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■ 大半の大学を職業訓練校に

経営管理会計トピック
後から紹介しますが、政府の産業競争力会議の新しい成長戦略の中に、高等教育機関の改革も盛り込まれようとしています。少子高齢化への世界一の加速度的スピードで移行している日本が、少ない労働力で多くの高齢者を支えるには、労働者一人一人の生産性を上げる必要があります。そのために、一部の大学を職業訓練校に衣替えさせて、職業訓練度を上げることを目指す動きが活発になっています。

2015/1/19|日本経済新聞|朝刊
(エコノフォーカス)稼げる大卒 どう育てる 就職率低迷、2割が非正規雇用 職業教育重視の動き

(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます

「大学での勉強が若者の役に立っていない――。そんな問題意識が世の中にじわりと広がっている。大学進学率は5割を超す一方、就職率は低迷している。大卒者が就いた仕事を雇用形態で見ると、非正規の割合が2割に達する。政府内では実践的な職業教育をする新しい学校制度をつくる動きが出てきた。就職後に職場で役立つ技能や知識を学校でどこまで教えられるのか。課題も多い。」
この記事内で、昨年10月に文部科学省が開いた有識者会議に、経営共創基盤の冨山和彦CEOが提出した案は、
① 大学を、国際的に競争する「G(グローバル)型大学」と地域に根ざした「L(ローカル)型大学」に分類する
② ごく一部のトップ校以外はL型大学と位置づけ、職業訓練校にする
というものです。
その教育内容の明細は、下記、新聞に掲載された表の通りです。
経営管理トピック_L型大学での教育内容案
そして、こうしないと、増える高齢者を支えきれないとする根拠として、OECDの大学教育費のROIが、先進国中(平均:約14%)で、日本が約7.5%と半分で最下位である事実が挙げられています。
これは、同じく新聞に掲載された下表の一番下のものをご覧ください。
経営管理トピック_大卒者の就業状況
マイケル・ポーターの戦略論を学ぶより、弥生会計ソフトの使い方を学んだ方が、教育費の元が取れるのだそうです。

■ 外国に理想型を求める功罪

ドイツでは、マイスター制度があり、小学校や中学校進学の度に、学力や適性に応じて、複線的な教育プランが用意されており、職人としての産業教育の道が広く開かれており、ドイツのものづくりを支えています。
フランスでは、8000もの職業資格が定義されており、能力・技能の見える化が行われています。そのため、「転職」ではなく、「転社」による人材の流動化の方が一般的です。
えーとですね、日本のものづくり現場やそれを支える販売や開発の現場でも、一部に「マイスター制度」を持つ企業がありますが、ほとんどは出身学部(文系・理系)を問わずに配属され、さらに年単位では社内異動があり、同一企業内で「転職」が普通に行われます。
そうすることで、他部門の事情にも精通し、全社を挙げてのすり合わせができるわけです。この全社最適を志向する「すり合わせ」ができるように、新卒一斉採用でかつ、社内における長期的教育制度(OJT中心、部署異動あり)を標準装備していたからこそ、80年代まで、日本の製造業はグローバル競争力を高く維持してきたわけです。
筆者も、代表的なところで、経理部、経営企画部、情報システム部、総務部、経営品質革新室などなど、あくまでバックオフィス中心ですが、職場異動の経験者であります。
拾うものあれば捨てるものあり。
(わざと逆に言っています、、、)

■ 冨山氏のロジック

後日、後追い記事がでました。

2015/1/28|日本経済新聞|朝刊
(働き方Next)インタビュー(5)変わる就労観 どう向き合う 大学の大半 職業訓練校に

「そもそも、日本国内ではグローバルに戦える人材の育成システムがない。テニスに例えるなら、錦織圭選手級の人材が求められているのに、国体選手を育てているようなものだ。ごく一部のトップ大学を絞り込み、欧米の一流大学並みに少数精鋭の人材を育成する仕組みが必要だろう」
「日本の雇用の7割強はサービス産業で、その多くは地方で勝負するローカル型企業だ。こうした企業で働く人にとって必要なのはシェイクスピア文学ではなく外国人用の観光英語、刑法ではなく道路交通法だ。G型大学を絞り込む一方、大半の大学は実践力を磨くL型に衣替えした方がいい。いわば職業訓練校だ」
一理あると思います。
就労前に、必要な職業訓練を施しておけば、採用企業側も即戦力として期待できます。しかし、「職業訓練内容」=「就業職種」となりますので、専門性が高まる分、汎用性を引き換えに失います。むしろ、自由主義経済の信奉者から言わせれば、「採用企業側の選択の余地が広がることはかえって、就職希望者とのマッチングがスムーズにいく」ということなのでしょう。
この場合、就労後の社内教育費がまんま浮くことになります。その分、企業収益が改善し、法人税収が上がり、職業訓練への公的支援もしやすくなる、または既就労者への賃金が上がり、子弟の教育費に回せる金額も増える、ということで、職業訓練費の負担者が移動することになります。
この辺は次章で別の有識者の意見を聞いてみたいと思います。

