■ 社内政治力を上げるための秘訣とは?
このシリーズは、現在、東レ経営研究所特別顧問:佐々木常夫さんの16万部を超える「課長本」の決定版の1冊から、私が感銘を受けた言葉をご紹介(時には、私のつまらないコメント付きで)するものです。
佐々木さんのご紹介:オフィシャルサイト
ここから、第4章 社内政治に勝つ、のシリーズ第3弾です。
社内政治を生き抜かなくては、君がこの会社で実現したい理想は成就できません。どんな社会にも政治はつきもので、避けて通ることはできないのです。
政治力があれば、自分のプロジェクトを成功に導きやすくなりますし、部下を昇格させることも可能になります。あるいは、将来性がある新規プロジェクトを自分の部署に持って来ることもできるのです。
それでは、社内政治力を上げるにはどうしたらいいでしょうか?
(1)直属の上司だけでなく、キーパーソンと日常的に接触して顔見知りになっておく
(2)社内キーパーソンごとに、入社年度・出身大学・趣味・家族構成などプロファイルを暗記する
(3)日頃から何かと理由を付けて、キーパーソンとのコンタクトを取り続けて良好な関係を築いておく
(4)非公式組織における重要人物とのコネクションを数多く持つようにする
上記、(1)~(3)は、公式組織上の重要ポジション、有力役員や花形部署の部長など、表に見えるキーパーソンとの良好な人間関係を築くための秘訣になっています。(4)だけは、誰をキーパーソンとするかという着眼点、選球眼を持つということを重視したものになります。
■ 裏の実力者とは? ベテラン課長やお局様を見逃してはいけない!
公式的にはそれほどの地位にあるわけではないけれど、影響力が強い、どうしても外せない重要人物というものは、どの部署にも必ず存在します。例えば、ある役員は直属の部長より、その一段下のとある課長を信頼していたりします。直属の部長は、ただの年功序列で真の実力以上の地位に就いていたり、短サイクルのローテーションでその部署のことをよく知らなかったりすることがあります。役員としては、生え抜きの経験の長いたたき上げの課長の意見の方を尊重した方が、判断に間違いがないと思うのも無理はありません。そういう役員と交渉事が生じた場合、直属の部下である部長と事前の根回しをするより、役員が信頼を置いている生え抜きの課長の方に先に話を通しておいた方が、交渉事がうまくいくことは火を見るより明らかです。
また、その部署に隠然たる影響力を行使することができる、いわゆる“お局様”も無視することはできません。そういう人は、裏事情に詳しく、意外にも強い部署横断的なネットワークを持っているケースが多くあります。まずは、そうした事情通のお局様に相談したり、わざと情報を漏らして組織内に拡散してもらうなど、使い勝手がある人というのは、本当に強い味方になる可能性が高いものです。
■ 裏の実力者と仲良くなる秘訣とは?
裏の(真の)実力者を味方につけるためには、よく社内を観察することから始めなければなりません。組織表上の上位者や、監督者だけに目をやっていては、どうしても真の実力者を見出すことはできません。ちょっとした部署間会議での立ち居振る舞い、座席指定ではない場合の会議室での座り順や入室時間、日々の部署間の文書やメールのやり取りの中で、必ずCC(カーボン・コピー:Carbon Copy)に入って来る人、ちょっとした雑談における登場回数や、話題に上る際の取り上げられ方で、誰が誰を重要視していて、どの部署で誰が権力を握っているかを見極める必要があります。
佐々木さんは、もっとシンプルな秘訣を紹介してくれています。
誰とも分け隔てなく付き合うという人間として当然のことをやればいいのです。私は、「幼稚園で習ったことをできるだけでリーダーになれる」と常々言ってきました。「誰とでも仲良くする」「仲間はずれをつくらない」「悪いことをしたら謝る」「困っている人がいれば助ける」。こうしたことをきちんとやっていれば、自然と社内人脈が広がり、君を助けてくれるようになるのです。
裏の実力者と姑息な方法で仲良くなろうとする、影響力が大きい人に取り入ってお気に入りなる、といった作為的な行動は必ず反動が生じます。そうした言動は、反作用として、それを観察した人の嫌悪感を発生させます。つまり、努力して、キーパーソンとの仲を良好なものにした分と同量の反感と嫌悪感をその他の一般社員に生まれさせてしまうことになるのです。もしかすると、プラスマイナスでいうと、社内人脈形成においては、マイナスの方が大きくなるリスクがあると言えましょう。
自然体で、誰とでも仲良くする。その中に自然とキーパーソンが入って来る。最終的に強力な社内人脈を形成することができる。その地道でかつ誠実な態度は、必ず報われることになるでしょう!(^^)
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