ みずほフィナンシャルグループ社長 佐藤康博氏

データ処理の速度向上や人工知能(AI)の発展などの技術革新をベースにしたのがフィンテックだ。自動車産業におけるグーグルのように、生産された製品を使って世の中の仕組みを変える「プラットフォーマー」がものづくりの会社をしのぐ時代が来ている。
 特にリテール(小口金融)では大きな変革がもたらされる。対面と非対面によるサービスが分かれて進化していく。対面でしか実現できない機能がある。

(筆者コメント:ものづくりにおける「インダストリー4.0」や「IoT」のことを引き合いに出して何か言いたかったようですが、ネットとリアルが融合しても、最後に、リアルの世界で、「センシング」と「アクチュエータ」の問題があり、すべてがデジタルで完結しないのが製造業/サービス業でわかっていることです。メカトロ技術は最後まで、日本の製造業の強みであり続けるでしょう。たしかに、プラットフォームは欧米企業に取られていてもね。でも、ビジネスは儲かればいいんです。アップルのエコシステムの中で、最新・最高の電子デバイスを供給していればいいじゃないですか。あと、「対面」「非対面」で金融サービスが分化するというのは、申し訳ないのですが、ITが使えないデジタル・デバイドされがちな高齢者向けの「対面」ビジネスのことを指しているなら、超高齢化社会到来の日本市場のここ10年内の特殊事情ですよ。そのうち、日本の高齢者もIT使えるようになります。世代交代して。その時でも、残る「対面」サービスって何ですか?)

2015/10/20付 |日本経済新聞|夕刊 (街角スケッチ)サンフランシスコから 接客店員いないファストフード

(同記事より写真転載)

20151020_サンフランシスコから 接客店員いないファストフード_日本経済新聞夕刊

「米西海岸のサンフランシスコ市に最近登場したファストフード店が話題となっている。南米原産の雑穀キヌアを使った健康的なメニューを提供することに加えて、注目されているのは「接客」を機械化して、店内に客に対応する店員をおかない点だ。」

金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書)

■ 三井住友銀行頭取 国部毅氏

フィンテック活用の流れも加速する。10月1日には三井住友フィナンシャルグループにITイノベーション推進部という新組織を作った。必要に応じ柔軟に異業種パートナーとも手を組み、従来の金融の枠を超えた付加価値を提供する。

(筆者コメント:MUFGでのコメントと同じ。「これから勉強します」では既に遅いんですよ。)

最後に、別段、金融トップの講演の揚げ足取りをしたわけではなく、このままでは欧米のいわゆる「フィンテック」関連企業にすべて市場を持って行かれますよ、という危機感を持っていただきたいという筆者からの強い応援メッセージなのです。

製造業も、「インダストリー4.0」「IoT」「ビッグデータ」「クラウド」云々言われているけど、日本の金融業もがんばれ!!