■ 柳川氏の持論

柳川教授は、企業が職業訓練するお金も意味も無いと主張されています。

2015/1/29|日本経済新聞|朝刊
(働き方Next)インタビュー(6)「40歳定年」で次の挑戦 スキル・知識を磨き直し

「 ――企業内でもスキルの向上はできるのでは。
 「企業内の人事・研修制度は限界にきている。まず産業の浮き沈みが激しくなっており、余剰人員の『適所』が社内にあるとは限らない。企業がM&A(合併・買収)で成長事業を手に入れても、衰退事業から全員をシフトできない限り、『社内失業』が発生する」
 「社内教育も難しい。知見のない異分野のことを社内で教えるのは無理だ。外部講師を雇おうにも企業の研修予算はバブル期に比べ減っている」」
つまり、長期的就労(いわゆる終身雇用)が前提の「社内教育」は、その会社の既存事業に対する全社規模でのすり合わせ能力の開発には、確かに有効なのですが、昨今の変化の激しい市場環境では、会社の仕組みや事業ポートフォリオを速やかに変化させていかなければなりません。
そうすると、わざわざ高いコストをかけて、社内専門知識・スキルだけが高い人を抱えているのが採算に合わなくなります。そこで、人材流動化を前提に(柳川教授は従来から、この記事内でも40歳定年制を唱えていらっしゃいます)、公的セーフティネットの中で、再就職のための職業訓練を施すことを提唱されています。
一見、経済合理的な案とは思いますが、
① その時その時の需要に合った職業訓練メニューが公的機関で適切に判断して提供できるのか
② 働く環境に対する安定・安心を重視している就業者には、中長期的な就労を提供できるような企業側の工夫を促進する策はないか
③ 上記②の理由の一部にもなっているが、転社を前提とした、税・社会保険などの仕組みはきちんと整備されているか
という問題があると思います。筆者自身、複数回の転社および転職を経験していますので、こういう問題には敏感に反応してしまいます。401k(確定拠出年金)って、ポータブル性がセールスポイントでしたが、何回かの転社の際、持ち運べた時も、持ち運べなかった時もありましたよ。

■ とどめはアベノミクス第三の矢で

こういう動きは、政府主導な面もあります。

2015/1/30|日本経済新聞|朝刊
新成長戦略、職業教育で人材力磨く 政府が検討方針 労働力・市場縮小補う

「政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は29日、今夏にまとめる新しい成長戦略の検討方針を決めた。若者が現場で役立つ知識や技術を学べる新しい教育制度や、中高年の能力開発につながる出向制度の創設が柱だ。治療目的の訪日外国人の増加も目指す。労働者の生産性向上と外需の取り込みを進め、労働力の減少と国内市場の縮小を補う狙いがある。」
「若者向けには、実践的な能力を身につける「高等教育機関制度」の創設を掲げた。現在の専門学校などを同機関に転換し、経営者による授業や企業へのインターンシップなど産業界を巻き込んだ教育を行う。卒業生を大学卒業と同じ扱いにすることも検討する。」
まあ、大卒というステータスは保証するから、それなりの偏差値の人は、大学という名の職業訓練校で手に職をつけて、増える高齢者の年金・医療を支えてください、ということらしいです。

