■ 過ぎたるは及ばざるが如し
今回は、どこかで聞きかじった名言を自分自身の言葉としてお届けします。(^^;)
経営コンサルタントとして、一歩も二歩も先んじた、クライアントの全く思いつきもしないアイデアを提案しても、狂人の戯言として見向きもされません。大事なのは、クライアントの琴線に触れる、クライアントの肌感覚のある程度の範囲の中で、最良の解を見つけて差し上げること。
数多くある最も歓迎されるケースとしては、
(1)目的ははっきりしているが、解決手段が見つからないときに、具体的な解決策の提案をすること
(2)何らかの不具合があることには気づいているが、原因が分からない場合に、課題の切り分けを行い、何がイシューか明示すること
(3)解決策がいくつか思いついたが、どれが最適解が不明な場合、メリット・デメリットを可視化し、解決策の選択の意思決定のサポートをすること
これらはどれも、全くゼロからの提案作業になっていない所がミソなのです。
よく、テレビドラマや漫画なんかで、凄腕コンサルタント、敏腕コンサルタントが、クライアントどころが、一般常識では誰も思いもつかないような見事な解決策を提示し、それを実行し、結果を出して、すごい! と賞賛を受ける場面が描かれますが、誇張どころか、少しも現実感が無いシーンにしか見えません。
誰も思いつかなかったことは、もしそれが提案されても、本当にそれが良いのか悪いのか、誰も判断ができないということです。クライアントからコンサルタントフィーを頂戴して、何らかの付加価値がある提案を行うことを生業としている以上、クライアントにきちんと仕事っぷりを評価して頂かないと、次の契約につながりません。
つまり、「俺はこれだけのことをやったぞ!」という自己満足だけでは、次の仕事にはつながらないのです。
俺はこれだけのことができるんだ、おれが賢いんだ、という自己証明は、勝手に他所でやっててください。派手さは無いですが、着実にクライアントのお困りごとを解決すること。地道な作業と、誠意をもった対応。それもお客様の理解できる範囲内で。そのギリギリの限界値、閾値が分かるためには、自分の中の専門知識や経験は一歩も二歩もクライアントの先を行っていなければいけないのです。
しかし、クライアントに見せるのは、その半歩先だけでいいのです。クライアントが真に理解できることしか、実行に移せないのだから。その実現可能性まで斟酌した場合、半歩先というのが、一番しっくりくるポイントなのです。(^^;)
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