■ 命令口調をやめる。主語を「私」にする。
命令口調をやめて、
お願い口調や「私」を主語にして伝えると、
それだけで勇気を与えられるだろう。
—————————————————–
ここでいう「命令口調」とは、
「この原稿、明日の朝までに公正しておいてね。」
「このファイルをメールに添付して送ってね。」
という類の言葉を指します。パッと聞くと、柔らかい表現で丁寧に聞こえますが、その実、選択の余地がなく、相手の行動を限定・制約する命令に他なりません。命令口調で指示された方は、「自分の立場や状況が尊重されていない」と反感を覚えずにはいられないでしょう。そして、アドラー的には、不快感と共に「勇気をくじかれた」と感じるものです。
同じ内容を「お願い口調」に変えるだけで、アドラー的には「勇気づけ」の言葉に変身します。
「この原稿、明日の朝までに公正しておいてくれますか?」
「このファイルをメールに添付して送ってもらってもいいですか?」
このように、相手に Yes or No の選択の余地がある問いかけにするだけで、相手方は自分の立場が尊重されていると感じ、勇気づけを与えられたと思うでしょう。
さらに、「アイ・メッセージ」を使う方法も同様の効果があるでしょう。
「この原稿を、明日の朝までに公正してくれると、『私』はとっても助かるんだけどな~」
「このファイルをメール添付で送ってくれると、『私』はとても嬉しいんだけどな~」
このような「アイ・メッセージ」は、「ユー・メッセージ」の対局にあります。
「この原稿は、明日の朝までに『あなた』が公正しておくべきだと思うよ」
「このファイルは『あなた』がメール添付で送ってくれないかな」
「ユー・メッセージ」が冷たく、断定的な印象を与えるのに対し、「アイ・メッセージ」は温かく、相手の裁量権を認める印象を与えます。相手に選択の余地を与える言い方は、相手が自分の立場を尊重してくれていると感じる可能性大です。よりスムーズにあなたの意見やお願い、意思が通ることが多くなるでしょう。
相手へのお願いの仕方に選ぶ言葉ひとつで、「勇気づけ」にも「勇気くじき」にもなる。今回はそういうお話でした。えっ、私ですか? そりゃもう、気を使いすぎて、一週回って、命令口調で仕事をまわすことになり、四苦八苦しています。ダメじゃん!(^^;)
コメント