■ 最後は流行の学説で締めます

今はやりの、ピケティ教授の言い様で今回は締めたいと思います。

2015/1/30|日本経済新聞|朝刊
ピケティ氏講演 教育や労働市場、経済格差の原因

「各国で広がる富や所得の格差は「グローバル化の結果だけではない」と述べた。「教育や労働市場、企業統治、財政政策が長期的に決定する」として、各国の制度や政策が大きな影響を与えると強調した。」
貧乏人の子は貧乏人にならないようにするには、きちんと、教育を施せ、ということを主張されています。
「資本収益率(r)> 経済成長率(g)」の式ばかり、取り沙汰されていますが、ちゃんとあの大書をすべて読んでからいろいろ批評してほしいですよね。筋の通った政策論もおっしゃっていますよね。
それから、気になるコラムがありましたのでご紹介します。

2015/1/29|日本経済新聞|朝刊 (春秋)

(都合により全文転載)
「みすず書房の本はかつて、インテリの象徴だった。あの白い装丁と、そこに綴(つづ)られた思想、哲学、芸術……。フランクルの「夜と霧」やアーレントの「全体主義の起源」を読むのが大学生のたしなみとされたのだ。そんな版元の一冊が、時ならぬブームを起こしている。
 昨年末の小欄でも触れたその本、トマ・ピケティ氏の「21世紀の資本」は異例の13万部を突破したそうだ。来日した著者はきょうから講演やシンポジウムに出ずっぱりらしい。きちんと読むと大変な著作だから「60分でわかる」「30分で理解する」などと銘打った関連書や雑誌も相次ぎ、ピケティさまさまの出版界である。
 もっともこれほど注目されるのは、この本が格差や機会の不平等を説いて誰もが無視できないからに違いない。著者の指摘がそのまま日本にあてはまるかどうかはともかく、世代間格差や若者たちの閉塞感といった問題を考えるきっかけにもなろう。雇用は不安定、年金にも頼れない、と若い人が希望を持てぬ社会なのだ。
 アジア10カ国の若者を対象にした日本経済新聞社の調査によれば、「過去1年に経済的余裕があった」と答えた人は10カ国で最も少なかったという。収入の目減りだけでなく、将来への漠然とした不安も背景にはあるだろう。ちなみにかのピケティ本、税込み5940円もするから買っていくのは中高年が多いそうである。」
貧乏な若者は、格差是正を論じている本すら高くて買えない現実。。。
何か世知辛いものを感じたのは筆者だけでしょうか?

