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そうか、君は課長になったのか。(6)最初に君の信念を示す - 本気で考えて、本気で伝える

本レビュー
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■ 方針や考え方は必ず文書にする!

コンサルタントのつぶやき

このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。

佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト

この節は、まずは佐々木さんから未経験の部署に着任した仮想の課長へのメッセージから始まります。

まずは、きちんと挨拶をすることです。
(中略)
挨拶ができているかどうかは、ある意味でその職場の活性化のバロメータでもあります。課というチームの中での信頼関係が活性化の源ですが、そのためには課のエンジンである課長の明るい挨拶が不可欠なのです。

私は、挨拶はきちんとできているか、少々不安な所もありますが、職場では、意識的に明るく振る舞っています。明るいだけでなく、ずっと雑談を続けていて、若手メンバからうざがられていますが、、、(^^;)
でも、職種がコンサルタントですからね。若手メンバは、私の雑談をうまく受け流すことで、クライアントとのコミュニケーションの訓練になればと。

さて、佐々木さんのスゴイ所は、どの職場に行っても、まず着任スピーチで、ご自身の仕事に対する信念をまとめた「仕事の進め方10か条」をお話しされるそうです。これが秀逸なんですよね。

 

■ 仕事の進め方10か条

(1)計画主義と重点主義
まず、仕事の目標設定→計画策定をし、かつ重要度を評価すること。自分の在籍期間、今年・今月・今週・今日は何をどうやるか計画すること。すぐ走り出してはいけない。優先順位をつける。

 

(2)効率主義
目的を十分に踏まえどのやり方が有効かできるだけ最短コースを選ぶこと。通常の仕事は拙速を尊ぶ。

 

(3)フォローアップの徹底
自ら設定した計画のフォローアップをすることによって自らの業務遂行の冷静な評価を行うと共に次のレベルアップにつなげる。

 

(4)結果主義
仕事はそのプロセスでの努力も理解するが、その結果で評価される。

 

(5)シンプル主義
事務処理、管理、制度、資料はシンプルをもって秀とする。すぐれた仕事、すぐれた会社ほどシンプルである。複雑さは仕事を私物化させやすく、後任者あるいは他者への伝達を困難にさせる。

 

(6)整理整頓主義
情報収集、仕事のやりやすさ、迅速性のため整理整頓が要求される。資料を探すロスの他に、見つからずに結局イチから仕事をスタートするという愚を犯す。

 

(7)常に上位者の視点と視野
自分が課長ならどうするか部長ならどうするかという発想での仕事の進め方は仕事の幅と内容を豊かにし、自分及び組織の成長につながる。

 

(8)自己主張の明確化
自分の考え方、主張は明確に持つと共に、他人の意見をよく聴くこと。自分の主張を変える勇気、謙虚さを持つこと。

 

(9)自己研鑽
専門知識の習得、他部署、社外へも足を運ぶこと。管理スタッフならば、管理会計程度は自分で勉強し、身につけておくこと。別の会社に移っても通用する技術を習得すること。

 

(10)自己中心主義
自分を大切にすること→人を大切にすること。楽しく仕事をすること。健康に気をつけること。年休をとること。

 

どうですか。佐々木さんは、この「10か条」を「信念と経験に裏打ちされた不動のもの」として、どの職場でも繰り返しメッセージングされているそうですが、その作成は、初めて課長になった時なのだそうです。ということは、40歳前後には、このような「10か条」に自分の考え方をまとめる気概を持ち、経験を既に積まれていた、ということになります。

今30代の方々は、40歳になるまでに、このような自分なりの「10か条」が信念として自分の中心に定まるか、そして、今40代の方々は、自分と部下(あるいは後輩)に共通理念として、共有したい自分の価値観を明確に示しているか、今一度ご確認されるといいかもしれません。

経営管理・管理会計を一応の専門分野としている私としては、「(9)自己研鑽」で、「独学で管理会計を身につけること、別の会社に移っても通用する技術を習得すること」の一節には、一言あります。会社経営は、その部署その部署ならではの独自の考え方、仕事の進め方が当然あります。しかし、会社全体で、全員が共有できることのひとつに、管理会計で示される会社業績の数字があります。その数字の成り立ちを自分なりに理解することは、どの部署の現場で実施されている仕事の結果と、その仕事が必要な理由を教えてくれるものです。是非、お忙しい時間を縫って、管理会計の独習をされることをお勧めします。

また、「別の会社に移っても」の箇所については、このような考え方も持っています。

「100社あったら、現象として100通りの管理会計が存在する」
「しかし、管理目的と、その組織に一番ふさわしい手法の組合せはかなりの確率でひとつかふたつに絞ることができる」
「つまり、経営管理・管理会計には、ある一定の法則が存在する」

自分自身の複数の事業会社での就労経験、コンサルタントとして、数多くのクライアント企業でのコンサルティングサービス経験から、本気になって、1社か2社の管理会計を真剣に考えると、大抵の会社の経営課題に(一定の法則に従って)応用することができると考えています。

 

■ 反復連打の必要性

佐々木さんは、着任時だけではなく、折に触れて、課長としての自分の考えを課内に浸透させるために、何度も何度もご自身の信念(10か条)を繰り返し説くのだそうです。

君には、課長になるのを機に自分の「信念」を本気になって考え抜いてほしい。そして、本気で部下に伝えるのです。
 本気であること。これがなければ、何も始まらないのです。

私は、佐々木さんほど人間ができていないので、若手メンバの指導について、本気で取り組みはしますが、ある程度のところでは、突き放すようにしています。自分の頭で考えて、自分の力を試す機会を多く持ってもらいたいからです。それゆえ、資料レビューもそこそこに、クライアントとの会議の矢面に若手を立たせて、失敗も成功もなるべく多く経験してもらうようにしています。

練習の場をより多く与えるように工夫はしていますが、一方で私自身のコンサルタントとしての信念やクライアントへの思いを熱く語っているつもりです。それが暑苦しく、時には息苦しく感じる若手コンサルタントもいるそうですが、、、(^^;)

人間は、思ったより、考えていることが表情やしぐさに出ているのだそうです。とあるNHKの番組(モーガン・フリーマン 時空を超えて)でやっていたのですが、高名な心理学者が、被験者に1枚のトランプの札を選ばせ、それを数多くの札を被験者に見せながら、被験者の表情やしぐさから、ほぼ100%の確率でその1枚を当てる、というのをやっていました。

私は、クライアントにも若手コンサルタントにも、いつでも本気・本心・共感を持って接しています。相手の真剣度ぐらい、5分も話していればすぐに見破れます(見破られます)。

『誰であれ、真剣に向き合う。』

私はこれをモットーとしています。

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