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コンサルタントの秘密 – 技術アドバイスの人間学(1)シャービーの三大法則

本レビュー
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20171113_Gerald M. Weinberg ■ コンサルタント業は、ちょっと見たほど楽じゃない!

このシリーズは、G・W・ワインバーグ著『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学』の中から、筆者が実地で参考にしている法則・金言・原理を、筆者のつまらないコメントや経験談と共にご紹介するものです。

G.W.ワインバーグ氏の公式ホームページはこちら(英語)

本書は、コンサルタントになるためのハウツー本ではなく、コンサルタントが直面する一見非合理的な行動にひそむ合理性に関しての、著者の発見を記したものです。コンサルタントになってしまった人、コンサルタントを使う立場の人、その両者がコンサルティング契約からできるだけ上手に結果を引き出すための箴言集という建付けになっています。

ワインバーグ氏いわく、コンサルタントにとって、非合理的な要求を続けるクライアントとの付き合いの中で、次の3つの道(対処法。心構え)があるそうで。

(1)合理的であり続け、発狂する
(2)非合理的になって、気違いと呼ばれる
(3)非合理性に対して合理的になる

(注:一部、現代用語的に不適切な表現がありますが、本シリーズは原著を尊重して、そのままの用語を使用します)

これには、依頼主(クライアント)とコンサルタント双方に伝統的な言い分があることも理解しています。クライアントからすれば、コンサルタントが言うことは、「〇〇が問題であることが分かりました。さあ、〇〇の課題解決方法を見つけてください」ということに終始しているという苦言。コンサルタントからすれば、「クライアントというものは、自分で解決できる問題だけ先に自分で解いてしまい、自分たちだけでどうにもならない問題だけをコンサルタントに押し付けて、どうにかしてもらいたがるしょうがないものだ」という苦言をよく耳にします。

どっちもどっちで、自分の非合理性を相手に押し付けていることについては、同罪であると筆者は思うのですがいかがでしょうか?

当然、本著における法則・金言・原理からなる箴言のほとんどは、第三の道、「非合理性に対して合理的になる」ための方法を説くものです。

 

■ シャービーの三大法則

ワインバーグ氏によれば、コンサルタントになるためには2つの条件があるそうです。

① 「〇〇コンサルタント」と呼ばれる
② 影響を及ぼしてくれという誰かの要請を受け入れる

つまらない仕事に、「〇〇コンサルタント」というたいそうな名前を付けて、外部・臨時要員に安価に目的のタスクを遂行させようとするケースもあります。また、定義②によれば、コンサルタントとは常に特定の問題を処理するために外部から招聘を受けたアウトサイダーである必要もありません。

社内組織であるはずの情報システム部の長が部員に対して、「皆さんは社内コンサルタントとして、他部署からの依頼事項に対して、最適なソリューションを提供できるように心がけてください」というスローガンみたいなやつです。

そうした、誰かの依頼の元に、タスクを遂行し、問題を解決しようと奮闘するコンサルタントが、新しい仕事を引き受ける際に、必ず心に留め置かなければならない法則がこちらです。

コンサルタントの第1の法則
依頼主がどういおうとも、問題は必ずある

コンサルタントの第2の法則
一見どう見えようとも、それは常に人の問題である

コンサルタントの第3の法則
料金は時間に対して支払われるのであって、解答に対して支払われるのではない、ということを忘れてはならない

さあ、次回から、このシャービーの法則のひとつずつ、その帰結となる法則も含めて説明を続けていきたいと思います。

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