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小林 友昭経済動向を会計で読む■ 大半の大学を職業訓練校に 後から紹介しますが、政府の産業競争力会議の新しい成長戦略の中に、高等教育機関の改革も盛り込まれようとしています。少子高齢化への世界一の加速度的スピードで移行している日本が、少ない労働力で多くの高齢者を支えるには、労働者一人一人の生産性を上げる必要があります。そのために、一部の大学を職業訓練校に衣替えさせて、職業訓練度を上げることを目指す動きが活発になっています。 2015/1/19|日本経済新聞|朝刊 (エコノフォーカス)稼げる大卒 どう育てる 就職率低迷、2割が非正規雇用 職業教育重視の動き(注)日本経済新聞の記事へ直接リンクを貼ることは同社が禁じています。お手数ですが、一旦上記リンクで同社TOPページに飛んでいただき、上記リード文を検索すればお目当ての記事までたどり着くことができます 「大学での勉強が若者の役に立っていない――。そんな問題意識が世の中にじわりと広がっている。大学進学率は5割を超す一方、就職率は低迷している。大卒者が就いた仕事を雇用形態で見ると、非正規の割合が2割に達する。政府内では実践的な職業教育をする新しい学校制度をつくる動きが出てきた。就職後に職場で役立つ技能や知識を学校でどこまで教えられるのか。課題も多い。」 この記事内で、昨年10月に文部科学省が開いた有識者会議に、経営共創基盤の冨山和彦CEOが提出した案は、 ① 大学を、国際的に競争する「G(グローバル)型大学」と地域に根ざした「L(ローカル)型大学」に分類する ② ごく一部のトップ校以外はL型大学と位置づけ、職業訓練校にする というものです。 その教育内容の明細は、下記、新聞に掲載された表の通りです。 そして、こうしないと、増える高齢者を支えきれないとする根拠として、OECDの大学教育費のROIが、先進国中(平均:約14%)で、日本が約7.5%と半分で最下位である事実が挙げられています。 これは、同じく新聞に掲載された下表の一番下のものをご覧ください。 マイケル・ポーターの戦略論を学ぶより、弥生会計ソフトの使い方を学んだ方が、教育費の元が取れるのだそうです。 ■ 外国に理想型を求める功罪ドイツでは、マイスター制度があり、小学校や中学校進学の度に、学力や適性に応じて、複線的な教育プランが用意されており、職人としての産業教育の道が広く開かれており、ドイツのものづくりを支えています。 フランスでは、8000もの職業資格が定義されており、能力・技能の見える化が行われています。そのため、「転職」ではなく、「転社」による人材の流動化の方が一般的です。 えーとですね、日本のものづくり現場やそれを支える販売や開発の現場でも、一部に「マイスター制度」を持つ企業がありますが、ほとんどは出身学部(文系・理系)を問わずに配属され、さらに年単位では社内異動があり、同一企業内で「転職」が普通に行われます。 そうすることで、他部門の事情にも精通し、全社を挙げてのすり合わせができるわけです。この全社最適を志向する「すり合わせ」ができるように、新卒一斉採用でかつ、社内における長期的教育制度(OJT中心、部署異動あり)を標準装備していたからこそ、80年代まで、日本の製造業はグローバル競争力を高く維持してきたわけです。 筆者も、代表的なところで、経理部、経営企画部、情報システム部、総務部、経営品質革新室などなど、あくまでバックオフィス中心ですが、職場異動の経験者であります。 拾うものあれば捨てるものあり。 (わざと逆に言っています、、、) ■ 冨山氏のロジック後日、後追い記事がでました。 2015/1/28|日本経済新聞|朝刊 (働き方Next)インタビュー(5)変わる就労観 どう向き合う 大学の大半 職業訓練校に 「そもそも、日本国内ではグローバルに戦える人材の育成システムがない。テニスに例えるなら、錦織圭選手級の人材が求められているのに、国体選手を育てているようなものだ。ごく一部のトップ大学を絞り込み、欧米の一流大学並みに少数精鋭の人材を育成する仕組みが必要だろう」 「日本の雇用の7割強はサービス産業で、その多くは地方で勝負するローカル型企業だ。こうした企業で働く人にとって必要なのはシェイクスピア文学ではなく外国人用の観光英語、刑法ではなく道路交通法だ。G型大学を絞り込む一方、大半の大学は実践力を磨くL型に衣替えした方がいい。いわば職業訓練校だ」 一理あると思います。 就労前に、必要な職業訓練を施しておけば、採用企業側も即戦力として期待できます。しかし、「職業訓練内容」=「就業職種」となりますので、専門性が高まる分、汎用性を引き換えに失います。むしろ、自由主義経済の信奉者から言わせれば、「採用企業側の選択の余地が広がることはかえって、就職希望者とのマッチングがスムーズにいく」ということなのでしょう。 この場合、就労後の社内教育費がまんま浮くことになります。その分、企業収益が改善し、法人税収が上がり、職業訓練への公的支援もしやすくなる、または既就労者への賃金が上がり、子弟の教育費に回せる金額も増える、ということで、職業訓練費の負担者が移動することになります。 この辺は次章で別の有識者の意見を聞いてみたいと思います。 ■ 柳川氏の持論柳川教授は、企業が職業訓練するお金も意味も無いと主張されています。 2015/1/29|日本経済新聞|朝刊 (働き方Next)インタビュー(6)「40歳定年」で次の挑戦 スキル・知識を磨き直し 「 ――企業内でもスキルの向上はできるのでは。  