12大事件でよむ現代金融入門




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フィンテック(FinTech)の最新動向(4)「金融ニッポン・トップシンポジウム」で語られたフィンテック 日本経済新聞よりhttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/1-e1427893099240.jpghttp://keieikanrikaikei.com/wp-content/uploads/2015/04/経営管理会計トピック1-150x150.jpg小林 友昭テクノロジーFinTech,みずほフィナンシャルグループ,フィンテック,三井住友フィナンシャルグループ,三菱東京UFJフィナンシャル・グループ,佐藤康博,国部毅,大和証券グループ本社,平野信行,日比野隆司,株ロボ,永井浩二,野村ホールディンググループ■ 金融ニッポン・トップシンポジウムで語られたフィンテック 日本経済新聞にて、10/6と10/16に分けて、「金融ニッポン・シンポジウム」の様子が報道されました。16日の記事は、「特集」扱いで、電子版には転載が無いので、紙面で確認するだけの方もいらっしゃったかと思います。本投稿で、両記事のサマリ(ただしフィンテック関連箇所だけですよ)をダイジェストで。 2015/10/6付 |日本経済新聞|朝刊 成長モデル 変革急ぐ 金融ニッポン・トップシンポジウム金融×IT 平野氏 他業態参入進む/国部氏 異業種と連携も (注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 「日本再生に向けた金融の役割を探る金融ニッポン・トップシンポジウム(主催・日本経済新聞社)が5日、「金融の未来図」をテーマに東京・大手町の日経ホールで開かれた。3メガバンクと2大証券のトップは金融とIT(情報技術)が融合した「フィンテック」の台頭、「貯蓄から投資」の流れを踏まえ「成長モデルの変革が急務」との見方で一致。海外市場にも注力する考えを示した。」 (2015/10/06 朝刊同記事添付のグラフを転載) 各社トップが、そろって口にした環境変化がまず「フィンテック」の台頭でした。金融規制の枠外にあるIT企業が、既存の金融機関の業務分野に進出し、銀行規制の不平等への遺憾の念と、異業種参入の脅威が滲む講演内容であったようです。しかし、別投稿でも言及させて頂いたように、金融業界への規制緩和で、IT事業会社を傘下にできるように規制緩和されるので、もう規制のせいにして、IT武装競争への遅れの言い訳はできません。 ⇒「フィンテック(FinTech)の最新動向 日本経済新聞より」 3メガバンクはそれぞれ、フィンテック専門部署を相次いで設立しています。その中で、みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は、 「ITで低コスト化が進む非対面ビジネスと、高度なコンサルティング機能が必要な対面ビジネスが、それぞれ分かれて進化すると分析した。対面ビジネスは相談のしやすさが重視され、店舗は従来の駅前の一等地より住宅地のほうが望ましいと述べ、「店舗戦略が根底から覆される」」 と、フィンテックで進む非対面式金融サービスと、高度なコミュニケーション能力を要する対面式金融サービスとが分化し、特に後者の店舗立地戦略を、ターゲット顧客(おそらく高齢の富裕層を想定していると思われる)が住まう住宅地に絞っていると思われる節があります。 それでは、以下の章では、各金融トップの講話の中から、「フィンテック」に関連するコメントをできるだけぎゅっと、濃縮してお伝えします。 (以下、2015/10/16:トップシンポジウム「金融の未来図」 金融ニッポン(28面、29面の)新聞記事を引用しつつギュッと再編集しています) 決済から金融を考える (KINZAIバリュー叢書) ■ 大和証券グループ本社社長 日比野隆司氏 個人向け証券ビジネスの重点テーマは3つある。 1)資産管理型ビジネスの拡大 2)アジア資産に対する投資ニーズの拡大 3)先端ITの活用 ITを金融分野に応用する「フィンテック」が注目を集めている。当社のフィンテック関連の取り組みは、 ① ビッグデータ活用 顧客属性、取引・行動履歴を活用し、提案レベルの飛躍的向上を図る。 ② 「ロボアドバイザー」によるサービス 投資家がインターネット上で質問に答えると、自動でリスク許容度に合った資産構成が完成する、ネット上の簡易ラップサービス。  ③ 人工知能による音声認識によるコールセンターの業務支援 仮想通貨 ■ 野村ホールディンググループCEO 永井浩二氏 ビッグデータ、高度な情報処理技術の進化形である人工知能(AI)やロボットは、我々の生活を一変させる可能性がある。イノベーションと金融を融合させた概念である「フィンテック」が進化していけば、金融サービスそのものが変わり、金融機関のビジネスモデルも根底から変化を迫られる。 1)インターネット技術やそのセキュリティ水準は向上する中で、金融の基本的な機能である「決済」分野で、ペイパルやLINEが台頭 2)証券市場では機関投資家を中心にコンピュータのプログラムを用いたアルゴリズム取引が主力になりつつある。自動株式売買ロボットに判断を任せる「株ロボくん」が登場している 2015/10/16付 |日本経済新聞|朝刊 (スクランブル)負けぬロボ「投資家」 レンジ相場、冷静に売買 「15日の日経平均株価は反発し、週初からの連続大幅安がひとまず一服した。8月中旬以降、1万8000円を中心としたレンジ相場で投資テーマが見いだしにくい状況だ。運用者は四苦八苦だが、そんな悩みと無縁の、しぶとく負けない「投資家」がいた。」 (同記事より株ロボファンドの成績表を転載) 「攻めあぐねるプロを横目に、淡々と押し目買いし、利食い売りを続ける「投資家」がいる。T&Dアセットマネジメントの「日本株ロボット運用投信(愛称カブロボ)」だ。」 (同記事より株ロボファンド組み入れ上位銘柄表を転載) 「カブロボ」には感情はなくて勘定だけがある。だから、ヒューリステックな判断ミスは侵さず、ひたすら冷静に、売買のサインを出します。 「金融工学を駆使した4体のロボットが、過去5~10年程度の個別銘柄の値動きの特性や財務内容などをみて、売買サインを出す。とはいえ安く買って高く売るなど手法は極めてシンプルだ。人の判断が介する運用と大きく違うのは、恐れず、冷静に売買を実行できること」 (以下、筆者のコメント) これでは、インデックスファンドより手数料の高いアクティブファンドを買う余地はなく、おそらく、インデックスファンドに近い手数料による「ロボファンド」が市場を席巻する日も近い??? ここにも、人工知能(AI)に仕事を奪われるホワイト・カラーを発見です! しかし、ここから永井氏は持論を展開。一気にITに偏らない金融サービスのあり方を提言されています。 (ここから永井氏の講演内容に戻る) ユーザー目線から考えると、顧客ニーズの一人一人の価値観や人生観に基づいており、定量化は難しい。よって、金融に対する顧客の本質的ニーズはテクノロジーだけでは完結しない。単に運用パフォーマンスが上がればそれでよし、ではなく、顧客との会話の端々から価値観や人生観に基づいた潜在的ニーズをくみ取る必要がある。 一方で、データ集計・分析、それに基づく推論の組み立てはITの得意分野で、人間より高付加価値サービスが提供できる。したがって、金融イノベーションの本質は、テクノロジーの進化そのものではなく、人がそれをうまく活用することで新しい価値を生み出すところにある。 (筆者コメント:いいこといいますね~。優秀なスタッフの原稿ですね。でも、音声認識から話者の感情を読み取ったり、相談者のプロファイルから最適な金融商品を提案するAIサービスはもう実用化されていますよね。如何にテクノロジーを使いこなすか、という視点が大事という考えはフルアグリーですが、思っている以上に、今のAIは大したことできますよ!!!!) 2020年金融サービス―ITと融合するリテール金融の未来像 ■ 三菱UFJフィナンシャル・グループ社長 平野信行氏 金融ではICT(情報通信技術)の飛躍的な発展が国内外を問わず影響を及ぼし、他業態の参入を加速させる。海外を中心に「フィンテック」と呼ばれるベンチャー企業が活発化している。彼らは我々が掘り起こせていなかった金融ニーズを開拓し、決済・貸出などの伝統的な銀行ビジネスに進出している。 MUFGは、「デジタルイノベーション推進部」という専門部署を設置。米シリコンバレーに行員を派遣し、新技術の調査、ベンチャー企業との連携を模索している。人工知能(AI)の技術はウェブサイトやコールセンター、店舗での照会対応や資産運用、与信判断業務の支援で活用したい。 (筆者コメント:だから、その分野でのIT活用はもう欧米では実用化されているんですよ。これから調査します、はもう周回遅れなんです。「フィンテック」はベンチャーがやっていて、新しいことです、と思っている段階で遅れています。) 現代の金融入門 (ちくま新書) ■ みずほフィナンシャルグループ社長 佐藤康博氏 データ処理の速度向上や人工知能(AI)の発展などの技術革新をベースにしたのがフィンテックだ。自動車産業におけるグーグルのように、生産された製品を使って世の中の仕組みを変える「プラットフォーマー」がものづくりの会社をしのぐ時代が来ている。  特にリテール(小口金融)では大きな変革がもたらされる。対面と非対面によるサービスが分かれて進化していく。対面でしか実現できない機能がある。 (筆者コメント:ものづくりにおける「インダストリー4.0」や「IoT」のことを引き合いに出して何か言いたかったようですが、ネットとリアルが融合しても、最後に、リアルの世界で、「センシング」と「アクチュエータ」の問題があり、すべてがデジタルで完結しないのが製造業/サービス業でわかっていることです。メカトロ技術は最後まで、日本の製造業の強みであり続けるでしょう。たしかに、プラットフォームは欧米企業に取られていてもね。でも、ビジネスは儲かればいいんです。アップルのエコシステムの中で、最新・最高の電子デバイスを供給していればいいじゃないですか。あと、「対面」「非対面」で金融サービスが分化するというのは、申し訳ないのですが、ITが使えないデジタル・デバイドされがちな高齢者向けの「対面」ビジネスのことを指しているなら、超高齢化社会到来の日本市場のここ10年内の特殊事情ですよ。そのうち、日本の高齢者もIT使えるようになります。世代交代して。その時でも、残る「対面」サービスって何ですか?) 2015/10/20付 |日本経済新聞|夕刊 (街角スケッチ)サンフランシスコから 接客店員いないファストフード (同記事より写真転載) 「米西海岸のサンフランシスコ市に最近登場したファストフード店が話題となっている。南米原産の雑穀キヌアを使った健康的なメニューを提供することに加えて、注目されているのは「接客」を機械化して、店内に客に対応する店員をおかない点だ。」 金融の世界史: バブルと戦争と株式市場 (新潮選書) ■ 三井住友銀行頭取 国部毅氏 フィンテック活用の流れも加速する。10月1日には三井住友フィナンシャルグループにITイノベーション推進部という新組織を作った。必要に応じ柔軟に異業種パートナーとも手を組み、従来の金融の枠を超えた付加価値を提供する。 (筆者コメント:MUFGでのコメントと同じ。「これから勉強します」では既に遅いんですよ。) 最後に、別段、金融トップの講演の揚げ足取りをしたわけではなく、このままでは欧米のいわゆる「フィンテック」関連企業にすべて市場を持って行かれますよ、という危機感を持っていただきたいという筆者からの強い応援メッセージなのです。 製造業も、「インダストリー4.0」「IoT」「ビッグデータ」「クラウド」云々言われているけど、日本の金融業もがんばれ!! 12大事件でよむ現代金融入門現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します