「企業内の人事・研修制度は限界にきている。まず産業の浮き沈みが激しくなっており、余剰人員の『適所』が社内にあるとは限らない。企業がM&A(合併・買収)で成長事業を手に入れても、衰退事業から全員をシフトできない限り、『社内失業』が発生する」  「社内教育も難しい。知見のない異分野のことを社内で教えるのは無理だ。外部講師を雇おうにも企業の研修予算はバブル期に比べ減っている」」 つまり、長期的就労(いわゆる終身雇用)が前提の「社内教育」は、その会社の既存事業に対する全社規模でのすり合わせ能力の開発には、確かに有効なのですが、昨今の変化の激しい市場環境では、会社の仕組みや事業ポートフォリオを速やかに変化させていかなければなりません。 そうすると、わざわざ高いコストをかけて、社内専門知識・スキルだけが高い人を抱えているのが採算に合わなくなります。そこで、人材流動化を前提に(柳川教授は従来から、この記事内でも40歳定年制を唱えていらっしゃいます)、公的セーフティネットの中で、再就職のための職業訓練を施すことを提唱されています。 一見、経済合理的な案とは思いますが、 ① その時その時の需要に合った職業訓練メニューが公的機関で適切に判断して提供できるのか ② 働く環境に対する安定・安心を重視している就業者には、中長期的な就労を提供できるような企業側の工夫を促進する策はないか ③ 上記②の理由の一部にもなっているが、転社を前提とした、税・社会保険などの仕組みはきちんと整備されているか という問題があると思います。筆者自身、複数回の転社および転職を経験していますので、こういう問題には敏感に反応してしまいます。401k(確定拠出年金)って、ポータブル性がセールスポイントでしたが、何回かの転社の際、持ち運べた時も、持ち運べなかった時もありましたよ。 ■ とどめはアベノミクス第三の矢でこういう動きは、政府主導な面もあります。 2015/1/30|日本経済新聞|朝刊 新成長戦略、職業教育で人材力磨く 政府が検討方針 労働力・市場縮小補う 「政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は29日、今夏にまとめる新しい成長戦略の検討方針を決めた。若者が現場で役立つ知識や技術を学べる新しい教育制度や、中高年の能力開発につながる出向制度の創設が柱だ。治療目的の訪日外国人の増加も目指す。労働者の生産性向上と外需の取り込みを進め、労働力の減少と国内市場の縮小を補う狙いがある。」 「若者向けには、実践的な能力を身につける「高等教育機関制度」の創設を掲げた。現在の専門学校などを同機関に転換し、経営者による授業や企業へのインターンシップなど産業界を巻き込んだ教育を行う。卒業生を大学卒業と同じ扱いにすることも検討する。」 まあ、大卒というステータスは保証するから、それなりの偏差値の人は、大学という名の職業訓練校で手に職をつけて、増える高齢者の年金・医療を支えてください、ということらしいです。 ■ 最後は流行の学説で締めます今はやりの、ピケティ教授の言い様で今回は締めたいと思います。 2015/1/30|日本経済新聞|朝刊 ピケティ氏講演 教育や労働市場、経済格差の原因 「各国で広がる富や所得の格差は「グローバル化の結果だけではない」と述べた。「教育や労働市場、企業統治、財政政策が長期的に決定する」として、各国の制度や政策が大きな影響を与えると強調した。」 貧乏人の子は貧乏人にならないようにするには、きちんと、教育を施せ、ということを主張されています。 「資本収益率(r)> 経済成長率(g)」の式ばかり、取り沙汰されていますが、ちゃんとあの大書をすべて読んでからいろいろ批評してほしいですよね。筋の通った政策論もおっしゃっていますよね。 それから、気になるコラムがありましたのでご紹介します。 2015/1/29|日本経済新聞|朝刊 (春秋) (都合により全文転載) 「みすず書房の本はかつて、インテリの象徴だった。あの白い装丁と、そこに綴(つづ)られた思想、哲学、芸術……。フランクルの「夜と霧」やアーレントの「全体主義の起源」を読むのが大学生のたしなみとされたのだ。そんな版元の一冊が、時ならぬブームを起こしている。  昨年末の小欄でも触れたその本、トマ・ピケティ氏の「21世紀の資本」は異例の13万部を突破したそうだ。来日した著者はきょうから講演やシンポジウムに出ずっぱりらしい。きちんと読むと大変な著作だから「60分でわかる」「30分で理解する」などと銘打った関連書や雑誌も相次ぎ、ピケティさまさまの出版界である。  もっともこれほど注目されるのは、この本が格差や機会の不平等を説いて誰もが無視できないからに違いない。著者の指摘がそのまま日本にあてはまるかどうかはともかく、世代間格差や若者たちの閉塞感といった問題を考えるきっかけにもなろう。雇用は不安定、年金にも頼れない、と若い人が希望を持てぬ社会なのだ。  アジア10カ国の若者を対象にした日本経済新聞社の調査によれば、「過去1年に経済的余裕があった」と答えた人は10カ国で最も少なかったという。収入の目減りだけでなく、将来への漠然とした不安も背景にはあるだろう。ちなみにかのピケティ本、税込み5940円もするから買っていくのは中高年が多いそうである。」 貧乏な若者は、格差是正を論じている本すら高くて買えない現実。。。 何か世知辛いものを感じたのは筆者だけでしょうか?現役の経営コンサルタントが管理会計をテーマに情報発信します